イラク自衛隊派兵法(特措法)廃止と

真のイラク人道復興支援法成立の提案(素案)

 

イラクにおける人道復興支援活動および安全確保支援活動
の実施に関する特別措置法の廃止に関する法律案(素案)

第1条 イラクにおける人道復興支援及び安全確保の実施に関する
特別措置法を廃止する。
 
第2条 この法律は、公布の日から施行する。
 
 理 由
 イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する
特別措置法(以下「イラク特措法」という)は、イラク領内及び公海上に自衛隊を
派遣することを主たる目的とするものである。また、派遣されたる自衛隊(員)に対し
広範な武器使用の権限を認めている。
 しかしイラク特措法は、歴代政府でさえ「専守防衛」を主張してきた自衛隊を
イラク領内にまで派遣するものであり、かつ、派遣された自衛隊がイラク民衆を
殺傷する危険性がきわめて高い。このような法律は、戦争の放棄、戦力の不保持
および交戦権の否認をさだめる憲法9条が厳に禁止しているところである。
憲法に違反する法律は存続を許されない。
 
 イラク特措法にもとづく対応措置は「現に戦闘行動が行われておらず、かつ、
そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがない」と
認められる場合に限って実施されるものとなっている。(2条3項)。
 ところがイラクの現状をみると、ブッシュ米大統領が戦闘終結を宣言した
2003年5月1日以降も戦闘行為が継続、拡大し、それがイラク全体に
およんでいることが明白である。このような状況のもとで、イラク特措法は
その適用の条件を喪失している。このような法律を存続させる必要はない。
 

新しいイラク人道支援立法についての提案

 世論調査等によれば、国民の過半数が現状でのイラク派兵に反対している。
それにもかかわらず、イラクの人道復興支援にたいし、日米の政府および国民が
参加、活動すること自体は望ましい。
 そのためにも、イラク特措法をいったん廃止し、国民合意のもとで新たな
イラク人道復興支援立法を行うべきである。
 しかしそれには、以下の要件が整備されることが望ましいし、また必要である。
  米英軍によるイラクに対する軍事占領を早期に終結させ、民主的に選出されたイラ
  ク政府に統治権が委譲されること。
  国連決議にもとづき、イラクにたいする人道復興支援活動が国連主導で行われること。
  戦闘状態が終結し、イラク政府のもとで治安が回復されること。
 自衛隊は派遣せず、また、政府機関のみならずNGOなど民間の個人、団体を含めた
イラク派遣が行われること。
 今イラク国民に緊急に必要されている医療医薬品支援、食糧支援、水道など
インフラ整備支援などを行う場合、それらに従事する人びとの安全については、
即時国連の指導下に安全確保がなされるべきである。しかし、米英軍が占領を
継続している極短期の暫定期間は、米英軍は安全を保障する責任を持つべきである。
米英軍の占領下といえども人道支援を遅らせることは、イラク国民の苦痛を和らげる道ではない。

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