消えゆくジュゴンの楽園
21世紀 美ら海/島・沖縄を残したいのです
いま、九州・沖縄サミットの会場に近い名護市辺野古周辺に「普天間飛行場」移設に名を借りて、台湾海峡や朝鮮を射程距離においた米軍の最新鋭軍用機MV -22オスプレイの基地が造られようとしています。しかし、この問題は1997年の市民投票で明確に「NO!」の審判が下されています。この住民の意思 を、民主主義の国を名乗る日米両政府が踏みにじることが許されるでしょうか?
基地建設が予定されている辺野古沖には、国際的な自然保護動物に指定されているジュゴンや、サンゴ礁に彩られた豊かな自然が存在しています。もしこの区域 に新しい米軍基地が建設されれば、多くの生命を育んできた豊かな生態系は壊され、エメラルドの海はその輝きを失い、ジュゴンも姿を消すことになるでしょ う。

米軍基地が計画されている辺野古沖の地域(ジュゴンの生息地)

将来配備が予定されているMV22オスプレイは、現在配備のCH-46の2倍の速度、5倍の航続能力、3倍の積載能力をもち、空中給油も可能。沖縄から朝鮮半島、台湾への自力展開も可能で、騒音がひどく、事故も多発しています。


沖縄の米軍基地

基地の中に沖縄がある
静かな夜を返してほしいのです
沖縄戦で米軍に接収され、「銃剣とブルドーザー」による威嚇で強権的に広げられた沖縄の米軍用地は、もともと県民が所有した土地であり、その面積は、在 日米軍の専用施設の75%をしめています。この沖縄の基地を米軍は、アジア・太平洋、さらには中東地域に軍事作戦を展開する要石に据えて、居座り続けてい ます。
半世紀にわたる米軍の基地支配は、軍用機の墜落や騒音、軍用車による交通事故、実弾射撃による山火事や劣化ウラン弾の誤爆と放棄、基地用地からのPCBの排出など、深刻な被害をもたらしています。

米軍駐留経費の日本の負担は打ち切るべきです
このように米軍基地の存在が県民の暮らしを脅かしているにもかかわらず、その駐留経費は日本政府が負担しています。「思いやり予算」と称し、私たちの税金から2千数百億円ものお金が毎年米軍基地のために使われているのです。
この負担額は、米国の同盟関係にある22カ国の中で最も多く、日本を除く同盟国の「直接支援」額の合計の5.2倍にもなります。安保条約にも地位協定にも負担義務の明記されていない、この「思いやり予算」は、きっぱりと打ち切るべきです。

沖縄発 平和のメッセージ
二度とこの悲劇を繰り返さないために…
さらについ最近も、アパートで就寝中の女子中学生が米海兵隊員に襲われる事件がおきました。米兵による性犯罪件数は、右のグラフのように、1972年の 祖国復帰以来、海兵隊駐留地では世界一位なのです。こうした女性や子どもの、人間としての尊厳を踏みにじる行為を許すことができるでしょうか。
1995年に起きた米兵による少女暴行事件は、沖縄県民の怒りを呼び覚まし、基地と隣り合わせにくらすことの危うさ・苦しみ・不安を、私たち日本人にあら ためて問い直しました。1ヶ月後に開催された沖縄県民大会で、女子高生が訴えた言葉には、すべての沖縄県民の願いが込められていました。

「私たちに、平和な沖縄を返してください。軍隊のない、悲劇のない、平和な島を返してください。」


私たちは、21世紀に生きる世界の人々に向けて、心から訴えます。


武力によらない安全・平和を!
アメリカの軍事力による世界支配にNO!を

1995年10.21沖縄県民総決起大会
「米軍人による少女暴行事件を糾弾し、日米地位協定の見直しを要求する」この集会は、約8万5千人の参加者で会場は埋め尽くされました。


呼びかけ人-沖縄県 佐久川政一[県民会議共同代表・沖縄大学教授]中村文子[県民会議共同代表・1フィート運動の会]平良 修[県民会議副代表・牧師] 安次富浩[名護市ヘリ基地反対協代表]金城祐治[辺野古・ヘリポート建設阻止協議会・命をまもる会代表]東恩納琢磨[ヘリ基地いらない二見以北十区の会代 表代行]高江洲あやの[基地はいらない御万人ネット]阿波根昌鴻[(財)わびあいの里理事長・反戦地主・命どう宝の家「平和資料館」]呼びかけ人-他の都 道府県 上原成信[沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック・3.17集会呼びかけ人]大津健一[日本キリスト教協議会・3.17集会呼びかけ人]内田雅敏[弁 護士・3.17集会呼びかけ人]武田隆雄[日本山妙法寺・3.17集会呼びかけ人]小板橋稔市良[新横田基地公害訴訟団代表幹事]国弘正雄[エジンバラ大 学特任客員教授]本多勝一[ジャーナリスト]浅井基文[明治学院大学教授]ほか、145名。●2000年7月14日現在、この運動への賛同者・団体は 1752人・団体です。