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(普天間通信)伊波洋一さん、嘉手納爆音訴訟弁護団長池宮城紀夫さんと懇談(1)

(普天間通信)伊波洋一さん、嘉手納爆音訴訟弁護団長池宮城紀夫さんと懇談(1)

みなさん

平山基生(@普天間―東京・麻布ヘリ基地)です

[普天間、麻布ヘリ基地の両地在住、現在普天間居住の意]

昨日午後、私のアパートの近くにある伊波洋一事務所で伊波さんと1時間ほど懇談しました。夜は池宮城弁護士と懇談しました。

伊波さんは、新しい名刺をつくり、わたしも宜野湾と東京の二つの住所がある名刺を作っていましたので、それを交換しました。

伊波さんの名刺の裏には、次のように書かれていましたので、ご紹介します。

 

前・宜野湾市長

たくさんのご支持、ご支援をいただいたにも関わらず、私の力不足で2010年の知事選挙は目票を達成できず、申し訳ありませんでした。

皆様のご支援、本当にありがとうございました。

広大な米軍基地こそが沖縄の発展を阻害し、社会福祉施設の遅れや全国最低の所得、全国2倍の失業率を生み出しているのだと確信しました。

基地跡地を含めて沖縄の可能性、ポテンシャルは高く、離島を含めて沖縄各地で産業振興施策必要性を痛感いたしました。

私は捲土重来を期して、今後とも「新しい沖縄へ」を掲げて、沖縄の自立と発展のために取り組んでまいります。

引き続き、これからもよろしくお願い申し上げます。

 

 「捲土重来(けんどちょうらい)」という言葉は、前に敗れた者が、いったん引きさがって勢いを盛り返し、意気込んで来ること」と国語辞典に出ています。

 

 まさに、伊波さんは、その意気込みで、毎日を闘い進んでいる、と感じました。伊波さんの言葉ですが、(2014年の次回県知事選まで)「長丁場なので、強弱をつけて活動していきます。今年は、全国を回ることを重点にしたい」と話しました。

 

 池宮城弁護士や私など4人が共同代表をしている、「沖縄・日本から米軍基地をなくす草の根運動」は、今年で創立10周年になるので、これを記念することも兼ねて、12月3日土曜日に、伊波洋一氏を招いて、シンポジウムか講演会を催すことを相談すると、快諾して下さいました。

 

 私は、伊波さんの意気込みに、一種の感動を覚えました。そして、4年足らずになった次回県知事選には、どんなことがあっても当選させたい、という思いを伝えると、伊波さんは、さっと私に手を延ばして下さり、私たちは、固い握手を交わしました。

 

 昨日の「沖縄タイムス」(3月22日)連載「メア氏更迭 舌禍への怒り」3には、伊波さんが登場し、メア暴言を「移設進まず いら立ち表れ」という見出しでした。伊波さんは、県知事選で仲井真氏が当選したが、メア氏は、頼りにしていた仲井真氏が、県内移設反対を掲げていたので、いら立っていたに違いない。なぜなら、メア氏の暴言は12月3日であり、11月末の県知事選からあまり日をおいていない、と分析していました。

 伊波さんの冷静な分析には、感心します。

 

 私が、普天間に半移住して、いまさらながら、日本は、軍事的にも半占領状態にあることを痛感した。安保条約(「安全保障」条約)と言う名称自体がウソで、安全保障とは、国の独立と平和、生活を守ることであるのに、事実は、外国軍の駐留を半永久化し、完全占領ではないが、半占領と言ってよい状況を作り出している、伊達判決はそういうことを批判している。安保はそういうウソのネーミングであり、真実は半占領条約と言うべきではないか。ところが、21世紀になって、間もなく出された重要な政治文書からは、それまであった、「半占領」という言葉が消えたしまった、と言いました。

 すると、伊波さんは、「本土では、基地が見えにくくなったからではないですか。沖縄では違いますけれど」と分析して見せました。

 

 池宮城紀夫弁護士との懇談については、次の機会にいたします。

(普天間通信)侮辱されているのは、沖縄だけではありません、日本です!- メア発言に思うこと

みなさん

平山基生(@普天間―東京・麻布ヘリ基地)です[普天間、麻布ヘリ基地の両地在住、現在普天間居住の意]

 

 

米国務省日本部長は、沖縄・日本を愚弄

 

37日月曜日に宜野湾市に帰りました。帰って来たその日の「沖縄タイムス」「琉球新報」は、前原外相辞任がトップ記事ではありましたが、それに次ぐ大見出しでメア米国務省日本部長の「差別発言」を報じました。「沖縄タイムス」社説は「信じられない侮辱発言」という見出しでした。

 

昨日8日は、さらに両紙ともトップ記事で、メア発言の詳細を報道。怒りを表明。「琉球新報」社説も「解任し米の認識改めよーゆがんだ沖縄観を投影」と言う見出しでした。

 

今日9日は、両紙とも、第2回目の社説を出しました。

「沖縄差別発言―メア氏を解任すべきだ」(タイムス)、「日本の外交―なぜ米大使呼び付けないー救い難い鈍感ぶり」(新報)と言う社説でした。タイムスは、メア発言全文を掲載しました。

 

沖縄の新聞を見ると、次第に本質に迫りつつありますが、当初の見出しは、「ゆがんだ沖縄観」(新報8日社説)とか「沖縄差別発言」(タイムス9日社説)とか、の論評でした。これは、メア亡言・妄言・暴言が、全体として、日本文化など日本を侮辱した文脈の中で、とりわけ沖縄を侮辱しているという全体を見あやまらさせる危険も持ったものでした。

メア発言全文は下に掲載しますが、その一部をとってみても日本を侮辱するものです。「日本の文化は合意に基づく和の文化だ。合意形成は日本文化において重要だ。しかし、彼らは合意と言うが、ここで言う合意とはゆすりで、日本人は合意文化をゆすりの手段に使う。合意を追い求めるふりをし、できるだけ多くの金を得ようとする。沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ。」というものです。 

 

このように、日本文化を侮辱しそして沖縄を侮辱しているのです。

 

上に引いた引用から言えば「ゆがんだ日本・沖縄観」であり、「日本・沖縄差別発言」であり、沖縄のメディアのみならず、全国紙と言われる各紙がそう報道すべきものでした。

 

 しかし、38日朝刊に、毎日が「ひろがる抗議」、朝日が38面に「沖縄反発 『米の本音か』」、同日夕刊に、毎日が、10面に4段で「沖縄県議会抗議決議」、朝日が3段で「ゆすりの名人 ひろがる波紋」と、事は単に沖縄のことであるかのような記事でした。メア発言は、直接的に日本に加えられた侮辱であり、その集中表現として沖縄があげられているにもかかわらず、侮辱を侮辱と感じないひとごとのようなこの日本全国紙でした。

 

常づね、私は「日本人は頭の中まで半占領されている」と、言ってきました。全国紙は、まさに、米国と一体の感覚の亡国のマスコミである、と言っても過言ではありません。いったい、マスコミのオピニオンリーダーたちは、日本人なのかアメリカ人なのか!侮辱されても侮辱と感じないのか!と言わなければなりません。

 

いわゆる本土の民主団体も、正確にメア発言を読んでいないのでしょう。抗議声明を出したことはそれとして評価できます。しかし、それは、「沖縄県民に筆舌に尽くせない苦しみを与えてきた当事者が、県民を侮辱し、事実を偽った発言をおこなうことは言語道断だ」と述べていると報道されており、報道の限りでは、日本や日本文化が侮辱されていることへの怒りの表現は見られません。

北沢防衛大臣や枝野幸男官房長官は、「沖縄が怒るのも当然」と、これまた、日本全体への侮辱ではなく、沖縄への侮辱に意識的にか無意識的にかすり替えています。

 

これらを見てもわかるように、自分たちが侮辱されていても、[自分たちとは違う]沖縄が侮辱されたととらえる「半占領不感症」が、マスメディア、政府当局はもとより、基地をなくす運動をしている人たち・団体の中にまで広がっていることは恐るべきことです。

 

みなさまには、米国務省日本部長の発言全文をぜひ、ご自分の目で読み、ご自分の頭で御判断を頂きたいと思い、資料室に全文を転載しておきます。

 

2010年12月3日のメア発言(沖縄タイムスより)http://www.kusanone.org/modules/archives/index.php?content_id=9