(普天間通信)侮辱されているのは、沖縄だけではありません、日本です!- メア発言に思うこと

みなさん

平山基生(@普天間―東京・麻布ヘリ基地)です[普天間、麻布ヘリ基地の両地在住、現在普天間居住の意]

 

 

米国務省日本部長は、沖縄・日本を愚弄

 

37日月曜日に宜野湾市に帰りました。帰って来たその日の「沖縄タイムス」「琉球新報」は、前原外相辞任がトップ記事ではありましたが、それに次ぐ大見出しでメア米国務省日本部長の「差別発言」を報じました。「沖縄タイムス」社説は「信じられない侮辱発言」という見出しでした。

 

昨日8日は、さらに両紙ともトップ記事で、メア発言の詳細を報道。怒りを表明。「琉球新報」社説も「解任し米の認識改めよーゆがんだ沖縄観を投影」と言う見出しでした。

 

今日9日は、両紙とも、第2回目の社説を出しました。

「沖縄差別発言―メア氏を解任すべきだ」(タイムス)、「日本の外交―なぜ米大使呼び付けないー救い難い鈍感ぶり」(新報)と言う社説でした。タイムスは、メア発言全文を掲載しました。

 

沖縄の新聞を見ると、次第に本質に迫りつつありますが、当初の見出しは、「ゆがんだ沖縄観」(新報8日社説)とか「沖縄差別発言」(タイムス9日社説)とか、の論評でした。これは、メア亡言・妄言・暴言が、全体として、日本文化など日本を侮辱した文脈の中で、とりわけ沖縄を侮辱しているという全体を見あやまらさせる危険も持ったものでした。

メア発言全文は下に掲載しますが、その一部をとってみても日本を侮辱するものです。「日本の文化は合意に基づく和の文化だ。合意形成は日本文化において重要だ。しかし、彼らは合意と言うが、ここで言う合意とはゆすりで、日本人は合意文化をゆすりの手段に使う。合意を追い求めるふりをし、できるだけ多くの金を得ようとする。沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ。」というものです。 

 

このように、日本文化を侮辱しそして沖縄を侮辱しているのです。

 

上に引いた引用から言えば「ゆがんだ日本・沖縄観」であり、「日本・沖縄差別発言」であり、沖縄のメディアのみならず、全国紙と言われる各紙がそう報道すべきものでした。

 

 しかし、38日朝刊に、毎日が「ひろがる抗議」、朝日が38面に「沖縄反発 『米の本音か』」、同日夕刊に、毎日が、10面に4段で「沖縄県議会抗議決議」、朝日が3段で「ゆすりの名人 ひろがる波紋」と、事は単に沖縄のことであるかのような記事でした。メア発言は、直接的に日本に加えられた侮辱であり、その集中表現として沖縄があげられているにもかかわらず、侮辱を侮辱と感じないひとごとのようなこの日本全国紙でした。

 

常づね、私は「日本人は頭の中まで半占領されている」と、言ってきました。全国紙は、まさに、米国と一体の感覚の亡国のマスコミである、と言っても過言ではありません。いったい、マスコミのオピニオンリーダーたちは、日本人なのかアメリカ人なのか!侮辱されても侮辱と感じないのか!と言わなければなりません。

 

いわゆる本土の民主団体も、正確にメア発言を読んでいないのでしょう。抗議声明を出したことはそれとして評価できます。しかし、それは、「沖縄県民に筆舌に尽くせない苦しみを与えてきた当事者が、県民を侮辱し、事実を偽った発言をおこなうことは言語道断だ」と述べていると報道されており、報道の限りでは、日本や日本文化が侮辱されていることへの怒りの表現は見られません。

北沢防衛大臣や枝野幸男官房長官は、「沖縄が怒るのも当然」と、これまた、日本全体への侮辱ではなく、沖縄への侮辱に意識的にか無意識的にかすり替えています。

 

これらを見てもわかるように、自分たちが侮辱されていても、[自分たちとは違う]沖縄が侮辱されたととらえる「半占領不感症」が、マスメディア、政府当局はもとより、基地をなくす運動をしている人たち・団体の中にまで広がっていることは恐るべきことです。

 

みなさまには、米国務省日本部長の発言全文をぜひ、ご自分の目で読み、ご自分の頭で御判断を頂きたいと思い、資料室に全文を転載しておきます。

 

2010年12月3日のメア発言(沖縄タイムスより)http://www.kusanone.org/modules/archives/index.php?content_id=9

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