月別アーカイブ: 2007年4月

琉球新報・沖縄タイムス 関連ニュース・社説(4月24日、25日)

南京大虐殺を朗読劇に 来月、東京の劇団が上演

朗読劇の鑑賞を呼び掛ける実行委メンバーら=23日、県庁
 「南京大虐殺」をテーマにした朗読劇「地獄のDECEMBER(12月)―哀しみの南京」が5月6、7の両日、県内で上演される。東京で劇団「IMAGINE21」を主宰する渡辺義治・横井量子夫妻が、朗読と芝居で日本の「加害」に向き合う。沖縄公演実行委員会の谷昌二委員長らは「日本の歴史の嫌な面を見つめることを通してこそ、将来の幸せも考えられる。一人でも多くの人に見てもらいたい」と鑑賞を呼び掛けた。
 渡辺さんの父親は関東軍の鉄道部隊中尉だったといい、横井さんの家族は日本軍相手の商売で利益を得ていたという。劇は夫妻の家族の軌跡、そして自身の人生を見つめるところから始まる。日本軍がかつて中国で繰り広げた殺りくや女性暴行の様子を、証言などに基づいて表現する。
 実行委員メンバーの日本中国友好協会県支部の上原源栄支部長は、日中戦争の発端となった1937年の盧溝橋事件から70年の節目となることに触れ「中国と草の根の交流を深めたい。そのためにはまず、日本が何をやったか認識しなければいけない」と強調した。
 沖教組那覇支部の鶴渕信子書記長は「教科書問題で揺れる中、“軍命”の本質も理解できるのではないか。多くの教職員にも見てほしい」と話している。
 公演は6日が午後6時半からパレット市民劇場、7日は午後7時から沖縄市民劇場あしびなーで。入場料は大人2800円、大学生2000円、中高生1500円。問い合わせは098(942)1101。
(4/24 9:41) 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23237-storytopic-1.html

ポスト京都議定書・米中を連携協議の枠組みに
 地球温暖化が進み、予想以上に厳しい専門家の将来予測が相次いで示されている中、ポスト京都議定書に向けて、日米が連携を強化する方向へ歩みだした。
 地球温暖化対策として温室効果ガスの削減を初めて義務付けた京都議定書が採択されて今年で10年の節目の年を迎える。5年間の削減実施期間が来年から始まる。
 京都議定書に定めがない2013年以降の国際的枠組みづくりに向けて動きが活発になってきた。
 27日の安倍晋三首相とブッシュ大統領の日米首脳会談で温暖化対策を連携強化する共同文書を発表することが固まった。
 最大の温室効果ガスの排出国・米国はクリントン政権当時に京都議定書に署名しながら、ブッシュ政権が発足して間もなく批准を拒否、京都議定書から離脱した。
 この米国の離脱に加え、米国に次いで排出量の多い中国が規制の対象から外れているため、京都議
定書の実効性が疑問視されてきた。
 ここに来て米国の国内環境が変わりつつある。ブッシュ大統領は京都議定書不支持ながら、今年1月の一般教書演説でガソリンの消費量削減を打ち出すなど温暖化対策に前向きの姿勢をみせた。4月には政府に規制を命じる連邦最高裁の判決もあった。
 こういった流れもあり、ブッシュ政権も日米首脳会談では次官級協議機関の設置、省エネルギーを含む環境分野の革新的技術の共同開発などを共同文書に盛り込むことで調整を進めている。
 安倍首相は温室効果ガス排出量の多い中国の温家宝首相との東京での会談で新たな国際枠組み構築への協力を確認したばかりだ。
 京都議定書の枠組みから外れている米国と中国の両国が国際的枠組みづくりの協議に参加、協力が得られる意義は大きい。
 温暖化対策は6月の主要国首脳会議(ドイツ・ハイリゲンダム・サミット)でも議題だが、来年、日本の北海道で開かれるサミットの主要議題でもある。
 議長役を務める安倍首相には、ポスト京都に向けて強いリーダーシップを発揮してほしい。
(4/24 9:44)
琉球新報 社説
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23236-storytopic-11.html

宜野湾市長選挙・基地負担軽減を粘り強く
 米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市の市長選挙は現職の伊波洋一氏が再選を果たした。
 同市は中央部に普天間飛行場が居座り、北側にキャンプ瑞慶覧が広がる。その基地面積は全市域の32・4%をも占める。とりわけ普天間飛行場を離着陸するヘリの騒音が市民生活を脅かしている。3年前の2004年8月には同基地所属のヘリが基地に隣接する沖縄国際大学構内に墜落し、爆発、大破、炎上する事故も発生している。
 それだけに宜野湾市民は基地に敏感だ。普天間飛行場の県内移設に反対し、グアムなど国外への移設を訴えてきた伊波氏を市民は選んだ。
 普天間飛行場の移設が日米で合意されてから11年。地元の頭越しに移設を進めようとする日米両政府の移設作業は難渋、まだ動かない。伊波氏は公約通り国外移転を訴えるとともに、早急な危険性の除去、基地の負担軽減を粘り強く訴えてほしい。
 基地問題への取り組みをはじめ、現職としての実績も評価された。同じ日に投開票が行われた参院沖縄選挙区・補欠選挙での宜野湾市での得票は自民、公明推薦の島尻安伊子氏が2万247票、社民、社大、共産、民主、国民新党推薦の狩俣吉正氏が1万7989票。島尻氏が2000票余もリードしたが、市長選挙では逆に、伊波氏が自民、公明両党の推薦候補に3800票余の差で勝利したことが実績の評価を示しているといえよう。
 参院補欠選挙の投票率は47・81%で、全県選挙としては初めて50%を割り過去最低を記録したが、宜野湾市長選挙は14年ぶりに60%を超える60・39%を記録した。
 宜野湾市の置かれた状況が、有権者の関心の高さにつながった。それと同時に、両陣営の精力的な取り組みも投票率のアップにつながった。
 自公推薦の外間伸儀氏の陣営も昨年11月の県知事選挙で勝利した仲井真弘多氏が宜野湾市でもリードした勢いに乗って保守陣営がまとまり、熱い選挙戦を展開、市政奪還を狙ったが及ばなかった。
 2期目の伊波氏には、選挙戦で訴えた公約の実行力が問われる。着々と進みつつある電子自治体に向けたIT化の推進、西海岸・コンベンション地域開発のさらなる推進、企業誘致、田イモ畑の保全。これまでも訴えてきた基地被害の防止、危険性除去についても取り組みを強化し、一歩でも前進させたい。
 普天間飛行場の返還に備えた跡地利用計画の推進も大きな課題だ。地権者、市民の積極的参加も得て、夢が膨らみ、宜野湾市全体の活性化にもつながる計画が求められている。
(4/24 9:46)
琉球新報 社説
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23236-storytopic-11.html

反戦地主の請求棄却 「処分は適法」
 米軍嘉手納飛行場内の契約拒否地主の土地二筆について、米軍用地特別措置法(特措法)に基づき強制使用を認定したのは憲法違反として、共有地主154人が内閣総理大臣に使用認定取り消しを、127人が県収用委員会に使用裁決取り消しを求めた2つの訴訟の判決が24日午後、那覇地裁であった。
 大野和明裁判長は「原告らが主張する沖縄の米軍基地形成の歴史的経過などを考慮しても本件使用認定に裁量の逸脱や乱用があるとまではいえない。本件各処分は適法」として、原告の請求をいずれも棄却した。
 原告らは一筆の軍用地について共有で登記する一坪反戦地主会のメンバー。原告側によると、一坪反戦地主会が原告となった訴訟への判決は今回が初めて。
 使用認定取り消し訴訟では、小泉純一郎首相=当時=が2002年11月8日、嘉手納飛行場内に原告らの共有地について強制使用を認定したことについて、原告は「平和主義をうたう憲法の前文や9条、財産権の不可侵を定めた29条などに違反し許されない」などと訴えていた。
 また県収用委員会(玉城辰彦委員長)を相手にした訴訟では、原告は同土地に対する05年7月の使用裁決を取り消すよう求めていた。
(4/24) 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23254-storytopic-1.html

県、事前調査に同意 ジュゴン配慮求め 普天間移設
 米軍普天間飛行場移設先の環境現況調査(事前調査)で那覇防衛施設局が県に海域使用の申請をしていた件で、県土木建築部の首里勇治部長は24日午後、施設局の高木健司建設企画課長を県庁に呼び、名護市辺野古周辺の調査に関する海底使用への同意書を交付した。辺野古沖の平島、長島で確認されているアジサシ類の繁殖やジュゴンへの影響低減へ向け、専門家の指導・助言を得て調査機器の設置場所や方法を検討することなど15項目の配慮要望事項も添付した。県の同意を受け施設局は25日から機器の設置作業を実施する。
 県は同意書交付後、施設局の事前調査の地点数を公表。潮流など海象の調査機器が29カ所、サンゴ類調査39カ所、パッシブソナー(音波探知機)30カ所、ビデオカメラ14カ所の計112カ所に上ると明らかにした。反対派の妨害を想定し、具体的な調査位置は「公表すると(機器の)設置に支障がある」として公表しなかった。
 県の「配慮事項」ではジュゴンについて(1)機器設置は海草を避ける(2)作業船の高速航行を避ける(3)電気ブイの光度や灯質を検討し、数を最小限にする―などと6点の配慮を要求した。平島、長島のアジサシ類については繁殖への影響回避を求めた。
 首里部長によると、調査機器の設置作業の時間帯について、配慮事項では言及していないが、県と施設局との調整で日中に行われると確認した。
 今回、県が同意した海域面積は3442平方メートル。施設局の申請は、調査地点112カ所の3925平方メートルだったが、483平方メートルについては名護市管理の部分。県によると、こちらも施設局は17日に市から同意を得た。2004年の従来移設案建設に伴うボーリング調査では3783平方メートルだった。
 海域使用で県の同意を受け、防衛省首脳は24日、「住民に迷惑を掛けないよう配慮して調査を進めたい。(着手は)明日からだ」と述べ、25日に現場に機材を運び調査を進める意向を示した。
 那覇防衛施設局は24日午前、県の海域使用同意を必要としない海底の目視確認などに着手している。
(4/25 9:32) 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23258-storytopic-3.html

琉球新報・沖縄タイムス 関連ニュース・社説(4月25日)

辺野古沖調査・地元との話し合いが先だ
 普天間飛行場の名護市辺野古への移設作業は、V字形に2本の滑走路を建設する政府案の修正を県や名護市が求めているにもかかわらず既成事実だけが着々と積み重ねられている。
 那覇防衛施設局は建設に向けて、辺野古沖の環境現況調査(事前調査)に24日から着手、潜水士が海底のサンゴの状況を目視で調査した。
 そもそも県民の頭越しに日米で決めた移設案であり、地元の合意を得ていない段階での調査は大いに疑問だ。
 まず、代替施設の建設位置や運用方法などについて、県や名護市、辺野古住民と十分に話し合うことが先決ではないか。移設作業だけを突出して進めるのは拙速としか言いようがない。
 施設局が提出した公共用財産使用協議書に正式に同意を与えていない段階だったため、環境に直接手を付けず県の同意を必要としない作業を先行して実施した。
 やみくもに日米合意案での移設を急ぐ政府の姿勢が一段と鮮明になってきた。
 「現行のV字形案のままでは賛成できない」と公約し知事選に当選した仲井真弘多知事は、島袋吉和名護市長とともに、V字形滑走路を沖合に移動するよう求めている。事前調査は容認したものの、現状では環境影響評価(アセスメント)には同意できない―との考えだ。
 だが、守屋武昌防衛事務次官は「日本政府と米政府が合意した案は地元の調整を受けてできたものだ。現時点で変えることは全く考えていない。米国も同じ考え方だ」と繰り返し指摘、取り付く島がない。
 地元の意見に耳を貸さず、理解を得ることもないままに強引に移設作業を進めたのでは、いずれ行き詰まるだろう。
 そのことは、SACO(日米特別行動委員会)最終報告に基づく辺野古沖への移設が、住民らの反対運動に阻まれて頓挫した経緯を見ても明らかだ。
 政府は、日米合意案に執着するのはやめ、県民の声によく耳を傾けるべきだ。
(4/25 9:42)
琉球新報 社説
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23261-storytopic-11.html

[「代替施設」海域調査]
アセスの趣旨からも疑問
 那覇防衛施設局が名護市辺野古キャンプ・シュワブ沿岸部への普天間飛行場代替施設建設に伴う海域の現況調査に向けた確認作業に入った。
 辺野古沖案からV字形滑走路案に変更されてから初の調査だが、地元の反対と不安に配慮したやり方と言えるのかどうか。疑問と言うしかない。
 今回の調査は環境影響評価法の面からも問題点が指摘されている。沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団が強調する「アセス法(環境影響評価法)の方法書の手続きが完了する前に調査を行うことは違法」との見方である。
 県も「次の段階の環境アセスにつながるもので、V字形滑走路案などについて地元の意向も踏まえ協議した後にやるべき」と述べていたではないか。
 調査内容を非公開にしたことも疑惑を助長させる一因であり、透明性を重視する環境アセスメントの趣旨に照らして不自然なのは明白だろう。
 それが県民の不安と国に対する不信感を増幅させていることを無視してはなるまい。
 施設局は調査を「環境アセスと異なる」としている。それでも結果を環境影響評価に反映させることができるのであれば、それに言及しない国の手法が県民の理解を得られないのは言うまでもない。
 県が言うように「(代替施設の)早期移設が普天間飛行場の危険性除去」につながるのは確かだが、地元と県、国の移設協議が進んでいないというのもまた実態としてあるではないか。
 であれば、今回の施設局の動きに対し県はもっと毅然とした姿勢で臨むべきだったのであり、調査を許したことの責任は極めて重い。
 「県内ありき」で代替施設の建設を進めようとする日米両政府への不信感は大きいのであり、政府に対する県民の怒りを忘れてはなるまい。
 一方、県が事前調査を容認したことで、移設作業がなし崩し的に進められる恐れも出てきた。
 事前調査は「海底の国有財産の調査は県の同意はなくてもできるもの」(県)として済まされるものではないはずだ。
 なぜ県は調査を黙認したのか。これによって「普天間」移設のプロセスが形骸化しないのかどうか。地元をはじめ県民の不安はそこにもあり、県には説明責任が求められる。
 調査を強行することで地元住民や反対派との間に緊迫した状況をつくった施設局の姿勢は批判されてしかるべきだ。国と県、名護市は県民の不安、疑問にきちんと応える責任があろう。
沖縄タイムス 社説(2007年4月25日朝刊)
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070425.html#no_1

ギンバル返還 跡利用推進を要望

ギンバル訓練場に隣接する中川区住民を対象に開かれた説明会=24日夜、金武町の同区公民館
 【金武】日米特別行動委員会(SACO)で合意された金武町の米軍ギンバル訓練場の返還条件となっている米軍ブルービーチ訓練場へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設問題で、町当局と那覇防衛施設局は24日夜、ギンバル訓練場に隣接する中川区住民らを対象にした説明会を中川区公民館で開いた。住民ら約40人が出席し、町が推進する跡地利用計画への要望を出したほか、ヘリパッド移設後の騒音を懸念する声が上がった。
 町担当者や施設局職員の説明に対し、住民からは「ギンバル訓練場が返還されずにそのまま利用されることには反対。跡利用計画を金武町全体の事業として早く進めてほしい」「ヘリパッドが移設されるなら、米軍には飛行ルートや時間を守らせてほしい」などの意見があった。
 中川区の宜志富司区長は「跡地利用計画の財源が確保できる間に返還を進めてほしい」と述べた。
 同問題については、両訓練場内に土地を所有する並里区が反対を表明しており、10、11の両日の並里区への説明会でもヘリパッド移設に反対する意見が相次いだ。
 儀武剛町長は「各区から意見を聞き、町全体の基地負担軽減を考えて最終判断をしたい」と述べ、金武区や屋嘉区、伊芸区などでも説明会を開き、あらためて並里区との話し合いを行う意向を示した。
(4/25 9:53) 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23270-storytopic-1.html

機器設置へ作業本格化 「普天間」事前調査

海底の写真撮影後、機材を引き上げる作業員=25日午前10時ごろ、名護市辺野古沖
 【名護】那覇防衛施設局は25日午前、米軍普天間飛行場の代替施設建設に伴う、名護市辺野古周辺海域の現況調査(事前調査)の前段階となる潜水作業を前日に続き実施した。施設局が契約した漁船から潜水士が数カ所で写真を撮るなど、海底の状況を確認した。基地建設に反対する市民団体も前日に続いて反発。海上での抗議行動を展開した。
 早朝から続いた雨が一時的に降りやんだ午前9時すぎ、潜水士が確認作業を開始した。作業は辺野古周辺海域数カ所で同時に行われ、潜水士は海底の様子を目視やカメラで確認し、作業船に上がり記録を取っていた。作業船の周囲は第11管区海上保安本部の職員が乗った警戒船やゴムボートが取り囲み、反対派の行動をけん制した。
 反対派も午前8時にシーカヤックやボートで辺野古を出発。作業船に近づき、作業をやめるよう潜水士に訴えた。
 県は24日、那覇防衛施設局から求められていた「公共用財産使用協議」に同意しており、施設局は現状確認が済み次第、調査機器を設置する本格的な作業に移るとみられる。
(4/25 16:02) 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23281-storytopic-3.html

知事、沖合移動を要請 防衛相、アセス協力求める

普天間移設計画などをめぐる意見交換で面会する(左から)久間防衛相、仲井真知事、島袋名護市長=25日午前、防衛省
 【東京】仲井真弘多知事と久間章生防衛相は25日午前、防衛省内で会談し、手詰まり状態にある米軍普天間飛行場移設問題で意見交換した。防衛省によると、仲井真知事はV字案に対し「(形に対しては)異論はないが、意見を以前からいろいろ申し上げている」と述べ、地元の要望を入れて沖合にずらすことなどを暗に求めた。普天間飛行場の「3年以内の閉鎖状態」や沖合移動の具体案などには言及せず、次回協議会の日程についても触れなかった。会談後、仲井真知事は県や名護市が求める修正案について「前から話している。まだ最終的な答えはもらっていない」と述べた。
 仲井真知事は冒頭、久間防衛相に対し、参院補選への協力に謝意を伝えた。知事によると、久間防衛相は県が24日に移設先の環境現況調査(事前調査)で海域使用に同意したことに対して礼を述べた。会談には名護市の島袋吉和市長、末松文信副市長も同席した。
 会談に先立つこの日朝、知事は久間防衛相と都内のホテルで2人だけで面会し、意見交換したもようだ。
 久間防衛相は環境現況調査(事前調査)の後に実施する正式な環境影響評価(アセスメント)について「(公有水面埋め立ての)許可権者は知事なのでよろしくお願いしたい」と協力を求めた。これに対し、仲井真知事は「よく打ち合わせた上で進めていきたい。地元の意見に耳を傾けていただければ」と述べた。
 さらに久間防衛相は「危険性除去のため移設を早めなければいけない。いろいろ工夫の仕方を考えたい」と述べ、「10年前にも移設返還にかかわったが、今度こそ完了させたい」と移設推進に強い意欲を示した。
 仲井真知事は「そこはわれわれも同じだ」とした上で「確認書にも危険性除去は書いてある。延長線上の問題ととらえてほしい」と要望した。
 知事は参院補選で来県した安倍首相の「地元の意見に耳を傾けたい」との発言について、移設案修正への理解を「大変(強く)にじませたと思う」との認識を示していた。
(4/25 16:04) 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23282-storytopic-3.html

琉球新報・沖縄タイムス 関連ニュース・社説(4月23日、24日)

参院補選・生活者視点で国政に風を/「基地」もまな板に載せたい
 夏の参院選の前哨戦とされた参院沖縄、福島両選挙区の補欠選挙が投開票され、沖縄は無所属新人で元那覇市議の島尻安伊子氏が初当選した。「台所から政治を変える」と訴えた島尻氏は自民、公明両党の推薦を受け、25万5000票余を獲得。社民、社大、共産、民主、国民新の野党5党が推薦した前連合沖縄会長の狩俣吉正氏、会社代表金城宏幸氏を破った。
 一方、福島は民主党の元衆院議員が自民党の元県会議長ら2人を破った。党首クラスを入れて激しい選挙戦を展開した統一補選の与野党対決は、一勝一敗の痛み分けとなった。夏に決着を持ち越し、予断を許さない状況だ。

「現実」路線を選択

 沖縄に関して言えば、有権者は昨年11月の県知事選に続く全県選挙で、「反基地・平和」を鮮明にして政府と対立する野党共闘よりも、安倍政権と協調しつつ負担軽減と経済振興策を引き出す「現実対応」路線を選択した形だ。
 沖縄の保守系では初の女性国会議員となる島尻氏には、若さや政治経験の短さ、市議会所属会派のくら替え経緯などを懸念する声もあるが、県民の負託に応え、選挙戦で訴えた「生活者の視点」を崩すことなく、国政に新しい風を吹かせてほしい。基地負担の軽減、格差社会の解消、少子化社会への対応、政治とカネの問題一掃など難題が待ち構えるが、敢然と立ち向かい、沖縄の主体性を発揮すれば存在感を示せるはずだ。
 島尻氏は選挙戦で、基地か経済かの二者択一を迫る旧来選挙に疑問を呈し「教育、医療、福祉、子育てなど家庭での身近な諸問題が置き去りにされてきた」と指摘した。政策チラシにもエプロン姿で登場し「妻として、母として、働く女性として、子育て真っ最中の体験を生かす」と力説した。
 政策目標では個性・特質を生かす教育、子育て環境の整備、基地内の医療施設活用、総合的な中小企業対策などを掲げ、家庭と政治の懸け橋をアピール。こうしたイメージ戦略が有権者に「政治は身近なもの」として映り、政党支持者に加え、無党派層をも取り込んだとみられる。庶民感覚は政治家に欠かせない資質の一つだ。
 ただ、政府は与党勝利を受け、米軍基地問題で一段と攻勢に出るだろう。この間、地元自治体の頭越しに移設計画を推進してきた経緯もあり、警戒しなければいけない。過重な基地負担は格差社会の典型ともいえる。
 島尻氏は、県内への新基地建設に反対した野党の狩俣氏が負けたとはいえ22万8000票余を集めたことや、宜野湾市長選で米軍普天間飛行場のグアムなど米国移転を主張した伊波洋一氏が再選を果たしたことも、念頭に置く必要がある。政府の言いなりではなく、民意を踏まえて「是々非々」の対応をしてもらいたい。

投票率は過去最低

 台所の知恵を絞りつつ、沖縄の基地問題についても政府任せでなく、国民注視という名の“まな板”に載せてうまく“料理”するくらいの積極的な姿勢を求めたい。
 今年最大の政治決戦となる7月の参院選は昨年9月に就任した安倍晋三首相が推し進める「美しい国」づくり政策に国民の審判が下る。格差社会を解消する抜本策、教育や社会保障など各種改革に加え、憲法改正の是非も争点になる可能性がある。
 国民的論議になっていない憲法問題を争点とすることには異論もあるが、国民投票法を成立させたい安倍政権が改憲の是非を国民に問う可能性は強い。
 政治とカネの問題も避けて通れない。不祥事、疑惑続きの閣僚らを抱えたまま選挙戦に臨み、どう政治への信頼を取り戻すというのか。政権側は明確な説明を迫られるだろう。
 そんな中で、沖縄補選の投票率の低さは気になる。本紙などが告示後に実施した電話世論調査では有権者の8割近くが選挙に関心を示し、投票に「必ず行く」「たぶん行く」と答えた人は9割を超えていた。ところが実際の投票率は47%台と初めて50%を割り、過去最低となった。これでは民主主義もおぼつかない。
 両陣営とも有権者への訴えが足りず、高い関心を投票行動に結び付けられなかった責任は重い。夏の本選では、政策論争を活発化させ、有権者の政治参加ムードを高めたい。それが国民の暮らしを向上させ、沖縄の難題にも道筋を付けることにつながるからだ。
(4/23 9:59)
琉球新報 社説
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23208-storytopic-11.html

[島尻氏初当選]
生活者の視点を国政に
低投票率の意味を問え
 参院沖縄選挙区補欠選は自民、公明両党が推薦した諸派で前那覇市議の島尻安伊子氏が前連合沖縄会長の狩俣吉正氏=社民、社大、共産、民主、国民新党推薦=と無所属新人の会社代表・金城宏幸氏を破り初当選した。
 福島選挙区補選とともに、結果が夏の参院選での与野党逆転の鍵を握ることから全国的にも関心度は高かった。
 だが、投票率は47・81%と過去最低を記録。有権者の半分も投票しなかったことは慨嘆せざるを得ない。
 基地問題や経済の地域間格差、高齢者医療、少子化対策など暮らしや福祉について考える課題は多い。一票に“切実な思い”を託すべきであったのであり、残念というしかない。
 島尻氏は「台所から政治を変える。台所には女性たちの知恵がつまっている」と生活者の視点で政治を訴えた。
 「沖縄は子育て政策が遅れている。日本で一番の子育て政策の推進県にしたい」との考えが有権者の賛同を得たのは確かだろう。
 しかし、日米軍事同盟が強化され在日米軍再編の動きの中で米軍基地の機能強化が図られているいま、「沖縄問題=基地問題」を脇に置いていいものかどうか。
 格差是正を訴えた狩俣氏もあえて争点にしなかった。両候補の選挙戦が有権者の関心を投票行動につなげられなかった遠因と見ることもできよう。
 補選とはいえ国政選挙だ。島尻氏は、安倍政権の基地政策を沖縄選挙区の当選者としてどこまで容認するのか。
 考え方、手法が違うのであれば、県民を代表してどう訴えていくのか。有権者が聞きたかったのはそこであり、政治家としての信条を今後しっかりと示してもらいたい。
 島尻氏が言うように「沖縄の主要な選挙は基地か経済かという二者択一だった」のは間違いない。「同じように暮らしの問題をもっと議論すべき」だということも確かだろう。
 だが、米軍基地が県民の暮らしを圧迫してきた歴史的事実から目をそらしてはなるまい。
 普天間飛行場の危険性の除去や名護市辺野古沿岸に建設が予定された代替施設の問題にどう対処していくのか。女性の目で見た沖縄問題の取り組みに注目したい。
まず「普天間」問題だ
 宜野湾市長選では現職の伊波洋一氏=社民、社大、共産、民主推薦=が、前市教育委員会教育部長の外間伸儀氏=自民、公明推薦=を破り再選を果たした。市民はさらに四年間の市政を伊波氏に託した。
 参院補選とは趣を変え、市長選は普天間飛行場問題を最大の争点に争われたといっていい。
 だが国、県、地元自治体の移設に伴う協議も宙に浮いた中で、「普天間」問題の行方は依然として不透明だ。
 伊波氏は「グアムまたはハワイ、米本国への移設」を訴え、県内移設によらず「普天間」問題の解決を目指している。であれば、マニフェスト(公約集)で掲げた普天間飛行場の「危険性除去と一日も早い返還のため、グアム移設」をどう進めていくのか。
 県内移設を推し進める日米両政府とも対峙するだけに、市民の負託を背景にどう独自性を出していくかが問われてくるはずだ。
 再選はまた、伊波氏の指導力に対する期待であり、経済振興や雇用対策にどう向き合うかも示すべきだろう。
「決戦の場」は参院選に
 参院補選では福島で民主党公認の増子輝彦氏が当選し、自公が勝った沖縄補選と「一勝一敗」となった。
 参院の定数は二四二。与野党が勝敗ラインとした過半数の百二十二議席獲得までに必要な議席数は与野党双方が一つずつ減った形だ。与党は六四、野党が五九で、その差は「五」のままである。
 結果として過半数獲得に向けた決戦の場は夏の参院選に持ち越された。各党は統一地方選で示された民意をどう実現していくのか。
 選挙結果を左右する無党派層をどう取り込んでいくかも与野党にとっては重要な鍵となろう。
 教育基本法を変え、憲法の改正手続きである国民投票法案を与党単独で採決した安倍政権を信任するのか、NOを突きつけるのか。夏の参院選が「天下分け目」となる。
沖縄タイムス 社説(2007年4月23日朝刊)
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070423.html#no_1

F22・空自 26日から共同訓練
 航空自衛隊那覇基地は23日、米軍嘉手納基地に一時配備中の米空軍F22Aラプター戦闘機と航空自衛隊との初めての共同訓練を、26、27の両日に実施すると発表した。訓練には那覇基地の第83航空隊所属のF4戦闘機2―4機、小松基地(石川)の第6航空団からF15戦闘機2―4機が参加する。 実際の飛行訓練は27日に行われる。沖縄周辺の訓練空域で、1回につき1―1時間半の空中戦闘訓練を数回実施する。このため自衛隊機は那覇基地から、米軍機は嘉手納基地から、それぞ
れ離着陸を繰り返す予定。
 共同訓練には、日本側から戦闘機のほか浜松基地(静岡)のE767早期空中警戒管制機1機も参加する。訓練に備え、25日までに那覇基地に飛来する。
 米軍側からは嘉手納基地の第18航空団のF15やE3空中早期警戒管制機1機が加わる。戦闘機の機数は各機種2―4機で、管制機も合わせて日米で延べ約30機が参加する。
 27日の実地訓練に先立ち26日は事前説明を行う。
(4/24 9:37) 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23231-storytopic-1.html

事前調査きょう着手 普天間代替
 米軍普天間飛行場移設先の環境現況調査(事前調査)をめぐり、那覇防衛施設局は24日、名護市辺野古周辺の海域で事前調査の準備段階となる潜水作業に着手する。辺野古への基地建設に反対する市民団体らは、手法を明らかにしない事前調査ではなく、環境影響評価(アセスメント)法による手続きを取るべきだと抗議し、海上で抗議行動する予定だ。
 着手するのは、調査に伴う海域使用について県の同意を得る必要のない作業。潜水士によるサンゴなど海底の目視調査などを行う見込み。
 調査着手を急ぐ防衛省は20日、県庁に担当者を派遣、事前調査の海域使用で県の同意を早期に出してもらうよう促した。
 県は23日、施設局から提出されている事前調査に伴う海域使用申請で、庁内で取りまとめた県の意見について沖縄総合事務局財務部との協議に入った。事務局との調整がつき次第、海域使用に同意を出す。
(4/24 9:41) 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23233-storytopic-3.html

琉球新報・沖縄タイムス 関連ニュース・社説(4月21日、23日)

ジュゴン絶滅危惧種に レッドリスト入り準備
 【東京】環境省の「絶滅の恐れのある野生動植物選定・評価検討会哺乳類(ほにゅうるい)分科会委員」(座長・阿部永・元北海道大学農学部教授)が2006年12月の最終会合までに、国の特別天然記念物のジュゴンを「絶滅危惧(きぐ)種」に指定し、絶滅の恐れがある野生生物を分類した「レッドリスト」に加える方針をまとめたことが20日、分かった。環境省が正式決定に向け作業を進めている。ジュゴンのほかにも対象生物が多く作業に時間がかかる見込みで、環境省は「決定時期は未定」としている。
 ジュゴンは「ごく近い将来に野生絶滅の危険性が極めて高い」と規定される「絶滅危惧IA類」に指定される見通しだ。ジュゴンは普天間代替施設建設予定地の名護市辺野古沖で複数回、発見されており、保護の方法や代替施設建設の影響を巡り議論を呼びそうだ。
 レッドリストの改訂作業は1995年から始まったが哺乳類のリストの改訂は2002年以来。初めて海の哺乳類が検討対象になった。06年12月には鳥類や爬虫(はちゅう)類などが改訂されている。
 阿部座長は「哺乳類にも絶滅危惧種が多く、もともと数が少ないジュゴンも加えるよう意見をまとめた」と説明。
 WWFJ(世界自然保護基金日本委員会)の花輪伸一氏は「指定は当然だが今後どう守っていくかが重要」と指摘。「法的な拘束力はないが国際的に保護に向けたの機運が高まる」と期待した。
(4/21 10:03) 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23148-storytopic-1.html

[ジュゴン]
守るのは人間の責任だ
 絶滅の恐れのある野生生物を分類した「レッドリスト」改訂版で、環境省は沖縄本島が生息域の北限とされる国の特別天然記念物ジュゴンを「絶滅危惧IA類」に指定する方針を固めた。
 二〇〇五年十一月に改訂された「沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物・レッドデータブックおきなわ(動物編)」でも、「ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い」とするIA類に分類されている。
 国による哺乳類のレッドリスト改訂は約九年ぶりだが、ジュゴンについては国、県ともに同じ見解に至ったと見ていい。ジュゴンを取り巻く環境はそれほど厳しい。
 餌場を維持し生息域を守るのは私たちの責任だが、陸域の開発に伴い事態は悪化する一方だ。だからこそ、国による保護政策は急務と考えたい。
 環境省が〇一年度から〇五年度にかけて行った航空機からの目視調査では、本島東海岸中部や西海岸中北部で十三頭のジュゴンが確認されている。
 研究者らの調査でも、特に名護市辺野古沿岸が重要な生息地として知られているが、確認数は少ない。
 この海域には、普天間飛行場の代替施設である新基地の建設が予定されている。
 言うまでもないが、辺野古岬沿岸部と大浦湾を埋め立て二本の千八百メートル滑走路を持つ新基地を造った場合、広大な埋め立てで藻場が減り、ジュゴンの餌場が喪失するのは明らかだろう。
 埋め立てはまた、周辺の環境に負荷をかけ、流出する赤土や土砂が海底の自然に影響を及ぼすはずだ。工事に伴う騒音で、ジュゴンが寄り付かなくなる可能性は今以上に高くなる。
 何よりも、国や県、名護市がジュゴンの保護対策として具体的に言及していないのが不安に輪をかけている。
 「絶滅の恐れのある野生動植物選定・評価検討会」の阿部永座長は「国内のジュゴンは世界の生息域の端に分布していることから、もともと数が少ない。その上、目視調査で確認できた例も極めて少ない」と述べている。
 その貴重さは単に数が少なくなったからではない。海洋環境のバロメーターであり、何よりも古くから地域に息づく海の哺乳動物を私たちの時代に失うわけにはいかないということだ。
 すべては人間による自然破壊が原因で、その結果、絶滅の危機に瀕しているのであればなおさらである。
 絶滅寸前にあるジュゴンを保護し個体数を増やすには何が必要なのか。ヤンバルクイナやノグチゲラしかり、種を失ってからでは遅い。自然との共生に知恵を絞り万全の対応を急ぎたい。
沖縄タイムス 社説(2007年4月21日朝刊)
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070421.html#no_1

島尻氏が初当選 狩俣氏に2万7018票差 参院沖縄補選

参院補選の当選を決め、万歳をする島尻安伊子氏(中央)=22日午後9時45分ごろ、那覇市牧志の選対事務所
 参院沖縄選挙区・補欠選挙(欠員1)は22日、投開票され、新人の前那覇市議・島尻安伊子氏(42)=無所属、自民、公明推薦=が25万5862票を獲得、22万8844票を得た新人の前連合沖縄会長・狩俣吉正氏(57)=無所属、社民、社大、共産、民主、国民新党推薦=に2万7018票の差をつけ初当選した。女性では初の保守系の県選出国会議員となる。全県規模の選挙で県外出身者が当選したのも初めて。自公勢力は7月の参院選・通常選挙に向けて弾みをつけた。投票率は47・81%で全県選挙として初めて50%を割り、過去最低を記録した。
 補選は糸数慶子前参院議員の知事選出馬に伴い生じた欠員を補うために実施された。国内政局の天王山となる7月の参院選・通常選挙の前哨戦として与野党が対立。県内外から注目を集めた。
 島尻氏は「台所から政治を変える」と、子育て支援策の充実を前面に訴え、無党派層からも支持を得た。県知事選で勝利した自公、経済界の組織力を生かし、短期決戦の中で知名度を上げた。2度にわたって来県した安倍晋三首相をはじめ自民、公明両党首脳の応援も奏功した。
 狩俣氏は野党共闘、出身母体の労組が運動を展開、革新地盤で支持を広げたが、及ばなかった。前面に掲げた格差是正の訴えも浸透が広がらず、基地問題、憲法改正をめぐる動きも追い風にできなかった。
 新人の会社代表・金城宏幸氏(68)=無所属=は9142票だった。
 今選挙の投票率47・81%は2004年7月の前回選挙の54・24%を6・43ポイント下回った。
 当日有権者数は104万6237人(男50万8869人、女53万7368人)だった。

◆参院沖縄選挙区・補欠選挙得票数
当 島尻 安伊子氏 255,862票
  狩俣 吉正氏  228,844票
  金城 宏幸氏   9,142票

(4/23 9:45) 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23200-storytopic-3.html

伊波氏が再選 新人の外間氏を破る 宜野湾市長選

再選し万歳する伊波洋一氏(中央)=22日午後10時すぎ、宜野湾市野嵩の伊波選対事務所
 【宜野湾】任期満了に伴う宜野湾市長選挙は22日、投開票され現職の伊波洋一氏(55)=無所属、社民、社大、共産、民主推薦=が2万1643票を獲得し、新人の外間伸儀氏(59)=無所属、自民、公明推薦=に3842票の差をつけて2期目の当選を果たした。
 伊波氏は「この4年間、基地を動かすために頑張ってきたことが市民に評価された。普天間飛行場を海外へ移し、1日も早く返還させたい」と述べ、米軍普天間飛行場の県内移設に反対し、海外移転による危険性除去と早期閉鎖・返還を求める姿勢をあらためて示した。
 伊波氏は「革新のエース」と言われる抜群の知名度と労組を中心とした運動量で選挙戦をリード。4年の実績を紹介するリーフレットをいち早く全戸配布し、行政改革や企業誘致などの取り組みと乳幼児医療無料化の拡大など新たな施策の提案で「基地問題だけでない伊波」を強調し、市民の支持を集めた。
 外間氏は市政の変革を掲げ、公共事業による景気浮揚策や普天満宮周辺整備などの市街地開発などを訴えたが、知名度不足が響いた。
 当日有権者数は6万5847人。投票総数は3万9765人。投票率は60・39%で前回市長選の55・54%に比べ4・85ポイント上回った。同市長選で60%超の投票率は14年ぶり。無効票は321票。

◆宜野湾市長選挙得票数
当 伊波 洋一氏 21,643票
  外間 伸儀氏 17,801票
(4/23 9:50) 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23203-storytopic-3.html

琉球新報・沖縄タイムス 関連ニュース・社説(4月19日、20日)

環境省が問題点指摘 普天間移設事前調査
 【東京】沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団の東恩納琢磨団長らは18日午後、東京の衆院第一議員会館で赤嶺政賢衆院議員の同席の下、防衛施設庁と環境省の担当者に対し、米軍普天間飛行場移設に伴い防衛省が実施する環境現況調査(事前調査)の詳細をただした。 環境省自然環境局は現況調査に関し「何を目的に調査するのか見えない部分がある」とした上で「さんご礁の概況調査をするなら、特定のシーズンや特定の生殖体に限ってしまうと、全般的な調査としては足りないところがある」と問題点を指摘した。
 環境省が防衛省が行うさんご礁の現況調査について問題があるとの認識を示すのは初めて。
 昨年12月の普天間移設措置協議会で守屋武昌防衛事務次官が「サンゴのミドリイシの仲間は5月から6月ごろの満潮時に産卵するため、この時期に行う必要がある」と述べたことについて、沖縄リーフチェック研究会の安部真理子会長が「ミドリイシ以外のサンゴ種や産卵が見られない種はどうか」とただしたことに答えた。
 その一方、現況調査について「既存の資料として使用はできる」と述べた。
 防衛施設庁再編チームの担当者は現況調査の結果の利用法について「県と調整した上で決めたい」とし、環境影響評価法に基づいた調査との関連について明言を避けた。
 説明を受けた後、東恩納団長らは記者会見を行い「現況調査は環境アセス法を形骸(けいがい)化させるものだ」と批判。「具体的な調査方法が分からず、事前調査で自然や環境が破壊されないか危機感が強まった」と述べた。
(4/19 9:47) 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23094-storytopic-3.html

KC135パンク緊急着陸 着陸予定F15普天間に

KC135空中給油機が着陸後、タイヤをパンクさせ、緊急車両が駆け付けた=19日午後3時すぎ、嘉手納基地
 【嘉手納】米空軍嘉手納基地で19日、米軍機4機が相次いで緊急着陸した。うち同基地所属のKC135空中給油機1機が午後3時10分ごろ、主脚タイヤの一部をパンクさせて緊急着陸した。約20分滑走路が閉鎖されたため、着陸予定のF15戦闘機2機は急きょ普天間基地へ着陸した。
 給油機が着陸する数10分前から滑走路周辺には消防車両など緊急車両数台が待機、給油機は何らかのトラブルを起こしたものと思われる。
 給油機の着陸と同時に、タイヤが割れる破裂音が周囲に響き、破片のようなものが滑走路上に飛び散った。白い煙のようなものも確認された。給油機の着陸と同時に待機していた消防車両など数台が近づき、パイロットが機体から降りるなど慌ただしい雰囲気が漂っていた。
 また目撃者によると、午前11時27分ごろにはMC130H特殊作戦機1機が2基のエンジンのうち1基を止めたまま緊急着陸した。午後4時53分ごろにはP3C対潜哨戒機1機もエンジン1基を止めたまま緊急着陸。午後5時26分ごろにはF22A戦闘機1機も緊急着陸した。
(4/20 10:17) 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23124-storytopic-1.html

知事「削除修正は遺憾」 教科書検定
 仲井真弘多知事は20日午前の定例記者会見で、沖縄戦の「集団自決」への日本軍の関与を削除・修正した教科書検定について「これまで明記されたことが削除・修正されたのは遺憾に思う。沖縄戦をきちんと検証し、教科書に公正かつ正確に記述してほしい」との見解を明らかにした。一方で、記者団が日本軍の強制の有無について見解を求めたのに対し「断定して言うのは少し難しい」「公式見解で『こうだ』と言うのはどうか」と明言を避けた。
 知事は「沖縄の人の大部分が、今までの教科書の記述を『そうだ』と信じているが、検定には専門家も入っており、異論がないわけではない」「係争中でもあり『削除・修正は遺憾で、公正かつ正確に記述してほしい』との私の願いを言うにとどめたい」と述べた。
 一方で「(検定での)削除の理由が『分かった』と言うには、どうかな、というのはある」とも付け加えた。13日の定例会見でも知事は「削除や修正はちょっと疑義があり、いかがなものかという印象を受ける」と述べていた。
 米軍普天間飛行場移設先の環境現況調査(事前調査)で、那覇防衛施設局が県に申請した海域使用の具体的な内容については「公表するか協議中だ。(施設局側から)ここ(一部)は公表してほしくないという部分はあるらしい」と述べ、施設局側から公表を控えるよう働き掛けがあったことを明らかにした。県は既に、関係書類すべての不開示を決定している。
 知事は、安倍晋三首相の来県について「総理からは『普天間飛行場移設に当たっては知事や地元の意見に耳を傾けていきたい』との発言があった」と言及。地元の意向を尊重するよう求める考えを言外ににじませた。
(4/20 16:01) 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23137-storytopic-3.html

かすむ「基地」地元複雑/参院補選候補者、言及少なく
 「格差是正」「生活者視点」のスローガンが飛び交う参院補選。その影で、大型選挙のたびに争点となってきた基地問題は候補者の言及も少なく、かすみがちだ。北部訓練場の一部返還に伴うヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の移設は、着工を待つばかりの段階。下地島空港では、防衛相が地元合意を前提としつつ公式に自衛隊使用の希望を明言した。選対本部が集まる那覇市から遠く離れた、東村と宮古島市の地元住民は論戦をため息交じりに見つめる。
 「ここまで手続きが進んでしまえば、大きな政治が動かなければ止められない。候補者たちも人口がわずかな所には目を向けてくれないのか…」。東村高江区の仲嶺武夫区長(68)はそう言って考え込んだ。
 人口百五十人余りの集落を取り巻くように計画される六カ所のヘリパッド。同区は反対を決議したが、日米両政府はすでに着工に合意。四月に入って測量や環境調査の会社も現地入りしている。
 農業の金城正恒さん(65)の自宅は、集落に一番近いヘリパッド予定地からわずか約五百メートル。「操縦士と確実に視線が合ったと分かる」ほどのヘリの低空飛行、深夜に及ぶ騒音に悩まされる。それでも、「本当に止められないなら、補償を取った方がいい」との考えも浮かぶ。選挙に取り残されたような集落で、苦悩は深まっている。
 告示直前の四月三日。宮古島市伊良部の下地島空港に関して、久間章生防衛相は地元の合意を条件に自衛隊機の使用を望む発言をした。従来の国と県の合意を覆す可能性をはらむが、その是非は争点になっていない。軍事利用に反対する伊良部住民委員会の福島正晴委員長(50)は「防衛大臣が(自衛隊が)使いたいと言っている状況でも、両候補ともほとんど取り上げない。県民の将来の不安を取り除くため、重要な問題なのに」と声を落とす。
 二〇〇五年の市長と市議の同時選挙では最大の争点の一つとなり、ほぼすべての候補者が軍事利用に反対を表明した。一方で、福島委員長には軍事利用に向けた動きが水面下でくすぶっているとの警戒がある。「候補者や政党は『基地』より『生活』という判断があるのだろうが、もう少し関心を持つべきではないか」と求めた。(阿部岳、溝井洋輔)
     ◇     ◇     ◇     
普天間移設に影響せず/防衛省首脳
 【東京】防衛省首脳は二十日午前、参院沖縄選挙区補欠選(二十二日投開票)が米軍普天間飛行場移設計画に与える影響について「何も変わらない。(与党が支持する候補が)勝てばやりやすくなると思うが、負けたとしても粛々と進めていく」と同選挙の勝敗に影響されないとの考えを示した。
 その上で首脳は、「基地問題について沖縄の人は冷めてしまっている」と述べ、同補選で普天間移設問題が大きな争点となっていないとの認識も示した。
沖縄タイムス 4月20日 夕刊
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200704201700_04.html