エクアドルで「外国軍事基地撤去国際大会」が開かれる(しんぶん赤旗)

外国軍基地撤去へ連帯
40カ国集い初の国際大会
エクアドル
 【キト(エクアドル)=松島良尚】エクアドルの首都キトで五日、基地闘争の国際集会として初めての「外国軍事基地撤去国際大会」が始まりました。約四十カ国から四百人が参加しています。米軍基地のある中西部マンタで九日に閉会する予定です。
 開会式では、カルバハル国防次官や中道左派政党・民主左翼のモンカヨ・キト市長、非核フィリピン連合のファブロス氏らがあいさつしました。
 カルバハル次官は、「全領土を管理してこそ主権を有しうる」と述べ、来年に期限の来る米軍基地貸与協定を廃棄するというコレア大統領の公約の実行を改めて確認しました。
 ファブロス氏は、この大会の目的は外国軍基地をめぐる情勢と基地被害の分析や市民のたたかいなどの交流とともに、基地闘争の国際的なネットワークを正式に立ち上げることにあると強調しました。
 全体討論では、米国やプエルトリコ、エクアドルの参加者らがそれぞれの基地闘争などについて報告。日本平和委員会の川田忠明常任理事も、沖縄・辺野古や山口・岩国の自治体ぐるみのたたかいなど、アジア・太平洋地域の米軍基地をめぐる情勢について報告しました。
 大会が開かれた背景には、イラク反戦運動の高まりのもとで在外米軍基地に反対する運動の新たな国際連帯が広がっていることがあります。世界社会フォーラムなどを通じて構築されてきた国際的な情報交換網に参加する諸団体が、協力して開催するに至りました。
 米フレンズ奉仕委員会や英核軍縮運動(CND)などが名を連ね、原水爆禁止日本協議会や日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会などの代表も参加しています。
(2007年3月7日(水)「しんぶん赤旗」)

外国軍基地撤去へ「宣言」
エクアドル 国際大会が閉幕
 【マンタ(エクアドル)=松島良尚】エクアドルで開かれた「外国軍事基地撤去国際大会」は大会三日目の七日、外国軍事基地撤去国際ネットワークの基本文書となる「宣言」を満場一致で採択しました。
 「宣言」は、「我々は連帯と平等、公開性、多様性の原則に勇気づけられたネットワークを構築してきた」と述べ、外国軍事基地が人権や地域共同体、環境の破壊や、住民の心理に重大な悪影響をもたらしていると指摘。また、外国軍事基地は軍国主義や植民地主義などを定着させる戦争手段であり、イラク戦争などの足場になっていると非難しました。
 「宣言」はとくに、「外国軍事基地拡散の主な責任は米国にある」と告発しています。
 そのうえで、すべての外国軍事基地と、軍事作戦や訓練などを含め侵略戦争に用いられている関連施設の撤去を求めています。同時に、新たな基地の建設や強化、環境汚染や駐留軍人の特権付与をやめさせること、そして、基地被害にたいする正当な補償を要求しています。
 「宣言」は最後に、外国軍事基地の撤去めざしてたたかう人々への支持と連帯を表明しています。
 大会では、外国軍事基地をめぐる情勢や課題、運動のあり方などさまざまなテーマの分科会が行われました。日本の各団体、地域の代表はパネリストになるなど活発に発言をしました。
 日本の参加者がとくに重視して紹介した横須賀や岩国、沖縄など自治体ぐるみのたたかいについて「住民投票とは何か」などの質問が出されて討論になったり、在日米軍基地の実態を告発した会場展示が目をひくなど、日本の運動は大きな注目を集めました。こうした活動が「宣言」にも反映されました。
 日本からの代表の活動や報告について、現地の有力紙コメルシオやキューバ国営通信などが報じました。
(2007年3月11日(日)「しんぶん赤旗」)

“米軍基地撤去へ連帯”
エクアドル大統領、日本の運動激励
 【マンタ(エクアドル)=松島良尚】エクアドルのコレア大統領は八日、同国で開かれている「外国軍事基地撤去国際大会」に参加したエクアドルと日本を含む四カ国の参加者を招いて懇談しました。大統領は同国中西部マンタにある米軍基地の撤去を改めて表明するとともに、日本の基地闘争について「皆さんのたたかいがぜひ成功するよう願っています」と激励しました。
 懇談は前日夜に大統領府から連絡があって実現。セラーノ・エクアドル実行委員会調整者と日本平和委員会の川田忠明常任理事のほか米国とキューバからの参加者の合計四人が懇談しました。
 川田氏によれば、コレア大統領は今回の国際大会の説明を受け、「自分が大統領である限り、マンタの米軍基地撤去についての公約は守るので、安心してほしい」と表明。また、新自由主義というひどい政策を押しつけられ、エクアドル国民が反発したという点で米政府に“助けられた”面もあるが、ブッシュ以後の米政権とどういう関係を持つかが問題だと述べました。
 日本のたたかいへの大統領の激励は、川田氏が、国際大会への日本からの参加はマンタ基地と同様の基地被害を受けている日本にとって、重要な意味があると大統領に説明したことに対してでした。
 コレア大統領は、川田氏が手渡した富嶽(ふがく)三十六景の絵はがきを見て「きれいですね」と応じましたが、富士山ろくで米軍が演習していると説明を受けて「米軍は全く間違ったことをやっていますね」と表情を曇らせました。
 コレア大統領はまた、川田氏が原水爆禁止世界大会に他国の政府代表が毎年参加していることを紹介し、エクアドルも公式に参加してほしいと要請すると、「八月ですね」と確認。川田氏が必ず招待状を送ると約束すると、大統領は「光栄なことです」と述べました。
(2007年3月13日(火)「しんぶん赤旗」)

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