グローバル9条キャンペーン INナイロビ(続)

グローバル9条キャンペーン INナイロビ(続)
        草の根運動運営委員・日本国際法律家協会事務局長 笹本 潤

(筆者は、2007年の最初のグローバル9条キャンペーンとして、ケニアのナイロビで開かれた、1月20日?25日にかけてのワールドソーシャルフォーラム(WSF)に参加した。)

(前号の続き)
 ワークショップの第1回目は、約80名の参加で特にアフリカの人たちの積極的な発言が特徴だった。(日本国憲法9条)署名をする際にワークショップの宣伝もしていたから、署名をしたアフリカの人たちが多く参加した。パネラーは、コスタリカのロベルト、韓国の平和ネットワークのイ・テフンさん、 JALISAの梅田弁護士、司会はピースボートの川崎さんが行った。質疑の中では、武器の軍縮に対して9条の機能が武器の軍縮も目指していること、という点でアフリカの参加者との接点があったり、中国の参加者からは具体的な運動の仕方についての質問があり、梅田弁護士もバンクーバー、ジュネーブの他に世界各地で「9条の会」を作ることを提唱した。第2回のワークショップもアフリカの参加者とともに討論していくことになっている。
 グローバル9条キャンペーンは今回、今までに経験していなかったアフリカの地で初めて行ったが、また9条との接点も見つかり、9条の豊かな内容が明らかになったキャンペーンだった。

 5月に発行予定のグローバル9条キャンペーンの書籍の執筆者予定者とも連絡をつけることができた。オーストラリアのシーゲルさんは9条が変わってしまった場合のアジア情勢について書いてくれることを約束していただき、ピースボートのつながりでケニアの医師にアフリカから見た9条を書いてもらうことになり、世界平和ビューローのコリンアーチャーさんにも川崎さんを通じて原稿依頼を伝えてもらった。
 今回は、来年5月に日本で開かれる「憲法9条世界会議」の宣伝も行った。週刊新潮の表紙を書いている成瀬政博さん作によるデザインのポスター、パンフ、うちわを配り、世界会議に招待予定のノーベル平和賞受賞者にも接触をした。日本でもおなじみのケニアのワンガリ・マータイさんはワークショップで、植樹の運動(GREEN BELT MOVEMENT)の話をする中で、軍事費に多くのお金を使っている現在の世界に警告をならし、9条との接点も感じられた。その他にもアメリカのジョディウイリアムズやイランの人権弁護士シリンエバディも発言した。
 隣国のソマリアでは、武装グループがケニアに入り込んだとかいうニュースや、スラム街の人たちの入場で窃盗などの警戒態勢も厳しかったが、これだけ世界から多くの人が集まり、そこで世界の平和運動の一つとして9条のキャンペーンを張れたことは大きな意味がある。これからは知り合った人たちと連絡を取り合いながら、アフリカでの9条、武器禁止の運動を作り上げていくとう方向で運動を発展させていきたい。(完)
(あかしあ法律事務所弁護士)

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