沖縄タイムス 関連記事(7月4日夕刊)

2007年7月4日(水) 夕刊 1面

「那覇空港の早期拡張を」/促進連が国交省に要請

 【東京】那覇空港拡張整備促進連盟(会長・儀間紀善県商工会議所連合会長)は四日午前、国土交通省に安富正文事務次官らを訪ね、那覇空港の拡張整備の早期実現を求める冬柴鉄三国交相あての要請書を手渡した。内閣府沖縄担当部局にも同様の要請をした。

 儀間会長によると、鈴木久泰航空局長は「沖縄の問題については十分理解している。PI(総合的調査)に沿った内容にしたいので、地元と協力したい」と従来通りの姿勢を示すにとどめた。

 内閣府の東良信府審議官は「一年でも二年でも早く実現するよう、国と一緒に頑張ってほしい」と述べたという。

 儀間会長は「われわれは那覇空港を最優先で拡張すべきだと考えている。切羽詰まった問題だと理解してくれたと思う」と述べ、早期拡張の実現に期待した。

 那覇空港について国交省の交通政策審議会航空分科会は、六月二十一日の答申で「二〇一〇年―一五年度ごろに夏季の旅客需要の増加に対応できなくなる」と指摘。今後の対応方針として「抜本的な空港能力向上のための施設整備を含め、将来需要に対応するための方策を講じる必要がある」と、拡張整備の必要性を明記した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200707041700_02.html

2007年7月4日(水) 夕刊 5面

空気銃発砲 米少年に猶予判決

 北谷町の住宅街で発生した米軍属の息子による空気銃発砲事件で、女性にけがを負わせたとして重過失傷害などの罪に問われた米国人の無職少年(19)の判決で、那覇地裁は四日、懲役一年二月、執行猶予三年(求刑懲役一―二年)を言い渡した。

 〓晋一裁判官は「空気銃の威力を十分認識しながら発射しており、周辺住民や地域社会に与えた不安感も大きい」と述べる一方で「未成年で、精神的な不調を抱え、判断能力の未熟さにもやむを得ない所がある。更生の可能性も高い」と述べた。

 判決によると、少年は今年三月八日午後零時四十五分ごろ、建物四階の自宅ベランダからライフル型の空気銃で金属性の弾丸を発射。歩行中の米国人女性(50)の右胸に命中させて全治二週間のけがを負わせたほか、駐車場に止められていた軽乗用車のテールランプを壊した。

 少年は自宅で暇をもてあましている間に、父親が保管していた空気銃を発射。ベランダに並べた空き缶や、非常階段に向けて撃っている間に、木に引っ掛かったビニールのような物を狙って女性に命中させた。また乗用車のナンバープレートを狙って数発を撃った。

 空気銃には法令規定の四倍以上の殺傷能力があり、父親は銃刀法違反(無許可所持)の罪で罰金二十万円の略式命令となった。

※(注=〓は「頼」の旧字体)

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200707041700_03.html

2007年7月4日(水) 夕刊 5面

ヘリパッド移設/反対区民 座り込み続く

 【東】米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村高江区周辺のヘリパッド移設作業に反対する区民ら約二十人は四日午前、那覇防衛施設局が工事に着手したN4地区のゲート前など三カ所で、座り込みや監視活動を続けている。

 座り込みに参加した宮城勝己さん(54)=東村平良=は「米軍提供施設だと言うが、住民が使っていた道路に突然ゲートを張り、事前通知なしに着工するのは地元軽視だ」と国の“突然の封鎖”を批判した。豊見城市から足を運んだ諸喜田耕子さん(43)は「人口が少ない土地に基地を押し付ける国のやり方に怒りを感じる。地元だけでなく、国民全体の問題だ」と話した。

 午前九時から抗議集会が開かれ、沖縄平和運動センターの山城博治事務局長が「重機などの建設車両は昨夜のうちに入ったようだ」と報告。住民らが「区民の生活を守れ」「水源地を壊すな」などと抗議の声を上げた。

 施設局によると、午前九時すぎから工事を実施しているという。整地作業などを行っているとみられる。民間地の県道70号から取材をしていた記者に、ゲートの基地警備員が「写真を撮るな」「(県道でも)関係ない」と取材活動を規制しようとする場面もあった。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200707041700_04.html

2007年7月4日(水) 夕刊 5面

「基地は危険」星条旗を逆さ/沖国大・シンプソン准教授ら

 【宜野湾】普天間飛行場の危険性を訴えようと沖縄国際大学のピーター・シンプソン准教授らは米独立記念日の四日午前、「普天間」が見渡せる同氏の研究室で星条旗を逆さに掲げた。米国の法律で、星条旗は「生命や財産に極度の危険が迫っている際、その危険を伝える目的を除き、下方に傾けて掲揚してはならない」と定められている。

 シンプソン准教授によると、この取り組みはイギリスでも平和団体が毎年、米軍基地に向けて行っている。星条旗を逆さに掲げることで、米軍基地がいかに危険かを示すのが狙いだ。

 英国出身のシンプソン准教授は「街の真ん中に基地があるのはあり得ない。米国に反対するのではなく、危険な基地がなくなってほしい」と趣旨を説明。ヘリ墜落事故の八月十三日を経て毎日、続ける予定で「事故を知る学生は四年生しかいなくなった。このキャンペーンで多くの学生が身近な問題に関心を持ってほしい」と呼び掛けた。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200707041700_05.html

2007年7月4日(水) 夕刊 5面

燃料の浸透 最大で4メートル/県公表 嘉手納基地

 米空軍嘉手納基地内で大量のジェット燃料が流出した問題で、県環境保全課は四日、地面への浸透は深さ最大四メートルだったと公表した。三日の立ち入りで、米軍側から説明を受けた。米軍はこれまでの作業で汚染土壌の大半、五百三十五立方メートルを撤去し、六日までには終了するという。

 燃料の浸透は、給油タンク直近の盛り土部分で最大四メートル、平地になっている部分で一メートル。流出は五月二十五日に発生したが、三日時点でも県側が油臭を確認した。

 汚染土壌を舗装された場所に広げ、油分を蒸発させる処理について、米軍は約半年かかるとの見通しを示した。油臭がなくなれば、処理完了と判断するという。排水用のため池は基地外とつながっておらず、流出することはないとした。

 環境保全課は「適正な処理と、進捗状況の具体的な説明、公表を求める」としている。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200707041700_07.html

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