60年前の9月8日に沖縄を含む日本に何が起こったのでしょうか?(7/7)

○ウソの「常識」から真実の常識へ

 原発の「安全神話」というウソの常識はあばかれました。しかし、アメリカが日本を守っているという「安全保障神話」は日本国民の中に根強くはびこっています。(57%の日本国民が基地はあってもいいと考えているというアメリカのメディア世論調査―AP通信と調査会社米GfKグロウス・フロム・ノレジの調査、2011年9月5付けニューヨークタイムス-結果もあります。米軍は撤退すべきと言う意見は34%でした)

 今、アメリカ合衆国が独立国であることあたり前のことです。しかし、トマス・ペインが『コモン・センス』(常識または良識の意味)を出版した1776年1月には、アメリカ植民地がイギリス王国から分離独立するということは「常識」ではありませんでした。彼は、この本のはしがきに次のように書いています。

 「おそらく、これから先のページにのべてある意見は、まだ十分普及していないので、一般からは歓迎されないだろう。現在存在しているものを、まちがっているかどうかと考えようとしない長い間の習慣のため、それが、表面上は、正しいものであるかのような様子を示すものだ。またその習慣のために、ひとは、これまで愛着していたものを守ろうとして、はじめはおそろしい叫び声をあげるものだ。しかし、その騒ぎ声は、まもなくしずまる。時の方が、議論よりも、考えをかえさせるものだ。」

 日本政府は、アメリカの原子力空母という巨大で危険な「原子力発電所」を首都のすぐそばの横須賀基地に配備することを認めています。ところが、中国の空母が就航することを中国脅威論の根拠として、米軍基地の正当化の材料としています。マスコミも、同様の論調です。

 しかし、太平洋をはるばるこえて、中国のすぐそばの日本の基地に米原子力空母の母港を置くことを認める国に、中国を非難する資格があるでしょうか。 米軍基地を日本から撤去して初めて、日本は中国を非難する資格ができます。平和憲法を持つ日本は、そういう、平和中立の立場にこそ立って、中国に、軍備増強をするな、と堂々と言えるのです。

 「米軍は、原子力空母を配備せず、沖縄を含む日本から撤退せよ。中国は空母など軍備増強するな。」ということを、米、中双方に対して市民は主張すべきなのです。これは一例ですが、あまりにバランスを欠いた日本の主張に説得力はありません。それは、常識に反しているからです。

 60年前の9月8日から始まった、国際的にバランスを欠き常識に反する日本の現在の政治を、国際常識が通るあたりまえの政治に変えなければなりません。

 そのためには、主権者である私たちは、日本史上初めての、(アンポと言う名の)半占領条約破棄通告をする政府、憲法実現政府を作らなければなりません。そういう政府を作るためには、大衆運動を強めながら、うまずたゆまず、真の国民の政府を作ることをめざす、統一戦線の結成のために全力を尽くさなければなりません。

 そして、60年前の日本政府の歴史的誤りを、絶対に忘れない日、この日を、すぎ去った教科書上の日とするために、国民の間違った「常識」を変え、本当の常識を国民の中に回復させ、国を滅ぼす半占領状態をなくすために、お互いに全力を尽くそうではありませんか。(以上)

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