月別アーカイブ: 2007年5月

沖縄タイムス 関連記事(5月9日)

2007年5月9日(水) 朝刊 1面
F22、あす米国へ撤収
 嘉手納基地に暫定配備中の米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプターが、今月十日に米本国へ撤収する方針であることが八日、分かった。在日米軍トップのブルース・ライト司令官ら米側関係者は、今後の朝鮮半島情勢次第でF22の嘉手納基地への再配備の可能性を示している。

 同基地からF15戦闘機が米本国へ向かう場合、米空軍は未明離陸を繰り返しているが、今回のF22の離陸時間が未明または早朝にかかるかは不明だ。

 米空軍は今年二月、米バージニア州ラングレー基地所属のF22十二機を、パイロットや整備要員など約二百五十人とともに嘉手納基地へ配備。

 十二機は同基地配備後、五百八十回以上の飛行訓練を実施。先月二十七日には、沖縄周辺空域で南西航空混成団のF4戦闘機など航空自衛隊機と初の日米共同訓練を行った。

 F22はレーダーに捕捉されにくいステルス性が特徴。超音速の機動力や地上への攻撃能力に優れている。

嘉手納へ再配備も
メア総領事、可能性示す

 米国のケビン・メア駐沖縄総領事は八日、共同通信とのインタビューで、嘉手納基地に一時配備されている最新鋭のステルス戦闘機F22Aについて「具体的な配備計画はないが(今後)ローテーションで来てもびっくりすることではない」と述べ、今後も同基地へ暫定的に配備する可能性を示した。

 米軍はF22Aを二月から五月までの予定で米本土から嘉手納基地に一時配備しており、基地周辺の住民から「基地の機能強化だ」と反対する声も上がっている。

 メア総領事は「F22Aは次世代戦闘機なので目立ったが、嘉手納基地にはこれまでもいろいろ(戦闘機が)ローテーションで来ている」と強調。さらに東アジア情勢の変化などを例に挙げ「脅威があれば、米側は一番防衛力のあるもので日本を防衛する。日米安全保障条約へのコミットメントを果たすためには一番いいものを使う」と述べた。

     ◇     ◇     ◇     

普天間「実行の時期」/メア総領事

 米軍普天間飛行場の代替施設建設について米国のケビン・メア駐沖縄総領事は八日、共同通信とのインタビューで「日米両政府で滑走路の位置も詳しく交渉した。(もう)交渉する時期ではなく計画を実行する時期だ」と述べ、県などが求める建設位置の変更に否定的な考えを示した。

 普天間飛行場の代替施設は昨年五月、日米両政府がキャンプ・シュワブ沿岸部にV字形滑走路をつくり移設する案で合意。一方、県や名護市は騒音などを理由に滑走路の位置を沖合にずらすよう要求し、久間章生防衛相も環境影響評価(アセスメント)実施後に問題が判明した場合には微修正が可能との認識を示していた。

 メア総領事は滑走路の位置について、環境への影響に十分配慮したと強調し「(環境アセス後も)そんなに変える必要はないと思う」と指摘。県などがアセス前に滑走路位置の変更を求めていることについては「なぜ変更しなければいけないのか、理屈がないと意味がない」と述べた。

 日本政府が四月から環境アセスの前段となる事前調査に向け作業に着手したことについては「かなり順調に進んでいると思う」と評価した。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705091300_03.html

2007年5月9日(水) 朝刊 29面
「集団自決」修正/退職教職員3団体が抗議声明
 二〇〇八年度から使用される高校歴史教科書の検定で、沖縄戦の「集団自決」に日本軍が関与したことを表す記述を文部科学省が削除させたことについて、退職教職員らでつくる三つの団体は八日、県庁で記者会見をし、記述修正指示の撤回を求める抗議声明を発表した。近く首相、文部科学相らに送付する。

 声明を出したのは県退職教職員会(山城成剛会長)、県高等学校障害児学校退職教職員会(崎浜秀俊会長)、中頭退職教職員会(嶺井巌会長)の三団体。合わせて約千百人の会員は、ほとんどが沖縄戦体験者という。

 声明は、文科省の指示について「『集団自決』を『殉国美談』として歪曲し、『戦争のできる国民づくり』に教育を利用する動きにほかならない」と批判。「戦前、皇民化教育を担わされ、『お国のために喜んで死ぬ』教育をしてきた痛苦な体験から看過することはできない」としている。

 嶺井会長は、沖縄戦で少年兵として召集され、日本軍に壕を追い出された自身の体験を話し、「日本軍は住民を守るより、むしろ殺していった。『集団自決』の軍関与も明らかだ」と強調。崎浜会長は「沖縄の教職員は『教え子を再び戦場に送らない』を合言葉にしてきた。教育が危険な方向に向かうのを黙って見ていられない」と訴えた。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705091300_05.html

2007年5月9日(水) 朝刊 2面
在沖海兵隊 削減は朝鮮情勢次第/モチヅキ氏講演
 米国ジョージワシントン大学のマイク・モチヅキ准教授が八日、宜野湾市内のホテルで「日米同盟と東アジアの安全保障」をテーマに講演。在日米軍再編で日米が合意した在沖海兵隊の八千人削減を評価した上で、朝鮮半島情勢の好転や、フィリピンやオーストラリアなど周辺諸国で米海兵隊の受け入れが可能になれば、さらなる在沖海兵隊の削減は可能との認識を示した。

 モチヅキ氏は「遠征部隊とされる海兵隊が訓練や展開可能な基地をより多く持つことは、米軍の戦略的な面からも好ましい」と分析。

 また、台湾海峡問題について「最近の台湾の国内政治を見ると、軍事力を含む有事の危機の可能性は以前よりかなり低下している」と見る一方、朝鮮半島情勢については「今、非常にデリケートな局面を迎えている」と警戒。朝鮮半島情勢の好転が在沖海兵隊削減のポイントとの見方を示した。

 さらに、東アジアの安全保障情勢について、日米が中国の台頭にどう対応するかが重要と強調。「日米と中国が互いに相手の動きを見ながら軍の近代化を図る傾向がある」と軍備競争の動きに懸念を表明。

 その上で、「日米、中国の三国が協議し、相互の安全保障上の利益を探り、軍事力増強に歯止めをかけるべき」と訴えた。

 日米同盟については「同床異夢」の逆の「異床同夢」の状態にあると警鐘。日米は東アジアの安全保障に日米安保が重要との認識で一致する一方、武力行使に対する考え方など個別の問題の価値観や優先順位で違いがあると指摘した。

 モチヅキ氏は日米安保強化によって在沖海兵隊の削減は可能との論文を過去に発表。沖縄の基地問題の解決の方向性などを議論する「沖縄クエスチョン」の米側座長を務めている。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705091300_07.html

2007年5月9日(水) 朝刊 2面
嘉手納包囲 参加呼び掛け/13日
 十三日に米軍嘉手納基地を「人間の鎖」で包囲する5・13嘉手納基地包囲行動実行委員会は八日、県庁で会見し、県民へのアピールを行った。基地包囲行動では、同基地の機能強化に抗議し、名護市辺野古への新基地建設反対などを訴える。

 嘉手納基地の包囲行動は沖縄サミット開催に合わせた二〇〇〇年以来七年ぶり四回目。普天間飛行場包囲行動と合わせると八回目となる。当日は午後三時から同基地の周囲約十八キロを、約二万人で三回包囲する。

 今回から浦添市など八市町村に地域実行委員会を立ち上げ、それぞれに包囲エリアを割り当てた。実行委は社民、社大、共産、民主の各政党や連合沖縄、沖縄平和運動センターなど十団体で幹事団体を構成。

 崎山嗣幸共同代表は「嘉手納基地は県民が反対する中で、基地機能が強化されている。県民が手をつないで基地のない平和を希求する県民意思を宣言しよう」と多くの参加を呼び掛けた。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705091300_10.html

沖縄タイムス 関連記事・社説(5月5日、7日、8日)

2007年5月5日(土) 朝刊 21面
嘉手納基地でF15緊急着陸
 【嘉手納】米軍嘉手納基地で四日午前十一時二十五分ごろ、同基地所属のF15戦闘機一機が緊急着陸した。基地内の消防車などが出動したが、放水などはなく、同機は数分後に自力で駐機場へ移動した。

 同機は北谷町砂辺方向から南側滑走路に進入。緊急車両や整備要員に囲まれ、一時騒然とした。同基地では「予防のための着陸で機体にトラブルはなかった」と説明。飛行については「通常訓練」としている。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705051300_07.html

社説(2007年5月5日朝刊)

[「最前線基地」計画]

県民無視も甚だしい
 朝鮮半島有事の際、普天間飛行場が米軍のアジアにおける「出撃の最前線基地」になることを裏付ける米公文書が見つかった。

 常駐するKC130空中給油機やCH53E輸送ヘリコプターなど七十一機に加えて、紛争が勃発したときはハワイや米本土の基地から百四十二機を段階的に配備。戦闘が激化した場合にさらに八十七機を追加し、計三百機で作戦を遂行する青写真である。

 ピーク時には九十機を常時配備することも明らかにしている。

 周囲が民間住宅地で囲まれた危険極まりない「普天間」に、現状の四倍を超えるCH46EヘリやAH1W攻撃ヘリなどを順次送り込むというのだから、身の毛がよだつ。

 文書が作られたのは一九九六年に日米両政府で普天間飛行場返還に向けた協議が本格化した時期だ。

 それなのに、ここには既に「普天間飛行場が返還された後も、朝鮮有事のための発進地を海兵隊と国連軍に提供できる基地を新たに指定」すると記されている。

 これは名護市辺野古沖で合意された当初案は言うに及ばず、何としても代替施設は造らせるとする米軍の意思とみていい。であれば、キャンプ・シュワブ沿岸部に変更されたV字形滑走路を持つ「新基地」も同じだろう。

 公文書から読み取れるのは「造るが勝ち。すべては状況に応じた運用の問題」とする米軍の傲慢な姿である。

 島袋吉和名護市長はこの計画をどう受け止めるのだろうか。もちろん仲井真弘多知事も同様だ。

 代替施設がこれからの問題であれば、「知らなかった」では済まされないからだ。市長と知事は市民、県民に対し公文書の内容を分析した上でどう考えるのか、説明する責任があろう。

 計画について、米軍部が太平洋戦争で激戦の末に獲得した“権益”を普天間飛行場の返還で失うことを恐れ、同飛行場の有用性をことさらに強調したのではないかという見方もある。

 県民の暮らしを破壊する嘉手納基地での未明の離陸をはじめヘリからの降下訓練など、既得権益を前面に押し出した強硬姿勢が目立つのは確かだ。

 問題は、このような米軍の姿勢を黙認する政府の姿勢なのであり、もし米政府との間で県民の知らない取り決めがあるのであれば、すぐに情報を公開するべきだろう。

 平和に暮らしたいと願う県民の願いを無視し、沖縄を最前線基地にしようとする米軍の思惑を私たちは絶対に認めるわけにはいかない。「普天間」の危険性の除去とは即時閉鎖である。
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070505.html#no_1

2007年5月7日(月) 夕刊 6面
「南京大虐殺」を朗読劇で伝える
 南京大虐殺での加害と、犠牲者への鎮魂をテーマにした朗読劇「地獄のDECEMBER―哀しみの南京」(主催・沖縄公演実行委員会)が六日、那覇市のパレット市民劇場で上演された。全国公演の一つで、七日午後七時からは沖縄市民劇場あしびなーで上演される。

 劇団「IMAGINE21」=東京都=の渡辺義治さん、横井量子さん夫妻が出演。二人は約四百人の聴衆を前に、戦争にかかわった渡辺さん自身の父親と犠牲になった中国人のエピソードを朗読。来場者は気迫のこもった劇に引き込まれた。

 渡辺さんは幼少期から、軍人だった父親が中国で犯した罪の大きさに恐怖心を抱いていた。日本が戦争で行った加害について伝えたいと、去年から同公演の制作を開始した。沖縄初公演について渡辺さんは「ひめゆりの映像を見たとき、南京の様子と同じだと感じたことがある。沖縄の人に少しでも何か伝えられたらいい」と語った。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705071700_05.html

2007年5月8日(火) 朝刊 26面
応募 昨年下回る/米基地従業員定期募集開始
 駐留軍等労働者労務管理機構は七日、県内の米軍基地で働く従業員の定期募集を始めた。初日の受付件数は二百十二件(インターネット受け付け分を除く)で、昨年の三百二十一件(同)を大幅に下回った。米軍再編の基地雇用への影響が懸念される中、申し込みに訪れた人たちは、将来の不安よりも目の前の安定を求めているようだった。

 募集要項の配布や受け付けをする同機構の那覇支部(浦添市城間)と同支部沖縄分室(沖縄市中央二丁目)、コザ支部(同市久保田三丁目)には、受け付け開始の午前九時から断続的に応募者が訪れた。

 那覇支部に足を運んだ八重瀬町の無職男性(40)は「ハローワークから紹介を受けた。仕事が見つからず、機会があるなら挑戦しようと思った」と切実な様子だった。宜野湾市から塗装業の二男(27)のためにやってきたという女性(60)は「今の仕事に比べて給与が良く、安定している。米軍が再編されても多くの基地は残る。従業員もそれほど減らさないのでは」と語った。

 名護市の男性(36)は「社会保険も整い、待遇が魅力的だ。英語はあまり話せないが、普天間基地移設を見越して、北部からの採用が増えるのでは」と期待をかけていた。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705081300_05.html

社説(2007年5月8日朝刊)

[「見直し」有識者会議]

「解釈改憲ありき」の人選
 「高い見識」を持っていても、一方に偏っていては国民の信頼を得ることはできないのではないか。

 集団的自衛権行使に関する憲法解釈見直しを検討する政府の有識者会議のメンバーのことだ。十三人の顔ぶれは“解釈変更派”ばかりで、国民の不安を煽る人選と言わざるを得ない。

 最初から「解釈見直し」が目的であれば、推して知るべしである。それにしても十三人中、集団的自衛権を認める委員が十二人、異を唱えるのが一人もいないのは、政府の会議として公平さを欠こう。

 これでは、まとめられる方向性は決まっているではないか。安倍晋三首相がなぜ、そこまで恣意的な人選を行ったのか、疑問と言うしかない。

 日米間の有事を想定した防衛指針(新ガイドライン)を決定したのは一九九七年。九九年には周辺事態法などガイドライン関連三法ができ、テロ対策特別措置法の成立は二〇〇一年だ。

 武力攻撃事態対処法、改正自衛隊法、改正安全保障会議設置法が〇三年。〇六年に教育基本法が改正され、防衛庁も「省」に格上げされた。

 国民の多くが改憲論議に異を唱えなくなったいま、首相自身が日本の針路を大きく“右側”に切る条件が整ったと見定めたのは確かだろう。

 そのためには、米国との軍事同盟を強化するため集団的自衛権の行使が必要と考えたに違いない。

 だが、見落としてならないのは、改憲に理解を示す国民も九条改正には疑問を呈し、ましてや集団的自衛権の行使に道を開くことには多くが反対しているという事実である。

 与党を担う公明党の太田昭宏代表は会議について「右よりの、乱暴な議論をする人たちが多く入っているということを、多くの人たちが心配している」と述べた。

 自民党内にも懸念する声は多い。当然であり、国民が疑念のまなざしで見ているのを忘れてはなるまい。

 集団的自衛権に道を開く解釈改憲の行く手には、憲法前文と九条一項が持つ「不戦の誓い」を破り、二項の「戦力不保持」に大なたを振るう可能性も否めない。国民の不安はそこにある。

 それにしても、自らの政治信条とはいえ、なぜこんなにも性急に「日本を戦争ができる国」に造り替えようとするのだろうか。

 憲法の平和主義は私たちが過去の歴史を踏まえて築き上げた世界に冠たる理念だ。国際的信用もそれが根幹にある。有識者会議の論議には細心の注意を払い、「日本丸」を誤った方向に向けさせぬよう監視していきたい。
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070508.html#no_1

沖縄タイムス 関連記事・社説(5月4日、5日)

2007年5月4日(金) 朝刊 22・23面
生かせ憲法 守ろう平和/那覇で講演会
 施行六十年目となる憲法記念日の三日、詩人で絵本作家のアーサー・ビナードさんを招いた憲法講演会(主催・県憲法普及協議会、沖縄人権協会、日本科学者会議沖縄支部)が那覇市民会館大ホールで開かれた。ビナードさんは「聞こえのいい表現で戦争の本質を隠す、為政者たちの言葉を読み解こう」と語り、「憲法の危機を好機にしよう」と会場に呼び掛けた。主催者発表で約千五百人が聴いた。

 ユーモアと風刺を織り交ぜ、言葉を選びながらエッセーを聞かせるように語る。笑いと拍手を誘いながら約一時間半話した。

 ビナードさんは、日米の「ミサイル防衛システム」や「米国防総省」といった軍事関連の呼称について、自国の防衛という表現を使って戦争の実態をごまかしていると指摘。「テロとの闘い」も先制攻撃とその後の混乱の隠れみのになっていて、「言葉を作った人の意図を見抜く必要がある」と述べた。

 憲法については「(九条の)正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、本気で外交に取り組んだ内閣がこれまであったでしょうか」。九条は可能性が試されたこともなく、「私たちは『新憲法制定』といった新しいという言葉にだまされやすい思考回路を持っている」と警鐘を鳴らした。

 ビナードさんは一九九〇年に来日し、湾岸戦争への自衛隊派遣の是非をめぐる論議で日本に平和憲法があることを知り、九条が戦争にかかわることへの歯止めになっていることに強い衝撃を受けたという。

 一方で「『九条を守ろう』と口にすると生意気な感じで違和感がある」とも。「憲法は守らなくても動じない。守られているのは私たちで、僕らが生かして使っていかなければいけないものです」と語った。

 結びに「平和とはどこかで進行している戦争を知らずにいられるつかの間の優雅な無知」と、米国の詩人エドナ・セントビンセント・ミレーの言葉を紹介。「平和とは戦争をしたがる人の準備のための時間」と話したベトナム人もいたといい「私たちには戦争を準備するための時間も食い止める時間も等しく与えられている。平和憲法を生かし、実現するための時間を大切にしよう」と語った。

     ◇     ◇     ◇     

悲惨な体験忘れず・戦争への加担阻止

 「活かそう ホントの憲法の力」をテーマに那覇市民会館で三日開かれた憲法講演会。詩人で絵本作家のアーサー・ビナードさんの講演のほか、県憲法普及協議会の高良鉄美会長が改憲手続きを定める国民投票法案について批判。名護市辺野古で基地反対の座り込みを続ける嘉陽宗義さん(84)との意見交換会、県内歌手の宮良沢子さんらのコンサートなどさまざまなプログラムが繰り広げられた。会場を、改憲の動きに危機感を募らせる約千五百人が埋め尽くし、熱気に包まれた。

 国民投票法案について高良会長は「憲法ができて二十五年の空白がある沖縄では憲法の理念などがまだまだ生かされていない。国民投票と聞こえはいいが、改憲のための法案。有権者投票数の半分で決まってしまうこと自体が憲法違反だ」と指摘した。

 米軍基地周辺に植えられた夾竹桃をテーマに「夾竹桃?フェンスの向こうで」など三曲を披露した宮良さんは「夾竹桃の花言葉は、近寄るな、危険。この歌を通して平和の大切さを伝えたかった。県内には戦争体験者も多く残っており、戦争は昔のことではなく、悲惨な体験を簡単に忘れることはできない」と改憲に異議を唱えた。

 名護市辺野古の基地建設に反対する座り込みを続ける嘉陽さんは、司会から安倍晋三首相の美しい国づくりについて質問され、「首相の美しい国は、精神的にか、道路整備などなのか分からない。九条は千年万年も守りたい」と語った。

 最後に、琉大の学生二人が二〇〇七年沖縄・憲法宣言「マジュン、チバラヤー! 憲法(憲法よ、一緒に頑張ろう!)」を読み上げた。学生たちがまとめた文章は、改憲や教育基本法改正の動きに危機感を訴え、平和憲法の理念を世界に発信する内容。

 会場にいた沖縄キリスト教学院大学の大城△武教授は「改憲のターゲットは九条で、戦争できる国にすることが見え見え」と強調した。

 那覇市の盛口佳子さん(39)は「今でさえ、自衛隊の海外派遣など米国の戦争に加担しているのに改憲すると直接、戦争にかかわるのでは」と不安げな表情だった。

 宜野座村の知名桐子さん(24)は憲法改正問題に興味を持つようになったのは一年前。「周りの友人は興味がない人が多い。九条は改正してほしくないが、それ以外の内容が分からないので勉強していきたい」と語った。

※(注=△は「冖」(わかんむり)の下に「且」)

九条「世界へ」宮古から声明

 【宮古島】みやこ九条の会は憲法記念日の三日、宮古島市内で会見し、「憲法九条を激動する世界に輝かせたい」として、九条改憲に向けた動きに反対する声明を発表した。同市伊良部の下地島空港にも触れ「軍事的利用を画策し、自衛隊を誘致しようとする策動が行われていることは看過できない」とした。

 代表世話人の一人、仲宗根将二さんは下地島空港と憲法九条の関連について「自衛隊が使用すれば、米軍と一体となった戦争の危険性が強まる」と指摘。「下地島空港を拠点とした自衛隊の在り方を警戒している」と述べた。

 同会は仲宗根さんと牧師の星野勉さんを代表世話人に二〇〇六年七月に発足。「不戦と平和の誓いの象徴」として「憲法九条の碑」を市内に建てようと募金活動を進めている。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705041300_01.html

社説(2007年5月4日朝刊)

[日米2プラス2]

軍事的一体化を危惧する
 日米両政府は、外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)を一年ぶりに開き、日米同盟の強化と自衛隊の役割拡大を打ち出した。

 今回は在日米軍再編の着実な実施やミサイル防衛(MD)システムの構築など従来の合意事項の確認が中心となり、MD強化に向けた両国間の情報共有や、日本と北大西洋条約機構(NATO)との協力拡大をうたった。

 米軍普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設などの在日米軍再編については、昨年五月の日米合意の着実な実施を再確認し、日米が連携して進展を図る方針を示した。

 V字形案の沖合への移動などは取り上げられなかった。仲井真弘多知事は不満をにじませ、政府の柔軟対応を促した。県民世論を代弁する知事としては当然である。弱腰では政府案修正はますます不透明になるばかりだ。

 今回の協議では、軍事秘密の保全に関する規則を包括的に定める「軍事情報に関する一般的保全協定」(GSOMIA)の締結に合意している。

 イージス艦情報が漏えいし、政府の情報管理の甘さを懸念した米側が協定締結と国内法整備を求めた。同盟関係の二国間で秘密軍事情報を提供し合う際、第三国への漏えいを防ぐのが目的だ。しかし、国民の知る権利を侵害することにならないか、検証が必要だ。

 共通戦略目標では、日米同盟とNATOを補完的関係と位置付け、広範な協力を達成するとした。MDについては地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の全面配備を前倒しし、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)のイージス艦搭載も早期の完了を目指すという。

 安倍晋三首相は「戦後レジーム(体制)からの脱却」を掲げ、日米同盟強化や、MD配備、NATOとの連携、集団的自衛権行使についての政府解釈の見直しに強い意欲を示している。

 在日米軍再編などに伴い、米軍と自衛隊の軍事的一体化が加速し、北朝鮮情勢を背景に、安倍政権の“タカ派ぶり”が際立っている。

 政府の憲法解釈では、日本国憲法の下では集団的自衛権は行使できない。有識者会議の設置は、政府が集団的自衛権行使の一部容認から全面容認への道を開くことが危惧される。

 憲法改正の動きと連動し、なし崩し的な解釈改憲を進めるのはあまりにも一方的だ。「平和主義」を理念とする専守防衛の原則を踏み外してはならない。

 日米の軍事的一体化で沖縄はどのような負担を強いられるのか。県民一人一人が真剣に考えなければならない。
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070504.html#no_1

2007年5月5日(土) 朝刊 20面
ハワイ先住民ら抗議/普天間代替の事前調査で
 【ホノルル=山城莉乃通信員】普天間飛行場の代替施設建設に反対し、ハワイから沖縄の住民運動にエールを送る人々がいる。ハワイ先住民族の主権回復を訴える団体や県系人らの「HOA」(ハワイ・沖縄アライアンス)は沖縄で行われる抗議集会に連動してホノルル市内でアピール行動を展開した。

 建設予定地の名護市辺野古キャンプ・シュワブ沖で那覇防衛施設局が事前調査を実施したことに対し四月二十八日(現地時間二十七日午後)、HOAのメンバー二十五人はホノルル日本領事館に集まった。

 沖縄でこの日、反対住民がシュワブ前で実施した「人間の鎖」行動に連動。「基地拡張に反対」「ジュゴンを守れ」などと書かれたプラカードを掲げ、普天間移設に抗議した。

 ハワイ先住民のケリイ・コリアーさんは「異民族の基地を押し付けられているハワイ、沖縄、グアムを含むアジア太平洋、そして南米の国々が協力し外国軍基地を拒否し続ければ、必ず平和を得ることができると思う」と今回の抗議行動に参加した思いを語った。

 領事館職員はプラカードの内容をメモに取り、解散を呼び掛けた。HOAメンバーが総領事との面談を求めたが受け付けなかった。

 参加者の説明では、三週間前から代替施設で「共同使用」となる内容の情報開示と総領事との面談を求めたが拒否されたため、抗議集会を開いたという。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705051300_05.html

2007年5月5日(土) 朝刊 2面
11日から平和行進/復帰35年特別コースも設置
 県内の米軍基地や沖縄戦の戦跡などを巡り、平和や基地問題について考える「5・15平和行進」(主催・同実行委員会)が十一―十二日の二日間、県内各地で行われる。同行進は今回で三十回目。今年は十日に国頭村役場を出発、大宜味村などを経由して名護市役所前を終点とする復帰三十五年特別コースも設けた。

 同実行委員会の山城博治事務局長は「沖縄の基地を整理・縮小していくことが極東アジアの平和につながるということを行進を通して訴えていきたい」と多くの県民の参加を呼び掛けている。同実行委によると、県内外を合わせて延べ約六千人の参加を見込んでいるという。

 行進は沖縄本島が東・西・南の三コース。宮古・八重山でも行われる。平和憲法を守り、米軍普天間飛行場の即時閉鎖、県内移設反対、嘉手納基地の返還などを訴えながら行進する。

 十二日午後六時から北谷町の北谷球場前広場で「5・15平和とくらしを守る県民大会」を開催する。また、多くの参加者は十三日に行われる「5・13嘉手納基地包囲行動」(主催・同実行委員会)に参加する予定となっている。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705051300_06.html

沖縄タイムス・琉球新報 関連記事、社説(5月3日 その2)

来月9日に県民大会 集団自決「軍命」削除

 2008年度から使用される高校歴史教科書の検定意見を受け、沖縄戦の「集団自決」から「日本軍の強制」が削除、修正されたことについて「沖縄戦の歴史歪(わい)曲を許さない!沖縄県民大会」の開催に向けた第1回実行委員会準備会が2日夜、那覇市の教育福祉会館で開かれた。準備会には沖教組、高教組など18団体、約60人が参加し、文科省に記述復活を求める県民大会を6月9日に那覇市の県民広場で開催することを決定した。
 準備会では冒頭、松田寛高教組委員長が「沖縄戦がゆがめられて全国の子どもに教えられるのは決して許されない。労組や市民団体だけでは教科書問題を解決することは難しい。県議会での闘いをつくり上げ政治問題化していきたい」と発言した。
 大会趣旨として、文科省にあらためて沖縄戦の実相を認めさせ、教科書図書検定基準にあるアジア諸国との近代の歴史に特別な配慮をする「近隣諸国条項」と同様の「沖縄条項」を認めさせていく方針を確認した。
 また準備会では事務局を高教組に置き、県内2教組で担うことを確認。実行委の拡大、県議会や市町村議会対策などが提起された。
 「沖縄戦の歴史歪(わい)曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」事務局長の山口剛史さんは「教科書の印刷は8月以降。それまでに撤回させたら教科書の書き換えは十分にあり得る」と訴えた。

(5/3 10:10) 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23474-storytopic-1.html

沖縄タイムス 社説(2007年5月3日朝刊)

[還暦迎えた憲法]

平和の理念揺るがすな

「九条」守るために声を

 「国民主権、基本的人権の尊重、平和主義」を基本原則とする憲法が施行されて満六十年を迎えた。

 各種の世論調査でも分かるように憲法を取り巻く環境は変化し、特に「新憲法制定」を公約に掲げる安倍晋三首相の登場で憲法の改正手続きを定める国民投票法案が衆院を通過するなど大きく様変わりした。

 だが、憲法の何を変え、何を残そうとしているのか。私たちは憲法をどう受け止め、暮らしの中で向き合ってきたのか。憲法記念日にあたり、もう一度考えてみたい。

 首相が目指す「戦後レジームからの脱却」は、「戦争放棄」「武力不保持」を打ち出した九条の改正と集団的自衛権の解釈変更を基軸にしている。

 しかし、本紙が行った世論調査では、九条について「改正するべきでない」が二〇〇四年の40%から十六ポイント増えて56%になっている。逆に「改正すべきだ」が29%から24%に減った。

 これは「歴史的な大作業だが、私の在任中に憲法改正を成し遂げたい」と述べた安倍首相への県民の答えと言っていいのではないか。

 沖縄は戦後二十七年間も米施政権下にあり、復帰後も平和に暮らす権利を基地が侵してきた。基地はまた基本的人権をも蹂躙(じゅうりん)したと言っていい。

 だからこそ県民は九条護持を理由に、平和主義の理念を変えることへの危機感を示したのである。

 もちろん、変えるべきところ、付け足す必要があるところをきちんと議論することに異論はない。しかし九条改正には多くの国民が反対している。その点で首相と国民の憲法観は大きく乖離していると言わざるを得ない。

 首相が立ち上げた集団的自衛権についての憲法解釈変更を目指す有識者会議は、首相と同じ考えを持つ識者の集まりだ。これでは「まず解釈改憲ありき」ではないか。

 憲法は権力を持つ側が安易に変えるものではないはずだ。改正を急ぐ首相に疑惑の目が向いているのをなぜ直視しないのか、疑問というしかない。

 「平和の理念」を拡大解釈で揺るがしてはならず、そのためにも私たちにはしっかり声を上げる責任がある。

歴史の事実に目を閉ざすな

 共同通信社での憲法研究会で講演した日本国際ボランティアセンター前代表熊岡路也氏は、イラク戦争とNGO活動の動きを説明する中で、「国際協力では非軍事活動が大事だと確認されている」と述べている。

 紛争解決に求められているのは「当事国、周辺国との折衝や交渉」で、日本は「日本国憲法の理念をむしろ展開すべきだ」と話す。日本の安全に必要なのは「戦争できる国」に道を開く九条改正ではなく、集団的自衛権が行使できるよう憲法の解釈を変えることでもないというわけだ。

 アフガニスタンやイラクなどの紛争地域や各地で頻発するテロを考えれば、今こそ憲法前文と九条の理念が輝きを増していると言うべきだろう。

 「権力を持つ人を縛り」個人の権利と自由を守るのが立憲主義の理念であれば、国民には首相に対し平和憲法を順守するよう求める責任がある。

 私たちは日中戦争から太平洋戦争までの歴史の中で多くのことを学んできた。憲法の根幹にあるのは歴史から体感した“平和の尊さ”であり、理念を変える動きについては厳しく監視していかなければならない。

自らの憲法観が試される

 沖縄は十五日で一九七二年の復帰から三十五年を迎える。復帰時の県民の願いは「平和憲法」の下に戻ることにあった。さらに言えば、基本的人権が尊重されることへの希望であった。

 だが実態はどうだろう。米軍基地の「本土並み」という約束がほごにされ、憲法三原則の一つである基本的人権も十分に守られなかった。平和主義だけでなく憲法そのものの理念にかなうものではなかったのである。

 日米安保条約が憲法の理念を踏みにじったのは明白で、それが暮らしの隅々に影を落とし県民を不安に陥れているのは間違いない。

 憲法は確かに不磨の大典ではない。だが、首相の思惑で改憲を急ぐべきものでないのもまた確かだろう。

 改正教育基本法が成立し防衛省もできた。首相が集団的自衛権を模索するいま、私たちが歴史の岐路に立っているのは間違いない。だからこそ自らの憲法観が試されていることを肝に銘じたい。
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070503.html
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沖縄タイムス・琉球新報 関連記事、社説(5月3日 その1)

沖縄タイムス 2007年5月3日(木) 朝刊 1面
旧軍飛行場/那覇市が4事業提案
 那覇市の翁長雄志市長は二日、二〇〇六年度に行った旧軍飛行場の用地問題事業可能性調査の報告書を発表した。地主会の要望をまとめ(1)那覇空港関連事業(2)那覇市の公的施設建設(3)総合健康増進施設建設(4)ファンド(民間参加型)事業―を提案。連休明けにも地主会に説明して了解を得た上で、県に要請する。具体的な提案を含めた市の報告書策定は初めて。

 実際に実施するのは一事業だが、複数の事業を合わせたり、ファンド事業のアイデア次第で新たな事業案が出る可能性もあるとしている。

 旧軍飛行場の用地問題は、一一年度に終了する沖縄振興計画で「戦後処理の課題」に位置付けられている。県は今月下旬にも報告書で示された事業案などを旧地主会や、旧軍飛行場のあるほかの市町村に対して説明会を開くとともに、事業案を検証。残り五年となった沖縄振興計画の中で解決するため今後、国との調整をどう進めるかなど検討する。

 市は、県の補助を受け団体補償による問題解決を求める「旧那覇飛行場用地問題解決地主会」と「旧小禄飛行場字鏡水権利獲得期成会」からヒアリングした。案は、県が示した(1)団体補償として検討(2)地主会の提案を中心に、慰藉や地域振興の観点を重視―などを前提に策定。事業の安定性、継続可能性を考慮し、有識者らでつくる検討委員会が地主会から挙がった計十一の案を四案に絞った。

 いずれも旧地主関係者の奨学金制度や雇用の優遇措置など「慰藉事業」を盛り込んでいる。

 翁長那覇市長は「事業案をさらに精査し、問題解決に向けて取り組んでいきたい」と話した。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705031300_03.html

沖縄タイムス 2007年5月3日(木) 朝刊 26面
憲法の危機は国民の危機/きょう那覇で講演会
 県憲法普及協議会などが主催する今年で四十二回目の憲法講演会が三日、那覇市民会館で開かれる。演壇に立つのは、米国生まれの詩人で絵本作家のアーサー・ビナードさん。東京で詩作を続けている。昨今の日本の改憲論議はどう映るのか。講演を前に二日、那覇市内で聞いた。(聞き手=社会部・粟国雄一郎)

 今の改憲論議は先を急ぎ過ぎていますね。日本の憲法は世界に誇る超一流の憲法。めったに生まれてこない一世紀に一度の奇跡です。ただ六十歳とまだ若い。シェークスピアの戯曲への評価が時代ごとに揺れ動くように不遇な時代もあります。

 「世界情勢と日本の立場が合わない」などと、憲法が現実と乖離しているといわれるが、乖離しているのは憲法ではなく、与党の政治家たち。三流の政治家を選んでそれに憲法を合わせるか。市民が力を出して、政治家を少しでも超一流の憲法に近づけられるか、それが試されている。

 アリストテレスが「いい法律があっても、実践しなければいい政治はない」と言ったが、今の日本を見透かしたような言葉です。日本で、憲法を生かす積極的な外交に取り組んだ政権はかつてない。古くなったなんていうけど、新品ですよ。一度たりとも使われていない、未使用。日本国憲法はすごい力を秘めているのに、まだ一度も試されていないんです。

 沖縄に目を向けて、沖縄が歩んできた道を真剣に考えると、日本国憲法に行き着く。と同時に、侵略戦争をしたアジアに対する答えでもある。それを捨てることは、いったん出したその答えを無効にすること。沖縄とアジアを消すことになる。

 憲法を捨てようとする動きと、沖縄の戦争を消そうとしているのはまったく同じ勢力です。教科書から「集団自決」の強制を消す動きと、憲法改正手続き法案のタイミングが重なりましたが偶然ではありません。

 憲法の危機は、沖縄をまったく知らない、歴史の奥に潜む因果関係を考えようとしない国民の危機です。

 講演会は、三日午後一時半から同四時まで、那覇市民会館大ホールで。演題は「『美しい国のラムネ』―プシュッと言葉の栓を開ける―」。高校生以下は無料、一般七百円、学生五百円。

 アーサー・ビナード 1967年7月、米ミシガン州生まれ。90年に来日、東京を拠点に詩作を続ける。2001年に詩集「釣り上げては」で中原中也賞。07年に「ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸」で日本絵本賞。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705031300_04.html

修正主張は「合意内」 普天間移設で仲井真知事

 日本時間の2日未明にワシントンで開かれた日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、米軍普天間飛行場移設について県と名護市が求めている移設案の沖合移動に言及がなかったことに対して仲井真弘多知事は2日夕、記者団に対し「昨年の(米軍再編の)基本合意は尊重すべきだ。名護市の(要求)は基本合意の範囲内だ。『修正』というのも(受け)取り方だ」と述べ、県や名護市の主張が合意案に含まれるものだとの認識をあらためて示した。
 公約として政府に主張している(1)普天間飛行場の3年めどの閉鎖状態実現(2)現行V字移設案は容認できない|の2点について「まだ政府からきちっと返答をいただいていない。その2点を満たすような方向でのご返事をいただきたい」とあらためて要求した。
 その上で、政府から回答が示されないまま環境影響評価(アセスメント)手続きで方法書を送付してきた場合は「それは受け付けられない」との意思を重ねて示した。
 2プラス2の内容で沖縄に関連した部分については「(普天間移設で)技術専門的な設計の取り組みというが、取り組みがどうなのかはっきりしない。嘉手納より南の部分についてどうするのか分かりやすく出ていない」と指摘した。
 内容全般には「これまで1年たって、どんなふうに動いているかいないか、実情のチェックと情報交換という印象を受ける」と述べた。

(5/3 10:24) 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23470-storytopic-3.html