沖縄タイムス 関連記事(3月26日?27日)

2007年3月26日(月) 朝刊 1面
「返還密約」あす判決 東京地裁
 沖縄返還の「密約」をめぐる取材で国家公務員法違反とされた元毎日新聞記者の西山太吉さん(75)が、国の密約を不問に付した不当な訴追で名誉を傷つけられたとして、国に謝罪と慰謝料などを求めている訴訟の判決が二十七日、東京地裁で言い渡される。沖縄問題の原点とされる返還密約を主題に、国民の知る権利と国の説明責任、メディアの役割が問い直された国家賠償訴訟。判決がどこまで密約の事実認定に踏み込むかが焦点となる。
 これまでの九回の弁論で、米公文書や元外務省高官の新証言を基に密約の証拠を積み重ねた西山さん側に対し、国側は仮に密約があっても西山さんが有罪であることに変わりはないと反論。密約の認否をしないまま結審した。
 西山さん側は、沖縄返還協定を偽造した政府の密約は国民を欺く違法行為で、国家公務員法が保護することを目的としている秘密には当たらないとして、有罪を確定した最高裁判決は誤っていると主張。
 国側は、最高裁は外交交渉の会談内容が法的な保護に値すると判断しており、その中に密約が含まれているかどうかは問題ではないと反論。密約が証明されたことをもって判決が誤りと主張するのは失当だとしている。
 また西山さん側は、二〇〇〇年から〇二年にかけて明らかになった米公文書で密約の裏付けは確定的になったが、政府高官らは事実を否定し続けて西山さんの名誉を傷つけてきたと主張。
 国側は政府高官らの発言は行政活動に関する一般的なコメントにすぎず、また西山さん個人を特定していないため社会的な評価はおとしめていないと反論している。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200703261300_01.html

2007年3月27日(火) 朝刊 1・3面
国、きょうにも同意申請/普天間代替調査
知事、応じる意向
 米軍普天間飛行場の名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への代替施設建設で、防衛施設庁は二十六日までに、サンゴの産卵調査など海域での現況調査に着手するため、「公共用財産使用協議書」を二十七日にも県へ提出し、同意申請する方針を固めた。県は「形式が整っていれば淡々と処理していく」(仲井真弘多知事)とし、手続きを進める意向だ。県の同意が得られれば、那覇防衛施設局は業者選定後の四月にも海域調査の準備に乗り出す。
 施設局は二十二日に名護漁協、二十六日に名護市の同意書を得ており、協議書に添付の上、県に提出する。
 二十六日には、施設局職員が県の担当職員に事前説明を行った。施設局から正式に同意申請を受ければ、県は仲井真知事の談話を発表する予定。
 施設局から説明を受けた名護市などによると、調査範囲は一九九九年の閣議決定に基づき、沿岸部の集落から約二・二キロの辺野古沖を埋め立てる従来計画と同エリアに設定。大浦湾から久志にかけての海域で、辺野古崎沖合の平島や長島も含まれる。調査内容はサンゴやジュゴン、藻場の生息・分布調査のほか、波力の調査も行う。
 防衛施設庁は、県と名護市に対し、サンゴの産卵調査などの海域での調査については環境影響評価(アセスメント)の前段となる事前調査として実施する方針を伝達。協議書では「環境現況調査」ではなく、「現況調査」と表記し、環境アセスとは一線を画す体裁を整える。しかし、事前調査として行った場合でも、結果をアセスに反映させることは可能なため、「実質的なアセス着手」との批判も一部にある。また、施設局はアセス手続きの進展や代替施設本体の建設を見据えた業務発注を進めており、県に環境影響評価方法書を送付し、アセスに移行できる態勢も整えている。
 県は現段階での方法書の受理に難色を示す一方、事前調査については「事業者の責任と判断で行うもの」と理解を示している。
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仲井真知事は柔軟姿勢/防衛研概観
 【東京】防衛省のシンクタンク「防衛研究所」は二十七日、日本周辺の安全保障環境を分析した「東アジア戦略概観2007」を公表した。昨年十一月の県知事選で当選した仲井真弘多氏について「(米軍普天間飛行場)代替施設の県内移設に関して柔軟な姿勢を示している」と指摘。仲井真氏の得票が在日米軍再編に関係する自治体の多くで対立候補の票を上回ったことを強調し、「再編計画の実現可能性は高まった」との見通しを示した。また、中国の政治、経済面での影響力拡大や軍事力の増大に警戒感を示す一方、北朝鮮が再度の核実験に踏み切る可能性に言及している。
 米軍再編の「特徴」として、県内六施設の全面・一部返還を挙げ「単に面積的な意味での地元負担の軽減ではなく、経済的な機会を拡大する意味でも地元負担の軽減につながる」と評価。基地返還と在沖米海兵隊のグアム移転は「相互に結びついている」とし、「パッケージ」で取り組むことの必要性を強調している。
 中国に関しては、昨年十月の東南アジア諸国連合(ASEAN)との首脳会議開催や六カ国協議への積極的な関与などを挙げ、自らの主導権を発揮できる新秩序構築と米国の影響力削減を狙っていると分析。「既存の地域秩序に満足していないことは明らかであり、日米両国は中国に既存秩序の受容を促し、東アジア協力を推進すべきだ」と提言した。
 「概観」の記述は二〇〇六年一月から十二月までの一年間が対象。同編集部は「政府・防衛省の見解を示すものではなく、防衛研究所の研究者が独自の立場から分析したもの」としている。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200703271300_01.htm

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