沖縄タイムズ 基地関連記事(3月15日、16日、17日、20日)

2007年3月15日(木) 夕刊 5面
北谷町長、米に綱紀粛正要請/空気銃発砲
 【北谷】北谷町内で八日、米陸軍軍属の息子の無職少年(19)が自宅マンションから空気銃のようなものを歩行者や駐車中の車に発砲した事件で、野国昌春北谷町長は十五日午前、在日米軍沖縄調整事務所を訪ね、事件の再発防止と軍人・軍属への綱紀粛正を申し入れた。
 野国町長は「町内では米軍人・軍属やその家族などによる犯罪が度々発生している。町内の約54%を占める広大な米軍基地を抱える町民は、事件の再発に対する不安や米軍への不信感を感じている」と強く抗議した。
 野国町長によると、対応した同事務所所長のマーク・R・フランクリン大佐は「今回の事件は米軍としても不快感を感じている。日ごろから良き隣人を心掛けていても、一つの事件で台無しになってしまう。米軍人・軍属のすべてが同じような事件を起こす人間ではないことを理解してほしい」と述べるにとどまり、再発防止や綱紀粛正の具体的な案には言及しなかったという。
 抗議に先立ち十四日に那覇防衛施設局、外務省沖縄事務所へ要請をしている野国町長は「米軍、国とも事件の深刻さを受け止めているという印象を受けた。それぞれの立場で再発防止に努めてほしい」と話した。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200703151700_05.html

2007年3月16日(金) 夕刊 1面
普天間移設 海域調査に同意へ
知事 範囲拡大を一定評価
 仲井真弘多知事は十六日午前の定例記者会見で、米軍普天間飛行場代替施設の名護市キャンプ・シュワブ沿岸部移設に伴う海域の現況調査に向け、国から公共用財産使用協議書の同意申請を受けた場合の対応について「事務処理上は、形式が整えば処理せざるを得ないと思っている」と述べ、アセス前段の事前調査の手続きに応じる意向を表明した。
 また、国との調整で調査範囲が辺野古沖を埋め立てる従来計画と同エリアまで拡大されたことを認めた上で、「(現行の政府案のままでは認められないとする)こちらの立場や主張も考えていてくれるのかなというのもないわけではない」と述べ、一定評価する考えを示した。
 天候不良で延期になった尖閣諸島視察について「尖閣は沖縄の県域なので、なるべく早く行きたい」と早期視察の意向をあらためて示した。
 今後、中国、台湾から視察中止を求める動きが出た場合でも「それぞれ(中国と台湾)と友好関係を維持強化したいということを基本に持っており、(視察を)ちゅうちょしない」と述べた。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200703161700_01.html

2007年3月17日(土) 朝刊 2面
米軍・軍属事件事故1270件
 【東京】北原巖男防衛施設庁長官は十六日の衆院外務委員会で、二〇〇六年度の全国における米軍人・軍属による事件・事故数が一月末時点で千二百七十件に上り、約九割が交通事故関係であることを明らかにした。笠井亮氏(共産)への答弁。
 北原長官は、過去の統計についても〇一年度が千七百三十三件、〇二年度千九百四十四件、〇三年度二千七十九件、〇四年度千八百六十六件、〇五年度が千七百五十五件だったと説明した。
 これについて麻生太郎外相は「国民の不満が起き上がり、結果として抑止力を下げることにもなりかねない。米軍とさらに詰めていかなければ」と述べ、綱紀粛正、再発防止策の徹底などを米側に申し入れる考えを示した。
 岩屋毅外務副大臣も事件・事故の多発に「非常に遺憾」と述べ、米軍人などによる事件・事故を未然防止するための取り組みを強化する考えを強調した。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200703171300_04.html

2007年3月20日(火) 朝刊 31面
ヘリパッド移設 区民怒り/施設局「騒音基準内」
 【東】「高江区に人が住めなくなる」―。米軍北部訓練場の一部返還に伴うヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設問題で、移設地に近い東村高江区(仲嶺武夫区長)で十九日夜、那覇防衛施設局による騒音被害についての住民説明会が開かれた。施設局側は、騒音について環境省が定める基準以下と強調。対策として区内に騒音測定器を設置し、住民生活に影響がある場合、米軍側に申し入れるとの考えを示し、住民の理解を求めた。区民らはあらためて「建設反対」を表明し、住民感情を無視して工事手続きを進める国の対応に怒りの声を上げた。
 会には仲嶺区長や区の代議員十三人が参加。施設局職員は、同施設の返還経緯と騒音測定の結果などを説明した。二〇〇三年に実施した騒音調査を基準に、同区の住宅地域での騒音は環境省が定める「小規模飛行場環境保全暫定指針」に基づき、住宅地での指針値以下であることを強調。ノグチゲラなどの鳥類の繁殖時期を避けた七月から本格工事を実施する方針を語った。
 男性区民は「騒音の問題だけではない。ヘリコプターは落下するし、低空飛行もする。問題がずれている」と厳しく批判。「北部地域の基地の返還は、高江だけに負担が増えている」と怒りを込めた。
 別の区民は「工事着工について新聞報道で見たが、本当にもう変更はないのか」などと落胆の声も聞こえた。妊婦の森岡尚子さん(34)は「四歳の娘もヘリの音をとても怖がるし、胎児にもよくないと医者から聞いた。ヘリパッドができると子育てのために区から出る住民も増えるかもしれない」と、区の存続にもかかわる問題だと訴えた。
 仲嶺区長は「ここまで工事手続きが進んでいることに驚き、動揺している。区として『反対』の姿勢は変わらない。今後どういう対応をするか区民の意見を聞いて考えたい」と話した。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200703201300_02.html

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