沖縄タイムス・琉球新報 関連記事(5月21日)

沖縄タイムス 2007年5月21日(月) 朝刊 21面
サンゴ着床具 設置終了/辺野古調査
 【名護】米軍普天間飛行場の名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への代替施設建設に伴う周辺海域の現況調査(事前調査)で、那覇防衛施設局は二十日も調査機器の設置作業を実施し、サンゴの産卵状況を調べる着床具の設置を終えた。また、海象調査機器の大半の設置を完了、海生生物調査機器のパッシブソナー(音波探知機)や水中ビデオカメラの一部も設置した。
 十九日に着床具の設置がほぼ終了したことから、海上自衛隊潜水要員は同日までに撤収したとみられる。
 産卵期を前に着床具などの設置を終えたことから、今後の作業は状況を見ながら進められる。
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「金城さん後は任せて」基地反対派 最後の別れ
 【名護】米軍普天間飛行場の移設に反対する市民グループは二十日、十九日に死去した市民団体「命を守る会」代表の金城祐治さんを悼み、海上での阻止行動を自粛した。
 辺野古平和之塔前広場で営まれた告別式には多くの区民や反対運動の関係者らが参列。金城さんの遺影の背景には青い海が広がっていた。
 告別式を前に、金城さんの遺体を乗せた霊きゅう車が「守る会」の事務所前に立ち寄った。約百人の仲間が涙声で「ありがとう」。カヌーで海上阻止行動を続ける若者も喪服姿でオールを持ち、故人の冥福を祈り、運動の継続を誓った。
 座り込みに参加している辺野古区の宮城清子さん(81)は「相当思い残したことがあったと思う。基地で苦労して早く逝ってしまったんじゃないか…。後のことは任せて、安らかに眠ってほしい」と沈痛な表情で話した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705211300_04.html

反対派、海上抗議せず 金城さんの喪に服す
 【名護】米軍普天間飛行場移設先となる名護市キャンプ・シュワブ沿岸部の環境現況調査(事前調査)で、那覇防衛施設局は調査3日目となる20日、引き続き機器設置作業を実施した。同日午前7時ごろから海上保安庁の巡視船が沖に停泊し、巡視船や警戒船が警戒する中、作業船やゴムボートから潜水士が海中に飛び込み、設置作業を行った。午後3時までに終了した。
 基地建設に反対する市民団体のメンバーらは、「命を守る会」代表で19日に亡くなった金城祐治さんの喪に服して海上の抗議行動を行わず、漁港内に設置されたテントで作業を監視した。
 辺野古漁港近くのテント小屋では、市民団体メンバーなど約70人が、海上抗議行動でカヌーを漕(こ)ぐパドルや「戦やならん」と書かれた横幕を持ち、基地建設反対運動の先頭に立った金城さんの冥福を祈った。辺野古平和之塔前で行われた金城さんの告別式には、大勢の関係者が参列した。
(琉球新報 5/21 9:38)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23924-storytopic-1.html

沖縄タイムス 2007年5月21日(月) 夕刊 1面
海自投入 県に打診なし 辺野古調査
衆院沖特に知事が説明 国会で追及
 仲井真弘多知事は二十一日午前、県庁で衆院沖縄・北方特別委員会(安住淳委員長)のメンバーと意見交換し、米軍普天間飛行場の名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への代替施設建設に伴う海域の現況調査(事前調査)で海上自衛隊の掃海母艦や潜水要員が投入されたことについて、県への事前連絡がなかったことを明らかにした。安住委員長(民主)は「政府の配慮不足」との認識を示し、国会で問題点を追及する意向を表明した。
 海自投入について安住委員長は、面談後の会見で「極めて遺憾。(地元への)十分な配慮がなければ地元の協力は根底から崩れる。事前に県の了解を得るべきだった」と指摘した。
 仲井真知事は「自衛隊が復帰後の三十五年間、急患搬送や不発弾処理などの役目を果たしていることを評価しているが、(今回の投入で県民の)反自衛隊感情を刺激しないか」との懸念を表明。
 また、普天間飛行場の移設問題については「幸い名護市が条件付きだが受け入れてもいいということなので、なるべく早く移設を完了したい。ベストは県外だが、現実問題として受け入れ先がある間に早めに移設を完了し、むしろ後に続く返還基地の跡利用をしっかりやってもらいたい」と強調。早期移設の要件として、普天間飛行場の三年をめどにした閉鎖状態や代替施設の沖合移動を挙げた。
 県はほかに、「アジア・ゲートウェイ構想」で沖縄が主要拠点としての役割を担いたい、と主張。
 沖縄科学技術大学院大学の設置促進や那覇空港の拡張整備、那覇港の整備促進などを要請した。
 同メンバーは知事らとの面談後、佐藤勉那覇防衛施設局長や外務省の重家俊範沖縄担当大使らから現状を聴取した。
 安住委員長によると、今回施設局が予定していた調査機器(サンゴの着床具)の設置は二十日に完了し、海自の支援も同日までに終了した、との説明を受けたという。
 同委員会は十九日に県内入りし、南大東島の実情調査などを行った。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705211700_01.html

沖縄タイムス 2007年5月21日(月) 夕刊 5面
南風原議会も意見書/教科書検定
 【南風原】二〇〇八年度から使用される高校の歴史教科書から沖縄戦の「集団自決」に関する日本軍の関与が削除された文部科学省の教科書検定について、南風原町議会(金城成長議長)は二十一日午前、臨時会を開き、検定意見の撤回を求める意見書を全会一致で可決した。あて先は首相、文科相、衆参両院議長、県知事。
 意見書では「沖縄戦における『集団自決』は日本軍の命令、強制、誘導なしに起こりえなかったことは紛れもない事実」とし、「この事実がゆがめられることは、悲惨な地上戦を体験し、犠牲を強いられてきた県民にとって到底容認できない」と批判している。
 その上で「沖縄戦の歴史を正しく伝え、悲惨な戦争が再び起こることがないよう、検定意見を速やかに撤回されるよう強く要請する」と検定意見の撤回を求めている。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705211700_03.html

仲井真知事、自衛隊投入を批判 沖特委「配慮足りない」

仲井真弘多知事から沖縄振興について要望を受ける衆院沖特委のメンバー=21日午前9時すぎ、県庁
 県内視察のため来県している衆院沖縄・北方問題特別委員会の安住淳委員長らが21日午前、県庁を訪れ仲井真弘多知事らと面談した。仲井真知事は「アジア・ゲートウェイにふさわしい方向に県内の発展が始まっている。基地の跡利用を含めてもう一押しの支援をお願いする」と述べ、那覇空港の拡張整備や米軍再編に伴う負担軽減の着実な実施などを要望した。
 普天間飛行場移設先の環境現況調査(事前調査)で防衛省が自衛隊を作業に投入したことについて、仲井真知事は「自衛隊が出てくる状況にあるとは考えていない。いかがなものかと思う」と述べ、安住委員長は「配慮が足りない感がある。必要があれば政府のやり方について党派を超えて国会の中で取り上げたい」と指摘した。
 安住委員長はこの後面談した佐藤勉那覇防衛施設局長との意見交換でも、地元への配慮を申し入れた。
 県は沖縄科学技術大学院大学の設置促進や外国人観光客の誘致促進といったアジア・ゲートウェイ機能の強化をはじめ、北部振興事業の継続実施、雇用対策の推進、医師の確保対策、日豪経済連携協定(EPA)交渉の慎重な対応などを要望した。
 政府との交渉が停滞している普天間飛行場の移設問題について仲井真知事は「3年をめどとした閉鎖状態、移設先の名護市が要求している沖合に寄せることについて正式な答えをもらっていない。沖特委の力で早めに決めてもらえば、返還事務が前に進む」と協力を求めた。
(琉球新報 5/21 16:07)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23949-storytopic-3.html

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