沖縄タイムス 関連記事(7月16日、17日、18日)

2007年7月16日(月) 朝刊 20面

 

「事前調査は非科学的」/辺野古・大浦湾NGO会議

 

 米軍普天間飛行場の移設問題で、環境破壊を懸念する九団体で構成する辺野古・大浦湾NGO会議は十五日、那覇市の沖縄大学で「ゆんたく集会」を開いた。那覇防衛施設局が進める海域の現況調査(事前調査)について、専門的な立場から非科学性を批判した。

 

 

 「辺野古・大浦湾の自然と米軍基地建設―防衛省調査が自然を破壊する」と題した集会で、各団体が活動内容を報告。沖縄リーフチェック研究会の安部真理子会長はさんご礁の調査について、「ミドリイシ類だけを対象にし、方法が大ざっぱで、期間が短すぎる」と酷評した。

 

 

 日本自然保護協会の小林愛さんは「多様な環境がコンパクトにある大浦湾は、沖縄でほかに例がない」と移設計画を批判した。

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200707161300_06.html

 

 

 

2007年7月17日(火) 朝刊 26面

 

ニコルさん「海保全は山再生から」/サンゴフォーラム

 

 沖縄のサンゴを保全しようと、全日空や沖縄タイムス社など十三企業で結成したチーム美らサンゴによるサンゴフォーラムが海の日の十六日、那覇市>内で開かれた。「みんなで沖縄のサンゴを守ろう!」をテーマに、自然保護活動家C・W・ニコルさんや研究者ら四人による討議、サンゴの生態に関するクイズなど多彩なプログラムで行われた。会場には親子連れら約百人が訪れ、サンゴ保全に理解を深めた。

 

 

 討議では「山がはげると海もはげる」の考え方を踏まえ論議。ニコルさんは放置され荒れた山の再生に取り組んだ体験談に触れ、「一度、人間が壊した自然を再生するには人間が徹底して手を加える必要がある」。

 

 

 マングローブの生態系に詳しい馬場繁幸琉大教授は「壊した自然を放置して再生を図るのが日本の自然保護の考え方でこれは大きな間違いだ」と指摘、県民にサンゴ保全活動への理解と協力を求めた。

 

 

 クイズで難問に答え専門家らを驚かせた若狭小六年の高木尚君は「人が手を加え自然を再生させるというニコルさんの考え方が聞けて良かった」と話した。

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200707171300_06.html

 

 

 

2007年7月17日(火) 夕刊 5面

 

県人会も検定撤回要求/「集団自決」修正

 

 沖縄県人会兵庫県本部(喜納兼一会長)は十五日、尼崎市立労働福祉会館で開かれた「第六十二回定期大会」で、高校歴史教科書から沖縄戦の「集団自決」への軍関与の記述が削除された文部科学省の教科書検定の撤回を求めるアピールを採択した。大阪沖縄県人会連合会、京都沖縄県人会、奈良沖縄県人会、滋賀沖縄県人会の四団体も連名で加わっている。

 

 

 アピールでは「『集団自決』は日本軍の関与なしに起こり得なかったことは紛れもない事実」と指摘。その上で「今回の検定は歴史をねじ曲げ、教科書を通して多くの青少年に誤った知識を植え付ける暴挙といわざるを得ない」として、文科省の検定を批判している。

 

 

 喜納会長は「軍の強制なしに(住民が)自発的に死ぬのはおかしい。事実に反することを教科書に記載されることが我慢できない」と語った。

 

 

 アピール文は、県人会の月刊誌「榕樹」の八月号に掲載する。

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200707171700_02.html

 

 

2007年7月18日(水) 朝刊 29面

 

ダイオキシン集積・搬出/90年代キャンプ・キンザー

 

国道脇30メートル倉庫 元従業員が証言

 

 

 米軍が北部訓練場などで枯れ葉剤を散布していた問題に関連し、元基地従業員の男性が、米軍が牧港補給地区(キャンプ・キンザー)で一九九〇年代に枯れ葉剤の成分ダイオキシンの廃棄物を集積、基地外に搬出していたと新たに証言した。国道58号から約三十メートルの近距離にある倉庫で保管していた。枯れ葉剤かどうかは不明だが、男性は「ベトナムの状況から、同僚にも危険だと常に注意していた」と語った。在日米軍は十七日現在、本紙の取材に答えていない。(阿部岳)

 

 

 浦添市>の元基地従業員、安里善好さん(71)は八四年から退職した九六年までの十二年間、キャンプ・キンザーにある国防総省の国防再利用売却事務所(DRMO)に勤務した。同事務所はすべての米軍物資の処分、破棄を統括。安里さんも危険物取扱主任として、各地から運ばれてくる物資の受け入れに携わった。

 

 

 727号倉庫で働いていた安里さんが、英語で「ダイオキシン」と明記された濃い緑色のドラム缶の出入りに気付いたのは退職の三年ほど前。中にはより小さな金属製の缶が入っている様子で、二重三重に密封されていた。

 

 

 安里さんは「他の物資と同じように使用期限が来たり、使い残したりしたものだ」と指摘する。だが、枯れ葉剤かどうかや使用場所は分からなかったという。ドラム缶は倉庫で保管された後、民間の廃棄物処理業者によって搬出、処理されたと考えられるが、行方は不明だ。

 

 

 枯れ葉剤散布の報道をきっかけに、証言を思い立った安里さん。「米軍のずさんな管理を目の当たりにしてきた。倉庫でPCBが漏れたことも何度もあった。猛毒のダイオキシンが県土を汚していないか、ずっと心配だった」と語った。

 

 

 本紙は十日、在日米軍司令部にダイオキシン集積の有無や処理方法を問い合わせたが、十七日現在回答はない。

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200707181300_03.html

 

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