沖縄タイムス 関連記事(8月8日夕刊)

2007年8月8日(水) 夕刊 1面

「集団自決」修正/知事、県民大会参加も

 沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」をめぐる日本軍関与の記述を修正・削除した高校歴史教科書の検定意見撤回を求める県民大会が予定されていることについて、仲里全輝副知事は八日、自民党県連の新垣哲司幹事長らと県庁で意見交換。県の対応について「超党派で、要請があれば(仲井真弘多知事の)参加を検討する」との考えを示した。

 意見交換後、仲里副知事は沖縄タイムス社の取材に対し「知事が参加するかどうかは日程の都合にもよるが、超党派であれば参加と(大会での)発言を検討する」と述べた。

 また「偏った政治的な集会なら参加できない。集会そのものを知事が主催することはない。教科書検定問題というのは事実検証の問題で、感情的、政治的問題ではない」との認識を示した。

 仲里副知事は同問題への別の対応として「専門家や学者らから成る組織を立ち上げ、事実を検証することも方法の一つではないか」と提案した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200708081700_02.html

 

2007年8月8日(水) 夕刊 1・5面

米軍校内侵入/外務省「地位協定逸脱」

 【東京】うるま市田場の県立前原高校の敷地に米軍車両が侵入した問題で、社民党の照屋寛徳衆院議員と山内徳信参院議員は八日、外務省に伊澤修日米地位協定室長を訪ね、再発防止などを米側に働き掛けるよう要請した。照屋氏らによると、伊澤室長は「明白な地位協定違反だ」と言明、米側に綱紀粛正を求めていく考えを示したという。伊澤室長は、地位協定第五条二項で定める「基地間の移動」で保護される範囲を逸脱していると説明した。

 侵入した車両は米海軍所属だが、海兵隊に貸し出していたもので、海兵隊員が運転していたことも明らかにした。ただ、行き先や同校に侵入した理由は「事実関係が特定できない」とした。

 これに対し、照屋氏らは事実関係を明らかにした上で、再発防止や綱紀粛正のために、当事者の特定と責任追及など具体的かつ有効な方策を取るよう求めたが、伊澤室長は「日米の高いレベルで協議して、綱紀粛正を図っていきたい」と述べるにとどめたという。


沖縄事務所と施設局に要請

社民県連・護憲ネット


 同問題で、社民党県連と護憲ネットワーク県議団は八日、外務省沖縄事務所と那覇防衛施設局を訪れ、米軍の当事者の特定など事実関係の公表と再発防止を要請した。

 外務省沖縄事務所では倉光秀彰副所長が「このようなことが起きないよう高いレベルで求めていく」と述べた。


     ◇     ◇     ◇     

米軍「指導徹底されず」/抗議の教育長に謝罪


 うるま市の県立前原高校(大城順子校長)に米海軍所有のトラックが侵入した問題で、仲村守和県教育長、県の保坂好泰基地防災統括監らは八日午前、北中城村石平のキャンプ瑞慶覧を訪れ、在沖米海兵隊外交政策部(G5)に抗議と再発防止を申し入れた。

 仲村教育長によると、対応したG5のラリー・ホルコム大佐(部長)は「(前回の侵入後)各指揮官から隊員に指導するよう伝えていたが、徹底されていなかった」と説明し、謝罪した。また、公共施設に立ち入ることのないように目的地や経路を明確にするなど、再度兵員指導を徹底する認識を示した、という。

 トラックの所属部隊や行き先などの詳細については「運用上の理由から答えられない」と述べた、という。

 仲村教育長は「装甲車であれトラックであれ、いかなるものも学校内に入ることは許されない。三度目が起こることのないよう、直ちに全兵員に再発防止の指導を徹底するべきだ」と強い口調で話した。


施設局、学校に陳謝


 【うるま】那覇防衛施設局は八日午前、うるま市田場の県立前原高校(大城順子校長)を訪ね「ご迷惑掛けて申し訳ありません。米軍に対して再発防止をきちんと申し入れしました」と謝罪した。

 施設局の立津長一業務課長は、兵士が道に迷って校内に侵入したことなどを説明。米軍の回答として「今後、県民に心配を掛けないようきちんと指導する」と伝えた。また「米軍の行動は極めて遺憾であり、厳重に注意した。米軍には常識に欠けることがあったかもしれない」と述べた。

 大城校長は「無断侵入は、傍若無人としか言えない。なぜまた同じことが起きたのか。米軍の教育は末端まで行き届いていない」と述べ、施設局に対し米軍に地位協定を守らせるよう要請した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200708081700_03.html

 

2007年8月8日(水) 夕刊 5面

先島のサンゴ白化深刻/高海水温が要因

 【宮古・八重山】宮古島や石垣島の周辺海域で、七月以降の高海水温が要因とみられるサンゴの白化現象が広範囲に確認されている。リーフ内側の水深の浅い部分での白化が顕著で、環境省は「海水温が高いままだと、さらに広がる可能性がある」とみている。

 気象庁によると、沖縄近海の七月の海水温は平年に比べ一―二度高い。海水を混ぜることで水温を下げる効果がある台風の発生が少ないことが原因の一つと考えられる。大規模なサンゴの白化が起きた一九九八年と状況が似ているという。

 環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターによると、石垣島の平久保、玉取崎、米原、川平石崎、御神崎、名蔵湾、白保と竹富島の東側の海岸付近で、サンゴの白化が見られる。七月下旬以降、確認情報が集中しているという。

 白化しやすいとされるミドリイシサンゴ、コモンサンゴのほか、米原や白保ではハマサンゴの白化を確認している。

 宮古島周辺でも七月中旬からサンゴの白化現象が確認されている。二〇〇四年から環境省の委託を受け調査を実施している宮古島市職員の梶原健次さん(38)は五日、同市城辺の吉野海岸で白化が進行している状況を目撃した。

 水深一―二メートル内の海岸近くでは全体の約八割、ミドリイシサンゴの約九割が白化し、うち5―10%が死滅していたという。梶原さんは「今年は台風の接近も少なく、白化の程度がかなり強いというのが実感。現状のままでも来年の産卵に大きな影響が出るのは間違いない」と話す。

 サンゴの白化は共生藻を失って、白い骨格が透け、白く見える現象。サンゴは共生藻の光合成生産物を受け取ることで大半の栄養を補給しているため、白化が長く続くと飢餓状態で死滅する。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200708081700_04.html

 

2007年8月8日(水) 夕刊 5面

V字案修正を否定/官房長官、再度強調

 【東京】塩崎恭久官房長官は八日午前の記者会見で、防衛省が名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への米軍普天間飛行場代替施設建設に伴う環境影響評価(アセスメント)方法書を県などに送付したことを受け、日米両政府が合意したV字形滑走路案を修正する考えがないことをあらためて強調した。

 塩崎長官は「二〇一四年までの代替施設の完成を実現するため、今回の方法書の送付はぎりぎりのタイミングと(防衛省から)聞いている」と送付の理由を説明した。

 県や名護市が代替施設の建設位置を沖合に移動するよう求めていることには「(在日米軍再編最終報告で日米が合意した)ロードマップで示された計画を進めていくという基本方針は変わっていない」と述べ、V字案を推進するとの認識を示した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200708081700_05.html

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