沖縄タイムス 関連記事・社説、琉球新報 社説(8月10日)

2007年8月10日(金) 朝刊 2面

那覇軍港代替施設で合意/牧港補給地区

 【東京】米軍那覇港湾施設(軍港)の牧港補給地区(キャンプ・キンザー)沖への移設で、政府と県、那覇市、浦添市、那覇港管理組合は九日、第十三回移設協議会を防衛施設庁で開き、追加整備される集積場を含む代替施設の位置や形状、面積について合意した。

 キンザー沖に整備する浦添ふ頭地区の沖合に隣接する逆L字形で、規模は約四十九ヘクタール。政府は今後、代替施設内の建物や集積場などの配置計画について、米側との調整に入る。

 防衛施設庁、内閣府沖縄担当部局、国土交通省港湾局の担当者のほか、県側から上原昭知事公室長、當銘芳二那覇市副市長、吉村清浦添市副市長、那覇港管理組合の堤敏郎副管理者が出席した。

 政府側から米側との調整を経た移設案が示され、県側は「提示された位置および形状に基づき、関係機関との調整を進めることについて同意する」と了承した。

 その上で(1)追加的な集積場を含む代替施設と港湾計画との整合を図りつつ円滑な移設を進める(2)今後より具体的な事項について引き続き担当レベルで密接に調整する―ことを確認した。

 政府は今後、施設の配置計画を米側と協議した上で、具体的な建設計画を進める方針だ。

 那覇港湾施設は、一九九五年の日米合同委員会で、浦添ふ頭地区内への移設を条件として全面返還に合意。代替施設の規模は三十五ヘクタールとされた。

 その後、二〇〇六年の在日米軍再編最終報告(ロードマップ)で追加的措置として集積場(十四ヘクタール)も整備されることになり、規模は全体で約四十九ヘクタールとなった。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200708101300_03.html

2007年8月10日(金) 朝刊 27面

「再発防止徹底を」/米軍車両侵入

うるま市長ら外務省・施設局に抗議

 うるま市の前原高校に米海軍所有のトラックが侵入した問題で、知念恒男市長と市議会の島袋俊夫議長、基地対策特別委員会委員ら十八人は九日、那覇市の外務省沖縄事務所と那覇防衛施設局を相次いで訪れ、抗議した。同市議会は同問題でこの日午前、抗議決議と意見書を全会一致で可決している。市内の県立沖縄高等養護学校で起きた米軍装甲車による侵入から約二十日で同様の事件が再発したことに、知念市長と島袋議長は「県民感情を無視した米軍の行動は断じて容認できるものではない」と批判。在沖米軍に対し、再発防止を働き掛けるよう申し入れた。

 防衛施設局の池部衛次長は事件の再発に「大変申し訳なく思う」と陳謝。その上で八日、在沖米海兵隊各基地の司令官あてに、同隊外交政策部長から注意喚起の文書が送付された、と説明した。

 外務省沖縄事務所は倉光秀彰副所長が対応。「真摯に受け止める」と陳謝した。

 同席した田中直次市議は、侵入した米海兵隊員が学校内で安全に方向転換したと話していることについて、「縁石に乗り上げた跡がある」と指摘。米軍に再度、事実関係を確認するよう求めた。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200708101300_06.html

沖縄タイムス 社説(2007年8月10日朝刊)

[南北首脳会談]

核の完全放棄引き出せ

 韓国の盧武鉉大統領が今月末に平壌を訪問し、金正日総書記と南北首脳会談を行うことが決まった。二〇〇〇年六月に金大中・韓国大統領(当時)と金総書記の間で初めて行われたが、七年ぶり二回目の首脳会談になる。

 北朝鮮の核問題は六カ国協議でようやく動きだしたばかりだ。北朝鮮は非核化へ向けた「初期段階措置」として寧辺などの核施設の稼働を停止し、国際原子力機関の監視を受け入れた。

 これを受けて、今後は「次の段階」として核施設の「無能力化」と「すべての核計画申告」という重要な局面を迎えることになる。

 しかし、核の完全放棄に応じるかどうか、なお予断を許さない。今回の会談はこうした環境下で行われるため、盧大統領は北朝鮮に核放棄へ向けた取り組みを強い姿勢で求めるべきだ。

 韓国側は南北の交流・協力事業の拡大や、軍事的緊張緩和を進めたい意向だ。対北朝鮮「包容政策」を次期政権にも継承させ、南北首脳会談の定例化につなげたいとしている。

 大統領の任期は半年余を残すだけとなった。北朝鮮が会談に応じた背景には、韓国の大規模支援に期待するとともに、年末の大統領選への影響力を行使したいという狙いがあるという分析もある。野党が勝利すれば、融和政策が見直される可能性があるためだ。

 韓国国内では、野党のハンナラ党などから、劣勢の与党系勢力の浮揚を狙った「選挙イベント」などと批判があり、冷ややかな見方があるのも事実。

 ただ、朝鮮戦争以来、休戦状態にある朝鮮半島の平和体制構築へ向けた協議が検討され、米朝関係改善の新たな動きが出てきているのも確かだ。

 難しい局面だが、首脳会談がこうした動きを後押しする可能性を秘めていることも軽視してはならないだろう。

 核問題をめぐり南北首脳会談で一定の成果を挙げれば六カ国協議にも好影響を与えるはずだ。しかし、パフォーマンスに終始し、成果が得られなければ内外から反発を招く。厳しい南北首脳会談になるのは間違いない。

http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070810.html#no_2

沖縄タイムス 社説(2007年8月10日朝刊)

[超党派県民大会]

史実は正しく伝えたい

 高校の歴史教科書から沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」への旧日本軍の関与記述が修正・削除されたことに反対する、全県的な大会が開催されることになった。

 大会には県議会が全会一致で参加を決め、超党派であれば仲井真弘多知事も参加する意向だという。

 大会実行準備委員会の県子ども会育成連絡協議会、県PTA連合会、県婦人連合会は、市町村長会、議会議長会、経済団体などにも参加を求めるが、「集団自決」は沖縄戦の実相に深くかかわる問題だ。

 九月九日の県民大会には、できるだけ多くの県民が参加し、「集団自決」と「検定」について検証するとともに、歴史を改ざんする動きに異を唱えていきたい。

 「集団自決」の問題は、ややもすると沖縄一県だけの特殊なテーマと思われがちだ。少なくとも、本土のメディアは大きく取り上げておらず、全国的に理解されているとは言い難い。

 であれば、大会は他県の人々に「沖縄戦の実相」を伝える意義を持ち、沖縄戦における「集団自決」の実態について共通の理解が得られるような取り組みにする必要がある。

 この問題では、全国の小中高校、大学の歴史教育研究者らでつくる歴史教育者協議会も文科省の検定意見書撤回と記述回復を求める決議を採択した。

 県議会は同一会期内に二度「検定撤回」を求める意見書を採択し、四十一すべての市町村議会も可決している。

 「集団自決」に旧日本軍が関与したのは県民のコンセンサスといっていい。県議会などの採択は、体験者の気持ちを土足で踏みにじる文科省の検定意見に対する反論と受け止めるべきだ。

 誤解してはならないが、私たちは文科省や教科用図書検定調査審議会に対し、「ないことを記述せよ」と無理難題を求めているのではない。

 そうではなくて、体験者の証言から明らかなように歴史的な事実は“史実”として、「教科書にきちんと記載すべきだ」と言っているのである。

 文科省が言う「沖縄戦の実態について誤解するおそれがある表現」との検定意見は、逆に沖縄戦の実相を意図的に消し去ろうとするもので、容認できるものではない。

 私たちは「負の歴史」からも学ぶべきことは多い。むしろ、そこにこそ歴史を学ぶ意義があるのであり、後の世代の都合によっていいように解釈し直してはなるまい。

 史実をどう厳粛に受け止め、正しく伝えていくか。そのことを再確認するのも県民大会の重要なテーマとなる。

http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070810.html#no_1

琉球新報 社説

南北首脳会談 「強面外交」転換の契機に

 7年ぶりとなる南北首脳会談が28日にも実現する。北朝鮮の強面(こわもて)外交に、韓国は再び「太陽(包容)政策」で応じる。アジアの火薬庫ともなりつつある朝鮮半島の和平実現に向け、成果と変化を期待したい。

 2000年6月、韓国の金大中大統領が北朝鮮の平壌を訪問し、金正日総書記と会談した前回の歴史的な南北首脳会談では、朝鮮半島の統一や交流と協力の強化をうたう「南北共同宣言」が発表され、雪解けムードが一気に高まった。

 だが、宣言に盛り込まれた金総書記の「適切な時期」のソウル訪問はなく、逆に雪解け会談の2年後には黄海で南北の警備艇による銃撃事件が起きている。事件の対策となる「偶発的衝突防止策」の合意に2年の歳月を要し、南北交流の至難さを露呈させた。

 その後も関係は悪化の一途をたどり、05年2月には北朝鮮が「核保有」を宣言し、翌06年7月には弾道ミサイルの連続発射。韓国は食糧・肥料支援を凍結。北は離散家族の再会事業打ち切り、核実験を強行するなど反発を強めた。韓国も「金剛山観光の見直し」を決めるなど対立を深めた。転機は今年2月。1年3カ月ぶりの6カ国協議の再開である。協議を契機に、北朝鮮は核施設稼働停止に応じ、南北閣僚級会談で離散家族再会に合意。韓国も肥料支援の再開や米40万トンの支援を決めている。

 そして、今回の首脳会談実現である。北朝鮮の強面外交に、韓国も一時は太陽政策を「北風外交」「殴り合い外交」に変化させた。だが、首脳会談再開という「大人の外交」で、再び太陽政策に立ち戻り、朝鮮半島の和平に挑む。

 今回の会談実現を、12月の大統領選で劣勢の盧武鉉大統領率いる与党の巻き返しを狙う「政治的イベント」と、やゆする声もある。

 しかし、南北対話、半島の和平は、拉致問題の難題を抱える日本にとっても重要な意味を持つ。在沖米軍基地の整理縮小も、朝鮮半島情勢が鍵といわれる。

 今度こそ北朝鮮には、強面外交を脱し、南の太陽政策に応じる「大人の外交」を求めたい。

(8/10 9:52)

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-26185-storytopic-11.html

琉球新報 社説

テロ特措法 延長は本当に必要か

 今年11月1日に期限切れとなるテロ対策特措法に、民主党の小沢一郎代表が「延長反対」を打ち出した。異論、反論渦巻く中、多数与党の政府・与党が数の力で強行し成立、延長させてきた特措法である。憲法違反の疑義も絶えない。この際、是非の徹底論議を求めたい。

 テロ特措法は、2001年9月11日の米中枢同時テロを受け、テロの首謀者とされるオサマ・ビンラディンやアルカイダ、アフガニスタンのタリバン政権の打倒などを目指す米国の軍事支援のために制定された。

 制定のきっかけは「ショー・ザ・フラッグ」というテロ直後の米国務副長官の言葉だった。米国支持の「旗幟(きし)を鮮明に」との意味が、「インド洋に日の丸を見せろ」との対日要求と曲解され、米軍のアフガン攻撃を後方支援する特別立法の制定につながった、との逸話もある。

 特措法制定で日本はインド洋に自衛隊を派遣。米軍を含む諸外国の軍艦・艦船への給油など後方支援活動を展開している。

 制定をめぐる国会論戦では日米安保の「極東」を超える米軍支援の地理的拡大、米軍以外の「諸外国の軍隊」への支援対象の拡大、明文規定がない「米本国への武力攻撃」に対する日本の自衛権行使など、米軍や諸外国の軍隊への後方支援活動が憲法が定める「集団的自衛権の行使」に当たるとの疑念も指摘された。

 米軍のアフガン攻撃自体を「米国による米中枢同時テロに対する報復戦争」とみる憲法学者も少なくない。そこから、報復戦争に手を貸すテロ特措法が、紛争解決の手段としての一切の「武力による威嚇、行使」を禁ずる憲法の理念にも反するとの指摘もある。

 多くの疑念や疑問、反対の声を多数与党の力で封じ、成立させたのがテロ特措法である。

 民主党は7月の参院選で大勝し、参院第一党に、同時に参院では野党が多数を占めた。そこに民主党の小沢代表の発言である。

 小沢氏は、テロ特措法の延長を求める米国のシーファー駐日米大使に「米国を中心とした活動は、直接的に国連安全保障理事会からオーソライズ(承認)されていない」と、延長拒否の考えを示した。

 小沢氏は「日本の平和と安全に直接関係ない地域で、米国やそのほかの国の部隊と共同の作戦はできない」とも述べている。

 特措法論議の中で、再三指摘されてきた違憲・違法性が小沢氏の「延長拒否」の理由だ。

 参院で多数を占める野党の反対に、政府・与党は「日米関係を後退させるもの」と反発。民主党に翻意を促している。

 論議は、秋の臨時国会が舞台となる。論戦の行方を注目したい。

(8/10 9:53)

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-26187-storytopic-11.html

2007年8月10日(金) 夕刊 1面

那覇空港 滑走路増設で3案/調査会議 県民の意見収集へ

 那覇空港の整備の在り方を検討する那覇空港調査連絡調整会議(構成・国土交通省、内閣府、県)の第七回会合が十日午前、那覇市内のホテルで開かれ、新滑走路を現滑走路からどの程度離して整備するかについて「千三百十メートル」「九百三十メートル」「二百十メートル」とする三案が提案された。今後は、同案に対する県民の意見を広く収集するPI(パブリック・インボルブメント)ステップ3を今月末から実施。同調査結果を踏まえ、施設整備計画・構想など具体化の検討作業に入る。

 新滑走路案は、那覇空港を利用するすべての航空機の離着陸が可能な三千メートル、沖合側への配置を設定。

 滑走路が二本ある場合、その間隔によって管制方式が異なることから、「千三百十メートル」「九百三十メートル」「七百六十メートル」「二百十メートル」の四ケースを基本に、発着回数など「空港能力」「利便性」「事業規模」「周辺環境への影響」などの指標で比較・検討を行った。

 一日六百―六百二十回の離着陸が可能な「千三百十メートル」案は、瀬長島への影響を低減するため現滑走路南端から南限に合わせた「南寄せ」配置。事業規模が二千四百億円と大きく、入域客の増加需要予測に基づく経済効果は最大千四百二十億円と試算した。環境面では、瀬長島への直接的な影響はないものの、大嶺崎周辺区域の陸域生物、さんご礁などの一部の海域生物への影響がある。

 「九百三十メートル」案は、現滑走路の両端と新滑走路の両端を合わせた配置。「千三百十メートル」案と同様、空港能力は最大で、コスト高。地上走行距離が二千百メートルと三案で最も短い。

 現滑走路に最も近い位置の「二百十メートル」案は、一日の発着回数が四百七十―四百八十回と空港能力が最小で、事業規模も千三百億円と小さい。周辺環境への影響は、他の二案と比べて、潮流や底質環境の変化は小さい。

 同調査は、那覇空港の総合的調査の一環で、二〇〇三年度から実施。本年度のステップ3は最終段階となる。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200708101700_02.html

2007年8月10日(金) 夕刊 1面

ハンセン内に新射撃場/施設局、金武町に伝達

 【金武】米軍キャンプ・ハンセン「レンジ3」内で、米陸軍が使用する新たな実弾射撃訓練場の建設計画があることが十日分かった。

 外務省と那覇防衛施設局の担当者らが同日午前、金武町役場に儀武剛町長を訪ね、米軍予算で建設することや最長で千二百メートルの射撃訓練が可能な施設になることなどを説明。近く業者の入札を始めたい考えを伝えたという。儀武町長は地元の負担増を理由に、反対の意思を伝えた。同日午後三時から町役場で会見を開く。

 キャンプ・ハンセンに関しては、在日米軍再編で日米合意した共同使用で、陸上自衛隊が射撃や爆破訓練を同基地内で実施することが防衛施設庁から金武町、恩納村、宜野座村に伝えられたばかりで、地元は反対している。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200708101700_03.html

2007年8月10日(金) 夕刊 1面

「普天間」で新飛行ルート/場周経路変わらず

 二〇〇四年八月に起きた宜野湾市の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故を受け、日米両政府が米軍普天間飛行場を離発着するヘリコプターの飛行ルートを再検討していた問題で、防衛施設庁は十日までに、合意内容を報告書にまとめ、同日午前の日米合同委員会の承認を得た、と発表した。それによると、住宅密集地の上空を通過する同飛行場と中城村津覇漁港間の南東側の飛行ルートについて、市街地上空の飛行を最短距離で通過するため、「旋回範囲をより南側方向に延伸して補正」し、北東側の飛行ルートを優先使用することなどで合意した。

 しかし、基本的な場周経路や飛行高度は変更されておらず、「これまで確定されていなかった安全評価を日米間で科学的に検証した」(防衛施設庁)にすぎないのが実態。市街地の中心にある同飛行場の抜本的な安全対策にはつながらず、地元の不安は続きそうだ。

 防衛施設庁の辰己昌良施設企画課長は「現状の普天間飛行場で取り得る最善の措置。われわれとしては(知事が求める三年をめどにした閉鎖状態に対する)回答と思っている」との認識を示した。

 報告書は約二十ページ。合意した安全対策はほかに、これまで目視で行っていた管制を自動化する自動管制機能の導入や、夜間の滑走路を見やすくするため、滑走路末端識別灯の新設。飛行場内にある六カ所の工作物や樹木などの障害物を撤去する。

 また、場周経路飛行時の設定高度である三百三十メートルを維持すれば、飛行場周辺での訓練中、空中でエンジンが停止しても、回転翼が回転を続け、水平方向に移動できるヘリの特性によって、飛行場内に帰還することが可能なことを確認したという。

 飛行ルートを再検討する日米両政府の「現地調整会議」は普天間飛行場を離陸した米軍ヘリが沖縄国際大学へ墜落した事故を受け、場周経路の再検討や安全対策の強化などを目的に、〇五年四月に発足。昨年九月の段階で日米の実務レベルの協議を終了し、現状の場周経路をほぼ維持する内容で事実上合意していた。しかし、「普天間飛行場の三年をめどにした閉鎖状態」を求める仲井真弘多知事のスタンスなどを考慮し、正式承認のタイミングを模索していた。


机上の理論

伊波市長


 【宜野湾】宜野湾市の伊波洋一市長は「実際は基地外へのはみ出し飛行に歯止めがかかっておらず、住宅地上空で旋回訓練を繰り返している。防衛施設庁の言い分は机上の理論でしかない」と批判。その上で「飛行回数を最小限に抑えるという考えが見られない。政府は今の現状を追認したにすぎず、結局は何もできなかった。ヘリ部隊をグアムに移すのが一番の解決策だ」と語気を強めた。


「改善」評価

仲井真知事


 【東京】上京中の仲井真弘多知事は十日、自身が公約に掲げる同飛行場の「三年内の閉鎖状態の実現」とは別問題との認識を示した上で、「改良、改善というのを絶えずやっていただくことは結構なこと」と一定評価した。

 仲井真知事は「詳しく中身を見ていないが、これはこれなりに改良、改善ということで評価すべきだと思う」とする一方で、「三年内の閉鎖状態」について「これはこれで、(国から)きちっとした返事を頂いていない」と述べ、今後も引き続き求めていく考えを示した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200708101700_04.html

2007年8月10日(金) 夕刊 7面

「回避可能」中止求める/F15未明離陸

北谷町議会意見書可決 車両侵入も抗議

 【北谷】米軍嘉手納基地がF15戦闘機四機と空中給油機一機の未明離陸を予定している問題で、北谷町議会(宮里友常議長)は十日午前、臨時会を開き、「深夜・早朝の時間帯の離陸を回避した本国帰還は可能だ」として、離陸計画の即時中止などを首相や防衛施設庁長官らに求める意見書を全会一致で可決した。また、うるま市で発生した米軍車両侵入問題の意見書、抗議決議も全会一致で可決した。

 離陸計画の中止を求める意見書は、嘉手納基地に一時配備されたF22戦闘機が今年五月、未明離陸を強行した際、一部が日中に離陸し本国に向け帰還したことを指摘。住民の安眠を妨げる行為は「町民の生命、安全を守る立場から、いかなる理由があるにせよ到底容認できない」と米軍を批判。未明離陸を含む深夜・早朝(午後十時―午前六時)の時間帯の飛行中止などを求めている。

 外相や防衛相、外務省沖縄大使、那覇防衛施設局長らにあて送付する。

 また、うるま市の県立高校二校への米軍車両侵入問題の抗議決議は、「北谷町の約53%は米軍基地が占めており、侵入問題は本町でも起こりえる」と指摘。「安全であるべき学校への侵入は、一歩間違えれば生徒らの命にかかわる重大な問題だ」と米軍を批判した。

 決議と意見書では、真相究明と再発防止策の策定、兵員の教育徹底などを求めている。

 在日米国大使や在沖米国総領事、在日米軍沖縄地域調整官、首相らに郵送する。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200708101700_05.html

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