沖縄タイムス 関連記事、琉球新報 社説(9月20日、21日)

2007年9月20日(木) 朝刊 27面 

史実守れ 世界の声抱え/女たちの会 米から帰国

 県内の基地問題を考える「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」(高里鈴代、糸数慶子共同代表)のメンバーら六人が十九日、米のサンフランシスコで開かれた「第六回国際ネットワーク集会」から帰国した。韓国やフィリピンなど米軍基地を抱える各国の参加者から「沖縄に平和を」など連帯のメッセージが書かれた布約五十枚を託された=写真。二十九日の「教科書検定意見撤回を求める県民大会」に各国の思いをつなぎ合わせる。

 十年目を迎える同集会は、フィリピンや韓国のほか、グアムが初参加し、米軍基地を抱える国から約八十人が参加した。同会のメンバーらは沖縄戦の「集団自決」(強制集団死)に関し、教科書から日本軍の強制の記述が削除された問題を訴え、検定の方針を撤回させるため、県民大会が開かれることを説明した。

 参加者からは「基地を抱えているだけでも大変なのに、歴史を歪曲しようとするのか」と驚きの声が上がったという。

 高里代表は、沖縄戦と基地存続が共通問題であることを告げた。参加者から「沖縄に平和を」「正義がそこ(沖縄)にあるように」などと韓国語や英語などでつづられたメッセージが集まった。

 ハワイやグアムの参加者からは、これまで無視されていた過去を記したり見直したりすることが歴史の掘り起こしだが「沖縄の状況は逆だ」との意見も出たという。

 メッセージを手にしたメンバーらは、「今回のように、互いの課題をサポートしたい」と話した。


県教委6委員も


 県教育委員会の中山勲委員長は十九日、県民大会に、県教委の六委員全員が参加すると発表した。中山委員長は代表して、意見表明もする。

 中山委員長は「沖縄戦の実相を正しく後世に伝え、子どもたちが平和な国家や社会の形成者として育つためにも、県民とともに声を上げなければならないと考える」とした上で、「多くの県民が大会に参加し、思いを結集するよう強く呼び掛けたい」と語った。


粟国は全7議員


 【粟国】県民大会に向け、粟国村議会(玉寄文雄議長)は十九日までに、議員七人の全員参加を決めた。

 同村の上江洲誠吉村長も県民大会の参加を予定している。上江洲村長は、職員へは自主的な参加を呼び掛けている。


北中城が実行委


 【北中城】県民大会に向けた北中城村実行委員会の結成総会が十九日、同村役場であり、委員長に新垣邦男村長、副実行委員長に中村勇村議会議長らが就任した。大会当日に同公園でミニ集会を開く予定。新垣委員長は「何としても県民大会を成功させ、本土でも議論を深めることが必要だ」と話した。


南風原も実行委


 【南風原】南風原町は十九日、県民大会に向けた実行委員会を結成した。大会当日に大型バスを手配し、地域団体やPTAなど十三団体、労組員ら計二百三十人以上が参加することで一致した。城間俊安町長は「町、議会、町民が一体となって、子どもたちに真実を伝えるための運動を展開していきたい」と決意を示した。


労組連絡会結成


 県民大会に向け、連合沖縄や平和運動センターなどでつくる労働組合約三十団体による労組連絡会が十九日までに発足。代表は連合沖縄の仲村信正会長が就任した。同日、那覇市のパレット久茂地前で約三十人が参加を呼び掛けるビラを配布した。

 仲村代表は十八日に同市内で開かれた結成総会で「組合員を最大結集すると同時に、広く県民に参加してもらおう」と呼び掛けた。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200709201300_05.html

 

2007年9月20日(木) 朝刊 27面

ロケット弾残し緊急着陸/嘉手納FA18

 【嘉手納】十九日午後三時三十分ごろ、米海兵隊岩国基地(山口県)所属のFA18戦闘攻撃機一機が飛行前に装着したロケット弾一発を残したまま、米軍嘉手納基地に緊急着陸した。同基地では、今月中旬ごろから、同機がたびたび実弾や模擬弾を装着して離陸するのが複数の目撃者によって確認されている。

 目撃者によると、同機は十九日午後二時三十分ごろに離陸、約一時間後に北谷町側から南側滑走路に着陸した。その後、数台の消防車や兵器を担当するとみられる整備兵数人が機体を取り囲み、一時騒然とした。同機は約十分後、ロケット弾装着部分などの点検を終え、自走して駐機場に戻った。

 各地で基地監視活動を行っている市民団体「リムピース」の頼和太郎さんは、状況的に「発射ボタンを押したが不発だったため、帰還したと考えられる」と指摘した。

 その上で「不発だった場合は緊急着陸という形で帰還することもあり得る。状況にもよるが、いつ発射してもおかしくない状態だった、という懸念もある」と話した。

 同基地では十三日には、AV8ハリアー垂直離着陸攻撃機が、大型爆弾仕様のケースに小爆弾が数百個詰められたクラスター爆弾を装着し、離陸。約二時間後に帰還した際に同爆弾はなくなっていたという。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200709201300_07.html

 

琉球新報 社説

「徳育」見送り 教科化よりも内容充実を

 中教審は政府の教育再生会議などが提言していた「徳育」の教科化を今回の学習指導要領の改定で見送る方針を固めた。同会議が打ち出していた正式な教科に準じる「新たな教科」への格上げも見送った。

 子どもたちに教育を通して、規範意識を身に付けさせることの重要性は論をまたない。しかし、教科書で画一的な価値観を教え込むことには違和感がある。

 現行の「道徳の時間」で身に付かなかったことを「徳育」として教科化すれば、成果が上がるといった論理は、あまりにも短絡的で、根拠に乏しい。教科化にこだわることなく、内容を充実させることを重視すべきである。

 教育現場で規範意識を身に付けさせるには、教師一人一人が日常的に子どもたちの心にいかに問い掛け、自ら考えさせるかにかかっている。

 中教審が教科化を見送り、指導内容の見直しによって道徳教育を充実させる方針を固めたのは、当然である。

 高い規範意識を求める安倍晋三首相の意向が、徳育の教科化に向けた動きを推し進めた。

 首相の辞任表明で影響力が弱まりはしたが、時の政権の偏った意向によって一時的であれ、教育の在り方を左右することは、あってはならない。

 2006年の改正教育基本法制定の過程で問題となった「愛国心」の押し付けと、「徳育」の教科化の動きは同一線上にあるのではないか。

 多様な価値観を認め合うことが求められている時代である。首相が目指す教育改革が自身の価値観の押し付けであれば、真の教育改革にはほど遠い。

 下村博文官房副長官(当時)は昨年、安倍政権が目指す教育について「(歴史教科書の)自虐史観は官邸のチェックで改めさせる。徳育教育が大きな課題だ」と述べている。

 「徳育」に対する政権の情熱と、高校歴史教科書での「集団自決」の日本軍強制を修正・削除した文科省の検定意見への対応は、根底でつながっているのではないか。

 「集団自決」記述の問題も、安倍政権の目指す教育の表れであろう。下村発言からして、官邸が教科書検定にかかわった可能性すら疑われる。

 ともあれ、「徳育」の教科化については避けることができた。しかし、子どもたちに正しい規範意識を身に付けさせることは、今後とも大きな課題である。

 それにはこれまでも指摘されているように、教育現場だけではなく、家庭、地域が一体となって取り組むことが最も大切である。

 道徳は教科書で教え込むようなものではない。

(9/20 10:00)

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-27316-storytopic-11.html

 

2007年9月20日(木) 夕刊 5面

F18、クラスター弾訓練/嘉手納基地

 【嘉手納】二十日午前九時すぎ、米軍嘉手納基地から、米海兵隊岩国基地(山口県)所属のF18戦闘攻撃機四機が、非人道的兵器として国連人権小委員会で製造、使用の禁止が決議されたクラスター爆弾などの実弾を搭載して離陸したのが確認された。約一時間後の午前十時二十分に機体に爆弾を残さず着陸した。クラスター爆弾は大型爆弾仕様のケースに小爆弾が数百個詰められた兵器で、沖縄近海の訓練区域で実弾訓練を行ったとみられる。

 目撃者によると、午前九時七分ごろに離陸したF18二機は、片翼の下に二発ずつ、計四発を装着。爆弾の先には実弾を意味する黄色い帯状の印が確認できたという。その後、二機が十時二十分に着陸した際に爆弾はなかった。

 また、千ポンド(五百キロ)爆弾を装着した別のF18二機も同九時十一分ごろに離陸し、同十時六分に帰還したときに爆弾はなかった。

 同基地では十三日にもAV8ハリアー垂直離着陸攻撃機が、クラスター爆弾を積んで訓練を行っているのが確認されているという。十九日にも岩国基地所属のF18がロケット弾を残したまま緊急着陸した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200709201700_04.html

 

2007年9月21日(金) 朝刊 27面

米軍、ナパーム類似弾使用/沖縄周辺訓練区域で

 【嘉手納】大規模な火災を引き起こし非人道的な兵器として国際的な非難を浴びているナパーム弾と同様の威力を持つ「焼夷弾MK77」を在沖米海兵隊が沖縄に貯蔵し、沖縄周辺の訓練区域で使用していることが二十日までに分かった。米軍はナパーム弾に使用されている混合物の種類が異なると説明しているが、専門家は「目的は一緒で、効果に違いはない」と指摘した。

 十三日に嘉手納基地を離陸した岩国基地(山口県)所属のFA18戦闘攻撃機が、焼夷弾MK77四発を沖縄周辺で使用したことを二十日、米軍は認めた。

 在沖米海兵隊は焼夷弾MK77の存在と使用を認めた上で「訓練は、海兵隊のパイロットや乗組員が日米同盟に基づく責任を遂行する態勢を維持するため必要不可欠」としている。

 米軍嘉手納基地では、今月中旬ごろからFA18やAV8ハリアー垂直離着陸攻撃機がナパーム弾同様、非人道的兵器として国連人権小委員会で製造・使用の禁止が決議されているクラスター爆弾を使用するなど、同基地を拠点とした実弾訓練が活発化している。

 軍事評論家の青木謙知氏は「混合物の違いはあっても、広範囲を焼き尽くすという目的は(ナパーム弾と)一緒だ」と説明する。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200709211300_03.html

 

2007年9月21日(金) 朝刊 26面

真実残せ動き全国へ/松山市民が議会請願

 文部科学省の高校歴史教科書の検定で沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」から日本軍強制の記述が削除された問題で、愛媛県松山市の市民団体が十九日、国に対して検定意見の撤回を求める意見書可決の請願を県議会、松山市議会、県教育委員会に提出した。同県東温市議会でも市議が意見書案を提案、神奈川県横須賀市でも市民団体が請願を提出しており、検定意見の撤回を求める動きは二十日までに県外で八自治体となるなど、草の根の動きが全国でも広がりつつある。

 愛媛県議会、松山市議会に請願書を提出したのは「愛媛?沖縄ゆいまーる」「沖縄戦を考える市民の広場」「とめよう戦争への道!100万人署名運動愛媛県連絡会」の三市民団体。「生き証人の証言は生きた教科書。動かすことのできない生き地獄の歴史が教科書から消されようとしている」とし、文科省の姿勢を批判している。

 「えひめ教科書裁判を支える会」など四市民団体は十九日、県教委に請願を提出。二十五日には県内全市町教委にも同様の要請を行う。同県東温市議会では二十日、文教委員会で意見書案が審議されたが、継続審議となった。

 神奈川県横須賀市議会には「かながわ歴史教育を考える市民の会」が請願書を提出。二十一日に教育経済常任委員会で審査される。


手製看板で参加訴え

沖子連の玉寄会長


 二十九日に開かれる県民大会に向け、県子ども会連絡育成会の玉寄哲永会長が、那覇市久茂地の交差点に立ち、帰宅途中の会社員や県庁職員らに大会への参加を訴えている。

 ベニヤ板で作った二枚の看板を前と後ろにした姿にいぶかしげな視線を送る人もいるが、すぐに気付き「私も参加します」と激励の声が多く寄せられている。玉寄会長は「多くの県民が参加して文部科学省に抗議の意思を示そう」と呼び掛けている。

 県民大会の副実行委員長も務める玉寄会長が街頭で大会の参加を呼び掛け始めたのは十三日から。雨天時を除いてこれまで三日間、午後五時から三十分―一時間ほど横断歩道の前に立つ。

 玉寄会長は「大会の前日まで訴え続けたい」と話し、汗をぬぐった。


浦添市長が参加呼び掛け


 【浦添】儀間光男浦添市長は二十日、浦添市議会九月定例会で、県民大会への市民の参加を呼び掛けるメッセージを発表した。

 市町村議会で、首長が住民に県民大会への参加を呼び掛けるのは初めて。

 儀間市長は、沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」について、「日本軍による命令・強制・誘導等があったということは多くの県民の証言があり、私どもが経験した戦争の悲惨さから県民の証言が正しいと考えるべきだ」と指摘した。


中城村が実行委


 【中城】二十九日に宜野湾海浜公園で開かれる「教科書検定意見撤回を求める県民大会」に向けた中城村実行委員会が十九日、同村役場で結成された。委員長に新垣清徳村長、副実行委員長に新垣善功村議会議長らが就任。村内各団体に大会への参加を呼び掛ける。


沖縄市も結成


 【沖縄】沖縄市は二十日、県民大会に向けた実行委員会を発足した。市や市議会、市P連、市老人ク、市婦連など十六団体で構成。委員長に東門美津子市長が就任した。

 東門委員長は「市民一体となって大会を成功させるため、一人でも多くの市民が参加できる動きをつくりたい」と抱負を述べた。


座間味村でも


 【座間味】「教科書検定意見撤回を求める県民大会」に向け、座間味村実行委員会が二十日、発足した。委員長に金城英雄村議会議長を、副委員長に仲村三雄村長を選出した。

 委員会は、今回の教科書検定意見について「国家の間違いを教科書から消し去り、沖縄戦の実態を見えなくするものであり、到底、承服できるものではない」と批判している。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200709211300_04.html

 

2007年9月21日(金) 朝刊 26面

自然保護協が撤回要求/「普天間」代替アセス方法書

 【東京】日本自然保護協会(東京都、田畑貞寿理事長)は二十日、米軍普天間飛行場代替施設に関する環境影響評価(アセスメント)方法書の撤回を求める意見書を沖縄防衛局の鎌田昭良局長に送付した。名護市キャンプ・シュワブ沿岸海域に生息するジュゴンや、白保地域が北限とされてきたアオサンゴなど、希少生物の保全が過小評価されていることを指摘。方法書の縦覧方法も極めて閉鎖的であると批判し、建設位置の選定のやり直しを求めている。

 同協会は意見書で「アセス法施行以来初めて、地元自治体が方法書の受領を拒否する異常事態で手続きが進められ、縦覧方法も極めて閉鎖的」として、住民による方法書の複写が許可されていない状況などを指摘した。

 また、大浦湾内の二カ所と辺野古漁港に作業ヤードの設置が予定されていることに「別の項目を立てて環境への影響を評価しなければいけないのに、(評価対象にせず)紛れ込ませて整理している」などとして、方法書の要件を満たしていないと訴えている。

 同協会理事の吉田正人江戸川大教授らは同日、環境省で記者会見し、代替施設で運用される航空機の名称が方法書に明記されていないことに「機種が特定されなければジュゴンや住民への騒音の影響を調べられないはずで、矛盾している」と指摘した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200709211300_05.html

 

琉球新報 社説

焼夷弾MK77 国連決議反する暴挙だ

 国連の禁止決議を無視し、在沖米軍が高性能焼夷(しょうい)弾MK77を貯蔵、訓練に使用している事実が判明した。国連が製造と使用禁止を決議した非人道的兵器の一種だ。県民を危険にさらす暴挙であり、米軍は即刻、訓練使用をやめ、破棄すべきである。

 MK77という名前にピンとこなくても「ナパーム弾(油脂焼夷弾)」といえば分かるであろう。ベトナム、湾岸戦争などで使われた大量殺りく兵器である。その改良型がMK77だ。

 国連の人権小委員会は、劣化ウラン弾やクラスター爆弾などとともにナパーム弾も製造・使用禁止を求めている。米軍は1988年以降、ナパーム弾の廃棄を進めてきた。今回、沖縄周辺の提供訓練区域での訓練でMK77の使用を認めた在沖米海兵隊は、「MK77はナパーム弾と科学的に異なる」と釈明している。だが、ナパーム弾の燃料がガソリン、MK77が灯油の違いだ。一線の米兵らはMK77を「ナパーム」と呼んでいる。頭隠して尻隠さずの弁明にすぎない。

 国際的にも「非人道的」と非難される兵器を訓練で使い続ける。米国が国連や国際世論をいかに軽視しているか。その証左であろう。MK77ナパーム弾の殺傷能力は、すさまじい。使用された湾岸戦争での報告では、広範な地域が一瞬にして炎の海となり、炎にのみ込まれた人間や建物は徹底的に燃やし尽くされたという。

 化学剤が使用されているため消火は困難を極め、少量の焼夷剤の飛沫(ひまつ)を皮膚に浴びても「骨まで溶かす」ほど焼き尽くし、生き残っても重篤な後遺症を与える。

 その危険な兵器を米軍が訓練で使う。事故の絶えない在沖米軍である。訓練でミサイルの発射装置が故障する事故もあった。緊急着陸も多い。誤射も懸念される。人口密集地の上空を飛ぶ訓練機が事故を起こせば、戦場の悲劇は県民の上に降り注ぐことになる。

 米軍は、MK77に加えクラスター弾の訓練使用も認めている。国連が禁ずる兵器を自衛隊も保有している。あきれた話だ。日米両政府は国連決議を順守し、即刻、使用をやめ廃棄すべきだ。

(9/21 9:50)

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-27361-storytopic-11.html

 

2007年9月21日(金) 夕刊 1面

司令官「10年後も続く」/未明離陸

 【中部】米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機など米軍機計五機が十一日未明に離陸した問題で、同基地周辺の三首長らで組織する嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)は二十一日午前、同基地を訪れ、司令官のブレット・ウィリアムズ准将に抗議し、未明離陸の中止を求めた。

 三連協の抗議に同准将が対応するのは初めて。三連協会長の野国昌春北谷町長によると、ブレット・ウィリアムズ准将は「何度も抗議や要請を受けているが、嘉手納基地がある限り未明離陸は継続して行われる。十年後も続くだろう」と今後も継続して実施する姿勢を示したという。

 「F22が本国へ帰還する際に日中に離陸した。未明離陸の回避は可能ではないか」という首長らの指摘に対しては、「パイロットなど人員の問題や費用の面で未明離陸は避けられない」と答えた。

 また、同准将は岩国や三沢など日本国内の米軍基地周辺での未明離陸は地元からの抗議がないことに触れ、「なぜ沖縄では抗議されるのか」と発言。これに対し、宮城篤実嘉手納町長は「他の在日米軍基地は居住地区から離れた場所にある。嘉手納基地では住民が実際に被害を受けている」と反論した。

 同基地で活発化しているクラスター爆弾やナパーム弾同様の威力を持つ焼夷弾MK77など実弾を使った訓練については「(基地の)管理は私の責任だが、米軍の各部隊の訓練計画を止める権限はない」と話したという。

 野国会長は「司令官の高飛車な発言を聞き、地元だけでの抗議では根本的な解決にならないと感じた。日米両政府で取り組むべき問題だ」と述べ、日本政府が問題改善に取り組むよう要望した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200709211700_03.html

 

2007年9月21日(金) 夕刊 7面 

巨大はがきで撤回アピール/浦添市職労

 【浦添】二十九日に宜野湾海浜公園で開かれる「教科書検定意見撤回を求める県民大会」への参加を促そうと、浦添市職員労働組合(久高政治委員長)は“巨大はがき”に、教科書検定意見を撤回する要求を書き込む運動を展開している。組合員や市民、県民大会会場で意見を募り、大会後、文部科学大臣に郵送する。

 はがきは縦百八十センチ、横九十センチで、ベニヤ板を白く塗って作られている。本物のはがきと同じく文部科学省の郵便番号や住所、送り主の浦添市職労の住所を書き込んでいる。

 「集団自決(強制集団死)」の生々しい様子を写した県実行委のポスターを切手に見立て、切手料金には、沖縄戦の戦死者数二十万六百五十六人(県教育文化資料センター調べ)が記されている。

 組合員を対象に、十九日から始まった検定撤回の要求を書き込む運動では、「子どもたちにウソの歴史を教えるのか」「勝手に歴史を変えるなよ。県民は怒っているぞ」などのメッセージが続々と集まっている。二十五日からは市役所一階ロビーで市民からメッセージを募り、計五枚を送る予定だ。

 久高委員長は「『集団自決』の日本軍の強制の削除は今後の子どもたちの教育にも大きな意味を持つ。意見を書き込む活動を通して、県民大会に参加する機運を盛り上げたい」と意気込みを語った。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200709211700_05.html

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