米軍の事件・事故に抗議、防衛省前で人間の鎖 県内米基地で自衛隊研修、恒常化明らかになど  沖縄タイムス関連記事(4月6日から9日)

2008年4月6日(日) 朝刊 22面

教科書問題で執筆者らシンポ/「軍強制」明記に意欲

 「集団自決(強制集団死)」訴訟で元戦隊長らの請求を棄却した大阪地裁判決の後、県内で初となる教科書問題シンポジウムが五日、那覇市古島の教育福祉会館で行われた。教科書執筆者の坂本昇さん(東京都・高校教諭)と石山久男さん(歴史教育者協議会委員長)が講演し、検定意見撤回と、今秋行う訂正申請での「軍強制」の記述復活に向けて決意を述べた。

 平和運動センター、高教組、沖教組が共催し、教育関係者ら百五十人が参加。文部科学省が検定意見の根拠とした「(梅澤裕元戦隊長の)当事者の証言」が判決で退けられたことを指摘し、歴史事実を歪曲した教科書検定意見の撤回を求めるアピールを採択した。

 坂本さんは、教科書検定が、審議会を隠れみのに文科省や国主導で行われたこと、昨年九月の県民大会で勇気づけられ申請前の修正案を公表したことを報告。文科省が昨年末に認めた「軍関与」記述について、「軍の強制という文脈の中で、さまざまな要因があったのであり、複合的要因の一つとして『軍の関与』があるのではない」と批判した。

 また大阪地裁判決を「全面勝訴」としながらも「(「集団自決」の)伝令が伝わっていたこと自体が軍命が機能した証拠」とし、秋の訂正申請で、「軍の強制」明記に意欲を見せた。

 石山さんは教科書検定制度の実態を具体的に説明し、「教育への乱暴な政治介入で沖縄戦歪曲が行われた」と批判。五月ごろから社会教科書執筆者懇談会を再開し、記述回復の実現を目指すと述べた。安仁屋政昭沖縄国際大学名誉教授は、沖縄戦の実態を全国の戦後世代に伝えていくことの重要性を訴えた。

 シンポには県民大会実行委副委員長の玉寄哲永さんも参加。十六日の東京要請行動へ向け決意を語った。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804061300_02.html

 

2008年4月7日(月) 朝刊 19面記述回復へ決意新た 教科書執筆者と体験者が初対面

 高校歴史教科書執筆者の坂本昇さん=東京都=が6日、座間味島「集団自決(強制集団死)」体験者の宮城恒彦さん(74)=豊見城市=と初めて対面した。昨年9月の文部科学省による教科書検定意見の撤回を求める県民大会に力を得て訂正申請した執筆者と、その執筆者を勇気づける体験者が、「撤回」と記述回復に向け、決意を新たにした。(安里真己)

 二〇〇六年末、文科省の検定意見で記述変更に追い込まれた坂本さん。昨年九月の県民大会にも参加、十月には教科書の記述を「日本軍によって『集団自決』を強いられた」と訂正申請する、と記者発表した。それを知った宮城さんは「勇気ある行動を支援したい」と、他の体験者から聞き書きした本や関連資料、書籍、村史の写しなど、一抱えほどもある小包にぎっしり詰めて、坂本さんに送った。

 坂本さんは、ちょうど発表内容に対し「訂正申請するな」など、ファクスでの嫌がらせを受け落ち込んでいたころで、小包を受け取り力づけられたという。その後も、宮城さんから資料が届き、交流が続いている。

 坂本さんは五日、那覇市内であったシンポジウムに参加するために来県していた。「宮城さんから力をもらった。ぜひお会いしたかった」と、目を潤ませながら礼を述べた。

 宮城さんは「県民大会に参加できなかった人も含め、多くの県民や犠牲者が、坂本さんを応援していると伝えたかった」と話した。

 「宮城さんは自分自身の体験だけでなく、同じ目線でいろいろな方から体験を聞き書きしている。質も高い。感銘を受けた」と坂本さん。

 宮城さんはこの日、三月に判決が出た「集団自決」訴訟で退けられた梅澤裕元戦隊長の証言について、当時島にいた者の視点で矛盾を指摘。「体験者でなければ分からないことがある。それを、次の世代に伝えるためにも、勇気を出して教科書に書いてもらわなければ」と今後に期待した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804071300_01.html

 

2008年4月7日(月) 朝刊 2面

防衛省前 人間の鎖/米軍の事件・事故に抗議

 【東京】米軍関係者による相次ぐ事件・事故や、在日米軍再編に伴う基地負担増加に抗議しようと、県内外の市民団体関係者が六日、防衛省前で「人間の鎖」で抗議行動を展開し、「米兵犯罪は許さない」「すべての基地はいらない」などと声を上げた。

 米軍普天間飛行場代替施設建設に反対するヘリ基地反対協議会などの呼び掛けで、岩国市(山口県)や横須賀市(神奈川県)など、米軍基地が所在する全国の市民団体の関係者約五百五十人(主催者発表)が集まった。防衛省正門前を中心に、三回にわたって手をつなぎ、抗議の意志を示した。

 沖縄から駆け付けた「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代共同代表は、「相次ぐ事件に米政府の高官は謝罪を繰り返すが、県民の怒りを鎮めようとするパフォーマンスにすぎない」と非難し、米軍基地の撤去を訴えた。

 ヘリ基地反対協議会の安次富浩代表委員は普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設に抗議し、移設に向けた環境影響評価調査の中止を求めた。高里、安次富氏はそれぞれ、防衛省の職員に要請書も手渡した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804071300_02.html

 

2008年4月7日(月) 朝刊 18面

地位協定の問題鮮明/沖縄市タクシー強盗事件

 沖縄市で起きたタクシー強盗致傷事件で、米軍は五日、容疑者とされる基地内に住む米兵の息子の少年二人を沖縄署に引き渡した。同署が逮捕状を取り、米軍に身柄を要求してから四日目。この間、少年らは基地内で捜査機関の拘束下に置かれていなかったとみられる。日米地位協定上、両国は犯罪捜査で互いに協力するよう定められているが、軍人・軍属の家族の身柄引き渡しなどについては特に規定がなく、米側の裁量に左右される側面がある。米軍の「排他的管理権」を定めた日米地位協定の問題点があらためて浮き彫りになった。(中部支社・上地一姫)

 「(軍人・軍属の)家族の場合は、通常、逮捕状が出れば速やかに身柄を渡してもらえる。県警側に書類や手続きの不備はなく、なぜ今回は遅れているのか分からない」。少年らの逮捕状が出てから三日目の四日午前。捜査関係者は戸惑ったような表情を浮かべた。

 強盗致傷事件にかかわり、先に窃盗容疑で逮捕されていた少年二人のうち一人の身柄は、同署が捜査協力を求めたその日に引き渡されていたからだ。

 地位協定上、容疑者となった軍人・軍属については、身柄が米側にある場合、日本側が起訴するまでは原則として米側が拘束できる。一方、軍人・軍属の家族についてはこうした特権的な規定はなく、「逮捕状が出れば当然引き渡すべき事案といえる」(弁護士)。

 法政大学の本間浩教授は「家族の身柄を引き渡さない合理的な理由はない。ただ、米側が消極的だったとしても直ちに法令違反を問うこともできない。米側の裁量に委ねられているのが問題」と指摘する。

 米軍監視下にある憲兵隊員を含む計五人が関与したとみられる今回の事件。共犯が多い場合には、証拠隠滅などを防ぐため、身柄確保を急ぐのは捜査の鉄則とされる。だが、米軍は少なくとも四日ごろまでは少年らの身柄を拘束していなかったとみられ、県警は事情聴取さえできない状態だった。

 捜査関係者は「口裏合わせや逃亡の可能性も否定できない」と、捜査協力の遅れに懸念を示す。

 結局、米側は四日の夜になって身柄引き渡しを通知した。別の捜査関係者は「この時期に身柄引き渡しが遅れれば問題を大きくするのは明らかだった」と指摘。県内外で米軍関係者による事件・事故が相次ぐ中、米側が「政治問題化」を避けたとの見方を示した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804071300_03.html

 

2008年4月7日(月) 夕刊 5面

逃走車両 憲兵所有か/沖縄市のタクシー強盗

禁足令違反も

 沖縄市内でタクシー運転手が外国人らしき三人組に殴られ現金を奪われた強盗致傷事件で、逃走に使われた車は米軍が拘束している米軍嘉手納基地所属の憲兵隊兵長(21)の所有である可能性が高いことが七日、関係者の話で分かった。また、強盗致傷の容疑ですでに県警に逮捕されている米兵の息子らが、この憲兵隊員について「犯行時は逃走に使った車の中にいた」と供述していることも判明。当時、米軍は軍人を対象に外出禁止令を出しており、これに違反する可能性がある。

 憲兵隊員の犯行へのかかわり方について一部の少年からは「主導的な立場だった」との供述も出ているが、食い違う点もあり、県警が慎重に捜査を進めている。

 捜査関係者によると、憲兵隊員は事件への関与を否定しているという。

 事件は、三月十六日午前零時二十分ごろ、沖縄市中央二丁目の路上で発生。外国人とみられる三人組の男がタクシーを止め、乗務員を殴った上、現金約八千円が入った釣り銭箱を奪って逃走したとされる。

 犯行当時、米軍は軍人を対象に、午後十時から翌午前五時までの外出禁止措置を取っていた。憲兵隊員が犯行現場にいたとすれば、これに違反する可能性がある。

 被害者のタクシー運転手が見た実行犯は三人だったが、県警は少年の供述などから計五人が何らかの形でかかわったとの見方をしている。県警はすでに、いずれも米兵の息子の少年四人を逮捕。憲兵隊員については米軍が拘束しているため、任意で事情聴取などの捜査を進めている。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804071700_03.html

 

2008年4月7日(月) 夕刊 5面

1億円の賠償命令/元自衛官強盗致死

 那覇市牧志の路上で二〇〇五年二月、会社経営の川満正則さん=当時(48)=が傘で突き刺されるなどして死亡し、現金を奪われた事件で、正則さんの妻の由美さん(39)ら遺族が、強盗致死罪で服役している元幹部自衛官の原卓也受刑者(28)に損害賠償を求めた民事訴訟の判決で、那覇地裁(加藤靖裁判官)は七日、由美さんらの請求通り計一億円の支払いを命じた。

 服役中の原受刑者は、二月にあった第一回口頭弁論までに「事実関係に争いがあり、弁護士と相談して決めたい」との意思を示していたが、先月の弁論までに由美さんらの訴えを全面的に認めるとした書面を提出していた。

 事件は〇五年二月二十六日午後七時四十五分すぎ、那覇市牧志三丁目の人けのない住宅街の路上で発生。原受刑者は、パチンコ店で換金した正則さんの後をつけ、コンクリート片で頭を殴ったり、持っていた傘で顔を突き刺すなどし、正則さんを死亡させた。

 那覇地裁は〇六年三月、強盗致死罪で原受刑者に懲役二十年の判決を言い渡し、確定した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804071700_04.html

 

2008年4月7日(月) 夕刊 4面

戦争で転々 同窓生ら石碑建立/楚邊尋常小學校・國民學校

 「楚邊尋常小學校・國民學校」の石碑が、同窓生ら約二百九十人の協力で、かつて同校があった那覇市の城岳小学校の敷地内に建立された。五日の除幕式では関係者約四十人が集まって完成を祝い、当時の思い出に浸った。

 一九四〇年に旧真和志村に開校した楚邊尋常小學校・國民學校は、日本軍による接収や米軍キャンプの移転などもあり転々。四九年に那覇市与儀に移り与儀小学校の前身となった。

 「石碑を建立し、思い出を後輩たちにつなぎたい」(山城宗一郎石碑建立委員長)という同窓生の思いから、今年二月から賛同者集めを開始。約八十万円が集まり、「楚邊尋常小學校・國民學校跡」と刻まれた御影石の石碑が完成した。

 除幕式で山城委員長=那覇市=は「石碑を見ると、われわれが過ごした時代がよみがえる思いがする」と感無量。同窓生らは文字を指でなぞったり、記念撮影をしながら、昔話に花を咲かせた。

 四三―四五年に同校の教諭だった仲宗根トヨさん(87)=同=は「教科を教えたことより、子どもたちが大きな声で軍歌を歌っていたことを覚えている」と振り返り、「学校は消えたが、楚邊小の名は残る。私の願いもかなった」と目を細めた。

 城岳小の嵩原安哲校長は「子どもたちの歴史学習にも生かしたい」と話した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804071700_05.html

 

2008年4月8日(火) 朝刊 2面

発生はレンジ3付近/ハンセン山火事

 金武町のキャンプ・ハンセンで先月二十六日に発生した山火事は、レンジ3周辺で発生していたことが七日、分かった。在沖米国総領事館のカーメラ・カンロイ首席領事が二日、社大党の抗議に対し、明らかにしていた。米軍はこれまで県に対し、発生場所を明らかにしていなかった。

 米陸軍がレンジ3を使用するため、三月から周辺の整備作業を実施。その過程で発見された不発弾を処理中に火災が発生したという。

 火災はレンジ3付近で発生したが、火は同レンジ西側の峰を駆け上がり、レンジ4付近まで燃え広がったとしている。

 米軍は廃弾処理場(EOD)1に移送できる不発弾はEODで処理するが、移送で危険が伴うものはその場で処理すると説明。五月一日までレンジ3付近の不発弾処理を進めるとしており、現場での爆破処理が続く可能性もある。

 社大党の喜納昌春委員長や比嘉京子書記長は七日、県の上原昭知事公室長に対し、米軍の責任で焼失部分に植栽し、復旧することなど六項目を要請。喜納委員長は「自分たちが抗議に行って、火災発生場所の話を聞いた。県が知らないのはおかしい。もっと強く原因究明を求めるべきだ」と訴えた。

 上原公室長は「原野火災は昨年から増えている。車両侵入も同じ場所に二度入っており、規律が緩んでいる。県としても強く申し入れたい」と述べた。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804081300_02.html

 

2008年4月8日(火) 朝刊 2面

労務費負担に理解を/全駐労、野党議員に要請

 全駐留軍労働組合沖縄地区本部(全駐労)は七日、駐留軍労働者の労務費を日本政府が継続して負担するとした新特別協定が参議院で否決される見通しであることを受け、県選出の野党国会議員らに対し、新協定への支持を要請した。

 在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)は三月末で期限が切れたが、民主党は新たな特別協定案について「基地内の娯楽施設の人件費まで負担できない」として反対している。

 全駐労の與那覇栄蔵執行委員長は「娯楽施設は米軍施設の中のコミュニティー(共同体)に付随しており、(兵士は)生活をしながら国防任務に就いている」と述べ、基地内の娯楽施設と、それに伴う人件費負担の必要性を強調した。

 照屋寛徳衆院議員(社民)は「駐留軍労働者の法的雇用主は日本政府だ」と政府の責任を指摘。下地幹郎衆院議員(そうぞう)、糸数慶子参院議員(無所属)も、民主党を中心とした他都道府県選出議員にも沖縄の実情を説明し、新特別協定の締結に理解を呼び掛けていく意向を示した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804081300_07.html

 

2008年4月9日(水) 朝刊 1・2面

県内米基地で自衛隊研修32回/恒常化明らかに

07年度/前年度比14回増

 【東京】県内の米軍基地で行われている自衛隊の研修が、二〇〇七年度は三十二回を数え、対前年度比で十四回増加したことが、防衛省作成の資料で八日分かった。在沖米軍基地で行われている自衛隊の研修の全容が明らかになるのは初めてで、自衛隊が恒常的に米軍の技術を学んでいる実態が浮き彫りとなった。

 研修場所は、米軍キャンプ・ハンセンや嘉手納基地など、在日米軍再編で日米共同使用の対象とされた基地が大半を占めている。防衛省は「米軍再編とは直接関係なく、通常の日米の相互協力の一環だ」と説明している。

 資料によると、〇七年度は航空自衛隊が二十二回、陸上自衛隊が九回、海上自衛隊が一回の研修をそれぞれ実施した。

 空自は、日米の相互理解と特技能力向上を図る目的で昨年七月、嘉手納基地で「日米相互部隊研修」を実施。空軍の組織や勤務要領、職務内容について説明を受けた。同基地では同年八月から〇八年三月にかけても、中堅空曹の任務遂行能力向上を目的とし、統率、管理、意思疎通技術を学ぶ研修が四回行われている。

 陸自は、昨年七月と九月にキャンプ・ハンセンで上陸作戦について研修。ハンセンでは今年一月、相手を殺さずに警棒などで制圧するための「非殺傷兵器」に関する研修もあった。また、キャンプ・シュワブでも昨年十一月、「海兵隊のシミュレーション訓練の現況」について、説明を受けたり見学などをしている。

 〇七年度に研修が増えた要因について、自衛隊関係者は、〇六年度予算が特別に制約され研修が大幅に削減されたことなどを理由に挙げ、「〇七年度が特別に多いわけではない」と説明している。


     ◇     ◇     ◇     

[解説]

軍事一体化 県内で進行


 沖縄で自衛隊が年間三十回以上にわたり、米軍運用のノウハウを学び続けていることが明らかになった。着々と進む米軍と自衛隊の軍事一体化。その一翼を沖縄が担っている実態があらためて浮き彫りとなった。

 防衛省の資料によると、キャンプ・ハンセンでは非殺傷兵器の運用や上陸作戦についての研修も毎年行われている。それぞれ、部隊防護やゲリラ、特殊部隊による攻撃、島しょ部への侵略といった「新たな脅威」を想定したものといえる。

 米同時テロ後の自衛隊法改正で、自衛隊による米軍基地の警護が可能になり、陸自は全国の都道府県警と連携し、外国から国内に侵入する武装工作員などに対応する治安出動を踏まえた図上演習を実施している。二〇〇五年十月には、北海道警と初めて共同実働訓練も行った。

 今年一月には、那覇の第一混成団が島しょ侵略に対応する訓練を初めて米国で実施している。こうした流れの中で今年三月、陸自のハンセン共同使用が始まっており、研修が「訓練」に発展する可能性も否定できない。

 〇五年十月の米軍再編中間報告でも、米軍基地の共同使用を「より緊密な連携や相互運用性の向上に寄与する」と評価。同最終報告ではハンセンと嘉手納基地が共同使用の対象とされている。

 しかし、県内の米軍基地はいずれも過密な演習により周辺への被害が絶えない状況で、基地に対する県民の不安・不信は高まっている。このような中で、自衛隊の米軍基地への「参画」は、県民により大きな負担を強いるものであり、住民の反発に油を注ぐことにもなりかねない。(東京支社・島袋晋作)

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804091300_01.html

 

2008年4月9日(水) 朝刊 29面

沖縄市タクシー強盗/憲兵ら計画的犯行か

 沖縄市で起きたタクシー乗務員への強盗致傷事件で、沖縄署に逮捕された米兵家族の少年ら四人が、犯行の手口について、米軍に拘束されている嘉手納基地所属の憲兵隊員を含む五人で事前に打ち合わせて決めたとの内容の供述をしていることが八日、捜査関係者の話で分かった。計画的な犯行を示すものとみて、県警が裏付け捜査を進めている。

 捜査関係者によると、少年らは「犯行に車を使うことは五人で決めた」などと話しているという。

 また、一部の少年らは「(憲兵隊員に)借りがあった」と話しているといい、県警が動機について詳しく調べている。

 これまでの調べでは、少年らのうち三人が乗務員を殴って釣り銭箱を奪った後、憲兵隊員が運転する車で逃走したとされる。

 県警によると、憲兵隊員は関与を否定しているという。しかし、県警は憲兵隊員が少年らに犯行を指示するなど主導的な役割をした可能性が高いとの見方を強めている。

 同事件では、いずれも米兵の息子の少年四人が強盗致傷容疑で逮捕されたほか、憲兵隊員一人が米軍に拘束されており、県警が米側の捜査協力を得て事情聴取などを進めている。少年四人のうち三人が実行犯で、憲兵隊員を含む二人は犯行の指示や支援などをした疑いが持たれている。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804091300_04.html

 

2008年4月9日(水) 朝刊 2面

PCB含有物 米へ/米軍が県内で保有

 【東京】外務省は八日までに、県に対し、米軍が県内で保有していた日本製のポリ塩化ビフェニール(PCB)含有物資八十五トンを横浜港から米本国に向けて搬出した、と伝えた。

 外務省によると搬出は三月十五日で、「変圧器などの総重量であり、PCB自体は少量」と説明している。

 米環境保護庁は、今年一月七日から来年一月九日までの間、外国製のPCB含有物資の搬入を制限する有毒物質管理法の適用除外期間を設定している。日本国内にPCB含有物資処分施設が限られていることから、この期間に合わせて米軍が独自に搬出することになった。

 今後も期間内にPCB含有物資の搬出が行われることも予想される。これまで県内から米軍がPCB含有物資を搬出した例はほかに、二〇〇三年八月十五日、〇四年七月十日で、いずれも海路で搬出されている。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804091300_06.html

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