海兵隊一部ハワイ移転か 沖縄ジュゴン訴訟、県内で公聴会開催も 嘉手納基地、F15未明離陸を強行など  沖縄タイムス関連記事、琉球新報 社説(4月20日から23日)

2008年4月20日(日) 朝刊 1面

海兵隊一部ハワイ移転か/米軍再編

 米海軍省が、在日米軍再編に伴いグアム移転が決まっている在沖米海兵隊の第三海兵師団(キャンプ・コートニー)と、第一二海兵連隊(キャンプ・ハンセン)の両司令部の米ハワイ州移設を希望していることが、十九日までに分かった。ハワイ州選出の米下院議員が米下院のホームページで公表した。在沖米海兵隊八千人のグアム移転の条件とされる米軍普天間飛行場移設問題が膠着し、米議会でグアム移転関連経費が承認されていないことを受け、米海軍が独自案を打ち出したとみられている。

 ハワイへの司令部移設を公表したのは、米下院軍事委員会のニール・アバークロンビー航空・地上軍小委員会委員長。同委員長は今月九日、在ハワイの米海兵隊カネオヘベイ基地の即応態勢強化を目的に、米海軍省が調査設計費として二千百二十万ドル(約二十一億九千万円)の予算を計上する計画を明らかにした。

 沖縄関連では、第三海兵師団の司令部機能や武器庫、作戦訓練施設などに六百八十万ドル(約七億円)、約四百五十人の下士官兵舎として四百八十万ドル(約四億九千万円)、第一二海兵連隊の司令部施設として百五十万ドル(約一億五千万円)が計上されるとしている。

 米ハワイ州の地元紙ホノルル・アドバタイザーによると、米太平洋軍司令部(キャンプ・スミス)は「ハワイの海兵隊強化に、調査費を獲得してくれたことは喜ばしい」と歓迎しているという。しかし、「海兵隊は二十一世紀の太平洋での戦略的課題に対応する態勢を検討中で、国防総省の最終決定は下されていない」との見解も紹介しており、米政府の最終的な結論はまだ先になりそうだ。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804201300_02.html

 

2008年4月20日(日) 朝刊 23面

ブレーキ故障が原因/米戦闘機事故

 【嘉手納】米軍嘉手納基地で十九日午前、米民間会社所有の英国製戦闘機MK58一機が滑走路隣の緑地帯に突っ込んだ事故で、同基地報道部は同日午後、原因は「ブレーキの故障」と発表した。事故に伴い、機体から燃料約十九リットルが漏れたことも明らかにした。

 同報道部によると、機体から漏れた燃料のうち、十一リットルは回収したが、残り八リットルは芝生に流出。汚染された土壌は今後、取り除かれるという。機体に損傷はない。事故機は米海軍が契約していた。

 嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)会長の野国昌春・北谷町長は「過密な訓練が解消されなければ、不安は払拭できない。引き続き情報を収集し、今後の対応を決めたい」としている。

 北谷町議会(宮里友常議長)は二十一日に基地対策特別委員会を開く予定。

 嘉手納町議会(伊礼政吉議長)は同日に開く基地対策特別委員会で、米海兵隊のAV8ハリアー垂直離着陸攻撃機が提供水域外に爆弾を投下した問題などの対応を協議する予定だったが、田仲康榮委員長は「今回の事故も緊急議案として提案したい」としている。

 複数の目撃者によると、同機は同日午前十時五分ごろ、基地北側滑走路に着陸。誘導路を移動中、機首部分から緑地帯に突っ込んだ。約三時間後、けん引されて駐機場に戻った。現場は、基地に隣接する県道74号から数百メートルの場所。

 同機は、「仮想敵機」として、米軍の訓練に参加。同基地ではたびたび目撃されている。十八日にも同基地で離着陸しているのが確認されている。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804201300_05.html

 

2008年4月21日(月) 朝刊 21面

海兵隊「共同逮捕」/米少年憲兵連行

沖縄署に回答 県警は「誤認」

 北谷町の衣料品店で万引したとして店員に取り押さえられた米兵の息子二人を、憲兵隊員が沖縄署の引き渡し要求を拒否して基地内に連れ帰ったとされる問題で、海兵隊は沖縄署の質問に対し、文書で「(沖縄署)との共同逮捕だった。署は引き渡しを求めなかった」旨の表現で回答していたことが二十日、関係者の話で分かった。県警は「把握している事実に誤認があり、内容を吟味する必要がある」とし、週明けにも米軍と交渉する方針だ。

 回答は、在沖米海兵隊憲兵司令官のバーナード・ヘス少佐が十八日に同署を訪ね、A4サイズ二枚の文書を玉那覇章署長に手渡した。

 県警関係者は「英文で多岐に渡り書かれているので現在解析中だ」とした上で、「共同逮捕だったとの意味に取れる文言があり、米軍側に真意を照会しなければならない」としている。

 十三日の事件については「沖縄署の署員七人が現場に到着し、憲兵隊に少年二人の引き渡しを求めたが、双方の言い分がかみ合わず約三十分間もめた」と説明。現場で署員と憲兵隊のやりとりを多くの買い物客らが目撃していたとし、「沖縄署が引き渡しを求めなかったと取れる憲兵隊の主張はおかしい」としている。

 一方、外務省の西宮伸一北米局長は十八日の衆院外務委員会で、同問題について「米側は(身柄は連行したが)逮捕していないし、逮捕したという認識もないので、これは共同逮捕の問題ではない」との認識を示している。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804211300_06.html

 

2008年4月21日(月) 朝刊 20面

県内で公聴会開催も/沖縄ジュゴン訴訟

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古キャンプ・シュワブ沿岸部移設をめぐり、自然保護団体などが米国防総省を訴えた「沖縄ジュゴン訴訟」で、日米弁護団は二十日、米国政府が県内で公聴会を開く可能性が高いとの見方を示した。米サンフランシスコの連邦地裁が八月末にも再び判決を下し、同省にジュゴン配慮のための具体的内容を命じるとの見通しを述べた。同日、那覇市の八汐荘で開かれたシンポジウムで、米国のサラ・バート弁護士らが説明した。

 公聴会は、米国国家歴史保存法(NHPA)で、実施が定められている。今年一月の判決で、同地裁が米国政府のNHPA法違反を認定しているため、原告側は実現性が高いと判断。訴訟の中で要求していく。

 バート弁護士は、同法では基地建設中止命令が出ることはないと前置きした上で「国防総省は、地域社会や民間専門家に対しても、基地とジュゴンの情報を公開し、地元と『協働関係』で事業手続きを進める法律上の義務がある」と強調した。

 その上で同省が二十四日にも提出する「情報」を精査し、的確に反論することで、より大きな基地阻止運動に結び付けられる、と語った。

 桜井国俊沖縄大学学長は日本のアセスを厳しく批判し、環境アセス学会として「日米共同アセス」など、より厳格で適正な実施を求めるアピール文を五月中に発表する、と述べた。

日本側アセスに焦点

バート弁護士に聞く

 シンポジウムのために来沖したサラ・バート弁護士に今後の注目点を聞いた。

 ―米国防総省が出す「情報」と原告側の反論のポイントは。

 「日本のアセス方法書を全部英訳して出してほしい。裁判所が原告の主張と比べれば、適切な判断ができるはずだ。国防総省が、どれだけ多く地域の人々や専門家から情報収集や意見聴取するのか、またその方法が適当か注目したい」

 ―想定される判決は。

 「国防総省は最低限のジュゴン保護しか示さない可能性もある。最悪の判決はそれが認められてしまうこと。逆に最良の判決は、可能な限り広範囲の人や事象から情報を集めさせ、基地建設がジュゴンに影響を与えるかどうか判断を迫り、影響回避のため具体的かつ詳細な命令が出ることだ。従わない場合、命令違反として新たな訴訟も提起できる」

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804211300_07.html

 

2008年4月21日(月) 夕刊 5面

F15あす未明離陸/嘉手納基地報道部発表

 【嘉手納】米軍嘉手納基地報道部は二十一日午前、F15戦闘機三機と空中給油機数機が米本国に向け、二十二日未明に同基地を離陸する、と発表した。同基地からの未明離陸は昨年十月に行われて以来、約半年ぶり。周辺自治体は強く反発している。嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協、会長・野国昌春北谷町長)は二十一日午後にも幹事会を開き、対応を協議する。

 同基地によると、「アイロン・フロー」と呼ばれる、旧型のF15を製造年の新しい機体へ更新する計画の一環。同計画に伴う未明離陸は今回が最後、という。

 嘉手納町によると、同計画に伴う未明離陸は二〇〇六年五月から始まり、今回で八回目。F15はこれまでに、計二十二機が離陸した。周辺自治体や議会は、未明離陸が強行されるたび、中止を求めて抗議を繰り返している。

 同基地は「周辺住民へ騒音の影響が及ぶことを認識しながらも、運用上の必要性と安全面を注意深く考察し、行うことにした」としている。

 野国町長は「F15の入れ替えは今回で終わりといっているが、今後も運用上の早朝離陸はある。別の基地を経由すれば嘉手納基地を早朝に離陸しなくてもいいことも証明されている。米軍は地域への配慮を口にするなら、住民に迷惑をかけないで訓練してほしい」と指摘した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804211700_02.html

 

2008年4月22日(火) 朝刊 1面

三連協が中止要請/F15未明離陸

嘉手納基地 24時間延期

 【中部】米軍嘉手納基地報道部は二十一日午後、F15戦闘機三機と空中給油機数機が二十二日未明に予定していた離陸について「二十四時間延期する」と発表した。嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協、会長・野国昌春北谷町長)は二十一日午後、幹事会を開き、未明離陸の中止を求めて文書で要請する方針を決めた。

 同基地から連絡を受けた嘉手納町によると、延期理由について「空中給油機に問題が発生したため」などと説明したが、詳細は明らかにしなかったという。

 同基地は「延期は、任務の支援に不可欠な空中給油能力の確保を確実にするために必要」としている。

 三連協は二十二日午前、嘉手納基地第一八航空団、外務省沖縄事務所、沖縄防衛局に要請文書を送付する。

 未明離陸は同基地の旧型のF15を製造年の新しい機体に更新する「アイロン・フロー」と呼ばれる計画の一環。同計画に伴う未明離陸は今回で最後という。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804221300_01.html

 

2008年4月22日(火) 朝刊 27面

分遣隊の島内移設提案/伊江島補助飛行場

米軍、ダム共用条件

 【伊江】地下ダム整備のため、伊江島補助飛行場の一部土地の共同使用に合意した米軍が、提供施設内にある「運用支援分遣隊」を島内の別の場所に移設する条件案を提示していたことが二十一日、分かった。移設先については米軍と国、村の調整で、島北側の真謝区付近の提供施設が候補に挙がっているが、同区は「事件・事故の多発につながる」と反対している。(新垣晃視)

 村によると、分遣隊は米海兵隊員約十人と、約二十人の日本人従業員で構成。演習場の管理や給水などを行っている。

 米軍が分遣隊の移設を求める最大の理由は、ダム完成後に水質の環境問題が発生した場合、責任を問われる懸念があるため。昨年八月、村側に意向を示した。

 ダム建設は「国営かんがい排水事業」を利用し、農業用水を確保する目的で二〇〇四年度から始まった。同村内には大きな川がなく、慢性的な水不足を抱えてきたが、地下ダムの完成で現在の二倍の農業用水が期待される。

 全長二千六百十二メートルの止水壁のうち、約半分が米軍提供施設内にあり、今月十七日の日米合同委員会で共同使用が合意され、全体工事が可能になった。

 数カ所あった移設先の案から、地下ダムに遠い場所を求める米軍の意向を踏まえ、住民生活への影響などにも配慮した結果、島の中央にある伊江島補助飛行場滑走路の北側が候補地に残った。具体的な場所は今後の協議で決まるが最短の場合、施設と真謝区までの距離が約百メートルになる可能性もあるという。

 村は昨年十二月、同区で説明会を開き、移設への理解を求めたが、住民からは米軍事件への不安や、生活道路の一部が使えなくなることなどに懸念や反対の声が上がった。

 区民の男性(77)=農業=は「現在施設がある所は近くに集落がなく、影響も少ないが、軍人が働く施設が民間地の近くに来るのは心配」と話す。

 大城勝正村長は「地下ダムは村民の念願であり、島内移設は苦渋の選択。今以上の基地機能の強化がないよう米軍に求め、地元に負担がかからないよう配慮し、理解を得られるよう話し合いをしていきたい」と語った。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804221300_02.html

 

2008年4月22日(火) 朝刊 2面

ハワイ移転否定/米軍再編で防衛省次官

 【東京】防衛省の増田好平事務次官は二十一日の定例会見で、米海軍省が在日米軍再編に伴いグアムに移転予定の在沖米海兵隊の一部をハワイに移転させることを希望していることについて、「そういう事実は承知しておらず、日米間で協議している事実もない」と否定的な見解を示した。

 その上で「ロードマップ(米軍再編最終報告)に従って、在沖米海兵隊のグアム移転を着実に進めていきたい」と述べ、在日米軍最終報告に基づく従来の方針に変わりはないとの立場を強調した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804221300_03.html

 

2008年4月22日(火) 朝刊 2面

基地連れ帰り「共同逮捕でない」/在日米司令部が見解

 【東京】在日米軍司令部法務部は二十一日、米憲兵隊が北谷町内の衣料品店で万引したとして店員に取り押さえられた在米兵の息子二人を基地内に連れ帰った問題について、「共同逮捕ではない」との見解をあらためて示した。外務省の照会に答えた。

 在沖米海兵隊は十八日、沖縄署の質問に対して「共同逮捕だった」とも解釈できる、あいまいな表現で文書回答しており、在日米軍司令部が「共同逮捕ではない」との立場を明確にした格好だ。

 米側は十七日夜、外務省に「非番の米軍人からの通報を受けた憲兵隊が現場に急行し、少年らを取り押さえたが、なおも暴れるので暴力を防ぐために手錠を掛けた。あくまで暴力を働く可能性を防ぐために行ったもので、窃盗について逮捕したという認識はしていない」と伝達していた。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804221300_04.html

 

琉球新報 社説

憲兵隊少年連行 真相究明は外務省の仕事だ

2008年4月22日

 外務省の対応は「事なかれ主義」と言うほかない。米国を弁護し代弁する出先機関、と非難されても返す言葉はないだろう。北谷町美浜の衣料品店で起きた窃盗容疑事件で、在沖米海兵隊員の息子2人の身柄を米海兵隊の憲兵隊が拘束し、基地内に連行した問題で外務省は、これ以上問題を悪化させないために火消しに走っているように見える。

 この問題は、県警、政府、米軍それぞれの説明が食い違い、複雑な状況を呈している。

 それぞれの見解をまとめると次のようになる。まず県警は、「施設外における警察権の行使であり、明らかに地位協定に抵触する」という立場。これに対し政府は「地位協定関連取り決め等で許され得る」という認識だ。

 一方、米軍の説明は県警と政府に対するものとで食い違っている。ここに一番の問題がある。

 沖縄署が米軍に対して行った質問に対し、米軍は「共同逮捕」での手続きを規定した日米合同委員会合意事項を引用し「共同逮捕」との立場を示していた。その上で、「沖縄署が(合意事項に定められた)最寄りの警察署に連行すると言っていない」とし、これを根拠に合意事項に反しないと強調する意図が見えた。しかし政府に対する説明は、「少年が暴れるので手錠をかけたのであり逮捕ではない」として、逮捕自体を否定した。

 米軍は15日、キャンプ瑞慶覧の米海兵隊憲兵隊事務所を訪れた沖縄署員に対して身柄確保は不適切だったと謝罪している。事件当日、店員らが憲兵隊より先に現行犯逮捕(私人逮捕)していること、合意に定められた「最寄りの警察署に連行」せず、基地内に連行したことなど、状況を分析すれば米軍側に非がある筋道が見えてくる。

 だが、外務省は17日夜に在日米大使館から入った連絡に納得してしまう。「暴れたから手錠をかけた」という説明である。沖縄署への米軍回答も公表されず、政府内で調整中としてうやむやにされそうだ。

 仲井真弘多知事は「合意事項に全く違反している」と明言。県警側からも外務省に対する不満が出ている。このような事件が起きたときにこそ、政府は地位協定の問題点を徹底的に洗い出し、改定に結び付けるべきであるのに、またもや米軍の説明を尊重し「理解」してしまった。

 地位協定問題は運用改善でと主張する政府からすれば、違反か否かで問題がこじれれば、立場が苦しくなる。米側の説明は政府にとっても都合がいいのだろう。しかし、このように事をあやふやにして幕を引こうとする姿勢こそが政府不信につながっている。一体どの国の「外務省」なのか。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-131366-storytopic-11.html

 

2008年4月22日(火) 夕刊 1面

未明離陸中止を要請/三連協、嘉手納司令官に

 【中部】米軍嘉手納基地で二十三日未明に、F15戦闘機三機と空中給油機数機が米本国に向け離陸を予定している問題で、嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協、会長・野国昌春北谷町長)は二十二日午前、同基地司令官や外務省沖縄事務所、沖縄防衛局に未明離陸を中止するよう文書で要請した。

 要請文では「(米軍の)姿勢は一貫して基地周辺住民を無視した基地の運用であるといわざるを得ない」と厳しく指摘。

 その上で、午後十時から午前六時の間はすべての航空機の飛行活動、エンジン調整などを行わないこと、本国への帰還・訓練などは他の基地を経由するか、時間調整により未明離陸を行わないよう求めている。

 同問題で、嘉手納町議会は二十二日、北谷町議会は二十三日に基地対策特別委員会を開き、今後の対応を協議する。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804221700_02.html

 

2008年4月22日(火) 夕刊 5面

ハンセン山火事 米軍が消火ヘリ

 【金武】在沖米軍から沖縄防衛局に入った情報によると二十二日午前十時五十五分ごろ、金武町キャンプ・ハンセン内の廃弾処理場(EOD)1付近で火災が発生した。

 米軍は、すでに消火ヘリを要請しているという。火災原因や焼失面積は調査中。

 同訓練場では、今年三月にレンジ3付近で不発弾処理中に火災が発生していた。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804221700_04.html

 

2008年4月23日(水) 朝刊 1面

嘉手納F15 未明に離陸

 【嘉手納】在沖米空軍のF15戦闘機三機と空中給油機数機が二十三日未明、嘉手納基地から米本国に向け、離陸する。嘉手納町議会(伊礼政吉議長)は二十二日、基地対策特別委員会(田仲康榮委員長)を開き、同基地からの未明離陸の今後一切の中止を求める抗議決議と意見書の両案を二十三日に開く臨時会に提案することを決めた。

 嘉手納基地報道部は、離陸時間について「オペレーション(作戦)の保安上、公開できない」と説明。同行する空中給油機の機種や機数については「その情報は入手していない」と回答した。

 嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(会長・野国昌春北谷町長)も二十二日午前、未明離陸の中止を求めて、同基地司令官らに対し文書で要請した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804231300_05.html

 

2008年4月23日(水) 夕刊 1面

米軍 未明離陸を強行/嘉手納基地

 【中部】米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機など計五機が二十三日未明、米本国へ向け同基地を離陸した。嘉手納町屋良で午前五時十一分に、最高値九六デシベル(騒々しい工場内に相当)の騒音を計測した。同基地からの未明離陸は昨年十月以来、約半年ぶり。中止を要請していた嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協、会長・野国昌春北谷町長)は同日午前、反対を押し切り離陸を強行した米軍に対し、文書で抗議した。

 F15は午前五時十一分ごろから、三機が相次いで同基地南側滑走路を使用し、沖縄市方向に向け離陸。同十六分には、KC10空中給油機、KC135空中給油機が飛び立った。

 嘉手納町の職員が同町屋良の「安保の見える丘」で測定した騒音は、F15の離陸順に八九・八デシベル、九六デシベル、九〇デシベル。空中給油機は七八・七デシベル、七二・六デシベルだった。同地区に常設されている騒音測定器は、最大で九六・七デシベルを計測した。

 また、午前四時半ごろには、P3C対潜哨戒機が滑走路を往復するなどしたため、八五・七デシベルの騒音が発生した。

 三連協の抗議文は「中止要請を行ったにもかかわらず、米空軍は要請を無視し出発した。基地周辺住民の声を無視し、これまでの抗議決議などを聞き入れない姿勢は誠に遺憾である。運用を工夫すれば日中の離陸も可能であり米軍はその努力を怠っている」と指摘。

 三連協の野国会長は「住民は騒音で強制的に起こされ平穏な眠りを妨げられた。負担軽減につながっていない。あと約五十分待てば騒音防止協定の範囲時間に入るのになぜ配慮できないか」と米軍の一方的な運用を疑問視した。

嘉手納議会が抗議決議

 【嘉手納】米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機など計五機が二十三日未明に同基地を離陸した問題で、嘉手納町議会(伊礼政吉議長)は同日午前の臨時会で、同基地からのすべての航空機の未明離陸を今後一切行わないよう求める抗議決議、意見書の両案を全会一致で可決した。同町議会は同日午後、同基地を訪ね、直接抗議する。

北谷町議会 決議提案へ

 【北谷】米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機などが二十三日未明に米本国へ向けて同基地を出発した問題で、北谷町議会(宮里友常議長)は二十三日午前、基地対策特別委員会(照屋正治委員長)を開き、同基地からの深夜・早朝離陸を今後一切行わないことなどを求める抗議決議と意見書の両案を二十五日の臨時会に提案することを決めた。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804231700_01.html

 

2008年4月23日(水) 夕刊 5面

未明の爆音 安眠裂く/家が揺れ幼児泣き

 【中部】本島中部で二十三日未明、米軍戦闘機の爆音が響いた。「騒々しい工場内」に相当する騒音に嘉手納町では子どもが泣きだした。眠りを奪う激しい爆音に耐えかね、町外への引っ越しを考える人も。「騒音さえなければいい場所なのに」。基地周辺住民は、度重なる中止要請にもかかわらず未明離陸を強行する米軍に怒りを募らせている。

 「耳が痛くなるようなキーンというすごい音。家が揺れるように感じた」。嘉手納町水釜の嘉納エリ子さん(33)は、長女杏樹ちゃん(2)の泣き声とF15の爆音で目を覚ました。

 「三月に沖縄市から引っ越してきたが、想像以上にひどい。昼夜関係なく訓練が続くと、家族の生活リズムがおかしくなる」と健康面への影響を心配する。

 同基地に隣接する同町屋良に暮らして約三十年という津波古文徳さん(63)は、同居する二人の孫を静かな環境で育てたいと、読谷村への引っ越しを検討中だ。「騒音さえなければ緑が多くて最高の場所。しかし、基地がある限り騒音はなくならない」と米軍へ不満をぶつけた。F15戦闘機が上空を通過した沖縄市知花自治会の田島清信会長(61)は「みんなが眠っている時間帯の飛行は非常識だ」と憤る。嘉手納町の「安保の見える丘」で、米軍機の離陸を確認した沖縄市議会「基地に関する調査特別委員会」の与那嶺克枝委員長は「恐怖心を覚えるほどのごう音」と険しい表情だった。

 うるま市栄野比区書記の古謝弘子さん(61)は午前五時すぎ、騒音で目が覚めた。連続して四機ほど飛行する音がし、会話もできないほどだった。「不安の中での生活に慣れさせられている。まるで戦争みたいだ」と不満を漏らした。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200804231700_02.html

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