非公開文書、議員には開示/米兵の事件処理資料 「大江訴訟」結審、「政治的目的」自体が不当 空自機パンク、那覇空港滑走路閉鎖 非公開資料で判明、軽い少年事件、裁判権放棄/米兵事件処理 防災訓練で県、米軍参加要請を検討/09年度以降 など  沖縄タイムス関連記事・社説、琉球新報 社説(9月11日から13日) 

2008年09月11日【朝刊】 社会 

非公開文書 議員には開示/米兵の事件処理資料 国会図書館

記者の閲覧は拒否/「二重基準で国民差別」

 【東京】国立国会図書館が、法務省の要請で五月から非公開にしている駐留米兵の事件処理に関する資料を、国会議員に限って閲覧を許可していることが十日、分かった。同日、社民党の照屋寛徳衆院議員が同図書館の許可を得て資料を閲覧。照屋氏は「一般には閲覧を禁じながら、国会議員にだけ閲覧を許可するのはおかしい」と指摘。八月下旬に同資料の閲覧を拒否されたジャーナリストの斎藤貴男氏は「ダブルスタンダードにより、国民を差別している」と非難した。(島袋晋作)

 照屋氏が閲覧したのは法務省刑事局が一九七二年に作成した「合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料」。重要事件以外は裁判権を行使せず「起訴猶予」とするよう指示した五三年の刑事局長通達や、日本側の第一次裁判権が及ばないとされる「公務」の範囲を通勤や職場の飲酒にまで拡大した通達文書も含んでいる。

 「公務」の範囲を拡大した文書をめぐって政府は、今年の六月下旬、照屋氏の質問主意書に対する答弁書で「通達を発出したかどうかを含め、これを公にすることにより、米国政府との信頼関係が損なわれるおそれ、および公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼす」と存在の有無さえ明らかにしていなかった。

 政府と国会図書館で対応に違いが出るいびつな構図も浮き彫りになった。

 国会図書館は斎藤氏に対しては「プライバシーや人権を侵害する資料など」の閲覧制限を認めた利用規則を理由に閲覧を禁止。

 しかし、照屋氏の事務所によると、国会図書館は「一般利用者には制限を設けたが、議員は国会審議などで利用してもらうためにも、閲覧を許可する」と説明。コピーは不可だが、メモを取ることは許可されたという。

 照屋氏は「文書の存在を明らかにしなかった質問主意書での対応と今回の閲覧許可も矛盾する」と指摘。十一日に都内で会見し、閲覧した内容について明らかにする予定。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-09-11-M_1-023-1_001.html

 

2008年09月11日【朝刊】 政治 

嘉手納・普天間航空騒音軽減 外務省に要請/県、発生回数が増加

 県文化環境部の知念建次部長らは十日、外務省沖縄事務所や在沖米国総領事館を訪れ、米軍嘉手納基地や普天間飛行場周辺の航空機の騒音軽減を要請した。外務省沖縄事務所の久野和博副所長は「周辺住民には深刻な問題と認識している。騒音規制措置の順守を求め、地元の負担が最小限になるよう、米側に働き掛けを続けたい」と説明した。

 県の二〇〇七年度調査で、うるささ指数は嘉手納基地周辺の十五測定地点のうち九地点、普天間飛行場周辺は九地点のうち三地点で環境基準を超えた。騒音発生回数は普天間周辺の九地点すべてで前年度より増加している。

 同行した知事公室の平良宗秀基地防災統括監は米軍機の騒音について「飛行場所在の市町村だけでなく、周辺の那覇市や西原町の住民からも苦情が寄せられている。運用の問題もあるかもしれないが、規制措置を順守してほしい」と念を押した。

 沖縄防衛局の赤瀬正洋企画部長は洗機場移転や防音工事などで実施している対策を挙げ、「さらに何ができるか。日米合同委員会で協議している」と述べた。

 総領事館で対応したクレア・カネシロ首席領事は七月に着任したばかり。「来たばかりなので、これからいろいろ勉強したい」と述べるにとどめた。県は当初、在日米軍沖縄地域調整官への要請も予定していたが、米軍の都合で延期となった。

 一行は那覇空港周辺の騒音の軽減措置について、航空自衛隊那覇基地司令に対しても要請した。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-09-11-M_1-002-1_001.html

 

2008年09月11日【朝刊】 政治 

知事訪米 目的追及へ/県議会 野党、補正予算修正も

 県議会野党六会派は十日、代表者会議を開き、十七日開会の九月定例会に向けた対応を話し合った。補正予算で計上されている仲井真弘多知事の訪米経費について、代表・一般質問などで目的や考え方をただし、その是非を判断する方針を確認した。

 ただ、野党は六月定例会で米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に反対する決議をしており、仲井真知事が訪米先で移設推進の立場を主張するとした場合、多数を占める野党に補正予算を修正される可能性がある。

 仲井真知事は五日の定例会見で「普天間飛行場の移設に関する県の考え方」を発表。野党決議に「決議でいう『新しい基地建設』とは性格が異なる」などと反論。普天間の危険性除去のため、あらためて移設推進の考えを表明した。

 野党最大会派である社民・護憲ネットの新里米吉団長は「知事の出した考え方はわれわれの決議への挑戦。民意は辺野古移設に反対であり、それに反する訪米行動なら、容認できない」と語った。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-09-11-M_1-002-1_003.html

 

琉球新報 社説

「大江訴訟」結審 「政治的目的」自体が不当 2008年9月11日

 沖縄戦中に座間味・渡嘉敷両島で起きた「集団自決」(強制集団死)に「軍命」があったとする作家大江健三郎さんの「沖縄ノート」などの記述をめぐり、座間味島元戦隊長らが大江さんと版元の岩波書店に出版差し止めなどを求めた訴訟の控訴審は9日、大阪高裁で結審した。

 弁論2回、2カ月足らずでの結審は「集団自決に軍が深く関与したことは認められる」との一審大阪地裁判決を覆すだけの新たな証拠がなかったことの表れと言えよう。

 最終弁論で見逃せないのは、提訴の目的として原告側が名誉回復だけでなく「大きな政治的目的」を併有していたと明言したことである。

 原告側は「昨年の教科書検定を通じて教科書から『命令』や『強制』が削除されたことは、勇気を持って提訴に及んだ訴訟の目的の一つを達したと評価できる事件だった」とし「世間の耳目を集める訴訟が個人の権利回復にとどまらず、より大きな政治的目的を併有していることは珍しいことではない」と述べた。

 提訴によって教科書検定で「集団自決」への日本軍の関与が高校歴史教科書であいまいにされた。原告側はそれを「大きな政治的目的」の成果としているのである。

 座間味島以外の「集団自決」でも「軍命」「強制」があったことは、これまでの多くの関係者の証言で明らかである。

 提訴することで、すべての「集団自決」に「軍命」はなかったとの自らの主張を当てはめようとすることは乱暴に過ぎる。にもかかわらず、文部科学省は結果として原告らの思惑通りに動いたことになる。

 原告側があずかり知らない「集団自決」についてまで、事実をねじ曲げる政治的目的で提訴すること自体、不当と言わざるを得ない。

 歴史的事実をしっかり受け止め、過ちを繰り返さないことが戦後日本には求められてきた。判決は10月31日に言い渡される。歴史的事実に即した判決を望みたい。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-136118-storytopic-11.html

 

2008年09月11日【夕刊】 社会 

空自機パンク 那覇空港滑走路閉鎖

民間機、嘉手納へ

 十一日午後零時五十分ごろ、航空自衛隊那覇基地所属のF4戦闘機が那覇空港に着陸した際、左タイヤ部分がパンクした。タイヤの破片回収のため、滑走路が一時閉鎖され、午後一時五十二分に再開された。

 この影響で民間機数機を嘉手納基地に着陸させる措置がとられた。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-09-11-E_1-005-3_003.html

 

2008年09月11日【夕刊】 社会 

高速道を逆走 憲兵隊車両と正面衝突/金武町屋嘉

 

レッカー車で現場から運び出される事故車両=11日午前9時15分、屋嘉インター南向け入り口合流地点付近

運転の男性重体

 十一日午前五時五十分ごろ、金武町屋嘉の沖縄自動車道南向け車線で、男性(43)=北谷町吉原=が運転する普通乗用車が北向けに逆走し、米軍の憲兵隊パトカーと正面衝突した。男性は全身を強く打ち、意識不明の重体。パトカーを運転していた在沖米海兵隊上等兵の男性(23)は両足骨折などの重傷を負った。県警が逆走した地点や事故原因を調べている。

 県警交通機動隊によると、男性は高速道路を石川インターから金武インター向けに逆走中、内側の追い越し車線で米軍パトカーと正面衝突した。

 男性の車から那覇インターで自動車道に乗り入れたことを示す通行券が見つかった。事故前に北中城インターの料金所手前でUターンする車両を西日本高速道路の職員が目撃。北中城―沖縄南の間で「逆走車両がある」との一一〇番通報もあり、関連を調べている。

 衝突した二台は前部が大破。金武地区消防本部のレスキュー隊などが二人を救出した。

 この事故で自動車道は金武インターから石川インター間が約三時間にわたり通行止めとなった。金武インターの南向け車線で一時、二百メートルの渋滞となった。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-09-11-E_1-005-2_002.html

 

2008年09月11日【夕刊】 社会 

「すべての地域 不祥事ゼロに」/米軍事件事故 日米会合で共同議長

 米軍関係者の事件・事故の再発防止策について、日米の関係機関が話し合うワーキングチームの第十七回会合が十一日午前、那覇市の外務省沖縄事務所で開かれた。議題は(1)事件・事故の発生状況(2)日米双方の取り組み―など三項目。会合は冒頭を除いて非公開で行われた。議長を務める同事務所の久野和博副所長は「二〇〇三年まで増加傾向にあった米軍関係者の事件・事故は〇四年から減少している。議論を重ねて取り組みに生かしたこれまでの会合が実を結んでいる。今回も日米共通の目標に向け有意義で生産的な話し合いにしたい」とあいさつ。

 共同議長のバーノン・ボーン在日米軍沖縄調整事務所長は「在日米軍は軍関係者の不祥事を一切容赦しない。すべての地域で不祥事をゼロ%にすることを目標とし今後も真剣に取り組む」と話した。

 会合には県や県警、在沖米四軍、在沖米国総領事館、沖縄防衛局、県内米軍基地所在市町村、商工会など関係団体の責任者ら約三十人が出席した。

 ワーキングチームは原則年一回開催。ことしは二月の米兵暴行事件を受けて、急きょ三月に全体会合を、六月にはメンバーを限った小会合を開いており、三度目の開催となった。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-09-11-E_1-004-2_002.html

 

2008年09月12日【朝刊】 社会 

空自機パンク 那覇空港滑走路閉鎖

 

嘉手納に民間機・那覇空港の滑走路閉鎖で着陸した嘉手納基地から飛び立つ民間機=11日午後4時、同基地

80便1万5000人に影響/F4機20機訓練停止

十一日午後零時五十分ごろ、航空自衛隊那覇基地所属F4戦闘機の左主翼下にある車輪のタイヤが那覇空港に着陸した際、パンクした。飛散したタイヤの破片を回収するため、同空港滑走路が約一時間閉鎖された。民間機約八十便に目的地変更や出発遅延などがあり、乗客約一万五千人に影響が出た。空港関係者や戦闘機の乗員二人に、けがなどはなかった。同基地はパンクの原因を調べており、安全確認までF4戦闘機約二十機の訓練を停止する考えを示した。

 飛散したタイヤの破片は同基地の隊員らが回収。滑走路の閉鎖は同日午後一時五十二分に解除された。

 那覇空港ターミナルの搭乗手続きが一時ストップ。出発便と到着便でそれぞれ最大約三時間半の遅れが出た。民間機九便が米軍嘉手納基地や鹿児島空港などに目的地を変更して臨時着陸。嘉手納基地に着陸したJAL二便とJTA二便の計四便は、同日午後五時三十分までに那覇空港へ到着した。

 航空自衛隊那覇基地渉外室によると、タイヤがパンクしたF4戦闘機は同日午前十一時五十九分ごろ、他の同型二機と三機編隊で那覇空港を離陸。沖縄北部訓練空域での訓練を終えて戻ったところだった。飛行前点検ではタイヤの空気圧に問題はなく、摩耗具合も交換時期に達していなかったという。編隊を組んでいた二機を含め、F4三機は嘉手納基地に緊急着陸しており、那覇空港に戻るめどは立っていない。

 那覇空港は滑走路が一本で、民間機と自衛隊機が共同で使用している。二〇〇五年九月にも宮崎県新田原基地所属のF4戦闘機が、那覇空港に着陸後にタイヤがパンクし、滑走路が約一時間閉鎖した。

原因究明 県が要請

 F4戦闘機のパンク事故を受け、県の又吉進基地対策課長は同日午後、航空自衛隊那覇基地渉外室に対し、電話で「一歩間違えれば重大な事故につながりかねない」として(1)事故原因の究明(2)安全管理の徹底(3)実効性ある再発防止策を早急に講じる―などを要請した。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-09-12-M_1-001-1_004.html

 

2008年09月12日【朝刊】 社会 

南国旅情 最後に台無し/那覇空港 滑走路閉鎖で大混雑

 十一日、航空自衛隊那覇基地所属のF4戦闘機のタイヤパンクで滑走路が閉鎖された那覇空港。離着陸便の遅延が相次ぎ、空港内は乗客や出迎えの人などでごった返した。約二時間待ちの乗客もいて、「疲れた。迷惑だ」など、不満の声が上がった。

 出発ロビーは各航空会社窓口に問い合わせが殺到。係員が乗客への説明や便の振り替え作業に追われた。

 搭乗予定の神戸行きの便が遅延となり、約二時間床に座り込んでいた兵庫県の大学生、森谷百絵さん(19)は「とりあえず早く帰りたい」と疲れた表情。東京都の会社員、比留間紀子さん(34)は「小さな子どもを連れているので大変。とにかく無事に帰れればいい」とあきらめの表情だった。

 一方、鹿児島空港を経由したため到着が約二時間遅れたという東京都の会社員男性(29)は「家族と一緒に観光で来たが、疲れてしまった。滑走路閉鎖の理由をきちんと説明してほしい」息子の乗る便が大幅に遅れた大阪府の無職女性(63)は「本当に迷惑な話。息子とも連絡が取れず身動きできない。一緒に観光するのを楽しみにしていたのに」と困惑した表情を浮かべた。

安全策を求める

 翁長雄志那覇市長 航空自衛隊那覇基地から、空港の一時閉鎖の連絡があった。事故原因等の詳細は把握していないが、民間航空機の離発着への影響もあったことから、誠に遺憾。航空自衛隊那覇基地には、機体の安全点検等について、最善を尽くしていただくよう、早急に申し入れたい。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-09-12-M_1-027-1_002.html

 

2008年09月12日【朝刊】 社会 

軽い少年事件 裁判権放棄/米兵事件処理 非公開資料で判明

【東京】国立国会図書館が非公開にしている米兵の事件処理に関する資料の中で、重要事件以外は裁判権を放棄するよう指示した法務省刑事局長通達(一九五三年)などの全文が十一日、明らかになった。十日に同図書館で資料を閲覧した照屋寛徳衆院議員(社民)が明らかにした。同通達では少年事件について、軽微な事件であれば家庭裁判所に送致せず、第一次裁判権を放棄するよう指示していることなどが新たに分かった。

 資料は法務省の要請を受けた国会図書館が、「プライバシーや人権を侵害する資料など」の閲覧制限を認めた利用規則を理由に一般の閲覧を禁止し、国会議員にだけ公開している。照屋氏は十日、同図書館を訪れ、資料を閲覧、秘書が一部をパソコンで書き写した。

 照屋氏のメモによると、刑事局長通達には、軍隊構成員や家族の起こした少年事件の取り扱いを「起訴を必要としないと認められる事件、及び、罰金以下の刑に該る犯罪に係る事件については家裁送致することなく、第一次裁判権を行使しないこと」と指示している。

 照屋氏は、日本側に第一次裁判権がないとされる「公務中」の範囲を通勤や職場での飲酒にまで拡大した、合同委員会刑事裁判権分科委員会の議事録も閲覧。公の催事で飲酒した場合、帰宅中に交通事故を起こしても「公務」になると解釈できる合意があった。照屋氏は「日本が米国の言いなりになっているのがよく分かる」と指摘している。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-09-12-M_1-001-1_002.html

 

2008年09月12日【朝刊】 政治 

中東用新装甲車 米軍、県内で訓練

 イラクやアフガニスタンに部隊を派兵している在沖米海兵隊が五月から、即席爆発装置(IED)に対応する新型「対地雷奇襲攻撃防護型装甲(MRAP)車」を導入している。在沖米海兵隊報道部は九日、沖縄タイムスに対し、中東でのテロとの戦いに備え、隊員がMRAP車を使って県内各基地や岩国基地(山口県)、キャンプ富士(静岡県)で訓練すると説明した。

 同報道部によると、在日海兵隊基地は三十五台を配備予定。県内にはすでに十九台が搬入されており、那覇軍港では、九月から砂漠用塗装のMRAP車が停車している様子が見られる。搬入の完了時期は「運用上の安全確保のため明かせない」としている。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-09-12-M_1-002-1_003.html

 

2008年09月12日【夕刊】 政治 

原潜事故に抗議決議/軍特委、県議会提出へ

 米海軍の原子力潜水艦ヒューストンが約二年間にわたり、放射性物質を含んだ冷却水を漏らしていた問題で、県議会米軍基地関係特別委員会(渡嘉敷喜代子委員長)は十二日午前、「米海軍原潜の原子炉冷却水漏れ事故に関する」意見書と抗議決議を十七日に開会する九月定例会本会議に提出することを全会一致で決めた。

 軍特委は(1)原潜の安全性が確認されない限り、本県には寄港させない(2)冷却水の放水を日本の領海で行わない―など六項目を求めることを決めた。

 上原昭知事公室長は「安全性の確認」については、「日米両政府が行うべきだ」との見解を示した。しかし、その上で、「今回、日米両政府が公表したコメントでは、具体的な安全性が確認されていない」との認識を示した。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-09-12-E_1-001-2_002.html

 

2008年09月12日【夕刊】 政治 

辺野古移設持ち出さず/知事 訪米時の要請で

 仲井真弘多知事は十二日午前の定例記者会見で、年明けに予定している訪米について、「(普天間飛行場の辺野古移設は)私が直接、米国の当事者とやるべき性格のものか疑義を持っている。米国に行っても、よほど質問でもなければあえて持ち出す必要はない」と述べ、日本政府との国内問題であるとの考えをあらためて示した。

 県は県議会九月定例会に知事訪米費約千五百万円を計上する。野党は、知事が辺野古移設を主張する場合、予算の削除・修正を視野に入れている。

 仲井真知事は「訪米では地位協定改定を求め、企業誘致もやりたい。野党がどこに反対、賛成されるか議会を通じて聞きたい」と語った。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-09-12-E_1-001-2_003.html

 

2008年09月13日【朝刊】 政治 

米軍参加要請を検討/軍特委/09年度以降 防災訓練で県

県の上原昭知事公室長は十二日、二〇〇九年度以降の県の総合防災訓練に、米軍の参加要請を検討する考えを示した。米海軍の原子力潜水艦ヒューストンが放射性物質を含んだ冷却水を漏らしていた問題を受け、同日開かれた県議会米軍基地関係特別委員会(渡嘉敷喜代子委員長)で、具志孝助氏(自民)に答えた。

 長崎県佐世保市が実施している原子力艦原子力防災訓練に、長崎県議会などが米軍参加を求めていることについて認識を問われ、「次年度以降の訓練を計画する中で、米軍がどのような形で参加できるかを検討していきたい」と述べた。

 友利弘一環境企画統括監は原潜の入港について、文部科学省や海上保安庁などと行う放射能測定調査や監視体制を説明。(1)入港前(2)入港時(3)停泊や接岸中(4)出港時(5)出港後六十分(6)出港後翌日の六回それぞれで、海水や大気中の放射線量などを測定していると説明した。桑江朝千夫氏(自民)への答弁。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-09-13-M_1-002-1_002.html

 

沖縄タイムス 2008年09月13日 社説 

[裁判権放棄密約]

「非公開外交」は限界だ

 よりよい未来を築くには過去の歴史から学ぶことが不可欠だ。負の遺産であればなおさらである。過去の政策決定過程を綿密に検証することができれば、現状を変更することが可能になるし、それはまたあるべき未来の道しるべにもなろう。

 その基礎となるのが歴史的な政府の公文書である。現在から過去の意味を問い返し、国の未来の在り方を考える。そういう意味で公文書は国民の「財産」といっていい。

 過去から学ばなければ「思考停止」に陥る。現状を変えることなど到底できないだろう。日米関係についてもそうだ。過去の検証なくしては対等な日米関係を築くことはできない。

 重要事件以外は裁判権を放棄するよう指示していた法務省刑事局長通達(一九五三年)などの全文が明らかになった。少年事件は軽微な事件であれば家庭裁判所に送致せず、第一次裁判権を放棄するよう指示していた。

 照屋寛徳衆院議員(社民)が明らかにした。

 米兵の事件処理に関する文書が報道された後の六月以降、国立国会図書館は国民には非公開にしながら国会議員には閲覧を許していた。コピーは許されず、秘書がパソコンで書き写したという。

 照屋氏は日米合同委員会の議事録(五六年)も閲覧。米軍人らが公の催事で飲酒した場合、帰宅中に交通事故を起こしても「公務」になると解釈できる合意もあった。

 裁判権は主権国家の根幹の一つであり、当時の日米の関係を如実に示すものだ。

 それにしても、国立国会図書館の対応は、ちぐはぐだ。同図書館は法務省の要請を受けて国民には非公開にする一方、国会議員には閲覧を許可していた。

 国民の知る権利に応えようとしない。逆に積極的に封じ込めようとしているとしか見えない。

 国会議員は国民によって選ばれる。国会議員に許可して国民に認めないというのは本末転倒ではないか。

 「公務」の範囲を拡大した文書について政府は、「米国政府」との信頼関係を理由に「通達を発出したかどうかを含め」存在の有無さえ明らかにしていない。

 米国では一定期間を経た政府文書は、情報公開するのが原則だ。日本関係文書も相手の米側公文書から明らかになる場合が多い。

 都合の悪い公文書を公開しない日本政府の姿勢は今も続く。

 米側から次々と公文書が出てきても、日本政府は説明するどころか逃げを打つばかりだ。この姿勢は政治家の言葉が信を失うことと対をなすものと思えてならない。

 政治家の言葉が軽くなり、もっと言えば、うそに近い感じを私たちが受ける素地をつくっているのではないか。

 政治家自身が言葉をいかに損なっているか。過去から学ぶことなくして未来もない。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-09-13-M_1-005-1_001.html

 

琉球新報 社説    

空自イラク撤収 復興支援の論議深めよう 2008年9月13日

 政府は、イラクで空輸に当たっている航空自衛隊を年内にも撤収する方針を発表した。陸上自衛隊の2006年のイラク撤収以降も続いていた空自活動が終われば、04年に始まったイラクでの自衛隊活動は完全に終了する。

 イラク復興支援特別措置法に基づく空輸活動は、空自が参加する多国籍軍の駐留根拠となっている国連決議が年末に期限切れとなる。このため、政府は年明け以降も活動に必要な、イラク政府との新たな地位協定の締結を模索した。

 が、参院の与野党逆転による国会審議が紛糾することを懸念したものとみられる。

 空自のイラク活動はC130輸送機3機がバグダッド空港など3空港で国連と多国籍軍の兵士や物資を空輸。任務飛行は700回を超え、600トン超の物資を輸送した。

 イラクでの空自活動をめぐっては、4月に名古屋高裁が憲法9条に違反すると判断した。高裁は、バグダッドが戦闘地域に当たるとして、空輸活動も外国軍の武力行使と一体化だと指摘した。

 高裁判断に対し、政府は傍論部分の指摘だとして拘束力はない、とその後も活動を継続してきた。

 ここにきて撤収方針を発表した背景には、空自活動を終えることで、テロとの戦いへの貢献策は「インド洋での海上自衛隊による給油活動しかない」とする狙いがあるとされる。自民党総裁選や次期衆院選で給油問題を争点化し、継続への国民理解を促そうというシナリオが透けて見える。

 憲法9条に違反すると高裁が判断した空自のイラク撤収は歓迎したい。国論を2分した復興支援に対し、あらためて憲法論議を含め検証すべきだろう。よもや空自撤退を給油活動につなげるカードにしてはならない。

 次期衆院選で、与党が過半数を占めても衆院再議決に必要な3分の2以上の勢力維持は厳しいとする見方がある。与党だけで衆院選後の対テロ新法改正案の成立は厳しい。空自撤退の検証を含め、徹底的な国会論議を求めたい。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-136185-storytopic-11.html

 

琉球新報 社説    

空自機パンク 軍民共用の限界を示した 2008年9月13日

 那覇空港が抱える致命的な欠陥をあらためてさらけ出した。無理に無理を重ねてきたのが「軍民共用」の実態だ。だが一本の滑走路を自衛隊機と民間機が共同使用するのはもはや限界だ。「軍民共用」では立ち行かなくなっていることを、今回の事故は図らずも示した。

 航空自衛隊那覇基地所属のF4ファントム戦闘機が那覇空港に着陸した際、左主脚のタイヤがパンク。自走して滑走路を出たものの誘導路上で立ち往生した。11日昼すぎのことだ。

 滑走路は約1時間閉鎖。ダイヤは大幅に乱れ、約95便、1万5000人に影響を及ぼした。

 人身への被害がなかったのは幸いだった。だがそれで済ませるわけにはいかない。機体の安全点検に抜かりはなかったか。事故原因などを徹底的に調査し、結果を速やかに公表すべきだ。

 それにしても民間機が米軍基地への着陸を余儀なくされ、およそ目的地とは遠く離れた他空港に変更を迫られるのは異常だ。遅延は最大5時間にも及んだ。

 これが単なるパンク事故ではなく、もっと重大な事故やトラブルだったらどうなっていたか。

 自衛隊機をめぐっては1985年5月、着陸直後の全日空機に離陸体勢に入った自衛隊機が接触し、全日空機のエンジン下部がもぎ取られる事故が起きた。2005年にはF4戦闘機がパンク、今回同様、滑走路が閉鎖された。

 那覇空港は、沖縄観光の象徴であるほか、県民の生活路線、さらには産業経済活動に欠かせない基盤、島しょ県沖縄の「ライフライン」である。

 那覇空港の「軍民共用」は既に限界に達している。沖縄の玄関口の安全性と利便性を確保し、民間専用空港を実現するための議論を一段と加速する必要がある。

 空路の安全確保なくして沖縄の振興は考えにくい。まして県政の一大目標である「年間観光客1千万人」など絵に描いたもちに終わりかねない。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-136186-storytopic-11.html

コメントを残す