嘉手納基地、F15未明離陸を強行 沖縄密約文書「ない」 国、3通公開請求応じず 新政権も米軍再編堅持/首席公使、見直しに難色 米兵、タクシー盗み事故 知事訪米費を削除、県議会委員会可決 三連協、初の目視調査/嘉手納基地 など 沖縄タイムス関連記事・社説、琉球新報 社説(10月4日から8日) 

2008年10月04日【朝刊】 社会

F15未明離陸を強行 嘉手納基地 住民ら抗議集会

 【嘉手納】米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が四日午前二時すぎ、同基地からの離陸を始めた。十二機余りがハワイを経由、米本国での訓練に参加する。騒音被害の増加を懸念する周辺自治体は「軍の都合のみを優先している」などと非難している。

 沖縄平和運動センターなどは四日午前零時すぎ、道の駅かでなで緊急抗議集会を開き、住民や市民団体のメンバーら約七十人が抗議の意志を示した。

 三日午後には、来県中の防衛省の増田好平事務次官に対し、仲井真弘多知事や宮城篤実嘉手納町長が未明離陸の中止を口頭で要請。嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(会長・野国昌春北谷町長)は同日、同基地や国に対し、未明離陸を中止するよう文書で要請した。強行されれば、六日に開く幹事会で、抗議を検討するとしている。

 同基地報道部によると、複数のKC10空中給油機も同行。地元自治体などが求めていた未明離陸の回避について基地幹部などで検討したが「グアムは給油と航空機整備の追加支援が必要で、実用的ではない」「アラスカは(ハワイと)同様に早朝離陸が求められる」などとし、安全性やコストなどの要因から「現行計画が最適」と判断したという。

 約九時間半かけてハワイに移動する間、F15一機当たり約十回の空中給油が必要で「空中給油も目的地への着陸も日照時間内に行うのが安全」として、未明離陸の必要性を強調している。

 嘉手納町によると、同基地から未明・早朝離陸は、今年に入って四度目。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-04-M_1-001-2_002.html

 

2008年10月04日【朝刊】 政治

沖縄密約文書「ない」 国、3通公開請求応じず

 【東京】一九七二年の沖縄返還に至る過程で日米政府高官が交わした行政文書三通の情報公開請求について、外務省と財務省は三日までに、「対象文書は保有していない」として不開示(不存在)を決定した。県内外の請求者らは、決定を不服として、行政処分の取り消しを求めて提訴する方針。両省への異議申し立ても協議する。

 不開示の決定理由で、財務省は「文書ファイル管理簿の調査や文書保存場所の探索を行ったが、対象文書を作成、取得した事実は確認できない」と説明。「廃棄や国立公文書館への移管の記録もなかった」とした。

 決定から六十日以内に異議申し立てができ、六カ月以内に国を被告として処分の取り消しを求めて提訴できる。

 請求者側によると、異議を申し立てても、政府側回答の法的期限はなく、申し立てが二年間放置された事例もある。提訴した場合も、「文書の存在」の立証に困難が予想されるという。

 元毎日新聞記者の西山太吉さんら六十三人が九月二日に請求。対象文書は、一九六九年十二月二日付の「秘密合意議事録」と七一年六月十一、十二両日付の「秘密合意書簡」の計三通。関連する報告書や翻訳文も併せて請求していた。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-04-M_1-001-2_003.html

 

2008年10月04日【朝刊】 政治

「密約」隠し 国を批判/文書公開請求者

「存在しないわけがない」/知る権利 なお追求


 【東京】政府がまたうそをついた―。沖縄返還の「密約」をめぐって県内外のジャーナリストや学者ら六十三人が、政府に説明責任を求めた情報公開請求。外務と財務の両省は三日までに、文書は不存在と回答した。米側の公開文書や返還交渉に携わった外務省元高官らの証言で、密約の事実は既に明らか。国民の「知る権利」を軽んじる国の態度に請求者から痛烈な批判があがった。

 請求者の共同代表でジャーナリストの原寿雄さんらは三日、東京都内で記者会見。原さんは「政府が密約を認めるチャンスだったが、残念ながら態度を変えなかった。国際的に見ても非常識」と批判した。

 元毎日新聞記者の西山太吉さんは密約を裏付ける外務省の公電を入手、国家公務員法違反で訴追された。

 西山さんは会見で「日米両政府の最高責任者がサインをしている文書がないなんて、国民のだれが聞いても笑う。政府が公式にうそをついた」と強調。「政府は国会の承認も取り付けないで、どんどん米国に支払いをしていた。こんな違法秘密はない。主権者には知る権利がある。徹底的に戦う」と語った。

 請求人の田島泰彦上智大教授は本紙の取材に「政府が一貫して否定してきた事実。文書の存在を認めるかどうかは政府の中枢にかかわる問題。それだけ難しい問いを突きつけられているということだろう」と話す。

 我部政明琉球大教授は「客観的に存在する文書なのに、意図的に確認する手だてをとっていないとすら感じる。沖縄返還協定の付属文書で、財政問題に絡む取り決めが、文書として存在しないわけがない」と述べた。

 沖縄大学の新崎盛暉名誉教授は「政府が国民をだますような回答をせざるを得ないのは、『密約』は米側が必要としたもので、日本側にとってはない方が望ましいからだ。あったら国民に説明がつかない。だから『密約』にした」と指摘。「日本はそれを押し付けられている。日米関係は対等でなく、上下の関係にあるという同盟の歪みを表している」と説いた。

 代理人の一人で沖縄弁護士会の岡島実弁護士は「国の態度には失望する。国民がまったく視野に入っていない」と話した。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-04-M_1-027-1_001.html

 

2008年10月04日【朝刊】 政治

訪米削除修正案6日提出/県議会常任委

林道楚洲仲尾線 年内工事再開も


 県議会九月定例会は三日、総務企画、文教厚生、経済労働、土木の四常任委員会を開いた。仲井真弘多知事の訪米費や原油価格高騰対策費を盛り込んだ計三十一億四千五百七十七万円の補正予算案のほか、待機児童対策特別事業基金などについて審議した。野党は六日、知事訪米費を削除した修正案を総務企画委員会に提案する。

総務企画

 総務企画委員会(當間盛夫委員長)では、訪米費(千四百六十一万円)削除の方針を決めた野党側から予算の修正に関する質問が集中。県財政課は「法律上、予算の減額修正の否決、減額は提案権の侵害にはならない」とした上で、一九八一年以降、九件の予算が修正されていることを明らかにした。前田政明氏(共産)に答えた。普天間飛行場の県内移設を促進するとして、野党が反発している「在日米軍再編の確実な実施」とする訪米要請項目について、県基地対策課は「基地から派生する問題の解決促進、再編の確実な実施の二項目を基に、詳細な要請書を作成する」との考えをあらためて示した。照屋守之氏(自民)への答弁。

経済労働

 経済労働委員会(玉城ノブ子委員長)では、労働者が出資し合い地域に根ざした福祉などの事業を展開する「協同労働の協同組合」の法制化を求める意見書を十日の本会議に議員提出することを決めた。

 同法制定を求める市民会議の陳情を受けたもので全会一致で採択される見通し。

 ノグチゲラの営巣が確認され、調査のため工事が中断している林道楚洲仲尾線(国頭村)について、護得久友子農林水産部長は、希少動植物が九十種確認されたとの調査結果を明らかにした。

 その上で「検証委員会が十一月下旬ごろまでに方向性を出すことになっている」と述べ、保全措置を検討した上で、年内にも工事再開する見通しを示した。

文教厚生

 文教厚生委員会(赤嶺昇委員長)では、県立中部病院で放射線治療装置が老朽化によって故障し八月末から新患者の受け入れを停止している問題で、小川和美病院事業局次長は「不良債務比率10%を超えている県立病院では医療機器購入に必要な起債に総務省の許可が必要」とし、「最短でも装置の買い換えは来年十月になる」と説明。「当面は緊急に修理で対応したい」と述べた。西銘純恵氏(共産)への答弁。

 県立北部病院産婦人科の医師確保問題で、知念清局長は「年内に複数の医師との契約締結に非常に明るい展望を持っている」とし、年内にも医師確保が可能との見方を示した。上原章氏(公明県民会議)への答弁。

土木

 土木委員会(當山眞市委員長)では、喜屋武博行住宅課長が、県営住宅の家賃減免制度の二〇〇八年度の利用件数は九月末現在で三十六件だったことを明らかにした。〇五年度は二十三件、〇六年度は二十五年、〇七年度は十九件だった。 利用件数の急増について県は「生活困窮者への対応として、滞納者に制度の周知を徹底したことが原因ではないか」との認識を示した。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-04-M_1-002-1_001.html

 

2008年10月04日【夕刊】 社会

未明離陸108デシベル 嘉手納F15

 

未明にごう音とともに離陸するF15戦闘機=4日午前2時4分(前森梓撮影)

計19機 中止要請にも強行


 【中部】米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機など計十九機が四日未明、同基地を離陸した。北谷町職員が飛行ルート直下の同町砂辺で実施した調査で午前二時十七分と同五十一分に最大一〇八・六デシベル(前方二メートルの自動車のクラクションに相当)の騒音を計測した。同基地の未明・早朝離陸は今年四回目。嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協、会長・野国昌春北谷町長)や嘉手納町などの中止要請を押し切る形で強行。三連協は六日の幹事会で米軍などへの抗議を検討する。嘉手納、北谷の両町議会は来週以降、抗議決議案を可決する方向で調整を進めている。

 同基地では四日午前二時すぎ、F15が離陸を開始。午前三時十九分までにF15十六機、KC135空中給油機三機の計十九機が、南北の両滑走路を使って北谷町方面に飛び立った。

 嘉手納町職員が同町屋良の「安保の見える丘」で実施した調査では、最大騒音は午前二時五分で九四・一デシベル(騒々しい工場内に相当)を計測した。

 安保の見える丘では、沖縄平和運動センターのメンバーら約七十人が抗議集会を開き、「強行飛行を許すな」「飛行訓練をやめろ」などとシュプレヒコールを上げた。

 目撃者によると、午前四時半ごろ、予備機とみられる三機のF15が相次いで嘉手納基地へ帰還。うち一機が滑走路上に一時停止し、消防車両などに囲まれ点検を受けたが、約十五分後に駐機場まで自走した。

 同基地報道部は当初、未明離陸するF15は米本国での訓練のため、「十二機余りが出発する」と発表していた。同報道部によると、F15はハワイ州のヒッカム空軍基地を経由して米本国へ向かう。十一月中旬まで米本国の二基地で行う訓練に参加する。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-04-E_1-001-1_001.html

 

琉球新報 社説

F15未明離陸 身勝手な「あしき隣人」たち 2008年10月4日

 米軍はあまりに身勝手すぎる。これでは「善き隣人」とは到底認められない。

 米軍嘉手納基地から4日未明、F15戦闘機10数機と空中給油機KC10数機が離陸する。

 米本国での訓練に参加するため、米兵の安全と機材繰りを優先した結果、県民の安眠が妨害される。戦後63年を経てもなお、米軍は「占領軍」気取りか。F15の未明・早朝離陸は今年、すでに4度目だ。度重なる中止要請にも米軍は馬耳東風だ。

 事あるたびに、米軍は「善き隣人」としての存在をアピールしてきた。基地外でのボランティア活動や米軍基地を開放し、フリーマーケットや見学を受け入れる「フレンドシップデー」など、多彩な住民懐柔策を展開している。来月も嘉手納基地内で県内身障者のスペシャルオリンピックスを開催する。

 米軍の多くの「地域貢献」が「報道されない」「扱いが小さい」と、米軍幹部や米総領事館から抗議や異議申し立ても時に受ける。

 だが、理由はほかならぬ米軍、米総領事館自身が知っているはずだ。

 見せ掛けの善行をいくら重ねても、年間60件を超す犯罪、急増傾向にある女性暴行などの凶悪事件に歯止めがかけられない。

 復帰後だけでもすでに5500件を超える米軍犯罪が起き、凶悪事件だけでも550件を超える。

 米軍絡みの交通事故もアフガン侵攻、イラク戦争以後急増し、年間100件を超え、200件台に近づく。

 米原潜は放射能をたれ流しても公表せず、十分な再発防止策もないまま沖縄への寄港を激増させる。

 航空機事故も2003年以降は毎年2けた台で、昨年も32件の不時着事故が起きている。そして、「静かな夜を」とのささやかな願いすらも無視し、未明離陸を強行し続ける。

 普天間、嘉手納と爆音訴訟も続くが敗訴し請求された被害補償すら踏み倒した前科のある米軍だ。

 一事が万事。未明離陸の強行は、米軍の「占領意識」の象徴。これがグローバルパートナーシップの日米関係の実態。何とも情けない。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-136812-storytopic-11.html

 

2008年10月04日【夕刊】 社会

抗議届かず 爆音とどろく/F15未明離陸

協定無実化基地強化 「やり放題国に責任」


 【中部】耳をつんざくエンジン音と地響きが、寝静まった住宅街にとどろいた。四日未明、米軍のF15戦闘機が嘉手納基地から離陸。爆音は本島中部から那覇市周辺まで広がり、人々の眠りを妨げた。基地周辺自治体などの度重なる中止要請にもかかわらず繰り返される米軍機の未明離陸。住民からは「抗議の声が届いていない」「知らない間に基地が強化されているのではないか」など不安や怒りの声が上がった。

 北谷町砂辺の松田忠之さん(75)は同日午前二時ごろ、地響きがするほどの爆音にたたき起こされた。午前の農作業に備えて早めに就寝したというが「一度起きてしまうと朝まで眠れなかった」と話す。同区に住んで四十年近くなるが、深夜の騒音は一向に改善されず「体調が悪くならないか心配だ。もうやめてほしい」と憤った。

 砂辺区では今年一月の住民大会で騒音被害に抗議している。同区の松田正二自治会長(63)は「住民の声が県や国、米軍に届いていない」と落胆を隠せない。一方で「米軍にやりたい放題させているのは日本政府。嘉手納基地による騒音被害を、日本全体の問題として考えてほしい」と訴える。

 嘉手納基地を見渡せる通称「安保の見える丘」で戦闘機の離陸を監視した、嘉手納町議会基地対策特別委員会の田仲康榮委員長(64)は「騒音防止協定が有名無実化され、嘉手納基地の機能が強化されているように感じる」と心配する。同町では年に一度のイベント「野國總管まつり」が三日から五日まで開催される。田仲委員長は「平和な催しが未明離陸によって水を差されるのは本当に腹立たしい」と怒りをあらわにした。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-04-E_1-005-2_001.html

 

2008年10月04日【夕刊】 政治

「役目果たしたい」佐藤沖縄相 知事と会談

 就任後初めて来県した佐藤勉沖縄担当相は四日正午すぎ、県庁で仲井真弘多知事と会談した。佐藤沖縄相は「真摯に皆さまの立場に立って国側に要請させていただき、私の役目を果たしたい。要請があれば何回でもまいりたい」と述べた。

 仲井真知事は復帰後の道路や港湾整備に感謝した上で、「観光産業やITも非常にいい状態にあるが、県民所得が四十七番目というのは変わっていない」と述べ、二〇一一年度まで策定されている沖縄振興計画の着実な実施への協力を求めた。

 会談には高嶺善伸県議会議長も同席。米海軍原子力潜水艦の原子炉冷却水漏れ事故への意見書や、六月定例会で野党の賛成多数で可決した「名護市辺野古沿岸域への新基地建設反対」や「後期高齢者医療制度の廃止」など九項目を要請した。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-04-E_1-004-2_001.html

 

2008年10月05日【朝刊】 社会

新政権も米軍再編堅持/首席公使、見直しに難色

本紙インタビュー


 在日米国大使館のジェームス・ズムワルト首席公使は四日までに、十一月の米大統領選を経て就任する新大統領の対日政策について、「民主、共和両党ともアジアを重視し、中でも日米関係を非常に大切にしており、大きな変化はない」と述べ、ブッシュ政権の方針を引き継ぐとの認識を示した。沖縄タイムスのインタビューに答えた。

 県が求める米軍普天間飛行場代替施設建設位置の沖合移動には「日米両政府が環境や騒音、安全性などの観点から非常に難しい交渉をして決めた。再交渉は米政府にとってよろしくない」と難色を示し、新政権下での在日米軍再編の合意実施に支障を来したくないとの見解を示した。

 また、大統領選に併せ、上院議席の三分の一、下院全議席の選挙を指摘し、「(米国に)いろいろ変化があろうと思うが、日米関係は変化しない。米国の利害関係は変わらず、日米が共通の価値観を持っているからだ」との認識を示した。

 普天間飛行場の危険性除去について、県が模索する部隊運用面での対応の可否については「一番大切なのは早く移転することだが、安全に利用するよう努力したい」と明言を避けた。

 米軍ホワイトビーチへの原子力潜水艦の寄港回数が今年増加している理由について「世界のさまざまな事情に基づき潜水艦は行動しなければならない。極東アジアに存在していることが抑止力につながる」と述べるにとどめた。

 首席公使は一日に来県。仲井真弘多知事や島袋吉和名護市長、伊波洋一宜野湾市長ら基地所在市町村長らと意見交換したほか、キャンプ・シュワブなどを視察した。(吉田伸)

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-05-M_1-001-1_002.html

 

2008年10月05日【朝刊】 社会

米伍長が強姦罪否認/比女性暴行予備審問で/星条旗報道

 沖縄市で二月、フィリピン人女性に暴行したとして米軍の捜査当局が強姦罪などで立件した在沖縄米陸軍のロナルド・ホプストック伍長の予備審問が米軍基地内で開かれ、伍長が強姦罪について無罪を主張していることが四日、分かった。米軍準機関紙「星条旗」(電子版)が報じた。

 星条旗によると、予備審問は二、三両日に米陸軍トリイ通信施設(読谷村)で行われ、二日の審問で被害者女性が、伍長に沖縄市のホテルで暴行されたと主張。伍長は三日の審問で、合意の上だったと述べた。予備審問は七日まで開かれるという。

 米軍当局は内容を精査した上で軍法会議にかけるかどうかを決める。

 伍長は二月二十八日、沖縄市内のホテルで女性に暴行したとして県警が四月に強盗致傷容疑で書類送検。だが那覇地検は五月、嫌疑不十分で伍長を不起訴処分とした。

 その後、米軍側が捜査を継続、七月に強姦罪などで立件することを決めていた。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-05-M_1-027-1_002.html

 

2008年10月05日【朝刊】 政治

仲村氏勇退を表明/自民衆院議員/今期限り「年齢考慮し潮時」

 自民党衆院比例代表九州ブロックの現職で、七期目の仲村正治氏(77)が四日、那覇市内で会見し、次期衆院選に立候補せず、今期限りで勇退することを正式に表明した。仲村氏は「年齢を考慮し、潮時だと判断した。若い人たちに引き継ぎたい。政治の現場を離れるが、一県民、一国民として日本の平和、沖縄の発展に微力を尽くしたい」と述べた。

 妻ハツエさんや後援会幹部と会見に臨んだ仲村氏は「戦中戦後を生き、二十七年間の米軍統治の苦しみを国会で訴え続け、政府の責任で沖縄の戦後処理を進めるために取り組んできた」と二十一年余の国会議員活動を振り返った。

 今後の沖縄振興については、「米軍統治で高度経済成長の恩恵を受けなかった沖縄に対し、予算の拡充は当然だと主張してきた。想像を超える発展を遂げたが、他府県に比べて整備が進んでいない面がまだある」と指摘。緊急課題に那覇空港の拡張整備を挙げ、「南の玄関口として沖縄の特性、可能性をさらに発展させることは、沖縄だけではなく、日本全体の発展につながる」と強調した。

 仲村氏は一九三一年九月、那覇市生まれ。那覇市議(二期)、県議(二期)を経て八三年衆院選沖縄全県区で初当選した。沖縄開発政務次官、内閣府副大臣、防衛総括政務次官、衆議院運輸委員長のほか自民党の党紀委員長、離島振興委員会委員長などを歴任。党県連会長や県選出・出身の与党国会議員でつくる「五ノ日の会」会長も務めた。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-05-M_1-002-1_001.html

 

2008年10月05日【朝刊】 政治

[解説]移設推進に大きな壁/沖合移動「ゼロ回答」

 在日米国大使館のズムワルト首席公使は、仲井真弘多知事が掲げる米軍普天間飛行場代替施設の建設位置の沖合移動や危険性除去に、「ゼロ回答」を示した。

 首席公使はシーファー大使に次ぐ要職。ズムワルト氏は国務省の前日本部長を務めて現職に就いている。政権交代後の対日政策の中核を担う米政府高官が、沖合移動を認めないとの考えを示したことは、普天間移設を推進したい県や名護市にとって大きな壁となる。県の立場に理解を示した町村信孝前官房長官らが担当を外れ、県が期待する政府の対米交渉も厳しい局面に陥っているからだ。

 その一方で同氏は、再編の目標に、日米同盟の抑止力強化と合わせて基地所在地の負担軽減を挙げ、「同盟は日本国民の支援がなければ長い間続けられない」とも述べた。

 県議会は、「名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する決議」を賛成多数で可決したが、県外では普天間を含む米軍再編の論争に冷ややかだ。首席公使の発言は国内世論を見据えているだけに、国内政局が流動化する中、立場を異にする県、県議会双方にとって、国内世論をどう喚起するかが問われている。(政経部・吉田伸)

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-05-M_1-002-1_003.html

 

2008年10月05日  沖縄タイムス 社説

[密約文書不開示]

決定理由が分からない


 どんな国にも国家機密が存在することは分かるが、すでに分かりきった情報すらも、公開しないこの国の政府方針はどうにも理解できない。

 一九七二年の沖縄返還に至る過程で日米政府高官が交わした行政文書三通の情報公開請求について、外務省と財務省は「対象文書は保有していない」として不開示(不存在)を決定した。

 理由がふるっている。「文書ファイル管理簿の調査や文書保存場所を検索したが、対象文書を作成、取得した事実は確認できない」(財務省)。公開請求された文書と一対をなす公文書が米国で確認され、サインした日本政府の交渉責任者も存在を認めているのに、文書を作ったことも取得したこともないと言い張る理由が分からない。

 例えば、米国にある公文書は偽物で、存在しないというなら理解もできようが、そうした説明もないではないか。

 政府は、米国で確認された公文書との整合性も含め、文書不開示の理由を詳細に分かりやすく国民に明らかにする責任がある。

 政府が「ない」と主張する文書には、沖縄返還に至る日米両政府の交渉実態が詳細に記されているとされる。

 二〇〇〇年に米国で確認された公文書によると(1)返還土地の原状回復補償費四百万ドルを日本政府が肩代わりする(2)日本政府が物品・役務で負担する基地施設改善移転費六千五百万ドルなどの「秘密枠」をつくる―ことなどがいずれも密約だったことが明らかになっている。

 米国との沖縄返還交渉を担い、米公文書にサインした吉野文六・元外務省アメリカ局長は本紙の取材に「細かいことについて記憶はないが、密約はあった」と明言している。

 一連の経過をみれば、「密約」も「文書」も存在しないとする政府の説明はとても納得できるものではない。

 政府が文書の存在を認めることは、これまで明らかにしてこなかった沖縄返還交渉のすべてが白日の下にさらされることを意味する。

 本土復帰後、沖縄には日米安保条約に基づき多くの米軍基地が存在している。今に続く基地問題の原型は、沖縄返還交渉で交わされた「密約」から始まっている。

 政府は、沖縄の基地問題を解決するためにも、過去の日米交渉の詳細な事実を国民につまびらかにする義務がある。その上で、日米地位協定の在り方、米軍基地の維持に欠かすことのできない「思いやり予算」の見直しなど、具体的に米国と交渉すべきだ。

 情報の公開は、民主主義の根幹をなす。たとえ、政府に都合の悪い情報であっても国民に公開することで広範な議論が起こり、政策に反映されるからだ。

 請求文書について、政府が「ない」と主張するだけで、不開示としてしまうこの国の情報公開制度が正しく機能しているといえるだろうか。新たな情報公開の仕組みづくりや立法措置、チェック体制も含め、国民的議論を深める時期に来ている。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-05-M_1-005-1_001.html

 

琉球新報 社説

沖縄密約 真実は一つしかない 2008年10月5日

 うそも100回繰り返せば真実となる。日本の外務省や財務省は、心底こう思っているに違いない。いや、政府はもちろん、司法もそうなのだろうか。信じ難い話だ。

 沖縄密約文書の情報公開請求に対し、両省が2日付で「対象文書の不存在」を理由に不開示を決定した。通知書で外務省は「該当文書を保有していない」、財務省は「本件対象文書を作成又は取得した事実は確認できず、廃棄および国立公文書館移管の記録もなかった」とする。

 対象となっているのは1971年6月12日付で、沖縄返還前に日米両政府の高官が交わした3通の秘密文書。返還に際し、軍用地の原状回復補償費400万ドルを日本が肩代わりするという内容だ。

 日本政府はこの間、一貫して密約を否定してきた。今世紀に入って、その存在を証明する米公文書が次々、明らかになっているにもかかわらず、である。しかも、当時の日本側の交渉担当者も密約の事実を公にしている。

 「相手国との信頼関係から公表できない」。これまで、外交文書の公開に関し、日本政府はこう答えてきた。今回はどうか。すでに相手国が認めて、文書まで公表している。先の言い訳が通用しないのは、誰が見ても明らかだろう。

 百歩譲って、現在進行形の外交交渉の内容までが、すべて公表できるとは思っていない。ただ、すでに30年以上が経過、さらに当事者の一方が認めている。これでも知らないと言い張れるのか。まるで黒を白と言いくるめる論法に等しい。行政だけではなく司法も実質的な判断を避け、形式的な理由で役割を放棄している。これで法治国家といえるのだろうか。主権者もなめられたものだというしかない。

 ここに見えるのは強烈な「お上意識」。情報は一手に握って国民には付き従わせるだけということか。旧態依然の発想だ。記者に情報を漏らしたとして空自一佐が懲戒免職になったばかりだが「国民の知る権利」はどこへいったのか。「大本営発表」の復活はごめんだ。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-136845-storytopic-11.html

 

2008年10月06日【朝刊】 社会

米兵、タクシー盗み事故/沖縄署 容疑で2人逮捕

 運転手が離れたすきにタクシーを盗んだとして、沖縄署は五日、窃盗容疑で在沖米海兵隊員二人を現行犯逮捕した。

 米兵二人は盗んだタクシーで逃走中、宜野湾市の国道58号で信号待ちの車列をすり抜けようとして、車五台と接触する物損事故を起こした。けが人はいなかった。

 逮捕されたのは、キャンプ・フォスター所属のマシュー・エカーソン容疑者(21)と、キャンプ・コートニー所属のシェーン・ストッジヒル容疑者(20)。同署によると、二人は容疑を認めているという。

 調べでは、エカーソン容疑者らは同日午後六時四十五分ごろ、北谷町美浜の路上に駐車中のタクシーを盗んだ疑い。タクシーの運転手は車を離れていた。

 同署によると、タクシー運転手の同僚らが追い掛けたが、同容疑者らはタクシーを運転してそのまま逃走。宜野湾市の伊佐交差点付近で物損事故を起こした。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-06-M_1-019-1_002.html

 

2008年10月06日【夕刊】 政治

普天間・嘉手納危険・騒音解決求め決議 中城村

可決中部9議会に


 【中城】開会中の中城村議会(比嘉明典議長)は九月定例会最終日の六日午前、普天間飛行場を離着陸する航空機による騒音が激化したとして、同飛行場の運用中止と危険性除去などを求める抗議決議と意見書の両案を全会一致で可決した。村民への被害増大を理由にした村議会決議は異例。

 抗議決議は、普天間飛行場の米海兵隊ヘリが沖縄国際大学に墜落した後の離着陸ルート変更で、同村上空を通過するヘリや航空機が増えたと指摘。「村民だれ一人として、村上空の飛行を許した覚えはない」とし、同飛行場の運用中止、村民の不安解消のための日米交渉などを求めている。あて先は在日米軍司令官、在日米海兵隊司令官、外相、沖縄防衛局長。

 同日午前、中城村議会は、中部市町村会(会長・知念恒男うるま市長)から決議要請があった、普天間飛行場の危険性除去と早期返還、嘉手納基地から派生する騒音など諸問題の解決を求める抗議決議、意見書の両案を全会一致で可決した。

 中部市町村会が、構成十市町村の議会に決議を要請、宜野湾市議会(伊波廣助議長)を除く九議会が可決している。宜野湾市議会は七月、議会独自に、普天間飛行場の危険性除去を求める意見書を全会一致で可決したが、嘉手納基地については言及していない。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-06-E_1-004-2_001.html

 

2008年10月07日【朝刊】 政治

知事訪米費を削除 県議会委員会可決

本会議で議決へ


 県議会九月定例会の総務企画委員会(當間盛夫委員長)が六日開かれ、野党六委員が仲井真弘多知事の訪米予算約千四百万円を削除する一般会計補正予算の修正案を提出し、可否同数の委員長裁決で可決された。十日の本会議に報告され、賛成多数で修正議決される見通し。

 知事訪米は一九八五年から十一回行われたが、議会で予算が削られるのは初めてになる。

 本会議には訪米費を除く総額三十一億三千百十五万八千円が提案される。

 修正案を提出したのは社民・護憲ネット、共産、社大・結、民主、無所属クラブの野党五会派六委員で、當間委員長も同じ野党の改革の会所属。

 提案理由を述べた前田政明氏(共産)は、知事が訪米要請項目に盛り込んだ「在日米軍再編の確実な実施」には、「普天間飛行場の名護市辺野古移設が含まれている」と述べ、六月定例会で野党が多数可決した「『名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する意見書・決議』とは相いれない」と説明した。

 一方、知事を支持する照屋守之氏(自民)は質疑で「知事は普天間移設問題には一切触れないと説明している。新基地建設反対決議に反するという一方的な理由で削除するのは県民に説明がつかない」と主張した。

「理解できない」

仲井真知事

 東京出張中の仲井真知事は六日、都内で記者団に対し「県議会の代表・一般質問で説明したことを酌み取ってもらえたと思っていたので極めて残念。(訪米費削除は)理解できない」と述べた。

 訪米する意向は変わらないとし、「県議会の良識で、再考して判断が出ることを期待している」と話した。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-07-M_1-001-2_002.html

 

2008年10月07日 沖縄タイムス 社説

[訪米予算削除]

県の見通しは甘かった


 県議会総務企画委員会は六日、仲井真弘多知事の訪米経費約千四百万円を削除した補正予算修正案を可決した。

 一九八五年、西銘順治知事が訪米し、国防総省のワインバーガー長官らに基地問題を要請して以来、知事訪米は過去十一回を数えるが、議会で訪米経費が削除されたのは初めてである。

 米軍普天間飛行場の移設問題で県議会は、名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する決議を賛成多数で可決したばかり。知事は与党少数の議会で再び政治的敗北を喫したことになる。

 県議会の事情を熟知しながら、なぜ、知事は訪米経費を補正予算案に盛り込んだのだろうか。

 知事は代表質問に対する答弁の中で、普天間飛行場の辺野古移設と嘉手納基地以南の基地返還がパッケージになっていることを認めた。その上で知事は、米側に「在日米軍再編の確実な実施」を求める、と説明した。

 米側に要請するのは海兵隊のグアム移転や嘉手納以南の返還のみで、辺野古問題には触れない、と県はいう。そういう説明で果たして県民は納得するだろうか。

 もし野党が訪米経費を盛り込んだ予算案に賛成すれば、野党は辺野古移設反対の決議に自ら背くことになる。そうなったら野党は県民から集中砲火を浴びたことだろう。

 野党が賛成できないような予算案を、野党との十分な事前調整もないまま議会に提出したのは、見通しの甘さが招いた「ちょんぼ」というしかない。

 西銘知事は二回の訪米で、普天間返還に初めて触れた。大田昌秀知事は七回の訪米で知日派議員を動かし、基地負担の軽減を訴え続けた。

 稲嶺恵一知事が訪米したのは二〇〇一年と〇五年の二回である。〇五年の要請行動で稲嶺知事は「海兵隊の県外移転」を打ち出した。

 過去十一回の訪米は、大ざっぱに言えば、県民世論を背景に「基地負担の軽減」「普天間飛行場の返還」「海兵隊の県外移転」などを訴えたものだった。

 仲井真知事は訪米で、日米合意案の沖合移動の必要性を説明し、それが「局面打開=問題解決」の近道だと、米側に直接伝えたかったのではないか。しかし、それを県議会であからさまに言うと、野党の理解が得られない。

 結果として知事や県側の説明はあいまいになり、訪米の真意そのものが分かりづらくなった、のだと思う。

 県知事が訪米し、米政府や議会に基地問題を訴えること自体は、決して否定すべきことではない。

 自治体や住民の度重なる要請にもかかわらず米軍はまたも、嘉手納基地でF15戦闘機などの未明離陸を強行した。

 住民生活に直接影響を与える未明・早朝の離陸さえ改善できない現実。このケースなどは、知事や与野党が一緒になって対米行動に乗り出してもおかしくない問題だ。

 米大統領選後、新政権に対して、沖縄側はどのようなメッセージを発信するのか。問題は訴える中身だ。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-07-M_1-005-1_001.html

 

2008年10月07日【夕刊】 政治

嘉手納議会が抗議決議/F15未明離陸

米側「日中はあり得ぬ」


 【中部】嘉手納町議会(伊礼政吉議長)は七日午前、臨時会を開き、米空軍嘉手納基地で四日未明にF15戦闘機など十九機が離陸したことに対する抗議決議と意見書の両案を全会一致で可決した。奥間常明副議長と基地対策特別委員会(田仲康榮委員長)の代表らが閉会後に同基地を訪ね、抗議した。

 田仲委員長によると、同基地のジョン・ハッチソン広報局長は「航空機騒音規制措置(騒音防止協定)は守っていくが協定外の運用もある。米本国へ向かうため日中に離陸はあり得ない。(未明離陸は)非常にまれだが必要」と語ったという。

 抗議決議は「未明離陸は今年三回目で、町民に耐え難い爆音被害を与えている」と指摘。町の野國總管まつりの日に強行されたことに対し、「満身からの強い怒りを禁じえない」とし、午後七時から午前七時まで飛行しないよう訴えた。

 一方、沖縄市議会(喜友名朝清議長)も七日午前に開いた基地に関する調査特別委員会(与那嶺克枝委員長)で、十四日に臨時会を開き、未明離陸に対する抗議決議と意見書を提案することを決めた。全会一致で可決の見通し。可決後、沖縄防衛局に申し入れを行う予定。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-07-E_1-005-2_003.html

 

2008年10月08日【朝刊】 政治

環境条例また継続/県議会文厚委/基地規制で平行線/与野党合意へ修正協議

 県議会九月定例会の文教厚生委員会(赤嶺昇委員長)は七日、六月定例会から継続審議となっている「県生活環境保全条例」について継続審議とすることを決めた。米軍基地への措置をめぐって議論が分かれたためで、二度目の継続は異例。「県や市町村は米軍に環境改善を求めることができる」という形で条文化が可能とする県環境審議会や野党委員らの意見に対し、県は「結果的に米軍の行動を規定する内容の条文は盛り込めない」との姿勢だ。一方、「表現によっては可能」(県)とする見解も出たことから、委員らは今後、与野党が合意できる修正案づくりで協議する方針。

 同条例は公害防止条例を約三十年ぶりに全面改正するもので、全県下で公害対策を強化するが、県は「米軍には国内法が適用されない」「条例は国内法を超えて制定できない」として米軍基地を対象外とする方針を示している。

 委員会は同日午前、同条例案を答申した桜井国俊県環境審議会会長(沖大学長)を参考人招致。桜井会長は「基地環境に対する県の態度表明になり、条例に盛り込めない法的な理由はない」との見解を述べた。

 審議会は、県や市町村の行為規定として(1)(米軍に対し)公害予防の観点で協定締結を申し入れることができる(2)環境汚染事例が発生した場合立ち入り調査を求めることができる―などの形で条文を盛り込むことを提案している。

 野党委員から「地位協定の抜本改正を主張する県の立場として条文化できる」「法律を超えた条例は国内にすでに多数存在しており、法的にも可能」など県の見解に対する異論が噴出。与党委員は県の姿勢に一定程度理解を示し、議論は平行線をたどった。

7議案を可決

 同委員会は七日、県保育所入所待機児童対策特別事業基金条例など七議案を可決した。

 知念建次県文化環境部長は、事業者が産業廃棄物施設を設置する前の事前手続きを定めた指導要綱を来年四月から運用する方針を明らかにした。住民との事前協議の必要性を定めていない廃棄物処理法の不備を補完する目的。

 要綱では、事業者に対し住民説明会や公告縦覧の実施、県の指示に基づく関係機関との調整、協定書の提出を求める。上原章氏(公明県民会議)への答弁。

 読谷村座喜味で民間業者経営の安定型産業廃棄物最終処分場から、有害物質「クロルデン」が検出された問題について同部は、初動調査として今月中旬に埋め立て地内部の塩類濃度を測定し、廃棄物の状態を調査する意向を示した。必要があれば、掘り起こし調査を行う。結果は十一月下旬ごろに出る予定。仲村未央氏(社民)への答弁。

 県立芸術大学の非常勤講師らが大学に雇用条件などに関して団体交渉を求めている問題で長田勉事務局長は、九日にも団体交渉を実施することを明らかにした。比嘉京子氏(社大・結)への答弁。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-08-M_1-002-1_002.html

 

2008年10月08日【朝刊】 社会

きょう目視調査/三連協、嘉手納周辺で

 【中部】嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協、会長・野国昌春北谷町長)は八日、沖縄市、嘉手納町、北谷町の三カ所で同飛行場を離着陸する戦闘機の飛行経路を目視調査する。三連協による合同調査は初めて。同飛行場の騒音問題の解決に向け、飛行パターンの実態を把握し資料として活用する。

 三市町は騒音被害を受ける共通の問題を抱えていたが、飛行経路は個別に確認していた。三連協が連携することで住宅地や公共施設の上を戦闘機が飛ぶ回数や方向がより詳細に調べられるとしている。嘉手納町の道の駅かでな、沖縄市のコリンザ、北谷町のちゃたんニライセンターの三カ所の屋上で午前六時から午後十時まで調査。結果は九日に公表する予定。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-08-M_1-024-1_002.html

 

2008年10月08日【夕刊】 政治

三連協、初の目視調査/嘉手納基地 米軍機追跡

 

米軍機の騒音を測定する嘉手納基地周辺自治体の職員ら=8日午前10時53分、嘉手納町・道の駅かでな

あす結果公表


 【中部】「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」(三連協、会長・野国昌春北谷町長)は八日、嘉手納町の道の駅かでななど三カ所で、米軍機の飛行実態を確認する目視調査を実施した。三連協としての調査は初めて。同日午前六時から、嘉手納町、沖縄市、北谷町の職員らが各調査ポイントで離陸後の飛行ルートや騒音測定値などを記録している。同日午後十時まで調査し、九日に結果を公表する。

 調査ポイントは道の駅かでなのほか、沖縄市のコリンザ、北谷町のちゃたんニライセンター。嘉手納町側が戦闘機などの離陸情報を沖縄市、北谷町へ無線機で連絡し、連携しながら飛行ルートを追跡した。

 調査は従来確認されている飛行傾向などから、嘉手納基地を縦横に飛ぶルートや市街地上空を含むルートなど五パターンに分類。それぞれのパターンの回数や飛行形態を記録した。

 午前八時五十五分に西側から進入したF15戦闘機三機のうち一機が嘉手納町の住宅地上空を旋回飛行した。午後一時までに百七回の離着陸、旋回を確認、うち市街地上空にはみ出したのは計十一回だった。機種別にはF15戦闘機の八十六回が最多だった。騒音は最大で午前六時四十六分にF15が離陸した時の一〇一・八デシベルだった。

 道の駅を訪れた野国町長は「公共施設の上空は避けて飛んでいるという米軍の言い分を突き崩す資料が収集できる。より正確なデータにするため、今後は五日程度継続調査したい」と述べ、三連協による共同調査の意義を強調した。

 宮城篤実嘉手納町長は「地域住民からの訴えがある中、嘉手納基地全体の運用状況が把握できないでいた。実務的な調査を根拠に米軍に運用改善を求める必要がある」と話した。

 住民の苦情増加を受けて今年九月に独自調査を実施した沖縄市の提案で、三連協の目視調査が決まった。今後、騒音軽減や市街地上空の飛行停止を米軍に求める際の資料として活用する考えだ。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-08-E_1-001-2_001.html

 

2008年10月08日【夕刊】 社会

米兵タクシー窃盗に抗議/北谷町が米軍に 「再発防止策公表を」

 【北谷】北谷町美浜の路上で駐車していたタクシーを盗んだとして、沖縄署が在沖米海兵隊の上等兵二人を窃盗容疑で逮捕したことを受けて、北谷町(野国昌春町長)は八日までに、在日米軍沖縄地域調整事務所などに抗議文を、沖縄防衛局などに要請書を送った。

 抗議文(七日付送付)は「人通りの多い地域での人目もはばからない凶行に町民は驚がくしている。米軍の取り組みの成果が全く見えない状況は極めて遺憾であり、強い怒りを持って抗議する」とし、再発防止の抜本的対策の公表と被疑者への厳格な処罰などを求めた。

 野国町長は「町内で米軍人による事件・事故が頻繁に起こっている。綱紀粛正の徹底が行われていない。軍人による事件・事故のために危険な町の烙印を押されては人の流れが離れていく」と危惧した。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-08-E_1-005-2_002.html

コメントを残す