法学館の憲法研究所のサイト「今週の一言」に「何が常識だったか―65年前の夏」が掲載されました

伊東真氏が主宰する法学館の憲法研究所のサイトに、「今週の一言」という連載があります。
そこに私の敗戦65年の文章「何が常識だったか―65年前の夏」が掲載されています。
http://www.jicl.jp/
悲惨な戦争を2度と繰り返してはならないという国民皆が共有した原点と責務を思い起こしたいものです。

在京中、先日の記事への反響に想いを馳せながら

私は、一月交代で、普天間東京を行き来して、普天間の実情を全国に伝えたいと思っています。 インターネットという大きな武器があるとはいえ、当会のニュースの発行や現地の様子を伝えるための講演など多忙な日々を過ごしています。

6月15日から7月9日まで宜野湾市大謝名に住みましたが、そのとき30分ぐらいの間に轟音が8回もありました。リアルタイムでこのブログにも書いたところ思いがけないくらいの反響がありました。

沖縄・日本から米軍基地をなくす草の根運動 – 運営委員長の備忘録 – : 亜熱帯沖縄県は、夏(普天間通信2)

下記のような現地の方からのメールもいただきました。一例として紹介させていただきます。

今度は、8月半ばから9月半ばまで、居住します。

これを読んでくださっている全国から基地の無条件撤去のための各地での活躍と支援をお願いします。


> たった今、米軍の戦闘機が3機、ものすごい轟音をたてて頭上を飛びました。

>

> 9時に寝かしつけた子が、泣いて起きてきました。

>

> ものすごく腹が立ったので、防衛施設局に怒りの電話をしました。

>

> 完全防音の嘉手納の防衛施設局ではまったくなにも知りませんでした。(轟音がすごいことも)

>

> この時間、守衛のDさんしかおらず

> 「後日、担当の人間から連絡させます」とのことでした。

> (これがいつもの対応です。連絡きたことないですけどね。)

>

>

> 私は「住民にとんでもない轟音で迷惑かけたのだから、

> きちんと新聞なりでみんなに説明しなさい!

> 何のための夜の離陸・飛行なのか、こんなことしていいと思

っているのか!私にも文書FAXで返事を下さい」

>

> と怒りシントウで言いました。

>

> そこで、みなさまに勝手ながらご案内します。

>

> きちんと防衛施設局から返事かくるか。お楽しみに。

 

「汝の敵を愛せよ」(聖書)

平山基生・普天間からです

 Iさんより下記のようなメールをいただきましのでみなさんもいっしょ考えてみてください。

I さんからのメール

平山さんへ

>  お疲れ様です。

> 「敵」に対して「味方」、「敵、味方に分かれる」ともいいます。

> これだと、対立の構図。

> 軍隊では「奴は敵だ。敵は殺せ。」と教育するんじゃないでしょうか。

> どう表現したらいいのでしょうね。

 お気持ちはよくわかります。ですからわたしは、敵という言葉について「言葉は激しすぎるかもしれませんが」と書きました。

『敵』とは?

 「汝の敵を愛せよ」(聖書)は、「敵」という言葉が、必ずしも、「敵は殺せ」とはならない例です。「聖書」はリアリズムですから、「敵」というものの存在を認めています。存在を認めることとそれにどう対応するかということとは別であり、「敵」という語感のいかんにかかわらず、「敵」の存在を否定しては、ことは始まらないと思っています。「内部の敵」「人間にとって最大の敵は自己自身である」とか「敵を間違えるな」とか、「敵」という言葉はいろいろに使われます。

 辞書では、「敵」は「1.あいてになる。互いに五分である。2.うらみをもって立ち向かう相手。あだかたき。3.戦争の相手方」(岩波『国語辞典』)と出ています。

 「敵」という概念の重要性について考える場合、「敵を間違えるな」ということがあります。イラクのファルージャで一般民衆を殺害した米海兵隊員たちは、「敵」を間違えていたのです。米海兵隊員たちは、本来銃を上官に向けるべきであった、と思います。

 ありもしないあるいは、真実の「敵」を隠す「抑止力」論の「仮想敵国」ないし「仮想敵」(テロリスト)論者は、「敵」という言葉は使わなくても「安全保障の脅威」とかいう言葉を使っています。彼らのやっている「敵視」の事実をオブラードに包んで。

 

 日本民族と日本国民の独立平和、安全を脅かしている社会的存在=敵はアメリカ帝国主義と日本独占資本であると私は思っています。これは、一つの要約的表現でしかありません。

味方を装う米国とどのようにつきあうか

 日本民族と沖縄県民を含む日本国民の抑圧者である、米軍米政府がまさに、「味方」ででもあるような顔をして、日本の内部に存在する「内通者」である歴代日本政府とマスコミの援助を得て、「半占領者」をまるで日本と日本国民を守ってくれるもののように描き、国民の頭の中まで洗脳して、成功してきたのが、この65年であったと言ってもいいのではないでしょうか。

 私は、「敵」への対応の方法に関してもいろいろ意見をもっています。しかし、適切で有効な対応方法を考えるためにも、「敵」の第1の概念「あいてになる。互いに五分である」ものは日本国民にとっては誰かを見定めなければならないと思っています。「敵」の第2の概念「うらみをもって立ち向かう相手。あだかたき」というかどうかは、その次の問題であり、第3の概念「戦争の相手方」ということは、あってはならないことは言うまでもありません。

 

 とりあえずの感想です。

 共に、「うらみをもって立ち向かう相手や戦争の相手方」のない社会をつくるためにがんばりましょう。(以上)

亜熱帯沖縄県は、夏(普天間通信2)

亜熱帯沖縄県は、夏(普天間通信2

 

 

 梅雨が明けてから11日経ちました。

 沖縄県は、夏です。本土は今梅雨真盛りで、九州地方は豪雨と報道されています。梅雨のない北海道は、沖縄よりも暑い日もあるようです。

沖縄県に半移住してちょうど2週間になります。ひと月交代で東京と普天間を行き来する計画なので、早くも8月の居住場所を探し始めました。

いま、私が住んでいる大謝名(おおじゃな)は、普天間飛行場の南端に当たります。8月半ばから住む予定にしている野嵩(のだけ)は、宜野湾市役所があるところです。ここは、普天間飛行場の北の端に位置します。

今日は、市役所に行って、正確な普天間飛行場の境界線を教えていただきました。

一つの事実だけをお伝えいたします。詳細に関しては、7月になってからとします。

72日午後に、宜野湾市は、普天間飛行場の危険性に関する市の措置に関して、記者会見をおこなうということです。この普天間飛行場の危険性問題については、「沖縄・日本から米軍基地をなくす草の根運動」訪問団が、330日、伊波市長と会談し、共同声明を発表したときに、宜野湾市の施策としてお聞きしました。

その後、425日の沖縄県民大会で9万人が集まり、普天間飛行場の閉鎖と県内移設反対を決めました。

ここまで、書いた時も、轟音を残して、普天間飛行場の軍用機が離陸して行きました。私が現在住む大謝名(おおじゃな)は、飛行場の「利用禁止区域」(クリアゾーンといいます。滑走路の端から900メートルです)には入っていません。【こう書いている間にもまた、一機が轟音を立てて飛び立ちました。】

しかし、軍が独自に決めている「事故危険区域1」(「アクシデント ポテンシャル ゾーン1」といいます。滑走路の端から900メートル?2400メートルの1500メートルの区間です)には十分入っています。軍用機事故の危険性があるかどうかは、米軍自身が認めている危険区域に入ります。【また、軍用機の轟音です。別の軍用機の音も聞こえます】

「事故危険区域1」(「アクシデント ポテンシャル ゾーン1」)には、「事故危険区域2」(「アクシデント ポテンシャル ゾーン2」)がつながっています。[こう書いている間にも小鳥の美しいさえずりの声が聞こえてきます。大謝名は緑の多い環境の良い地域です]この「事故危険区域2」(「アクシデント ポテンシャル ゾーン2」)は滑走路の端から2400メートルのところから始まり、2100メートル続き滑走路の端から、4500メートルで終わっています。【また耳をつんざく轟音です】

米軍自身がこの滑走路の端から4500メートルを「住宅、学校、病院、集会場などがあってはならない」【また少し低いが轟音】と米本国の「航空施設整合利用ゾーン」【また轟音】AICUZの指導書インストラクションに書いているのです。

「米国内において海軍及び海兵隊の航空基地を対象に適用されているAICUZ海軍作戦本部長インストラクション(OPNAVINST 11010.36B)によると、滑走路の両端の延長線上4500Mにおいては住宅や学校、病院、集会場などがあってはならないことになっている」(宜野湾市のパンフレット「普天間飛行場の危険性―普天間飛行場の早期閉鎖・返還に向けて」7ページから)のです。

しかし、米本国においてゆるされないことが、宜野湾市すなわち沖縄県【また轟音】即ち日本国においてはどうでしょうか? 

「このインストラクション[指導書]を普天間飛行場に適用した場合、(上記の図―図はここでは省略します。宜野湾市のホームページをご覧ください。引用者)【また轟音】滑走路北側[市役所がある方の端―注]は、普天間第2小学校、普天間小学校、普天間高校等の教育施設や住宅地が利用禁止区域クリアゾーンもしくは事故危険区域に含まれ(隣の自治体である)北中城村の一部まで続いている」

「滑走路南側においては、宜野湾市上大謝名区地域(私平山基生が移住していま住んでいます―注)嘉数地区の住宅地域、浦添総合病院、浦添陸上競技場など、浦添市広域までを含んでいることになる」【また轟音】轟音は、これで8回目です。この短い文章を書いているだけで、8回なのです。

 

「以上のことから普天間飛行場は米国内においては、米国の基準に照らし合わせて、成り立たない安全上不適格な飛行場であり、欠陥飛行場であると言える」

(以上の引用は、宜野湾市パンフ『普天間飛行場の危険性―普天間飛行場の早期閉鎖・返還に向けて』から)

 

菅民主党内閣の普天間飛行場の辺野古移設決定では、1996年の沖縄における特別行動委員会SACO合意以来不可能であった普天間飛行場の閉鎖返還撤去は、不可能でしょう。

人民は、普天間飛行場無条件閉鎖返還撤去を米国に要求する日本国憲法に合致した日本政府をつくるほかに、道はありません。

 

今日は、とりあえず、ここまでにしておきます。今は、大謝名地域は静かで、また蝉の声と小鳥のさえずりの声が聞こえる、のどかな地域です。

2010629日)

 

沖縄反基地勢力不統一で参院選自民優位に

沖縄反基地勢力不統一で参院選自民優位に

 

 

 

今朝(2010627日)の沖縄タイムスは、1面トップに「現職島尻氏が優位、山城・伊集氏伸び悩む、序盤情勢 5割超態度示さず」と報じています。

 島尻さんとは島尻安伊子自民現職のことです。「自公が漁夫の利」と憂慮したことが、現実になりつつあることは極めて残念です。

 沖縄の政治的力関係は、保守対革新の差は紙一重でしたし、今もそうです。県知事がこのところずっと保守知事ですが、革新と保守とその差は小さなものです。ですから参議院沖縄選挙区の1議席で、革新候補が割れればどちらの革新も勝利することは非常に困難です。この自明のことが、実践となると、言葉は悪いですが「党利党略」が優先されている、と県民有権者には見える政治的意思決定が優先されるようです。

 基地をなくすという大目的を実現するためには、最も基地の矛盾が集中している沖縄県で、基地をなくす勢力が、団結・統一・共同という点で、日本全国の先進である事が求められるのです。

 「基地をなくす勢力の超党派」を実現するために、なにも沖縄県だけでなく、日本全国で努力する必要があります。この点に関しては、政党の努力の必要性は、言うまでもありません。しかし同時に、あるいは先んじて、市民運動労働運動活動家が政党系列に一定とらわれざるを得ないながらも、それを超えて、「基地をなくす」「安保をなくして日米友好平和条約にする」という一点で結集していくということで、血のにじむような努力をしなければならない、ということを、今回の参議院選挙戦でも強く感ずるものです。

「沖縄・日本から米軍基地をなくす草の根運動」草の根ニュースは「民主党政権に参院選で鉄槌」「普天間基地なくす議員・候補、政党の躍進を」「普天間無条件閉鎖政権をつくり憲法9条実行を」と訴えています。この点での結集がいま求められているのです。(2010627日)