沖縄タイムス 関連記事・社説(6月6日夕刊、6月7日)

2007年6月6日(水) 夕刊 1面

 

 

 

処理・量把握に時間/米軍油漏れ通報遅れ

 

 

 

 【東京】米軍嘉手納基地内で大量のジェット燃料が流出した事故の地元への通報が一週間遅れた問題で、米側が五月二十九日の時点で事故を確認していたにもかかわらず、「流出の事後処理、流出した燃料の量の把握に時間を要したことから日本側への通報が三十一日になった」と説明していることが六日午前の衆院外務委員会で明らかになった。照屋寛徳氏(社民)に外務省北米局の梅本和義審議官が答えた。

 

 

 

 梅本審議官によると、五月三十一日午後七時半ごろ、米国大使館から外務省に連絡があった。

 

 

 

 同省は通報の遅れを問題視した上で「国民に実質的な損害または障害を与えうる相当の蓋然性がある事故等が発生した場合は、できるだけ速やかに日本側に通報を行うこと」とした一九九七年三月の日米合同委員会合意に基づき、米側に対し「速やかな通報をすべきだった。努力してほしい」と申し入れたという。

 

 

 

 北原巖男防衛施設庁長官も六月一日、在沖米軍に再発防止の徹底を求め、四日には在日米軍に同様の申し入れをしたことを明らかにした。

 

 

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706061700_03.html

 

 

 

2007年6月6日(水) 夕刊 5面

 

 

 

平和の心 シーサーに込め/8日から浦添市で個展

 

 

 

 【東京】沖縄戦で亡くなった人の魂を慰め、平和への願いを込めた陶版シーサーを作り続けている陶芸家で作家の出口富美子さん(66)=目黒区在住=の作品がもうすぐ一万五千点に届く。沖縄旅行を契機に「沖縄問題」への関心を強くし、売上金は沖縄のためにと、沖縄平和祈念堂へ寄付している。「本土と沖縄の双方が互いを知らないと溝は埋まらない。今の時代だからこそ、沖縄が平和を発信できる」と話す。八日からは浦添市で個展が始まる。(石川達也)

 

 

 

 北海道出身の出口さんが最初に沖縄を訪れたのは二十数年前。広大な米軍基地を抱え、戦後も変わらぬ負担が続く現状に衝撃を受けたという。「無知や無関心が一番いけない」と、沖縄の人たちの思いを本土の人たちに伝える手段としてシーサー作りを考えた。

 

 

 

 特に師匠もなく、制作はすべてオリジナル。自宅に窯を購入し、十八センチ四方の陶版に、表情豊かにとっくりを持ったシーサーや、子を抱いたシーサーなどが色鮮やかに表現されている。「陶版であれば置くことも壁掛けにもいろんな使い方ができる」という。

 

 

 

 試行錯誤の末に十八年で作り上げた作品は一万四千五百点。沖縄を含め全国各地で個展を開き、固定客も増えているという。その売り上げは平和活動に役立ててほしいと寄付している。

 

 

 

 出口さんは「沖縄戦で亡くなった約二十三万人のシーサーを作りたいが、それは無理なので、せめて二万三千体を目指したい」と笑う。

 

 

 

 個展「いのちかがやけ!」は慰霊の日を挟む八日から二十七日まで、浦添市安波茶の「キャフェ・ギャルリー・パレ」で行われる。問い合わせは、電話098(877)3901。

 

 

 

 七月からは都内でも開かれる。

 

 

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706061700_04.html

 

 

 

 

 

 

2007年6月7日(木) 朝刊 1・27面

 

 

 

陸自、市民を監視・調査/全国289団体対象

 

 

 

県内13団体15件含む/共産党が「文書」公表

 

 

 

 【東京】共産党の志位和夫委員長は六日、国会内で記者会見し、陸上自衛隊の情報保全隊が、自衛隊の活動に批判的な全国の市民団体や政党、労組、宗教団体、ジャーナリスト、個人(高校生含む)などの動向を調べた「内部文書」を入手したと発表した。調査リストにはイラク自衛隊派遣に関連して、二百八十九団体・個人が監視対象となっており、全国四十一都道府県に及ぶ。県内でイラク戦争に反対した市民団体ら十三団体のデモ集会やビラ配りなど十五件も含まれている。

 

 

 

 久間章生防衛相は、同文書について「本物かどうか分からない」としつつ、調査、情報収集の事実は認めた。守屋武昌防衛事務次官は、調査の法的根拠について、「所掌事務の遂行に必要な調査研究を行うこと」(防衛省設置法第4条第18号)とした。

 

 

 

 文書は計十一部。百十六ページ。陸自東北方面情報保全隊が収集した情報を週単位でまとめた一覧表(二〇〇四年一二月)と、情報保全対本部が作成した「イラク派遣に対する国内勢力の反対動向」(〇三年十一月〇四年二月)の二種類。

 

 

 

 それぞれ一週間ごとに、全般情勢のほか「革新政党」「新左翼等」「諸派および反戦市民」「マスコミ」「労組」などの活動状況を要約。

 

 

 

 県内関係は「イラク派遣に対する国内勢力の反対動向」で、「平和運動センター」「平和市民連絡会」「沖縄弁護士会」などの団体名とともに、主催者名、反対活動の内容や日時、場所など詳細を記述している。

 

 

 

 このほか、一覧表には「反自衛隊活動」の分類を設け、隊員を取材した「自称『朝日新聞社記者』を名乗る」個人や自衛隊のイラク派遣に反対の発言をした民主党の益子輝彦衆院議員(当時)らの言動を記載。

 

 

 

 ジャーナリストらに関しては取材状況や報道内容、市町村議会の決議の経緯なども分析している。

 

 

 

 情報保全隊は、部隊を外部の働き掛けから防護するために必要な情報収集を主な任務としている。

 

 

 

 志位氏は「国民のあらゆる運動を監視し、詳細に記録していたことを示している。個人のプライバシーに対する侵害行為で憲法違反だ」と強調、中止を訴えた。

 

 

 

 共産党は「自衛隊関係者」から同文書を直接入手、記載内容に基づき調査した結果、信ぴょう性が高いと判断した、と説明している。

 

 

 

[ことば]

 

 

 

 情報保全隊 自衛隊が持つ秘密情報を守るため、陸海空3自衛隊にそれぞれ編成されている部隊。いずれも防衛相直轄で要員は計約9百人。任務は自衛隊法施行令に基づく各自衛隊の訓令で規定されており、隊員と外部の不審者との接触などを監視する。自衛隊施設に対する襲撃や業務の妨害などを防ぐための情報収集も含まれるが、民間の情報収集対象については、防衛庁長官(当時)が「防衛秘密を取り扱う者として指定をした関係者に限定」と明言した国会答弁がある。

 

 

 

                    

 

 

 

「軍暴走の兆候だ」/県内「監視対象」者

 

 

 

 「軍」が暴走を始めた。陸上自衛隊に監視されていたことが明らかになった県内の市民団体に六日、戦慄が走った。「ファシズムの再来だ」「市民に敵意をむき出しにした」。イラク派遣反対などの「ブラックリスト」には、県内の十三団体が政治的に色分けして列挙され、個人の実名も記録された。情報保全隊は、陸自那覇駐屯地でも活動する。実態について、県内や九州の陸自は「コメントする立場にない」とした。

 

 

 

 暴露された陸自の文書には、作成した二〇〇四年に沖縄弁護士会長だった新垣勉弁護士の名前があった。同会が街頭でビラ配りをしたことを記録。新垣弁護士は「憲法と基本的人権を擁護する弁護士会の監視は、法体系全体への挑戦だ。軍の暴走の兆候で、自衛隊支持の国民にさえ不信感を生むだろう」と警告した。

 

 

 

 平和市民連絡会の平良夏芽代表も、名前が書かれていた。「背筋が凍る思い」としつつ、「国に反対すればブラックリストに載せる、というような圧力を国民が許してはならない」と強調した。

 

 

 

 〇四年当時中部地区労議長だった松田寛高教組委員長も実名が記載され、「私たちの国はいつから特高が暗躍するようになったのか」と絶句。現在は教科書検定問題に取り組んでおり、「日本軍と自衛隊に都合の悪い今の活動も監視されているはずだ」と指摘した。

 

 

 

 デモ行進が監視されていた統一連。大久保康裕事務局長は「自衛隊に物を言う組織に、いよいよ敵意をむき出しにしてきた。県民のさまざまな運動を監視しているのではないか」と疑った。

 

 

 

 「戦前の再来のようで戦慄が走る。反対者を力でねじ伏せる時代になってきた」。抗議集会が報告された沖縄平和運動センターの山城博治事務局長は、「法治国家としてあり得ない」と吐き捨てた。

 

 

 

 自治労北部総支部とともに開催した集会が監視されていた北部地区労の仲里正弘議長は「表現の自由は憲法で認められているのに、まるでファシズム体制だ。警察を飛び越え、自衛隊が監視するなどもってのほかだ」と憤った。

 

 

 

 一方、県内を管轄する陸自の第一混成団、九州全体を管轄する西部方面総監部は共に、県内に駐留する情報保全隊の人数や活動内容について「大臣直轄の部隊で、コメントのしようがない」と答えた。

 

 

 

県内の主な自衛隊の「監視対象」

 

 

 

 沖縄平和運動センター、統一連、平和市民連絡会、北部地区労、中部地区労、浦添地区労、自治労北部総支部、沖教組国頭支部、沖縄弁護士会、イラク国際戦犯民衆法廷沖縄公聴会

 

 

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706071300_01.html

 

 

 

2007年6月7日(木) 朝刊

 

 

 

基地内立ち入り県がきょう申請/「嘉手納」燃料流出

 

 

 

 米空軍嘉手納基地内で大量のジェット燃料が流出した問題で、県は六日、庁内で対応を協議し、七日に基地内への立ち入り調査を同基地司令官に申請する方針を決めた。県環境保全課は六日、「流出状況などを米軍の説明も受けながら確認する方向で調整している」とし、なるべく早期の立ち入りを米側に求める考えを明らかにした。

 

 

 

 県基地対策課は一日、那覇防衛施設局から口頭で燃料流出の報告を受けたが、この際、「適切な燃料管理と速やかな通報」を施設局を通じ米軍に要請するのにとどめていた。その後、五日になって、米軍が土壌入れ替えを実施する方針を示すなど土壌汚染への懸念が表面化したことから事態を重視。県は六日、環境保全課や基地対策課、企業局が対応を協議し、基地内立ち入り調査が必要と判断した。

 

 

 

 県が環境関連で米軍基地内への立ち入りを申請したのは一九九六年十二月以降、二十七件。このうち認められたのは十七件、未回答が二件、不許可は八件。不許可の理由は「米軍が既に調査している」「基地の管理運営上、支障が出る」など。

 

 

 

                    

 

 

 

3週間内に工事発注/汚染土壌入れ替え

 

 

 

 【北谷】五月二十五日に米軍嘉手納基地駐機場のタンクからジェット燃料が流出し、周辺の土壌へ浸透した問題について同基地は六日までに那覇防衛施設局に対し、「三週間以内に土壌入れ替え工事を発注し、その後約二週間で完了予定」と連絡していたこことが分かった。費用は米軍が負担するという。

 

 

 

 一方、北谷町議会(宮里友常議長)は八日の基地対策委員会で対応を協議、米軍に対する再発防止や原因究明を求める抗議などについて話し合う。

 

 

 

 同委員会の照屋正治委員長は、燃料流出について「燃料が地下に浸透したなら、周辺の水質汚染が心配だ。発生から四日間流出に気が付かないのは米軍の管理体制のずさんさの表れだ」と批判した。

 

 

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706071300_02.html

 

 

 

2007年6月7日(木) 朝刊 1面

 

 

 

戦没者追悼式の祭壇一新/県立芸大チーム制作

 

 

 

 県は二十三日の「慰霊の日」に糸満市摩文仁で行われる二〇〇七年沖縄全戦没者追悼式(主催・県)の式典会場に設置する新しい祭壇のデザインを六日、県庁で発表した。県から依頼を受けた県立芸術大学デザイン専攻のプロジェクトチーム「首里サーカス」(代表・北村義典教授ら四人)が制作した。

 

 

 

 今年が五十回目の節目の式典となることを記念し、慰霊と平和へのメッセージを込め、初めて新しいデザインを採用した。

 

 

 

 デザインは「サトウキビ畑」をイメージし、三百四十本の紙管を平和祈念公園広場の「平和の丘モニュメント」前の芝生上に配置。従来の菊花の祭壇と違い、参加者はモニュメントを目の前にしながら参列できる。

 

 

 

 環境デザインを専門とする北村教授は、「飢えや戦火から身を守った、体験者にとって思い入れの深いサトウキビ畑をテーマにした。空、風、森など周囲の自然との調和を図った」と話した。県は来年の式典も同じ祭壇で行うとしている。

 

 

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706071300_03.html

 

 

 

2007年6月7日(木) 朝刊 27面

 

 

 

平和の礎 235人追加刻銘

 

 

 

 県文化環境部は六日、糸満市摩文仁の「平和の礎」に、本年度新たに二百三十五人を刻銘すると発表した。総数は二十四万六百九人となる。昨年度過去最高の二百六十二人が刻銘されたハンセン病患者は六人。一方、韓国の新聞二紙に県が年一回掲載している広告を見た遺族から申請があり、広告掲載三年目で初めて同国出身の戦没者一人が判明した。二十二日までに追加刻銘される。

 

 

 

 本年度は昨年度と比べ三百五十三人減った。知念建次部長は「刻銘対象者の拡大で、これまで増えてきていたが、落ち着きを見せてきている。今後、大幅に増えることはないと思う」と説明。差別や偏見で遅れていたハンセン病患者の刻銘は「今回でほぼ完了したと思われる」と強調した。

 

 

 

 内訳は国内二百三十人(うち県内六十四人、県外百六十六人)。国外は韓国出身者の五人。

 

 

 

 県内のうち最も多かったのは戦没者遺族四十六人。次いで県原爆被爆者協議会から申請のあった十二人、宮古南静園のハンセン病患者六人の順。県外では、戦艦大和の乗組員六十三人、輸送船富山丸の十一人、神風特別攻撃隊の七十六人などが含まれている。

 

 

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706071300_04.html

 

 

 

2007年6月7日(木) 朝刊 27面

 

 

 

首都圏で会結成/「集団自決」問題

 

 

 

 【東京】「大江・岩波沖縄戦裁判を支援し、沖縄の真実を広める首都圏の会」の結成総会が六日夜、都内で開かれ、約百五十人が参加した。沖縄戦時に慶良間諸島で起きた「集団自決」への日本軍による命令の有無をめぐり係争中の被告、作家大江健三郎さんと岩波書店側を支援する。日本軍の関与を指摘する記述を削除・修正した、高校歴史教科書の検定の撤回も求めていく。

 

 

 

 呼び掛け人は歴史教科書執筆者や弁護士、大学教授、ジャーナリストら十六人。会則に「沖縄戦の史実の歪曲を許さず、真実を子どもや市民に知らせていく」(一条)などの目的を明記し、満場一致で承認された。

 

 

 

 総会では沖縄国際大の石原昌家教授が講演し、政府が教科書から軍の関与を削除した理由を「有事法制と密接に関係している」と指摘した。

 

 

 

 「軍隊は住民を守らず、逆に殺害することもあるのが沖縄戦を通じた認識。国内戦を想定して国民総動員を狙う場合は、こうした認識が一番の障害になる」と説明した。

 

 

 

 「集団自決」について「政府はこの言葉に靖国思想を意味する『殉国死』のニュアンスを込めている」と強調。「強制集団死」などに改めるべきとの認識を示した。

 

 

 

 呼び掛け人の一人で、子どもと教科書全国ネット21事務局長の俵義文さんは「今回の教科書検定には文部科学省だけでなく政府筋の介入を感じる」と強調。下村博文官房副長官が昨年夏に「自虐史観に基づいた歴史教科書は官邸のチェックで改めさせる」と発言していたことなどを紹介した。

 

 

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706071300_05.html

 

 

 

2007年6月7日(木) 朝刊 26面

 

 

 

KC130新型機を導入/普天間に9機配備予定

 

 

 

 【宜野湾】米海兵隊の新型空中給油機KC130Jが普天間飛行場に導入されたことが六日、分かった。同日付の「星条旗」が報じた。今後十八カ月間で九機が配備されるといい、うち一機が四日に到着した。

 

 

 

 同紙によると、これまで運用していたのはF型で一九六〇年代に製造。老朽化が指摘されていた。新型のJ型は空中給油機能が大幅に向上するほか、飛行速度や航続距離が延びる。暗視能力も備える。

 

 

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706071300_09.html

 

 

 

沖縄タイムス 社説(2007年6月7日朝刊)

 

 

 

[2閣僚の発言]

 

 

 

これ以上詭弁を弄するな

 

 

 

 「例えば沖縄が隣国から爆撃された(場合)。どことは言わないが、沖縄の米軍基地から攻撃するというときにはあり得るのではないか」

 

 

 

 参院外交防衛委員会で、日米安全保障条約の合意事項である「事前協議制度」について質問した大田昌秀議員に対する麻生太郎外相の答弁だ。

 

 

 

 実に想像力に欠けた不謹慎極まりない発言と言うしかない。

 

 

 

 「沖縄が仮に侵略されたというのならばあり得るのではないか」という表現を、外相の口の軽さ、単なる言葉遊びと受け止めるわけにはいかない。

 

 

 

 なぜならば、言論の府と呼ばれる国会の答弁に立つべき人の資質にかかわる問題と思わざるを得ないからだ。

 

 

 

 そもそも、在沖米軍がイラク戦争に出撃したことを、なぜ「派遣された」と言うのだろう。これには、沖縄の基地から武器弾薬、兵士を送り込み死者も出している米軍自体が戸惑っているのではないか。「なぜ、日本政府は訳の分からぬことを言うのか」と。

 

 

 

 条約上、本来やらなければならない「事前協議」をやらないで済むようにしたのは日本政府ではないか。このことは、既に米国の公文書で明らかになっている。

 

 

 

 これ以上、詭弁を弄するのは止めてもらいたい。認めるべきものを認めないから、答弁もつじつまが合わなくなる。国民、県民を欺き通すことができないことを、なぜ政府は認識できないのだろうか。疑問と言うしかない。

 

 

 

 さらにあきれるのは、将来的に嘉手納基地への駐留が取りざたされ、より以上の騒音被害が予想される最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプターを「確かにいい戦闘機だなというのは分かりました」と述べた久間章生防衛相である。

 

 

 

 自衛隊の主力戦闘機F15の代替機にする案があるからであろうが、これこそ想像力に欠ける答弁と言っていい。

 

 

 

 防衛相は、基地からの騒音、爆音被害に脅かされ、未明の離陸に安眠を妨げられている周辺住民の怒りが想像できないのだろうか。これでは、いくら基地被害を訴えても暖簾に腕押しだということがよく分かる。

 

 

 

 「言葉をあげつらう」のは、もちろんいいことではない。だが、今回の両大臣の発言は無視できるものでないのは明白だろう。

 

 

 

 政治の要諦は「言葉」にあるのに、その政治家の発言がただ軽いだけでなく、哲学も感じられず思いやりに欠けるのでは何をか言わんやだ。

 

 

 

 言葉の裏には本音が隠されているのであり、そのことは厳しく検証されてしかるべきだ。

 

 

 

http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070607.html#no_1

沖縄タイムス関連記事・社説、琉球新報社説(6月5日、6日)

2007年6月5日(火) 朝刊 1・23面 

嘉手納基地で燃料流出/ドラム缶43本相当

外部に影響米軍「なし」/地元通報1週間後


 【中部】先月二十五日、米軍嘉手納基地の北側滑走路そばの駐機場周辺で、二百リットルドラム缶の四十三本分にあたる約二千三百ガロン(約八・七キロリットル)のジェット燃料が駐機場路面に流出していたことが四日、分かった。那覇防衛施設局によると、米軍は基地外への流出はないと説明しているという。燃料流出六日後の五月三十一日に外務省から燃料漏れの報告を受けた施設局が、六月一日に嘉手納、北谷、沖縄の三市町に連絡した。「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」の野国昌春会長(北谷町長)は「基地外への影響は本当にないのか。事故の原因究明とともに、環境の調査、検証も必要だ。連絡体制にも問題がある」と憤った。


 施設局によると燃料が流出したのは嘉手納町役場の南八百メートルにあるKC135空中給油機、MC130特殊作戦機などの駐機場。


 五月二十五日午後八時三十分ごろ、燃料タンクから航空機への燃料補給中、タンクのシステムが正常に作動しなかったためにタンク外へ計五千三百ガロン漏れた。


 このうち、三千ガロンはタンク外側のピットという空洞部分にたまり、米軍が回収。駐機場のコンクリート上に流れ出た二千三百ガロンも回収された。米軍は、排水溝への流出は確認されず、基地外への被害はないと説明しているという。


 施設局によると基地内で環境に悪影響を及ぼす恐れのある問題が起こった場合、米軍は大使館を通して外務省に通報し、外務省が施設局へ連絡する。


 今回の燃料流出後、施設局に連絡が入ったのは五月三十一日午後七時半だった。


 県の仲里全輝副知事は「地域住民や地権者の安全安心を守るため、適切に処理されているか日本側も確認する必要がある。再発防止の観点から、基地の提供責任者である政府に米側への確認を求めるとともに、県としてもうやむやにさせないよう対応していく」と述べ、基地内の立ち入り調査を求めていく考えを示した。


                    


連絡遅れ「地元軽視」/環境影響も懸念 反発


 【中部】米軍嘉手納基地で起きた約八・七キロリットルの大量燃料流出について、那覇防衛施設局から地元自治体に説明があったのは五月二十五日の発生から一週間後の六月一日。連絡の遅れに、首長や住民らは「地元軽視だ」と一斉に反発、米軍の危機管理意識の低さを厳しく批判した。米軍が「問題ない」とした環境への悪影響を懸念する声も相次いでいる。


 県企業局北谷浄水場では、嘉手納基地内にある二十の井戸から地下水を一時間当たり計八百トンを取水して浄化。北谷や沖縄、北中城、中城、宜野湾、浦添、那覇の七市町村に給水している。同局には四日現在、汚染の情報は寄せられていないという。


 嘉手納町の宮城篤実町長は「住民地域への被害がなかったことが不幸中の幸い。今後、米軍は地下水など環境に影響がないよう後処理をしっかりしてほしい」と訴えた。沖縄市の東門美津子市長は「米軍から詳細な説明を聞いた上で、きちんとコメントしたい」と話した。嘉手納町議会基地対策特別委員会の田仲康榮委員長は「最悪の場合、爆発する可能性もあった。連絡が遅れたのは地元を軽視している証拠だ。米軍には速やかな情報開示を求めたい」と憤った。


 「米軍は住民に怒りと不安を与えるばかりで、きちんとした情報は全くない」。マスコミからの問い合わせで四日に燃料漏れの事故について知った嘉手納町屋良地区の島袋敏雄区長は激怒した。復帰前に米軍の航空機燃料が流出し、付近の井戸が燃えた事件を挙げた上で「環境が心配だ。万が一、土壌や水源に漏れているのであれば許さない」と話した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706051300_01.html

 

 

2007年6月5日(火) 朝刊 1面 

米艦船、与那国入港を検討/政府関係者非公式打診

 米海軍の掃海艇が石垣港への入港を予定していた問題で、県管理の与那国町の港湾が新たな入港先として日米で検討されていることが四日、分かった。同町の外間守吉町長は同日、沖縄タイムス社の取材に「(政府などから)正式に聞いたわけではないのでコメントできない」とする一方、「なぜうち(与那国町)なのか。理由ははっきり聞いていない」と述べ、政府関係者から非公式に打診を受けたことは認めた。関係者によると、今月二十四日ごろに入港する方向で調整が進んでいる。


 外務省関係者が近く県と与那国町に入港目的などを説明し、理解を求めるとみられる。


 与那国町には祖納港と久部良漁港があるが、米軍がどちらの港を使用するか不明。


 石垣港への米艦船入港に関しては、五月十一日、ケビン・メア在沖米国総領事が石垣市内で大浜長照市長と面談した際、「六月に石垣港に米軍艦船を入港させたい」との意向を伝えた。大浜市長はその場で拒否姿勢を示したが、米側は民間空港や港湾の米軍使用を認めた日米地位協定五条を根拠に、強行する姿勢を示していた。


 県幹部は四日、与那国町の港湾への米軍艦船の入港について政府から説明を受けていない、とした上で「石垣港はクリアランス船などで過密状態にあり、米軍艦船の入港はできないのでは」との認識を示した。


 米軍が石垣港入港を断念した理由は明らかではないが、石垣市の反発が予想以上に強かったことが背景要因にあるとみられる。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706051300_02.html

 

 2007年6月5日(火) 朝刊 23・22・2面 

 

「『集団自決』軍命は歴史的事実」/県民大会実行委

 文部科学省の教科書検定で沖縄戦「集団自決(強制集団死)」の記述から「軍命」が削除されたことに抗議する「6・9沖縄戦の歴史歪曲を許さない! 県民大会」の第二回実行委員会が四日、那覇市の教育福祉会館で開かれた。県議会最大会派の自民党が検定意見に対する意見書に賛成しない方針を固めたことに対し、再考を求めていくことを決めた。近日中に実行委代表が県連を訪れ要望書を手渡し、意見書採択への協力を求めることにした。意見書採択は全会一致が原則となっている。


 実行委に出席した県議会野党議員から「自民党議員の中にも『集団自決』は歴史的事実だと認めている人は多い。全員が意見書に反対ではなく、ごく一部だ」と報告した。出席者らは「県連への抗議より再考を促すべきだ」との意見で一致した。


 要望書では、各市町村議会が「集団自決」に対する軍関与を不明瞭にした修正意見の撤回を求め、意見書を採択していることについて「保革を越えた大きな県民の声だ」と指摘した。その上で「意見書に対する態度の再考を自民党に求め、県民の代表者として県民の声に応える議会での発言と働きを強く求める」とした。


 実行委によると、四日現在で県内四十一市町村議会のうち、十七議会が意見書を採択。最終的に三十八議会が採択する予定だという。


 自民党は二日、「会派内で賛否が分かれ意見が一致しなかった」として意見書採択に賛成しない方針を固めた。このため、文教厚生委員会の開会が見送られ、六月定例会での意見書採択が厳しい状況だ。


 県議会は一九八二年に今回と同様に、文部省(当時)が「住民虐殺」記述を削除しようとしたことに対し、全会一致で撤回意見書を採択。記述を復活させた原動力となった。このため実行委は、県民大会と県議会の全会一致による意見書採択を「県民の総意」として文科省に示し、検定意見を撤回、「軍命」記述の復活を求めることにしている。


 一方、実行委はこの日、県民大会の決議文やスローガンなどを決めた。大会は九日午後二時から県庁前の県民広場で開かれる。


                    


中学生が村議会要請/東中3年生14人


 【東】教科書検定で高校の歴史教科書から沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」に関する日本軍関与の記述が削除された問題で、東中学校(島袋きよみ校長)の三年の生徒らが四日、検定意見の撤回を求める意見書を可決するよう東村議会(安和敏幸議長)に請願書を提出した。生徒らは「教科書で事実が変えられたら、沖縄戦の真実を次の人に伝えられなくなる」と訴えた。安和議長は「関係機関と調整し、判断をしたい」と話し、受理した。


 請願書を提出したのは三年生全十四人。「日本軍や学校の先生からの『敵兵に殺されるより国や天皇のために立派に死ね』という教えが強かったから、みんな『集団自決』していったのだと思う」「体験者がどんどん少なくなっているからこそ、沖縄戦の真実を教科書に載せる必要がある」と、「集団自決」について学習した中で、それぞれが感じた意見を記載した。


 代表で請願書を読み上げた玉城ありささん(14)は「請願権は未成年にもあると勉強し、みんなでやってみようと話し合った。大人の人たちに聞いてほしい」。仲村ハンナさん(14)は「以前は『集団自決』のことを全然知らなかったけど、学習して、親が子を殺すって本当に怖いと思った」と話した。


文厚委開会見送り/県議会


 県議会最大会派の自民党が、文部科学省の教科書検定で高校の教科書から沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」に日本軍が関与したとする記述を削除した問題に対する意見書に賛成しない方針を固めたことを受け、六日を軸に調整していた文教厚生委員会(前島明男委員長)の開会は見送られることになった。


 前島委員長は「自民の意見がまとまらず、全会一致での可決は不可能な状況。六日の開会を見送り、六月定例会で可決に向けてじっくりと協議していきたい」と述べた。


 前島委員長が再検討を求め、自民は四日、執行部で協議したが、「意見の一致ができない状況は変わらない」として意見書に合意できない方針を再度、前島委員長に伝えた。同問題に対する意見書は、自民を除く県議会全会派が賛成する意向を示している。   

 

実行委員会が開かれた会場には教科書の白表紙本や見本本が並べられた=4日、那覇市古島・教育福祉会館

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706051300_03.html

 

 

 

琉球新報 社説

県議会・検定意見書 世論は撤回求める方向だが


 県内の市町村議会では、高校教科書検定で沖縄戦の「集団自決」に日本軍の強制・命令があったとする記述が修正・削除された問題で、検定意見の撤回を求める意見書の可決が広がっている。


 4日にも宮古島市と南城市などの議会で検定意見の撤回を求める意見書が可決された。「集団自決が日本軍による命令・強制・誘導なしに起こりえなかったことは紛れもない真実であり、そのことがゆがめられることは、悲惨な地上戦を体験し、多くの犠牲を強いられてきた沖縄県民にとって到底容認できるものではない」などと、検定意見の撤回を求めている。


 ところが、県議会最大会派・自民党は教科書検定の撤回を求める意見書案に同意しない方向にある。


 同党内には「歴史の事実であり、検定意見は問題」との意見がある一方、「裁判で係争中の問題であり、判決前に政治が介入すべきでない」などとの慎重な意見も根強く、「意見の一致を見いだせない」として同意しない方針という。


 既に可決した市町村議会では、全会一致でスムーズに可決されてきた。だが県議会では、自民党が同意しない方向にあるため、19日にも開会予定の6月定例会の冒頭での提案は見送りになりそう。


 冒頭での提案見送りが、果たして民意を踏まえた選択肢といえるのだろうか。冒頭ではなくとも、会期中の提案はあるのだろうか。全会一致になるのかも含め、県民は注視している。


 集団自決をめぐる教科書検定では、琉球新報社が実施した県内市町村長アンケート調査で、回答者36人のうち、35人が「妥当ではない」「どちらかといえば妥当ではない」と答え、検定意見に批判的だ。


 その理由として、「日本軍から捕虜になるより死ぬようにと手榴(しゅりゅう)弾を手渡され、集団自決を強要されたのは紛れもない事実」「事実を葬るのではなく、将来に継承しなくてはならない」などだ。


 県議会議員を対象にした5月の緊急アンケート調査でも、回答した47人のうち、87%に当たる41人が「妥当ではない」などと検定を疑問視する回答だった。県議会でも検定意見撤回を求める意見が大勢だが


 県議会は、教育関係者らの「住民虐殺に関する意見書が全会一致で可決(1982年)できて、なぜ集団自決ではできない」との疑問にもぜひ答えてほしい。


 本社の復帰35年県民世論調査でも、検定意見賛成の7.7%に対し、76.2%は批判的だった。県民世論も検定意見撤回を求める方向にある。


 県民は、県議会の与野党が世論の動向にもしっかりと目配り、対応するかに注目している。


(6/5 10:44)

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-24362-storytopic-11.html

 

 

 

2007年6月5日(火) 夕刊 1面 

 

米軍、祖納入港を想定/与那国

 米海軍の艦船が与那国町の港湾への入港を検討している問題で、今月二十四日を軸に入港予定の艦船は掃海艇二隻で、計百六十人規模であることが五日分かった。関係者によると、同町の祖納港への入港を想定し、寄港目的は友好親善や文化交流、乗組員の休養と物資の補給を兼ねた「通常の訪問」という。米海軍は同町の受け入れ態勢を見極めた上で、五日にも米艦船の祖納港への入港を日本側の関係機関に正式通知する。同町の港湾は県管理のため、県にも近く使用通知が行われる見通し。


 八重山への米艦船入港に関しては、先月十一日、ケビン・メア在沖米国総領事が石垣市内で大浜長照市長と面談した際、「六月に石垣港に米軍艦船を入港させたい」との意向を伝えた。大浜市長は港の混雑などを理由に、拒否姿勢を表明。


 その後、寄港先を与那国町の港湾に変更する方向で日米が調整。同町の外間守吉町長は四日、沖縄タイムス社の取材に対し、「(政府などから)正式に聞いたわけではないのでコメントできない」とする一方、「なぜうち(与那国町)なのか。理由ははっきり聞いていない」と述べ、政府関係者から非公式に打診を受けたことを認めている。


 米海軍は今回、石垣港の使用は見送るが、今後も米艦艇の入港機会をうかがうとみられる。

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706051700_02.html

 

 

 

2007年6月5日(火) 夕刊 1面 

 

立ち入り調査を要求/嘉手納基地燃料漏れ

 【中部】米軍嘉手納基地で五月二十五日に、二百リットルドラム缶四十三本分に当たる約八・七キロリットルのジェット燃料が流出し地元への連絡が一週間もたった問題で、嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)の野国昌春会長(北谷町長)は五日午前、会見し「環境への悪影響が懸念される。地元として、基地内への立ち入り調査を求めたい」と述べた。同協議会は同日午前、幹事会を開き、米軍に抗議する方針で今後の対応を調整。嘉手納町議会は七日午前、基地対策特別委員会を開くことを決めた。


 野国会長は流出から一週間後に近隣の嘉手納、北谷、沖縄の一市二町に流出の報告が来たことを問題視し「これほど遅れたのは許されないことだ。各自治体への説明も異なっている」と指摘。那覇防衛施設局に対し、正確な情報開示を求めた。


 一方、嘉手納町議会基地対策特別委員会の田仲康榮委員長は「米軍は原因究明を急ぎ、情報を速やかに開示すべきだ」と批判。委員会では、町議会として立ち入り調査の是非についても検討するとしている。沖縄市議会の基地に関する調査特別委員会の与那嶺克枝委員長は「環境への影響が心配。事故の原因究明が必要だ」として、七日にも委員会を開く方針だ。


 北谷町議会の基地対策特別委員会(照屋正治委員長)は五日、委員会招集について調整中。渡久地政志副委員長は「これまで多くの事件・事故を起こした米軍が、基地外への影響はないと説明しても信用できない。米軍の発表だけでは住民が納得しない」と話した。


県が調査


 【中部】県環境保全課は五日午前、燃料流出の調査のため、嘉手納基地に隣接する嘉手納町屋良、同町兼久など三カ所の排水溝などから水を採取した。三地点でそれぞれ一・二リットルを採取、揮発性有機化合物のベンゼンなど二十六項目が含まれているかどうか調査する。


 採取したのは、同町「屋良メーガー」東方数十メートルほどの黙認耕作地内のわき水、同町兼久の大型商業施設から南方の排水溝、米軍嘉手納マリーナの河川の三地点。水温など基礎情報を調べた後、百ミリリットルの小瓶二つ、一リットルの大瓶一つに入れた。


 県衛生環境研究所が分析、一週間ほどで調査結果が出るという。

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706051700_03.html

 

 

 

2007年6月5日(火) 夕刊 5面 

 

中城議会も意見書/「集団自決」修正

 【中城】来年度から使用される高校の歴史教科書検定で、文部科学省が沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」に関して日本軍の関与を削除させた問題で、中城村議会(新垣善功議長)は五日午前、臨時会を開き、「『集団自決』はまぎれもない事実であり容認できない。修正指示を撤回するよう要求する」とした意見書案を全会一致で可決した。


 意見書は、日本軍関与の記述削除について「一方の当事者の主張のみを取り上げることは検定基準の逸脱」であり、「体験者の証言や、歴史的事実を否定するものだ」と批判。その上で「沖縄戦の歴史を正しく伝え、悲惨な戦争が再び起きることがないようにするため、文科省は修正指示を撤回するべきだ」としている。


 意見書は、首相や文科相、衆参両院議長にあて送付する。

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706051700_05.html

 

 

 

2007年6月6日(水) 朝刊 1面 

 

一部燃料 土壌に浸透/嘉手納基地

施設局、芝生枯れ確認/4日間流出 米軍見逃す


 【中部】米軍嘉手納基地内で五月二十五日に大量流出したジェット燃料の一部が、燃料タンク周辺の土壌に浸透していることが五日、分かった。一日、基地内の現場を確認した那覇防衛施設局によると、タンク周辺の芝生の一部は枯れていたという。米軍は燃料流出を四日後の五月二十九日に確認、その間流出を見逃していたことも明らかになった。嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)の野国昌春会長(北谷町長)は「事実なら、(ジェット燃料は)地下水を通じて基地外に流出した可能性もあり環境汚染が懸念される」と危機感を表明。「基地内への立ち入り調査を求めたい」と強調した。


 施設局によると、流出現場には、給油に使用する給油用タンクと備蓄用タンクの計二基があり、盛り土で覆われている。


 五月二十五日から四日間、備蓄用タンクから給油用タンクに燃料を補給する際、システムの不具合で給油用タンクの容量を超える燃料が送油されてあふれ、流出した。


 路面に流出した燃料の多くは米軍が回収したが、一部はタンク周辺の土壌に染み込み所々、芝生が枯れている状況を立ち入った施設局職員が確認した。米軍は基地外への影響はなく、燃料が染み込んだ土は全て入れ替えると説明したという。


 嘉手納基地や駐日米国大使館などによると、米軍要員が二十九日午前九時半ごろ、燃料の流出を確認。三十一日に米軍横田基地を通して米大使館に連絡された。その後、同日中に大使館から外務省日米地位協定室を経由し、那覇防衛施設局に連絡されたという。


 施設局から地元自治体への説明は、発生から一週間が経過した今月一日だった。三連協は五日に幹事会を開き、八日に同基地を訪ね、原因究明や再発防止、早期の情報提供などを求め、抗議することを決定した。


 燃料の流出や影響を分析する、県環境保全課による水質調査も行われ、同基地周辺の河川や排水溝など三カ所でそれぞれ水一・二リットルを採取した。

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706061300_01.html

 

 

 

2007年6月6日(水) 朝刊 25面 

 

麻生・久間氏、不用意発言/参院外交防衛委で

 【東京】日米安全保障条約で在日米軍出撃などの際に求められている「事前協議制度」の適用例について、麻生太郎外相は五日の参院外交防衛委員会で「沖縄が爆撃されたことに対し、沖縄の米軍基地から攻撃するというときにはあり得るのではないか」と述べ、他国軍による沖縄侵略を挙げた。一方、久間章生防衛相は二月から五月にかけて嘉手納基地に一時配備された最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプターについて「いい戦闘機」と性能を評価するなど、県民への配慮を欠いた閣僚の不用意な発言が相次いだ。大田昌秀氏(社民)への答弁。


 事前協議制度は一九六〇年の日米安保条約改定の際に交わした交換公文で決まり、(1)日本への米軍配置の重要な変更(2)米軍装備の重要な変更(3)日本から行われる戦闘行動のための基地使用が対象。過去に事前協議は一度も行われていない。


 麻生外相は、在沖米軍のイラク戦争派遣については事前協議の対象にならないとの考えを示した上で、対象となる例について「例えば沖縄が隣国から爆撃された(場合)。どことは言わないが、沖縄の米軍基地から攻撃するというときにはあり得るのではないか。沖縄が仮に侵略されたというのならばあり得るのではないか」と説明した。


 F22の嘉手納基地配備の経緯について、久間防衛相は「いい飛行機だということをPRもしたかったんじゃないかという思いもしている。その内容についてはつまびらかではないが、確かにいい戦闘機だなというのは分かりました」と述べた。


 久間防衛相は四月末にワシントンで開かれた日米防衛相会談で、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の最有力候補に挙げている同戦闘機について、詳細な情報を提供するよう要求した経緯がある。


 しかし、同戦闘機の配備には当初から地元の反発があったほか、米本国に帰還する際には未明離陸を強行し、地元議会の抗議決議も相次いだ。


 参院外交防衛委員会で五日、麻生太郎外相が「沖縄の爆撃」に言及し、久間章生防衛相は騒音被害をもたらしたF22を「いい戦闘機」と発言した。閣僚の言葉は県民意識から遠く懸け離れ、関係者から憤りと失望の声が上がった。


 同日開かれた海自艦派遣への抗議集会。会場にいた平和市民連絡会の城間勝代表世話人は「発言も自衛艦派遣も、沖縄に対する歴史的な差別の延長線上にある。沖縄の体験にふそん、乱暴な言い方だ」と怒った。


 新崎盛暉沖大名誉教授は「安保条約の解釈もいいかげんで、まず日米同盟強化ありき。それにしても、沖縄への攻撃を平気で口にする政治センスには驚く」とあきれた。


 久間防衛相がF22を「いい戦闘機」と評したことについて、嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)の野国昌春会長(北谷町長)は「常駐化に向けた布石ともとらえられる。(沖縄を)守ってあげている、という意味なのだろうか。中央との温度差を感じる」と憤る。


 防衛相はF22配備を「テストを含めたフライト」とも表現した。嘉手納基地に隣接する嘉手納町屋良地区に住む宮城清記さん(82)は「地元は常に騒音に悩まされている状況で、大臣がテストを容認していたのであれば、米軍ではなく、日本人が日本人を苦しめていることになる」と語る。「住民の受けている被害を軽視されているようでショックだ」と、動揺を隠せなかった。

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706061300_04.html

 

 

 

2007年6月6日(水) 朝刊 25面 

 

きょう自民に要望書/「集団自決」修正

 高校歴史教科書の沖縄戦「集団自決(強制集団死)」の記述から「軍命」を削除した文部科学省の教科書検定に抗議する「6・9沖縄戦の歴史歪曲を許さない沖縄県民大会実行委員会」は六日午後に自民党県連を訪れ、県議会で自民党が検定意見に対する意見書に賛成するよう再考を求める要望書を手渡すことを明らかにした。実行委が五日、那覇市の県庁記者クラブで会見した。


 会見で、実行委代表呼び掛け人の高嶋伸欣琉大教授は、米軍基地の整理・縮小などを求めて超党派で開催された一九九五年十月の県民総決起大会が、小学校六年生の社会科教科書に掲載されている事例を紹介。その上で、自民党が意見書に賛成しない方針を固めたことで県議会六月定例会での意見書採択が厳しい状況になっていることに、「県議会で意見がまとまらなかったことが将来、教科書に載る可能性もあるが、それでいいのだろうか。県民として残念だ。『集団自決』軍命は歴史的事実だ」と指摘。県連に再考を求めていく考えを強調した。


 一方、教科書検定問題の意見書を採択した那覇市議会が、十一日から市議会ロビーで教科書展示会を自主開催することも発表された。実行委が集めた、検定前の「白表紙本」や検定後の「見本本」、文科省の修正表のパネルなどが展示される。十五日まで。実行委によるとほかの議会でも開催に向けた動きがあるという。


 また、実行委は九日午後二時から那覇市の県民広場で開く同県民大会での、高校生の意見発表者を募っている。「高校教科書から歴史的事実が削除されようとしていることに意見を述べてもらいたい」と話している。


 問い合わせは高教組内の実行委事務局まで。電話098(887)1661。   

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706061300_05.html

 

 

 

2007年6月6日(水) 朝刊 25面 

 

辺野古調査 海自動員に350人抗議

 政府が米軍普天間飛行場の移設に伴う海域の現況調査に海上自衛隊を動員したことをめぐり、「県民に銃口を向けた政府の辺野古『事前調査』抗議集会」が五日、那覇市の教育福祉会館で開かれた。約三百五十人(主催者発表)が参加、「憲政の在り方を覆し、歴史の転換点になる」と強く批判した。


 基地の県内移設に反対する県民会議が主催。講演した佐藤学沖国大教授は「軍事力の使用に歯止めがなくなる。このまま声を上げなければ、紛争に自衛隊を動員する前例とされる」と指摘。問題視しない全国的な風潮に、危機感を強調した。


 ヘリ基地反対協の安次富浩代表委員は「軍艦の派遣は反対運動だけでなく名護市長、知事を含めた沖縄全体に対する威嚇だ」と批判。カヌーで阻止行動を続ける市民ら十人余りが、「辺野古にもっと多く来てほしい」と訴えた。


 採択された決議文は「自衛艦派遣は基地負担にあえぐ県民を足げにする暴挙。なりふり構わぬ不法で不当な行動に抗議し、説明を強く求める」と要求した。

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706061300_06.html

 

 

 

沖縄タイムス 社説(2007年6月6日朝刊)

[米軍燃料流出]


地元無視の通報遅れだ


 米軍嘉手納基地の北側滑走路そばの駐機場に、大量のジェット燃料が流出した。二百リットルドラム缶に換算すると、四十三本分に相当する約二千三百ガロン(約八・七キロリットル)という。


 生半可な量でないが、問題はそればかりでない。那覇防衛施設局を通じて地元へ連絡が入ったのは発生から一週間、米軍が覚知してからも数日たっている。地元をないがしろにするもので怒りを通り越してあきれてしまう。


 現場は嘉手納町役場の南八百メートルにあるKC135空中給油機、MC130特殊作戦機などの駐機場。施設局の当初の説明によると、五月二十五日午後八時半ごろ、航空機への燃料補給中に燃料タンクのシステムが正常に作動しなかったため計五千三百ガロンが漏れた。


 三千ガロンはピットと呼ばれる空洞部分にたまり米軍が回収。駐機場のコンクリート上に流れた二千三百ガロンも回収し排水溝から基地外への流出は確認されなかったという。


 県企業局北谷浄水場は、嘉手納基地内にある二十の井戸から地下水を一時間当たり計八百トンを取水して浄化。地元や那覇など七市町村に給水している。地下水への影響がないか心配だ。


 嘉手納基地周辺で復帰前、航空機燃料が地下に染み込み「燃える井戸」が出現したことは地域の記憶から消え去ることはない。米軍の言い分をそのまま受け取ることはできないのだ。


 嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)の野国昌春会長(北谷町長)は「環境への悪影響が懸念される」として、基地内立ち入り調査を求めた。地元住民の生命と安全を守る立場にある首長としては当然の要求であり、米軍が基地外への流出がないというのであれば基地内の調査に応じてしかるべきだ。


 県環境保全課は独自に嘉手納基地周辺の三カ所で、河川や排水溝、わき水から取水し基地外への有害物質の流出がないか調査を始めた。


 米軍基地内で環境に悪影響を及ぼす恐れのある問題が起きた場合、米軍は大使館を通して外務省に通報し、外務省が施設局へ連絡する。


 米軍はその後、五月二十五二十八日は航空機が飛ばず、流出に気付いたのは二十九日と事実関係を修正してきている。施設局の当初の説明と大幅に食い違い不可解だが、それでも二十五日から四日間流れっ放しだったわけで、施設管理のずさんさが問われる。


 外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局は、米軍にもっと毅然とした態度で臨んでもらいたい。米軍の代弁者ではなく、県民の声を米軍に届けるのが本来の役割のはずだからだ。


http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070606.html#no_1

 

 

琉球新報 社説

航空燃料漏出 環境への悪影響が心配だ

 米空軍嘉手納基地内で環境汚染が懸念される大量の航空機燃料漏れ事故が起きた。北側格納庫で約2万リットル(ドラム缶100本分)の燃料が漏出、約1万1000リットルを回収したが約8700リットルは回収できなかった。

 基地外への燃料漏れはなかったというが、地中に浸透し周辺の環境に悪影響を及ぼす可能性も否定できない。

 1967年には嘉手納基地のジェット燃料がパイプ破損で地下水を汚染。周辺の井戸に浸出し、くんだ水が燃えるという深刻な事態を招いた。「燃える井戸」と呼ばれ大きな問題になった。

 基地の外に漏出しなかったからといって、決して安心はできない。

 事故が起きたのは5月25日だが、米軍は6日後の5月31日になるまで那覇防衛施設局に報告していない。施設局が県や地元自治体に連絡したのは発生から1週間後の6月1日のことである。

 基地の中でどんなに深刻な問題が起きても、県民は蚊帳の外だ。これでは基地周辺の住民は安心して生活できない。

 県の対応にも問題がある。1日に報告を受けていながら即座に公表しなかった。4日になって、報道機関の問い合わせに対し初めて事故発生の連絡があったことを認めている。

 県民の生命・財産を守るべき立場の県が、基地内の事故発生を知りながら公表を控えるというのでは、米軍のずさんな基地運用を助長しかねない。

 県は5日に初めて嘉手納基地のフェンス沿いで水質調査を実施しており、対応の遅れは否めない。

 嘉手納飛行場に関する3市町連絡協議会は米軍に抗議することを決定。北谷町長からは基地内立ち入り調査を求める声も出ている。

 県は、米軍に対し再発防止を強く申し入れると同時に、燃料漏出がどの程度環境を汚染したかを把握するため、県や周辺自治体による立ち入り調査の実施を要求すべきである。米軍の事故に対しては、及び腰になるのではなく、毅然(きぜん)とした態度で臨んでもらいたい。

 事故が起きても地元はそっちのけという状態がまかり通る背景には不平等な日米地位協定の存在がある。協定を見直し、米軍関係の事件、事故があれば速やかに関係自治体に通報することを盛り込むとともに、基地内への立ち入り調査についても明文化すべきだ。

 今回の事故に対し地元自治体の議会では抗議決議に向けた動きが出ている。再発防止のためには知事や県議会を含め、住民代表である首長や議会が怒りの声を上げることが重要である。

 米軍は本当に「よき隣人」を目指すのなら、県民の懸念に真剣に耳を傾け、事故が2度と起きないよう抜本的な対策を講じるべきだ。

 

(6/6 10:05)

 

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-24393-storytopic-11.html

 

沖縄タイムス関連記事・社説、琉球新報社説(6月3日、4日)

2007年6月3日(日) 朝刊 1面 

「軍命が死を強要」/「集団自決」シンポ

体験者、再び証言/検定の問題点を論議


 文部科学省の教科書検定で沖縄戦の「集団自決」の記述から「軍命」削除を求める検定意見がついた問題をテーマに、シンポジウム「挑まれる沖縄戦『集団自決』検定を問う」(主催・沖縄タイムス社)が二日、那覇市の県青年会館で開かれた。「集団自決」体験者の金城重明さん(沖縄キリスト教短期大学名誉教授)が「軍の命令以外に住民の死はありえない」とあらためて軍命があったことを証言した。続くシンポジウムで研究者らが検定の問題点について論議。約二百七十人の参加者からは戦争体験を正しく引き継ぐ大切さが指摘された。


 講話した金城さんは、一九四五年三月、渡嘉敷島の「集団自決」を体験。「米軍上陸の一週間前に手りゅう弾が日本軍から住民に渡された。一木一葉まで日本軍の指揮下だった。村長といえど、住民に死を強要することなどできなかった」と語り、軍命による悲劇であることを強調した。


 金城さんは当時十六歳。「スパイ容疑で日本軍が住民や朝鮮人軍夫を処刑した。島に日本軍がいる中、米軍が上陸し、離島の狭い空間で精神的にも追い詰められていき、死につながった。軍隊のいたところでしか集団死は起きていない」と語った。


 講話後のパネルディスカッションでは高嶋伸欣琉球大学教授、安仁屋政昭沖縄国際大学名誉教授、屋嘉比収沖縄大学准教授らが教科書検定の実態や沖縄戦の「集団自決」について議論を深めた。諸見里道浩沖縄タイムス社編集局長がコーディネートした。


 高嶋教授は「沖縄がしっかり意思表示すれば、検定意見を変えさせることは可能だ」と述べ、検定撤回に向けた取り組みの必要性を訴えた。


 フロアからの意見で、現職教員が「戦争体験に全く興味を示さない子どもたちがいる」と語るなど、風化が叫ばれる沖縄戦を継承する難しさがあらためて指摘された。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706031300_01.html

 

 

2007年6月3日(日) 朝刊 21・20面 

厳しい真実証言/「歪曲」に危機感

 「軍命がなければ住民は集団死を選ぶことはなかった」。体験者は静かに語り、「過去の歴史やいまの教育行政に対するうそを見逃さしてはいけない」と研究者が力強く呼び掛けた。二日、那覇市の県青年会館で開かれたシンポジウム「挑まれる沖縄戦『集団自決』検定を問う」では熱心な意見が交わされ、会場からは「まだ間に合う。沖縄戦の正しい姿を教科書に取り戻そう」との声も上がった。


 「私が体験した時は十六歳の少年だった。あの生き地獄から六十二年間、今日まで生かされている」。渡嘉敷島でいわゆる「集団自決」を体験した金城重明・沖縄キリスト教短大名誉教授は、訥々と話した。


 「兄と二人で母や弟、妹に手をかけ、自分たちの順番を待った」。重く、厳しい真実をどう話せばいいのか。考えが行きつ戻りつする。「決して自発的な死ではない。日本軍の命令、強制、抑圧によって死に追い込まれたんです」。一番伝えたい思いが、何度も口をついた。


 パネルディスカッションでは高嶋伸欣琉大教授が、なぜ今年の検定で歴史教科書の「集団自決」の記述から「軍命による」の主語が消されたのか、背景を解いた。


 文科省は「集団自決」訴訟を理由に挙げているが「訴訟は二年前に提訴された。安倍内閣の方針におもんぱかったのでは」と指摘、「教科書が印刷されるのは年末。県民が声を上げ、全国を動かせばまだ修正させることは可能」と呼び掛けた。


 安仁屋政昭沖国大名誉教授は「合囲地境(自陣が陸海空ともに敵軍に囲まれている状態)」という言葉を引き合いに、軍命の存在を裏付けた。「『合囲地境の状況で、民政は存在しない』のが日本軍の常識だ。渡嘉敷、座間味はまさにこの状況だった。大局から見ればすべて軍命だった」と語った。


 一九八二年の教科書検定でも、日本軍による沖縄戦での住民虐殺の記述が削られた。屋嘉比収沖縄大准教授は当時と現在の違いとして「戦争体験者が減少した沖縄社会の変化」を挙げた。


 「非体験者がその次の世代にいかに沖縄戦を伝えるかが課題」と述べ、「八二年当時は教科書検定をきっかけに、県史が売り切れた。今回の危機も、沖縄戦を学び直す機会に」と提案した。


                    


聴衆「全国に届く機運を」


 「この流れを止めなければ」「若い世代につなぐ教育とは」。フロアの参加者からは、高校の歴史教科書から「軍関与」が消されたことへの憤りや、沖縄戦の事実を語り継ぐという重い課題について、さまざまな意見が聞かれた。


 「沖縄戦に関心を持つ生徒と、そうでない生徒の二極化が進んでいる」。うるま市の高校教諭知念勝美さん(37)は語気を強めた。


 学校現場で感じるのは、格差社会が進む中で、親に大事にされず、人とのかかわりが希薄な生徒が増えたことだ。「そんな子どもたちに沖縄戦の背景や証言者の話を聞かせても心に入ってこない。証言者が減っているという量の変化と同時に、若い世代の質の変化という現実を認識して対応することが大事だと思う」


 バスガイドの仲間静香さん(32)=宜野湾市=は、県外の修学旅行生を戦跡に案内するときに金城重明さんの体験談を紹介する。「県外の子は沖縄戦を熱心に勉強しているが、県内での平和教育はどの程度行われているのか。戦争体験者がいなくなった後、誰がどう伝えていくのか危機感を感じる」


 宜野湾市の会社員池田紘子さん(23)も「体験者がいなくなる十年後、二十年後には『軍命がなかった』が当然になってしまう。教科書から事実を削らせてはいけない」と話した。


 「教科書検定はすきをつかれた」と指摘する恩納村の造園業伊波保人さん(51)は「こうしたシンポも自己満足に終わってはいけない。知らない人、無関心な人の目も引く伝え方を考えなければいけない」と訴えた。


 高校の社会科教員を目指す琉球大学四年の松田浩史さん(24)は「体験者の話で分からないことも多かった。疑問をきちんと自分なりに調べ、伝えることを常に意識していきたい」と語った。


 名護市の金治明(キム・チンミョン)さん(56)=在日朝鮮二世=は、政府が歴史を書き換えようとする現状に「ぜひこの流れを止めなきゃ」との思いで駆けつけた。「県内の盛り上がりが弱い感じがして気になる。この問題が全国に届いてほしい」と話した。


市民団体、撤回へ意欲


 文部科学省は二〇〇八年度から使用される五社七冊の日本史A、Bで「集団自決」について、日本軍の関与を記した申請段階の表現の削除・修正を教科書会社に求めた。


 これまでは日本軍の関与を明記してきた教科書会社側も今回は、文科省の修正に応じた。


 これに対し県内では反発が強まっている。仲井真弘多知事が「軍命」削除に疑義を唱え、県内の市町村議会では検定意見の撤回を求める意見書の採択が相次いでいる。公明党県本部も文科省を訪れ、検定意見の見直しを訴えた。


 市民団体や労組は「沖縄戦の実相をゆがめる行為だ」と抗議。「沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」や沖教組、高教組が中心となって、軍関与を記した申請時の表現に戻すよう求めた。


 「すすめる会」などは九日に五千人規模の「沖縄戦の歴史歪曲を許さない!沖縄県民大会」(主催・同実行委員会)を県庁前の県民広場で計画。


県議会に対し検定撤回の意見書決議を求めていく方針だ。


 県議会は一九八二年に文部省(当時)が今回と同様に「住民虐殺」記述を削除しようとしたことに対し、全会一致で意見書を採択。記述を復活させた経緯がある。このため同実行委は県議会の動きに強い期待を寄せている。


 市民団体などは、教科書が印刷され始める秋口まで「二段、三段構えで」運動を強め、「軍命」関与の記述の復活を目指していく。   

 

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706031300_02.html

 

 

2007年6月3日(日) 朝刊 1面 

自民、意見書賛成せず/県議会での採択困難に

 県議会最大会派の自民党は二日、文部科学省の教科書検定で沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」に日本軍が関与したとする記述が、高校の歴史教科書から削除された問題に対する意見書で、「会派内で賛否が分かれ、意見が一致しなかった」として六月定例会で賛成しない方針を固めた。意見書採択は、全会一致が原則。最大会派が合意しないことで、六月定例会での意見書採択は厳しい状況になった。


 五月三十日に開かれた自民党の議員総会では「集団自決は歴史的な事実であり、多くの証言がある。記述を修正すべきではない」という賛成意見が出た一方、「軍命の有無が係争中の裁判で焦点になっている段階での意見書は司法への政治介入になる」という反対があった。


 中には「司法の判断が出ていない段階で、従来の記述を修正すべきではない」などとの賛成意見もあった。


 総会で賛否が分かれたことで、伊波常洋政調会長が県連役員らの意見を聞き取った結果、「議員総会で意見が一致できない状況では、意見書採択に合意できない」と判断した。


 同問題には、護憲ネット、社大結連合、共産党の野党会派は修正検定意見を批判。意見書採択を五月二十九日、具志孝助副議長に要請した。公明県民会議も賛成の意向だった。


 意見書を審議、採決するため今月六日を軸に調整されていた文教厚生委員会(前島明男委員長)の臨時委員会も見送られる可能性があり、開会を求めていた野党の反発は必至だ。

 

 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706031300_03.html

 

 

2007年6月3日(日) 朝刊 20面 

憲法守る決意 強くアピール/「9条の会・首里」1周年

 九条の会・首里(代表世話人・垣花豊順弁護士ら)は二日、那覇市の首里農協ホールで一周年記念集会を開いた。約九十人が出席し、「平和を守り抜くことを強く訴える」とするアピール文を採択、決意を示した。


 集いでは映画「戦争をしない国日本」の上映後、奈良市在住の岡谷よし子さん(54)が「平和のためにできること」と題し報告。昨年四月、平和美術展を開催し平和を訴える美術品を募集した活動を説明、「平和の大切さに気づいてもらえる展覧会だった」と話した。


 代表世話人の垣花さんは「今後もあらゆる機会に手を取り合い、息の長い活動をして行こう」と呼び掛けた。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706031300_08.html

 

 

琉球新報 社説

低周波音被害 元凶はほかにもあった


 那覇地裁沖縄支部が実施した普天間爆音訴訟の現場検証で測定された低周波音は、環境省の参照値を超える数値が測定されていたことが明らかになった。


 低周波音については、原告らをはじめ普天間飛行場の付近住民らが以前から指摘し、訴えてきた基地被害だ。住民を苦しめている爆音被害は、航空機騒音の環境基準であるWECPNL(うるささ指数)に加え、低周波音も恒常的に影響していることが科学的に裏付けられたことになる。


 現場検証は、年度末に予定されている訴訟の判決に向け5月に実施された。測定ポイントは、宜野湾市大謝名、佐真下、野嵩、喜友名の4カ所。いずれも普天間飛行場にほど近い。


 検証では原告と被告である国の双方が同じ種類の測定機器を用いて騒音や低周波音を計測。その結果、低周波音は4カ所のうち3カ所で92デシベルを超えていた。最大で97.5デシベルに達した。


 低周波音は、人間の耳には聞こえにくいが、音は感じなくても頭痛や吐き気のほか、耳鳴りやイライラ、不眠など人体に影響を与えるとされる。環境省の「低周波音への苦情のための参照値」によると、心身に苦痛をもたらす低周波音のレベルは92デシベルである。この数値のほかにも周波数ごとに設定された参照値があり、4カ所すべてで参照値を上回っていた。


 普天間飛行場の周辺地域のほとんどの人々は、日常的に深刻な被害にさらされているのである。


 実際に一度でも体験すればすぐに分かることだが、ヘリ部隊が普天間基地周辺にまき散らす騒音は尋常ではない。


 体を震わせるほどの重く低い音が屋内に響き、時に激しい騒音を発しながら離着陸や旋回が繰り返される。この異常さには何十年住んでも慣れることがない。


 窓を閉めても屋内にこもるヘリの低周波音に襲われる。理不尽この上ない。住民を苦しめる元凶の排除は政治の責任だ。また司法はどう判断するのか、判決の行方も注視したい。


(6/3)

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-24299-storytopic-11.html

 

 

2007年6月4日(月) 朝刊 18面 

ジュゴンの会 目視調査/名護市辺野古沖

米大学博士らが指導


 【名護】米軍普天間飛行場の移設先、名護市辺野古沖周辺に生息する国の天然記念物ジュゴンの生息環境調査を行っている市民団体「北限のジュゴンを見守る会」(鈴木雅子代表)が三日、ジュゴンの餌である藻場の目視調査を実施した。同会は今後、年四回程度で調査を続けていく。


 同会では昨年十一月から辺野古周辺海域で実施している調査の試行で、数カ所のジュゴンの海草の食み跡を確認している。同日はボランティアダイバーを募集し、「マンタ法」と呼ばれる時速三キロ程度で進む船からダイバーをえい航して、ジュゴンの餌である藻場の目視によるモニタリング調査を実施。米サンフランシスコ州立大学のエレン・ハインズ博士らが指導した。


 中城村から初めて参加したという会社員の男性(46)は「このような貴重できれいな自然が壊されるのは残念で、なくしてほしくない」と話した。


 鈴木代表は「市民の手で具体性のある科学的な調査をしないと、ジュゴンを保護できない。これまでの試行の結果なども踏まえて専門家と協議し、今後の方針を決めていきたい」と話した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706041300_04.html

 

 

沖縄タイムス 社説(2007年6月4日朝刊)

[「集団自決」と軍命]


「魂の叫び」に応えたい


「軍が駐留した島で起きた」


 「あの悲劇は、決して自発的な死ではない。軍隊が駐留していた島でしか起きていない。日本軍の命令、強制、抑圧によって死に追い込まれたのです」


 十六歳の時、生まれ故郷の渡嘉敷島で「集団自決」を体験した金城重明氏(沖縄キリスト教短期大学名誉教授)は、言葉を一つずつかみしめるように静かに語った。


 文部科学省の教科書検定で沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」の記述から「軍命」削除を求める検定意見がついた問題で二日、那覇市内で開かれたシンポジウム「挑まれる沖縄戦『集団自決』検定を問う」(主催・沖縄タイムス社)。


 金城氏は「皇軍の支配は一木一葉に至るまで及んだ。軍の命令以外に住民の死はあり得なかった」と、あらためて軍命があったことを証言した。


 沖縄戦の悲劇の極みとも言うべき「集団自決」は、米軍が上陸した一九四五年三月二十七日をはさんで、二十六日に慶良間諸島の座間味島と慶留間島で、二十八日に渡嘉敷島で起きた。


 三つの島々で約七百人の住民が犠牲になったが、金城氏は日本軍の海上挺身隊が配備された島々でしか、集団自決が起こっていないことを強調している。


 日本軍の命令があったかどうかについては、大阪地裁で係争中の訴訟で元戦隊長から軍命を否定する意見陳述がなされている。


 しかし、軍命の物的証拠がないからといって「強制はなかった」と言い切れるのかどうか。


 集団死には、当時の住民が軍や官と運命を共にする「共生共死」や「鬼畜米英」への恐怖心、「生きて虜囚の辱めを受けず」(戦陣訓)の軍国思想などさまざまな要因が複雑に絡んでいる。


 沖縄戦では、方言を使っただけでスパイ行為をした者として死刑になるなど虐殺された住民も少なくない。


 軍の命令があったかなかったかは、必ずしも言葉による命令があったかなかったかだけで決められるものではないことを見落としてはなるまい。


強制された「軍民共生共死」


 軍は「米軍の捕虜になるな」と命令するとともに、「いざという時」のために、住民に手りゅう弾を配っていたという証言が数多くある。


 そうした状況下で米軍が上陸し、住民が手りゅう弾などで自決したことは、まさに日本軍の強制、誘導があったと言ってしかるべきだ。


 安仁屋政昭・沖縄国際大学名誉教授は「合囲地境」という旧戒厳令の用語を使って、軍命の存在を指摘した。


 陸海空ともに敵の包囲、攻撃などに直面した状態で、「軍民共生共死の一体化が強制された」と指摘している。


軍の圧力や誘導がなければ、集団死も起こらなかったとみることができる。


 高嶋伸欣琉球大学教授は「沖縄がしっかり意思表示すれば、検定意見を変えさせることは可能だ」と述べ、検定撤回に向けた取り組みの必要性を訴えた。


 県内の市町村議会では「軍命」削除に異議を唱え、検定意見の撤回を求める意見書の採択が十市町村を上回り、今後も増える見通しだ。


 四日には、東村の東中学校三年生全員が同村議会に検定意見の撤回を求めて請願書を提出する。


 「教科書から歴史的事実を削らせてはいけない」という子どもたちのけなげな訴えに、土砂降りの雨が上がり、明るい日が差したような安堵感がわいてくる。


「政治介入」と自民反対


 だが、県議会最大会派の自民党は「会派内で賛否が分かれ意見が一致しなかった」として六月定例会で検定意見の撤回には賛成しない方針だ。


 「軍命の有無が係争中の裁判で焦点になっている段階での意見書は、司法への政治介入になる」と、反対意見があったという。


 県議会は、八二年に文部省(当時)が今回と同様に「住民虐殺」の記述を削除しようとした際、全会一致で意見書を採択、記述を復活させた経緯がある。


 県民の自治に関する意思決定機関であり、県民意思を代弁し、行動する意味は重い。


 屋嘉比収沖縄大学准教授は「今回の教科書検定を「沖縄戦を学び直す機会にしたい」と提案した。


 軍命関与の真実を究明し、無残にも自決した人たちの「魂の叫び」に応えたい。


http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070604.html#no_1

 

 

2007年6月4日(月) 夕刊 5面 

南城・宮古島議会 決議/「集団自決」軍関与削除

 【南城・宮古島・久米島】南城市議会(川平善範議長)は四日午前、六月定例会初日の本会議で、文部科学省の検定で高校の歴史教科書から沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」に日本軍が関与したとする記述が削除された問題に対して、検定意見の撤回を求める意見書を全会一致で可決した。


 宮古島市議会(友利恵一議長)も同日午後、全会一致で可決した。県議会最大会派の自民党は会派内で賛否が分かれているとして賛成しない方針とされるが、同市議会最大会派の自民党七人は賛成した。


 また、久米島町議会(仲地宗市議長)も同日午後臨時会を開き、検定意見の撤回を求める意見書を全会一致で可決する見通し。


 南城市議会は、沖縄戦の「集団自決」について「日本軍による命令、強制、誘導などなしに起こり


得なかったことは紛れもない事実だ」と指摘した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706041700_04.html

 

沖縄タイムス関連記事・社説(5月31日?6月2日)

2007年5月31日(木) 朝刊 1面

米国法で氏名非通知/沖国大ヘリ墜落米兵

外務省は一定理解

 二〇〇四年の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故で、県警が被疑者不詳のまま、航空危険行為処罰法違反容疑で書類送検する方向で最終調整していることに関連し、外務省の重家俊範沖縄担当大使は三十日の定例記者会見で、米国のプライバシー保護法に基づき、事故にかかわる米軍関係者の日本側への氏名通知はできない、との説明を米国から受けていることを明らかにした。米国の軍法会議では事故機の整備に関与した整備士四人が降格、減給、けん責の処分を受けたという。

 日本国内の米軍提供施設外で発生した事故で、米本国では関係者が処分されているにもかかわらず、日本には氏名すら明らかにされないいびつな実態が浮かんだ。

 同事故に関する米側の対応について重家大使は「公務執行中のことであるし、おそらく米国は一次裁判権を行使したと考えているだろう。そういうことを踏まえて考えるべきかと思う」と述べ、一定の理解を示した。

 重家大使は同事故について「今まで警察当局と連携し、米側にも日米地位協定の下での捜査協力の一環として情報提供を求めてきた」と説明。その上で、米軍関係者の氏名通知に関しては「残念ながら米側からは、日本側の要請を真剣に検討したが、国内法で具体的な氏名の通報はできないとの説明を受けている」と話し、今後も氏名通知を受ける見通しがないことを明らかにした。

 米国が日本側に氏名を通知できない根拠については、米国のプライバシー保護法に基づき、米国防長官の権限で判断されたという。

 米国内で処分された四人のうち二人は降格、二人は減給とけん責。

 米軍関係者の容疑者の氏名が日本側に通知されなかったことについて法政大の本間浩教授(国際法)は「米軍人が公務執行中の場合、日米地位協定上は一次裁判権が米側にあるのは了承せざるを得ないとしても、二次的には日本に裁判権がある。その意味では日本側にも行使を担保しており、容疑者の氏名の通知要請に応じるのは当然のこと。特に今回の場合、公務執行中といっても非常事態とは思えない。米側は氏名を公表する責任があり、日本側が抗議しないのは問題だ」と日本側の対応を批判。

 さらに、米国内法が適用されたことについて「プライバシー保護法は本来、犯罪行為者のプライバシーを守るためにあるのではなく、犯罪行為者の氏名などの公表によって第三者に迷惑を掛ける場合に限り適用される。だが今回は、氏名の公表で例えば米軍ヘリのメカニズム的な軍事機密の保持に支障が出ることには結び付きようがなく、論理的におかしい」と指摘する。   

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705311300_01.html

 

沖縄タイムス 社説(2007年5月31日朝刊)

[米軍再編閣議決定1年]

「こう着」の責任は政府に

 在日米軍再編に関する閣議決定から一年が過ぎた。政府はこの間、普天間代替施設の建設に伴う海域の現況調査(事前調査)に着手し、再編への協力度合いに応じて地方自治体に交付金を支払うことを柱とした「米軍再編推進法」を成立させた。

 米軍再編を「法制面、経費面を含め的確、かつ迅速に実施する」とした閣議決定は着々と進んでいるかのように見えるが、果たしてそうだろうか。

 普天間飛行場の移設をめぐっては、名護市と県が「V字形滑走路案」の沖合移動を要求。仲井真弘多知事は滑走路の位置が明示されるアセス方法書の受理を拒否する姿勢で、建設計画などを話し合う協議会開催は一月以来ストップしている。

 牧港補給地区、キャンプ桑江など五基地の全面・一部返還についても、在沖米海兵隊八千人のグアム移転計画の詳細が決まらず今年三月末までに予定していた計画の策定が遅れている。

 閣議決定で強調された「地元の負担軽減」の実効性は見えない。

 嘉手納基地周辺の騒音被害軽減を目的に米軍戦闘機が本土で訓練を実施した五月十六日からの七日間に、七〇デシベル以上の一日の騒音発生回数が嘉手納町で百七十五回(二十一日)、北谷町で二百一回(十七日)計測。最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプターの一時配備に加え、AV8ハリアー垂直離着陸攻撃機など外来機の飛来で騒音被害は逆に増えている。

 沖縄の状況を見る限り、閣議決定は進んでいない。そのせいだろうか、政府の強行な対応が目に付く。辺野古沖での事前調査に海自隊員を投入し、海底に設置した機器でサンゴの一部を損傷させるなど、手法が荒っぽい。

 そもそも、一年前の閣議決定について、県や名護市は「地元の考えを反映していない」などとして、不満や遺憾の意を表明したが、政府は聞く耳を持たなかった。

 閣議決定を「こう着状態」にした責任は政府にある。結論ありきの強行姿勢では、沖縄の基地問題は解決しない。

http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070531.html#no_2


2007年6月1日(金) 朝刊 37面

教諭ら被害証言/普天間訴訟証人尋問

 【沖縄】米軍普天間飛行場周辺住民が国に夜間飛行差し止めと損害賠償を求めた普天間爆音訴訟で、初めての証人尋問が三十一日、那覇地裁沖縄支部(河合芳光裁判長)で行われた。宜野湾市内の保育所と小学校の職員が爆音にさらされる子どもたちの被害について証言した。

 滑走路の延長線上にある市嘉数の保育所副園長仲田竜一さん(42)は、一歳から六歳までの子ども約百人が通う保育所の真上を、ほぼ毎日輸送機や戦闘機が通過する現状を説明。「子どもが昼寝をしていると戦闘機の爆音で跳び起き、泣き叫ぶ」と被害を訴えたほか、「騒音の被害と同時に、子どもたちが戦闘機に見慣れてしまうのは異常だと感じる」と述べた。

 教諭の嘉手苅直さん(46)は二〇〇六年四月から一年間、普天間第二小学校で教えた。「騒音で授業や行事が中断され、児童の集中力が鈍り学習効果が薄れてしまう可能性がある」と懸念。騒音に反応を示さない児童については「身体では被害を感じており、それを押し殺している」と説明した。

 閉廷後の進行協議では、同市外から市内に転居してきた住民約百三十人を対象に、国の主張する「危険への接近」についての質問書を送付し、転居経緯などを調査することが決まった。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706011300_03.html


2007年6月1日(金) 朝刊 37面

40メートルのオリ解体/楚辺通信所

 【読谷】二〇〇六年十二月に全面返還された読谷村の米軍楚辺通信所(通称・象のオリ、約五三・四ヘクタール)で三十一日、本格的な撤去作業が始まり、高さ約四十メートルある円筒形アンテナが取り壊された。

 同日午後一時ごろ、同施設局から委託を受けた業者が重機を使用して作業を開始。「オリ」を連想させる鉄柱は「ギシギシ」と音を立てながらゆっくりと傾き、約四十分後に完全に倒れた。那覇防衛施設局によると、鉄柱は全部で三十本あり、一日に五本ずつ撤去していく予定という。

 同通信所は一九九六年に日米特別行動委員会(SACO)で返還合意。同施設局によると、六月の工期終了までにさら地にし、地主に引き渡される。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706011300_04.html


2007年6月1日(金) 朝刊 36面

あす「集団自決」シンポ

 沖縄タイムス社は二日午後二時から、那覇市久米の沖縄県青年会館で緊急シンポジウム「挑まれる沖縄戦―『集団自決』検定を問う」を開催する。高校歴史教科書の「集団自決(強制集団死)」をめぐる検定について、体験者や識者を交えて考える。入場無料、同午後五時まで。

 渡嘉敷島での「集団自決」を生き延びた金城重明さんの講話、安仁屋政昭・沖縄国際大名誉教授▽高嶋伸欣・琉球大教授▽屋嘉比収・沖縄大准教授によるパネルディスカッションがある。コーディネーターは諸見里道浩・沖縄タイムス編集局長。

 問い合わせは、沖縄タイムス読者センターまで、電話098(860)3663。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706011300_08.html

 

沖縄タイムス 社説(2007年6月1日朝刊)

[サンゴの病]

CO2抑制し死滅から救え

 沖縄の海は、サンゴが放卵する季節に入り、命のダイナミズムに満ちている。だが、死滅するかもしれない危機に直面しているのも事実だ。

 サンゴが白くなって死ぬ「ホワイトシンドローム」という病気が、海水温の上昇で増えることを、米とオーストラリアの研究チームが突き止めた。

 同じ病気は慶良間海域の安室島南岸でも発生しており、看過できない深刻な問題である。

 以前から沖縄周辺海域でも、海水温の上昇により共生藻が脱落して起きる白化現象がしばしば見られた。

 ホワイトシンドロームはこれとは違い、組織そのものが壊死し群体全体の死滅に至る。安室島の事例では、大きなテーブルサンゴが罹患しやすく、汚染のない海域でも発生している。

 今のところ、病変部分を切除することによって進行を食い止める以外に対策はないという。発生のメカニズム解明と、防止策の確立が急がれる。

 サンゴの死滅は、そこに依存する小動物から回遊魚まで、海の生態系に重大な影響を及ぼす。

 経済的にも価値は高い。

 世界自然保護基金(WWF)は、さんご礁が観光や漁業で年間三兆六千億円の経済効果をもたらし、日本は二千億円の利益を得ていると試算した。

 そのほか、リーフは台風や津波で外洋から打ち寄せる大波を和らげる。

 県内ではオニヒトデ駆除や移植・再生の試みがなされている。だが、サンゴそのものが死滅したのでは、これらも徒労に終わってしまう。

 やはり大敵は地球温暖化だ。

 水温上昇により、ほかの病気も増える恐れがあると研究チームは警鐘を鳴らしている。

 さんご礁は、温暖化の原因である二酸化炭素を吸収し固める働きがある。サンゴが減り温暖化が加速するという悪循環は、何としても避けたい。

 私たち一人一人ができることは、こまめな節電やリサイクルなどを心掛け、少しでも二酸化炭素の発生を抑えることである。

http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070601.html#no_2

 

沖縄タイムス 社説(2007年6月1日朝刊)

[米兵氏名非通知]

こんなことが許されるか

 これでは復帰前と全く変わっていないと言わざるを得ない。

 沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故で、米側が処分した二等軍曹や伍長ら整備士四人の名前を明らかにしないと日本側に通知したことである。

 政府がこのことを容認したのであれば、それ自体、県民を裏切る行為といっていいのではないか。

 事故は民間地で、しかも大学の構内で起きている。事故原因もまた、整備員が後部回転翼を固定するボルトにピンを付け忘れた結果だというのがはっきりしているではないか。

 にもかかわらず、米軍は軍法会議で整備士四人の降格と減給、けん責処分をしただけで、日本側には氏名を通知しないことを決めたという。

 重家俊範外務省沖縄担当大使は、通知できない理由について「米国のプライバシー保護法に基づき、米国防長官の権限で判断された」と述べている。

 米側の説明に政府は「仕方なし」と判断したのだろうか。もしそうなら、それこそ重大な瑕疵といっていい。国民を守るべき政府が自らの責任を放棄したと言われても仕方がないからだ。

 県民は復帰前、米兵による殺人事件や重大事故なのに当時の警察は手が出せず、MPの処理で、犯人は米本国に送還されたまま罪も罰も受けなかった事例があることを覚えている。

 政府は、このような記憶を持つ県民の心情を考えたことがあるだろうか。

 私たちには米側が問題を深刻に受け止め、かつ四人の氏名公表について真剣に検討したとはとても思えない。

 「外務省にこう伝えれば、きっと納得するはずだ」としか考えていなかったのではないか。これまでの米軍の対応を見ると、そう受け取らざるを得ないのである。

 これでは法治国家とはとてもいえず、対等で健全な関係を標榜することにも疑問を覚える。同盟関係の強化を目指すのであれば、まずこのような法的関係をきちんとすることから始めるべきだろう。

 日米地位協定の壁だが、この事故では県警も航空危険行為処罰法違反の疑いで被疑者不詳のまま書類送検し、捜査を終結する方針だという。

 容疑者ははっきりしているのに、それを特定できない「被疑者不詳のまま」にしなければならない県民の悔しさ。政府には、そのことが持つ意味をしっかり把握する責任がある。

 在日米軍基地の75%を沖縄に背負わせたまま、事故が起こってもきちんと対応できない政府の姿勢を、県民が冷ややかな目で見ていることを忘れてはなるまい。

http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070601.html#no_1


2007年6月1日(金) 夕刊 7面

南風原壕公開 待ちきれない/県内外から予約1000人

 【南風原】十八日から一般公開される「沖縄陸軍病院南風原壕群二十号」に、県内外から予約や問い合わせが相次いでいる。同壕群を管理する南風原文化センター(大城和喜館長)によると、九百八十七人が八月までの見学を予約した。

 六月(十八日以降)が五百四十人、七月が三百九十九人で県内外の予約が半数ずつだという。同センターの金城清文化班長は「八月以降は余裕がある」という。

 公開される二十号壕は全長七十メートルの手掘りの横穴壕。黄金森公園にある小高い丘の一帯には二十号壕を含め約三十の壕が掘られ、「ひめゆり学徒隊」が多くの負傷兵の看護作業に従事したことで知られている。

 見学は午前九時から午後五時までで毎週水曜日は休館。「南風原平和ガイド」が案内役を務め、完全予約制となる。

 見学料は南風原町内の一般が二百円、小中高生が五十円、町外の一般が三百円、高校生が二百円、小中学生が百円。二十人以上で団体割引がある。

 問い合わせは南風原文化センター、電話・ファクス098(889)7399。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706011700_03.html

 

2007年6月1日(金) 夕刊 7面 

米軍学校教師が大麻栽培/北中城

 米軍人・軍属の子どもが通うキャンプ・フォスター内の久場崎ハイスクール=北中城村=の教師が自宅で大麻を栽培したとして、五月中旬に逮捕されたことが一日までに分かった。米軍準機関紙「星条旗」が同日、報じた。

 九州厚生局沖縄麻薬取締支所は「共犯者を含む周辺捜査に影響を及ぼす恐れがあるため、詳細は明らかにできない」としている。

 星条旗の報道によると、教師は北谷町内の自宅の庭で大麻を栽培した疑い。同支所や米海軍捜査機関(NCIS)などが連携し、自宅を捜索、栽培大麻や吸引に使ったとみられるパイプなどを押収したという。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706011700_04.html

 

2007年6月2日(土) 朝刊 2面 

業務委託料 23億円に/辺野古調査

 【東京】政府は一日、米軍普天間飛行場の名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への代替施設建設に伴う海域の現況調査(事前調査)業務の民間委託料が二十三億四千五百七十万円に上ることを明らかにした。

 閣議決定した答弁書で、照屋寛徳衆院議員(社民)の質問主意書に答えた。

 委託業務料の内訳は「海象等の調査」六億五千百万円、「サンゴやジュゴン等の調査」十六億五千九百万円、「サンゴの着床具の設置等」三千五百七十万円。

 同調査への自衛隊動員の法的根拠については政府統一見解として、「国家行政組織法第二条第二項の規定の趣旨(官庁間協力)を踏まえ行った」と説明。「現況調査は環境影響評価法に違反するものではない」との認識を示した。

 今回の調査で「サンゴが大規模に破壊損傷されている」との照屋氏の指摘については、「調査はサンゴ類の増殖環境を把握することを目的としているため、着床具はサンゴが密に生息している地域ではなく、その周辺に設置している。当該海域のサンゴの生息環境に大きな影響を与えるものではない」とした。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706021300_04.html

 

2007年6月2日(土) 朝刊 25面 

東中生徒、撤回求め請願/「集団自決」修正

村議会へ4日提出 意見書可決訴え

 【東】教科書検定で高校の歴史教科書から沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」に関する日本軍関与の記述が削除された問題で、東中学校(島袋きよみ校長)三年の生徒らが四日、検定意見の撤回を求める意見書を可決するよう東村議会(安和敏幸議長)に請願書を提出する。生徒は三年生全員の十四人。「何も意見を出さなければ、賛成していると同じ。戦争を二度と起こさないため、東村からも教科書の内容を変えることに対し、意見を出してください」と訴えている。

 請願書は、社会科の平和学習の中で「集団自決」をテーマに書いた意見文を基に作成した。

 「集団自決は『自分で決める』と書いてあるけど、子どもや赤ちゃんは本当に自分で決めたことではないと思う」「日本軍が犯したことを隠していたら、戦争体験者はつらいと思う」など、教科書検定問題の新聞記事を読みながら、A4判の用紙いっぱいにそれぞれの考えを書き、全員で読み回しして、話し合った。

 指導した北島幸三教諭(37)は「生徒の素直な思いがつづられているので、真剣に受け止めてほしい」と話している。

 安和議長は「子どもたちは純真な気持ちで来ると思う。議員全員でしっかりと検討したい」と語った。

 手作りした新聞記事のスクラップも、請願書に合わせて提出する。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706021300_08.html

 

2007年6月2日(土) 夕刊 5面 

低周波音参照値上回る/普天間爆音

現場検証全4カ所 最大97・5デシベル記録

 【宜野湾】那覇地裁沖縄支部(河合芳光裁判長)が五月十七日に宜野湾市内四カ所で実施した普天間爆音訴訟の現場検証で、ヘリコプターなどから発生する低周波音が最高九七・五デシベルを記録し、全四カ所で環境省が定める「心身に係る苦情に関する参照値(九二デシベル)」を上回る低周波音が測定されていたことが二日、分かった。同訴訟原告団によると、航空機騒音訴訟の現場検証で低周波音を測定したのは全国で初めて。

 低周波音は航空機騒音のW値(うるささ指数)とは異なり、人間の耳には聞こえにくい一〇〇ヘルツ以下の音波。ISO(国際標準化機構)の定めた計算方法によってデシベルに換算され、被害の大きさを表す。

 距離によって被害が減少しにくく、壁などの遮へい物を通過する特性がある。人によっては不眠やいら立ち、頭痛や吐き気などの影響を受ける。

 環境省が作成した「低周波音問題対応の手引書」では、参照値九二デシベル以上の低周波音は人体が心身の苦痛を感じる可能性がある、としている。

 現場検証は米軍普天間飛行場の北側、南側のそれぞれ二カ所で実施された。宜野湾市大謝名、佐真下、野嵩、喜友名の計四カ所で原告、国がそれぞれ同種類の機器を使用し、低周波音と騒音を測定。全四カ所で参照値を上回る低周波音が記録された。

 国はこれまでの口頭弁論で「各原告の低周波音の被害について具体的な立証がされていない」と主張。原告団は「騒音だけでなく、低周波音と相まって健康や精神的被害を憎悪させている」と反論していた。

 参照値を上回る低周波音が測定されたことについて、島田善次原告団長は「ヘリによる離着陸が多い普天間飛行場周辺の低周波音という特殊な被害が数値で明らかになった。裁判所は通常の騒音だけでなく低周波音被害も考慮した判断をしてほしい」と訴えた。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706021700_03.html

 

2007年6月2日(土) 夕刊 5面 

平和求めた元学徒追う/元教師の外間さん

「9条の大切さ伝えたい」

 「師範学徒の宮良英加さんについて知ってほしい」。沖縄戦で亡くなった石垣市出身の宮良さんの命の軌跡を、県出身で元教師の外間喜明さん(62)=神奈川県=が取材している。外間さんは「教壇に立ちたかったと言い残し、戦場へ行った宮良さんの思いに応え、戦争のない時代をどう築くか。私たちに問われている」と話す。

 東風平町出身の外間さんは沖縄の本土復帰前、十七歳で本土へ渡航。働きながら大学で学び、社会科教師になった。「憲法を教える時、沖縄のことを通して伝えてきた」。沖縄戦を通し平和問題を考える中、宮良さんの存在に出会った。学友や遺族からの聞き取りで、戦時下でも人間的に生きようとした宮良さんの姿に触れた。

 当時十九歳の宮良さんは沖縄師範本科四年生。外間さんは、人柄をこう説明する。「同郷の壮行会で教師の夢を断たれる無念さと女子学徒に生きて教壇に立てと諭した」「捕虜になった米兵に食料を与え、日本兵から激しい暴行を受けた」「病院壕で腕を切り落とされ『チョークが持てなくなった』と悲観していた」

 外間さんは「改憲の動きの中で宮良さんの姿を通し、九条を守る大切さ、戦争を二度と起こしてはいけないと伝えたい」と話す。

 戦後六十年の二〇〇五年に、平和への思いをつづった本「うちなー讃歌」を五千部出版、五月改訂版を出した。出版がきっかけで、講演や沖縄への平和学習ツアーも開催。「ヤマトと沖縄の懸け橋になりたい」と話す。

 問い合わせ・情報提供は外間さん、携帯電話090(5384)1886。   

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706021700_04.html

米軍基地をなくす闘い、国内外の動き これでも沖縄の負担軽減?!

米軍基地をなくす闘い、国内外の動き
これでも沖縄の負担軽減?!
■ 米国外への展開は初めての、最新鋭ステルス戦闘機
F22Aラプターの嘉手納基地配備に2/10に続いて、2/18
にも抗議集会が行われた。「これ以上の騒音を押しつける
のか」「他国との緊張呼ぶ」「戦争が近づいている事を感じ
る」と参加者は沖縄のますますの基地強化に、怒りの声を
あげた。
■ 県民の水がめに塗料弾!沖縄県北部の東村、福地ダムなどで米軍のペイント(塗料)弾が大量に発見された。米軍の武器管理のずさんさと、沖縄県民の安全な生活への危機がまたしても露出。
■ パラシュート訓練強行

米軍は今年1月、嘉手納基地での降下訓練に引き続き、2/13には、名護市キャンプ・シュワブ大浦湾でパラシュート降下訓練を実施した。市や県の訓練中止の求めも無視。96年のSACO合意に違反する、米軍の訓練強行に地元や市民団体は強く反発。
■ 米軍基地拡張に反対!イタリア、北部ビチェンツァで、2/17米軍基地拡張に反対する、12万人デモ集会が行われた。
■ 「米軍基地と人権―基地再編がもたらすもの」シンポジウムが2/9
東京弁護士会主催で都内で開催。我部政明琉球大教授が基調講演。全国から180人が参加。米兵犯罪の被害者や弁護士から日米地位協定の見直しを求める声があいついだ。